2017/06/20

GWの子ドンキ 4

 さて、最後にしましょ……というか、3に入ってたはずだったのに、途中でSafariが飛んだおかげで力尽きたのさ……。

 初日のエスパーダは気合いたっぷり岸本くん。ときどき目がイっちゃってたような気もするんだけど、キレもよいし、なにより「花形」感増し増しなのがよい。ぼちぼちバジルも来てもいいのになあ。
 初役のブラウ。見せ方はさすがに上手いし、見栄えもするんだけど、踊りの詰めはちょこちょこ甘いところが。まあ初役だからね。ただ端々が東バスタンダードと違うのが気になる。例えば1場のソロ(本来なら酒場のソロ)で、掌を下に向けて大の字でフィニッシュなのが、掌も手も「ドヤ」な上向きで終わるとか。レジェンドが見てるからそれはそれでいいってことなんだろうけど、ゲストじゃなくて団員なんだからそこはスタンダードで勝負して欲しいなあ、と。

 中村(え)くんのラストサンチョ。くるくると大活躍でしたーヽ(´▽`)/! 本当にもったいないなあ……。馬とのコンビは例によって大人気。馬、本当に人気者だな……。どんどんフリーダムになっていくよ……。嵐の場面で、幕にからまっちゃったガマーシュとロレンツォを後ろ脚で蹴り上げるの、どんどん派手になっていくような……( ̄▽ ̄)。カテコでは恒例馬の脚4人の技合戦。去年の公開ゲネプロの時に友佳理監督が、馬の中の人がみんなすごく踊れるダンサーだということを見せたい、と言っていた通りですね。最終日はこれも恒例(?)、非番のプリンシパル2人による馬の脚増量に加えて、川島さんが人形芝居の衣装で乱入( ̄▽ ̄)。これもまた恒例のキホーテ・エグザイルとともに狂乱のうちに終わったのでありました。はー、楽しかった。

 で、お余所の舞台をみてあれこれ言うのもあまり好ましくはないのはわかっているのだけど、松山の「子ども版ロミジュリ」の後で、やっぱり東バの「子ドンキ」「子眠り」はよくできるな、と思ったわけです。何がよいかというと、進行役の「しゃべる人」が特定の1人だということ(今回雄叫びあげた人がいたけど)、踊りにセリフが(ほぼ)かぶらない、という二点。あとは子ども用というと光藍社の「親子祭シリーズ」くらいしか観ていないので、さらに余所ではどうしているのかはわからないし、松山の夏のガラなんかは光藍社のに近い感じなのだけど。「しゃべる場面」と「踊り/マイムの場面」の領域の区分けとバランスというのは、存外大切なのだなあと思ったことでした。

| | コメント (0)

2017/06/16

GWの子ドンキ 3

 なんかもう今更なんだけど、書かないと先に進めないし、覚えてるところだけちょっとだけ。

 秋元&川島ペア。秋元さんも川島さんも、それぞれに誰と組んでもOKだし(サイズ的な制限はあるにせよ)、このペアでももちろんOK(ただ個人的には川島さんなら弾くんが割と好きかなー)。なぜか、バヤもこのペアだと思ってたんですね。で、秋元くんは踊りは素晴らしいけど全体に大味、という印象があって、川島さんは相手の演技をぐいぐい引き出していくタイプなので(その意味では友佳理さんと美佳さんの間くらい。友佳理さんは観てる方が「すげー( ̄0 ̄)!」っていうくらい相手を変えるけど、美佳さんはそうと見えないくらいに無色のままで相手を変えてしまう魔性型)、これで否応なしにドラマチックなバヤをやったら秋元さんも一皮剥けるのではと思ったのに残念な……と思ったら、なんと4月のシュツットガルトではこのペアでバヤをやったそうで。要領を得ない話になってますけど、要するに期待通りに秋元さんの芝居に「一皮剥けた」感がありましたよ、と。もちろんレジェンドの熱血指導のおかげもあったのだと思うけど。

 宮川&沖ペア。宮川くんもなんとなく使いどころがわかりにくいというか。当てられた役は「まあ期待通り」にはなってるんだけども、「これは適役!」って感じにはなりにくいというか。これはこれで特にどうこう文句言う程でもないんだけど、だったら(任意の誰か)でもよかったかなというかそっちが見たいかな、というか。悪くないだけに難しいねぃ。好みの問題なのかなあ。

 川島さんと沖さんについてはもう言うことなしなので。個性が全然違うだけにそれぞれ楽しい。川島さんがしっかり者で、沖さんがちゃっかり者かな( ̄▽ ̄)。ガマーシュ&ロレンツォとの組み合わせもそれぞれによい。

 木村キホーテは、ザッキーとはまた別の方向で極めたような。あんまり老人芝居が上手くなるとそれはそれで不安がくるのじゃ……( ̄▽ ̄)。キッチンボーイやキューピッドの子役さんたちへのまなざしが、孫を見る目になってるよ……。1幕のキホーテは、広場に来た辺りのところと、テーブルのセッティングを待ってる間、宙を飛ぶミルタが見えてたりするんだけど( ̄▽ ̄)、前は入戸野くん、後はガマーシュがちゃんと「何? 何が見えてんの?」って付き合ってくれるのがいいんだよなー(ザッキーのマジっぷりが最高)。1幕のバジルのソロの間に「ワシは見んぞ!」ってそっぽ向いて拗ねて、でもやっぱり見ちゃって「うおおー!(こりゃなかなか)」ってなるのも可愛い。

 でも可愛いといえばやっぱり夢の場のトロワ(ドルシネアのソロにキホーテとキューピッドが参加)で、ドルシネアの手を取った後に移動しながら自分の手をじっと見つめてるのが、「オレもう絶対手は洗わないんだ……」って感じですごく可愛いんですけどね。ここでキホーテの夢を叶えてあげるのは、脚本の立川技術監督のやさしさだよな……(やはりそこは自らもおっさん……いやいや)。でも、夢の中でキホーテが姫と踊って満足したので、キトリをバジルに譲ってあげたというか、キトリを姫じゃなくてキトリとして認識できたというか、酒場の場面が納得感があるものになっていて、遡って夢の場に(単なるクラシックシーンではない)必然が生まれてるという上手い構成になったなあ、と思ったりして。

 で、最後、サンチョの「もう家に帰れるんですよね?」という問いかけにいきなし「NOおおっ!」の雄叫びですよ( ̄0 ̄)! ゲネプロでぶっ飛びましたがな。
 

 

| | コメント (0)

2017/05/27

松山こどもシェイクスピア劇場 その1

 GWに松山バレエ団のR&Jを見ました。通常バージョンは森下+刑部ペア。これは去年も見た取り合わせ。演出は2010年に森下+清水ペアで見たときとそんなには違わないかと思います(そんなに前だったのか!)。キャストはだいぶ変わったけどね。

 5日は毎年「こどもの日スペシャル」として、同じ作品の短縮版を、森下さんではないキャスト&オケなしテープ演奏で、低価格でやるのが通例。しかし今年は「こどもシェイクスピア劇場」と称して、やはり森下さんではないキャスト(午前が佐藤さん、午後が山川さん)でオケなしですが、去年とは演出を変え、台詞による説明が入るという形での上演でした。去年どうだったか忘れちゃったんだけど、今年は0歳児から入場可。2階ホワイエ(ビュッフェと反対側)には、よくデパートなんかにあるようなプレイサークル(ただしおもちゃはなかったみたい)があり、アナウンスによると、授乳やおむつ替えのできる休憩室があったようです。そしてクローク前がベビーカーの駐車場に( ̄▽ ̄)。

Ca3k22220009

 こんな貼り紙も。「お子様の喜びの声」ってところが松山の言い回しだよね( ̄▽ ̄)。幕間には(上演前にもあったのかも知れないけど忘れた)、「小さい子がおしゃべりしても、大声出したり泣いたりしても今日はオッケーな公演だから、親御さんもそのまま座って見ていていいからね! 外へ出てもいいし、ロビーのモニターでも見られるからね!」という趣旨のことがもっとお上品にアナウンスされておりました。これはよいことで、アナウンスでそのように知らされていれば、観る大人の客もそういうもんだと思って観てればよいからね。0歳児にバレエを見せるのが趣旨ではなくて、子どもを預けられないご両親や、小さい弟妹のいるお子さんがメインのお客さんなのだろうから、「この子のせいで楽しめなかったストレス」を減らすためにはそういう方がいいだろうし。でもそれなら保育がある方がいいんだろうけど、それはそれでコストも大変だしなあ……と、主催者が考えればよいようなことを考えてみたりして。まあうんと小さい子はそれでいいけど、中途半端に小さい子が、劇場はそういうもんだと思ってしまうとそれはそれで、よそでトラブルの元にはなるけども。ちなみに、子ども用クッションは足りなくなったのか、椅子にすっぽりはまる専用クッションの他に、赤の無地のものとタンタンのもの(両方マジックでオーチャードの名前が入ってる)が配られておりました。

 いったんここで。

| | コメント (0)

2017/05/22

GWの子ドンキ 2

 つことで。子ドンキ自体は何度か書いてきてるので、個人的なツボとかそういう辺りを。子だろうと通常版だろうと、ドンキはもうどこ見ていいかわからない、というくらいどこを見ても楽しいんですけども。

 ガマーシュ&ロレンツォコンビは岡ザッキー+永田、山田+竹本とも、それぞれにバランスのよい定番コンビになりましたなー。特にザッキーのガマーシュは何かを極めたらしい……。なんかもう別種の生物と化してました( ̄▽ ̄)。なんと形容していいかよくわからない。あの歩き方(洋風摺り足とでもいうのか)でなんであんなにスピードがでるんだ、とか。何かを突き抜けながら一周した結果としてのナチュラル、みたいな。山田くんのガマーシュはオーソドックスな線だけど、ナヨ系というよりもちょっと骨太感があって、サラリーマンまんがのイヤミな課長とかそんな感じで、「結婚したくない」ならこっちの方だなー。ロレンツォは、永田くんの方が濃いめで練り込んであるけど、竹本くんのちょっとさらっとした感じも悪くない。でも相手を入れ替えちゃうと、あんまり合わないかもしれないなあ。

 そしてまあドンキのお楽しみと言えば中村(ゆ)くんですよ( ̄▽ ̄)! 中村(ゆ)くん抜きのドンキはあり得ないっすな。今回、セギディリャ男子に3人だったかな? 学校の研修生が入ったり、退団者があったり、闘牛士に出世したヤツあったりで、(ゆ)くんがいろんなところを切り回していて、いつもより楽しませていただきました! 1幕でバジルがロレンツォの背中をつんつん、ってやってだまくらかすくだりで、いつもロレンツォのぐちを「うんうん、父っつあんもたいへんだよねえ」って聞いてあげるのが(ゆ)くんなんですが、今回は「段々成長して」という眠りでよく使われるマイムで「苦労して育ててきたんだよなあ」とかなんとか。そんで、ガマーシュが出てくれば、椅子に座らせられたキトリと「アレと結婚するの?」「冗談じゃないわーー!」という、これもマイムでおしゃべりしたり。で、「冗談じゃないわー!」も川島さんの方が沖さんより「うぎゃー!」度が高かったりして楽しい。

 そして(ゆ)くん(←省略が進んだ)といえば、狂言自殺のためにバジルが戻って来たときの「がらがらがっしゃーん!」ですよ。なぜあそこで彼がお盆を3枚も持って立っているのか?! という長年(というほどでもない)の謎を毎回毎回見忘れるのですが、今回の最終日はがんばってその成り行きを……っていうほどじゃないんですけども。ええと、ロレンツォとガマーシュが酒場に入ってきて、続いてキホーテとサンチョが入ってきて。大体、ロレンツォ(とキトリ達)、ガマーシュ、キホーテと見所が多いので後ろの芝居は見逃しがちなんですが(前方に座ってると見えないし)、入ってきたサンチョが何か食いたがるんだな。そんで、後ろのテーブルで何人かでごちゃごちゃやってて、テーブルに重ねてあったお盆がじゃまになって(ゆ)くんがそれをどかそうとして持ったところに、飛び込んできたバジルが体当たりして「がらがらがっしゃーん!」と。ええ、自分以外になんの需要のない情報ですが、そういうことで。

 死んだふりのバジルの前で、ロレンツォとガマーシュとキホーテがわあわあやってる間に後ろで回す結納金カンパですが、以前は端にいたセギディーリャが自主的に回し始めてたと思うんですが、今回はキトリの指示で始まってました。今回からの変更点だと思うんですが、前回からだったかちょっと自信がない。そんで、その場で袋をあらためた竹本ロレンツォが、金貨をちょっとこぼしちゃったんだけど、残った分は(ゆ)くんがすかさず拾ってネコババし、他の人からこづかれるという芝居に。みんなGJ!

 つことで、マニアックな今回でしたが、次回も多分あると思います。多分。

| | コメント (0)

2017/05/08

GWの子ドンキ 1

 つことで、GWは「バレエホリデイ」、両日とも大変な賑わいでした。文化会館大ホールのホワイエの真ん中にどーんとピンクのランウェイ。これはレッスンウェアと舞台衣装のファッションショーのために作られたんだけど、その時間以外にはあちこちのバレエ団の舞台衣装が展示してありました。あんまりちゃんと見なかったけど、ロイヤルとかあったような。

Ca3k22300004

 こんな感じ。これは28日の公開リハの時に、近くには寄れなかったけど撮ってみた。このときはまだ設営中だったけど、ホワイエの、通常の入口から女子トイレ前の日頃は〆切になってる出口を直線通路に取って、両側に出店(主にバレエ用品)が並びました。ここの部分は入場無料なので、公演を見に来た人以外も通ってたみたい。公演前後も休憩中も賑わってました。チュチュ着て写真撮ってたお子さんもいたけど、その場で買ったのか、写真用レンタルサービスがあったのかは不明。
 ホワイエから客席に入る中央口(というか)の真ん中からランウェイが始まってて、その両脇(よくキャスト表が掲示されてる辺り)に二つ、チケットもぎり口を設営。左右の階段(クロークとビュッフェに降りるところ)は一応封鎖で、チケット半券を見せて出入りするようになってました。

 つことで本番ですよ!

 子ドンキもずいぶんあちこちでやって(あちこちで見て)練れてきましたが、文化会館でやるのは初めて。いつも下手中央通路から出るロシナンテとサンチョは上手から、2幕の最初に上手から出るガマーシュとロレンツォは下手からに変更。ロシナンテは上手ドアから入って、上手側のウィングとサブセンターの間(NBS的にはA席とS席の間)の通路を通って、最前列を通って、下手に作られたスロープへ出ました。さすがに、センターの通路を通るのはきつかったかな。サンチョの解説中に舞台にアゴ乗せてごにょごにょするのはなかったけど、みんな大喜びでロシナンテに触ったりしてたから、やっぱり話は聞いてなかった( ̄▽ ̄)。

 で、ロシナンテの声が「ピンポーン!」「ブブー!」から「ブフヒィィィ」に変わりました( ̄▽ ̄)。本番のキャスト表にはレジェンド・ワシリーエフの名がクレジットされておりました! けど、リハの時は声が違ったような気がするんだよな(クレジットもなかったし)。馬よりちょっと豚っぽかったし。単に声色を変えたのか……。レジェンドが「オレがやるうううう!!!」って言ったのか……。しかも2日めの方が増量されてたような気がするんだけど? いや、誰の声にせよ、ピンポンより全然いいですけどね。公開リハの話は前のエントリのリンク先(回りくどい)に書いたけど、レジェンドがロシナンテを気に入ってくれたみたいで、本当によかった。愛されてるよなあ、ロシナンテ。

 でまあ、繰り返しになるようだけど、去年の目黒での公開リハの時に、子ドンキの脚本を書いた立川技術監督(バヤで仏像を倒したり岩石落としをやったりする監督さん)のご挨拶っつうかお話がありまして。話の中身はなんかもう忘れちゃったんですけど(←ヒドイ)、立川監督のセンスなんだなあ、と。で、今回ワシリーエフがちょっと手を加えたのは(東バ公式によると)、バジルやキトリの登場場面で(それに限らずだけど)、声を出して盛り上げること。特に、1幕のキトリのソロの前に闘牛士たちが騒ぐのに、森川くんの「ヘーイ、キトリーーーーッ!!」って叫び声というかコールというか、大変良く響いて、今回いちばんの盛り上げ男でありましたよ(誉めてる)。あと、GPDDのキトリのヴァリの終わりの方、キトリが脚を組み替えながらというかなんというか、後ろに下がっていくところで、みんなが肩を、みーぎ、ひだり、って、前後に振るちうのもレジェンドの改訂だそうです。ファンダンゴの人たちが一斉に振るのも可愛いんだけど、木村キホーテが「しれっ」とした顔で肩を動かしてるのも可愛いんですよ。

 ほかのところはまたあとで。

| | コメント (0)

2017/05/03

バレエホリデイのまとめ

 ツイッターのモーメント(ツイートの簡単なまとめ)機能を使って、4月28日の公開リハからクリエーション、ファッションショー当たりのところをまとめてみました。こちら
 肝心の公演については書いてないっすけど( ̄▽ ̄)、とりあえず。

 ちなみにカテコは本番も毎回、キホーテとサンチョが舞台上から狙いをつけて共謀→キホーテが下手通路、サンチョが上手通路からレジェンド・ワシリーエフに突進、二人で席から引っ張り出してレジェンドを舞台に上がらせ、レジェンドもセンターで踊る、のパターンでした。リハの時はサプライズだったらしくて、木村さんが追い立てながらの登壇に、ちょっと余興で踊るみたいな感じでしたが、初日は「今日も?やる?」で、最終日は「お迎えキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!、踊るよー!」っていうレジェンドがたいへん可愛い( ̄▽ ̄)。幕前取り残されは、リハの時はハプニングで、初日はなし、最終日は狙ってやってるぽかったです。レジェンドも、ベジャールほどにではなくとも、東バにたびたび来て、指導や作品をくれるといいなあ。

| | コメント (0)

2017/04/22

ふたりのイーダ その2

 まあそんな感じで。

 原作では確か、ゆう子の背中にほくろがないのを確認した椅子がばらばらに壊れ、東京に帰った直樹のところにりつ子から、実は自分がイーダだったという手紙が届いて終わったと記憶。つまり、椅子が広島に向かう後半が「つけたし」なわけですね。映画ではイーダは死んだことになっているけど、2歳で孤児になったりつ子=イーダを子どもを亡くした夫婦が育て、しかし2歳ではもう被爆前のことは(椅子のことも家のことも)覚えていなかった。そして白血病を発症したりつ子は病気と闘う宣言をして終わる。

 これが1969年から76年という「歳月」であるわけです。2歳だったりつ子は26歳から33歳になって、「近所のお姉さん」から「お母さん」の歳になる。時間は流れている。人も、人の記憶も、人の心持ちも動いている。人々は原爆から背を向け、明るく楽しい「瀬戸内の若者」の記事を読む。しかし例えばそれは62年の「その夜は忘れない」に現れるような、ひりひりした目の背け方とはまったく違う。

 とはいえ、美智をイーダにしてしまうと、祖父母があの廃屋に住んでいたことになってしまうので、そうもいかない。じゃあイーダは結局どこにいるの? ってことでああなったんだろうなあ。椅子はファンタジーの住人、直樹は現実の住人。同じ日の広島で椅子は死者と出会い、直樹は(子どもなりに)自分のルーツと祖母の悲しみを見る。そして河口という「広島の出口」で2人は再会し、自分たちの世界に帰っていく。

 美智はシングルマザーだけど、前夫というか、兄妹の父親については全然触れられてません。離婚なのか死別なのかも含めて。両親が再婚に反対するのは「被爆者だから」だけど、美智が自分が被爆者であることを認識したのは最近の健康診断の結果だから、それが理由で別れたのではないのかもしれない。りつ子の抱いた健康への不安は、二世である直樹への不安となって美智に引き継がれる。観る者は、直樹の発熱は椅子とのやりとりでのショックが原因だとわかっているけど、美智には自分の健康不安が払拭された直後の新たな不安となって淀んだままとなる。

 構成としてはそういうとこだけど、とにかく直樹役の上屋健一くんがすっごくいいんですよ( ̄▽ ̄)! 当時どれくらいなんだろうなあ。10歳より上には思えないんだけど。ちょっと「ケンちゃん」ぽいのは時代の流行りもあるんだろうと思うんですが、動きも表情もほんとにいいんだこれが。セリフは多少回りきらないところもあるけど、そりゃ「演技」じゃなくても普通に子どもはそんなくらいだよね、っていうくらい。椅子相手のとっくみあいみたいな難しい動きもがっつり。特に最後の海水浴の場面、流されてきた椅子の部品を見つけてから組み立てるまで、椅子を傷つけてしまったことへの深い後悔からくるテンションのバカ高さが好きだわー( ̄▽ ̄)。直樹はきっとあの時、椅子さえよければ、イーダじゃないけどゆう子の椅子として連れて帰るくらいのことは思ったんじゃないかな。
 ゆう子はもう可愛いからいいです( ̄▽ ̄)。あの年齢だからね。ほくろ確認のところ、原作の「背中にむしむしついてる」「いやあ」ってワンピース脱がすの好きだったから、そのやりとりがなくなっててちょっと残念。

 美智が広島でお坊さんに原爆の話を聞かせて欲しい、って頼むときに、坊さんが「天皇陛下だって戦争だからしょうがなかったっておっしゃってる」って言って振り払う場面が。もちろん坊さんの方は、若いモンが興味本位で聞きやがって、って思ってるからで「しょうがなかった」なんて全然思ってないわけで。その後自分でマッチを擦って、火の中に自分の指を突っ込んで、「お前もやってみろ。みんなこうやって焼かれたんだ」(大意)って言う。美智は坊さんの剣幕と火の恐ろしさに逃げ出してしまうけど、こんな風に天皇発言が出てくる。

 多くの子どもをトラウマに落とし込んだらしい椅子は宇野重吉。自分が原作を読んだときは、椅子ってこう、ナンバ歩きみたいに前後の脚をいっしょに右側、左側、ってカタカタ歩くと思ってたんですね。したら、座面を下にぐーっと下げる→前後に脚が開く→座面を上げる→脚がすぼまる力で前に進む、っていう、尺取り虫的な(ちょっと違うけど)歩き方でびっくらしましたよ。確かにその方がリアリティがあるような気がする( ̄▽ ̄)。
 
 祖父の森繁は農業試験場みたいなところで現役(嘱託?)勤務。小学生の孫がいるならそれくらいの年齢かな。仕事中だってのに、雨が降ったら気象台へ「孫が虫取りするのに雨止むのか」って難癖みたいな電話するし、虹が出たら家にかけて「外に出て見せろ」っていうし、ちょっとは仕事しろよ( ̄▽ ̄)っていう。高峰秀子の祖母がきれいでねえ。2人が孫のために年甲斐もなく捕虫網振り回してチョウを追い回す場面は、物語的には「むだ」かもしれないけど、すっごくいい場面なんだよなあ。こういう「むだ」をきちんと入れられたのが、この頃の日本映画でもあって。そういえば最初の「黒い水」だけは解決を忘れられてたみたいだな。

 でまた、ところどころが大林宣彦でねえ( ̄▽ ̄)。直樹が熱を出したときにみたコラージュによる悪夢とか、川底でイーダの横顔がどーーん!!っと出てくるとことか、そりゃ「ハウス」だろ、っていう。電気笠かぶったクンフーみたいなのも出てきたな。イーダが76年、ハウスが77年なのでハウスの方が後なんだけど、ある種時代の流行技術みたいなものもあるのかしらん。

 でね、映画や漫画や本による子どものトラウマってね。大概は「トラウマ」なんてもんじゃなくて「怖くてしかたなかった」くらいの意味だから。それはあった方がいいんです。断然いい、と自分は思います。

| | コメント (0)

2017/04/21

ふたりのイーダ その1

 映画「ふたりのイーダ」は1976年公開。公開時は小学生で、公民館で上映があって見たかったのだけどどういう具合か見られなかったので、ずっと気にはなっていた、という作品。昨年来何度か名画座の特集上映にかかっていて、昨年新文芸坐で観たのだけれど何か書いている暇もないままにしてしまって、今回、ラピュタにかかったのを失業中を幸い、観てきました。当日は客席にプロデューサーだった方がいらしていて挨拶をなさいました。山田洋次監督のお嬢さんが「映画にして」と監督にお願いして、一度は山田監督と松谷みよ子さんとにそういう約束があったとか。しかし松山善三監督からの申し込みがあって、ならばと山田監督が「脚本協力」という形で入ったとのことでありました。

 原作は自分も好きだったのだけど、そんで探せば文庫があるはずなんだけど、かなり忘れてました(笑)。原作の「現在」1969年から7年後の「現在」。幼い頃に被爆したのは「近所のりつ子おねえさん」ではなく、兄弟の母という年齢になり、椅子はさらに長く待たされたという。

 雑誌記者の美智(倍賞千恵子)は取材のため、子どもの直樹(上屋健一)とゆう子(原口祐子)を広島郊外に住む父母(森繁久弥・高峰秀子)に預けることに。早速チョウを追いかけて飛び出した直樹は歩く椅子(宇野重吉)を見かけ、後を追って廃屋にたどりつく。逃げ帰った直樹だが、翌日、いなくなったゆう子を探しに廃屋にいくと、椅子とゆう子が遊んでいる。椅子は「この子はうちのイーダ」だと言って直樹を追い払う。直樹は恐怖と不安からその夜熱を出す。

 一方、美智は広島で、「友達」のカメラマンの広岡(山口崇)とともに「瀬戸内の若者」の取材を続ける。途中、住職を訪ね、被爆経験について取材しようとするが、追い払われる。そんなことを取材してどうする、という広岡に、美智は自分が被爆者であり、今回の取材は原爆病院での検査を兼ねてのことだと打ち明ける。

 直樹が廃屋から持ち帰ったカレンダーを見た祖父は、直樹にその日付けが原爆が落とされた日であること、原爆の被害の様子などを写真集を見せながら語る。廃屋に住んでいたおじいさんとイーダも広島で亡くなったんだろう、と。
 椅子は相変わらず、ゆう子をイーダだと言ってきかない。苛立った直樹は椅子に写真集を見せながら、イーダは死んだ、あれは妹のゆう子だ、と言う。椅子は「イーダだという証拠に、背中に三つほくろがある」と言うが、直樹がゆう子のワンピースを脱がせると、そこにほくろはなかった。動かなくなった椅子に、直樹は後悔する。
 その夜、帰ってきた美智は、両親に広岡と再婚すると告げるが、両親からは被爆を理由に反対される。椅子はイーダを探しに広島に向かって歩き出す。

 8月6日。家族の名が刻まれた墓石をさすりながら泣き崩れる母。それを遠くから見守る広岡に、母が「あの人にもお線香をあげてもらいなさい」と言う。灯籠流しが始まり、母・美智・直樹は灯籠を流す。ゆう子を抱いた父がそれを眺めながら、広岡に家に来るように言うが、広岡はあらためて正式にプロポーズに伺うと答える。
 苦労の末に広島にたどりついた椅子は、イーダを見つけることができず、しかし何があったかを理解した。川に落ちた椅子は川底で死んだイーダと出会う。川底の死者たちは椅子に、自分がここにいる、骨を拾ってくれと家族に伝えてくれと口々に頼む。

 美智の検査結果は「異常なし」だった。親子3人は河口に近い砂浜で海水浴をする。美智はふと直樹が熱を出したことに不安を覚える。直樹は河口で打ち上げられた灯籠の中にバラバラになった椅子を見つける。直樹は椅子を組み立て直すが、椅子はそのまま海の向こうへ流れていくことを選ぶのだった。

 

| | コメント (0)

2017/04/14

不忍のカモメ

 4月13日に芸大美術館の「雪村展」を見に行ったので(すごく面白かった!)、その時の写真を少し。

Ca3k22290004

 桜は概ね散りつつある、くらいのところ。でも平日の日中なのに結構な人がいたりして。まあ海外からの観光客には、土日平日関係ないですもんね。4時すぎになると制服の高校生?くらいの子も結構いたりして。


Ca3k22310004

 新緑がきれい。桜との取り合わせも楽しめる時期です。

Ca3k22280004

 どこもかしこもシャガの花盛り。シャガって日陰に生えるような気がしてたよ……。

Ca3k22360002_2


 不忍の蓮池。カモ類もオオバンもまだちょっといるけど、概ねユリカモメ。あとカイツブリがちらほら。


Ca3k22510001

 換羽期の若鳥かな……。

Ca3k22490001

 こちらはほぼ夏仕様。不忍ではあんまり見なかったような気がするけど、そういう時期に自分が来てなかっただけかも。


Ca3k22380002

 換羽期ぽよぽよまつりかよ〜( ̄▽ ̄)。かわいいよう。


| | コメント (0)

2017/04/13

2月のボレロ

 もう2ヶ月近く前になりますが、インザナイトについてはこちらに書いたので、ボレロの方をさくっと。

 オーレリのボレロ。初日は2階後方だったのもあって、ちょっと詰まった感じの体型に見えて。まあギエムとか水香ちゃんとかのフォルムを見過ぎたような気もするんですが……と思いつつ、なんか「あれ?」「あれ?」てな感じで誤差調整に忙しい感じで見てました。久しぶりに違う系統のメロディが台に乗ってる、っていう感じかな。水香ちゃんや弾くんだと、台の上下で掌の角度とかが「ぴっ!」って合うんだけど、上と下とでテンポそのものが微妙に違うような感じで。まあこの日は第1ソリスト以外のリズムはいろいろ配置転換もあったりして、出欠を取るのに忙しかったりもあったりしつつ。

 2日目はそれほど違和感なく。オーチャード前方のA席だったのでちょっと見上げる感じになりまして、ああ昨日体型が変に見えたのは上から見たのもあったんだなー、と思いました。オーレリのファンなんですけどもね、一応。
 で、前方上手のA席。オーチャードですから、ぼちぼちと前の人々の頭で視界が切れたりもします。その合間からすっげーばっちしかんかんで見えるのは杉山くんと中村(ゆ)くんで、これは誰得な……というか、ぢぶん以外に得なヤツおるんかいっ( ̄▽ ̄)! ちうわけで、がっつり2人を楽しませていただきましたです……。中村(ゆ)くん、何気に好きなんですよねえ……。めんどくさいからもう祐司くんでもいいですかねえ(しばらく前に中村(え)くんが増えたので。そういえば岡崎も2人になったんだった)。

 って、相変わらず何見てんだか、って話ですが。

 神奈川は安定の水香ちゃんボレロ。オーレリが割と「素」なイメージのボレロだったせいか、水香ちゃんも割に「等身大」なボレロでした。アグレッシブというか、挑戦的(チャレンジングじゃなくて挑発的に近い感じの)な本性が剥き出しになっていくOLさん、みたいな(なんじゃそりゃ)。でもまあやっぱり10年踊ってるだけのことはあるなあ、とも思いますです。10年でこちらも目が慣れたと言いますか(悪い意味でなく)、ワクワクというよりは安心感というか。まあ、誰がメロディの時でも、割とリズムの方を見ちゃってることの方が多かったりしますけども。

 つことで安定の第1ソリスト陣は前上手からぐるっと岸本・杉山・永田・森川。まだ4人のところで、移動距離の関係で永田くんに加速装置がつくところが毎回好きだったりしますが( ̄▽ ̄)、森川にも加速装置が必要なところがあったんだなー(←今更な発見)。あとこう、若手と混ざるときなんかに、杉山くんが以外とパイセンぶりを発揮してることがあって、いやーそうか杉山くんもパイセンだもんなあ、などと感慨しておりましたら、今年度安田くんが退団しちゃって 。・゚・(ノд`)・゚・。、現役男性は木村さんの次がいきなり杉山パイセンというオソロシイ事態になっちゃってどうすんのー、杉山くんはずっといてくれえええええええ 。・゚・(ノд`)・゚・。、ワシの老後の楽しみなんじゃーーーーーヽ(`Д´)ノウワァァァンとかええまあいろいろ。
 
 まあそれはそれでそれなんですけど、見慣れたリズムの第1ソリストの踊り。杉山くんも「ポジションが人を作る」的なところもさておき、第1ソリストを踊るようになってから踊りが強くなったな−、と。強さも出たし、身体もしまったし、ボレロの時は特に男っぽくというか大人っぽくというか、いつも気合いパンパンだし。で、今回、杉山くん見てて、「あ、リズムもメロディを踊ってるんだな」と感じるところが多かったんですね。一般に、「メロディ」が台上でメロディ(パート)を踊り、「リズム」が回りでリズム(パート)を踊る、とやや雑に解説されることのある「ボレロ」なんですが、リズムもまたメロディであるという、言われてみりゃ「そりゃそうだ」な話ですが、久しぶりにそういう杉山くんの踊りを見て、たいそう楽しかったんですよん。
 

| | コメント (2)

2017/04/04

春から失業中

Img_5229

 ながらくご無沙汰になってしまってましたが、無事に失業いたしました( ̄▽ ̄)。23年勤めた会社がなくなるというのは不思議なものです。だって、そんなに長いことひとつのところに通うってことは、そうそうないじゃないですか(一度移転してるけど)。背景に出版不況があるのは確かですが、10数年前に親会社からの圧力で会社が分裂したときから、まあこんな風にいつかは切り捨てられるんだろうなあという感触はありました。その意味も込めて「よく今までもったな」という気はします。分裂した(というか追い出された人たちで作った)会社はまだありますし、そちらに移った人もいるのですが、そこもそこでいろいろあって、まあとにかく自分は失業しています。そして業界不況なのはやっぱり確かなので(笑)、もちろん今と同じ仕事で正社員にはつけませんし(大概派遣か契約社員の仕事になる)、それでなくても50過ぎての転職はきっついわー( ゚∀゚ )ハァーハッハッ!! いやあ、つぶしがきかんきかん( ̄▽ ̄)。

 つことで、しばらくは時間ができるので、少し今までの分もアップできるのではないかとかとかとかと……(エコー)。
 公演は多分、東バ以外にはあまりいけないんじゃないかと思います。特に平日の公演は(万一就職できたときのことを考えて)ギリギリのチケット獲りになりそうです。自分が(なるべく近い業界で)見てる範囲の求人だと18:00終業のところが多く、上野18:30開演に間に合いそうな所、というわけには全然いかない感じ( ̄▽ ̄)。さすがにそこまで贅沢は言えないからねえ。

 まあそんなこんなですが、引き続きごひいきのほどを。写真は去年、浜離宮で。

| | コメント (0)

2017/03/13

インザナイト

 つことで、もうなにがなんだかわからない状態なんですが、とりあえず東京2公演+横浜へ行って参りました。横浜が休みの土曜でよかった……。
 で、役人についてはちょっとおいておいて。初日は2階正面から、2日めは1階前方のA席でした。

 初演の「イン・ザ・ナイト」。何かのガラで見たような気もするんですが。
 沖+秋元、川島+ブラウリオ、上野+弾の3組のPDDが1曲ずつと、3組での踊りが1曲。ショパンのピアノ曲で、今回は生演奏でしたが、それほどいい演奏ではなかったかな……(特に最初の曲。あとはそれほどきにならなかったけど)。

 最初の沖さんと秋元さんの組。秋元さんは誰とでも合わせられる人だけど、沖さんとの相性もよいのではないかな〜。秋元さんはまさにシンフォニックで、クラシックまたはネオクラシックが本筋なんだな、と(実は秋元さんの由良之助は全然感心しなかったのだワタクシは)。沖さんも流れるようなムーブメントで、まさに今日この夜会で出会って恋に落ちたばかり、という幸せ溢れるPDD。欲を言えば、秋元さん側がもう少し、沖さんのドラマを受けられればなあ、とは思ったり。

 2曲め、川島さんとブラウリオの組もどんぴしゃな感じ。ブラウリオはさすがに東欧っぽい(チャルダッシュなんですかね?)衣装が似合うなー、と思ったけど、よく考えたらラテンの人だよな……。背景幕も1幕の星空から、上手の端にシャンデリアがついたのだけど、あれは幕にLEDか何かが仕込んであるのかな? ぐっと大人の雰囲気で、貴婦人とおつきの騎士のようでもあり、人目を忍ぶ恋人たちのようでもあった。

 3曲目は鉄板ペア。水香ちゃんがツンデレ( ̄▽ ̄)。勝ち気なお嬢さんに振り回されるちょっと気弱な青年、といった風情でしたが、2日めは近くから見たせいか、わがままを言って相手を試さずにはいられない、そういうお嬢さんのようでもありました。まあ弾くんは大概眉毛が困ってるし、水香ちゃんは基本ツンデレだしな……。スライディングを多用した難しい振りをぐいぐい見せていくのはこの二人ならでは。

 ……と思っていたのですが。

 神奈川では、沖+秋元組は据え置き。ブラッシュアップされているように思ったけれど、印象は同じ。
 2曲目はブラウリオと崔さん。崔さんはちょっとガムザッティ的な権高姫といった感じ。川島さんとの時ほどスムーズではなかったのがセカンドっぽいけども、キャリアも違うから仕方ないかな。ひと味違うイメージで、成る程これもアリだなー、と。

 そしてそして3曲目! 水香ちゃんがボレロなので別キャストだったんだろうけど、川島さんが2曲踊るなら他の人でもよかったのでわ? とかいう疑念と、前の2曲がぶっとびました! こ、これは川島さんだわ……、2曲どころかなんなら1曲目も踊って、どんなドラマが出てくるのか見せて欲しかったよ( ̄0 ̄)! 弾くんとのパートナーシップは、出だしはさすがに水香ちゃんとほどではなかったけれど、途中からもうぐいぐいでした。ドラマチックな許されざる恋。見ながらどんどんどんどん胸が締め付けられていって、もう半泣きでした。弾くんの身体をぽんぽんと触れて行きながらひざまずいて手を上に向けるあのシーンは、水香ちゃんは弾くんへの「ごめんなさい」のようだったけど、川島さんは離れられない想いに絶望してるようでもありました。その関係性は3組で踊る4曲目にもきちんと持ち越されていて、ある意味無邪気な2組と向き合っていたたまれないような、そんな雰囲気もありました。

 もうね、ここまでドラマチックダンサーになるとは思わなかったのだけども、こうなったら絶対にタチアーナを見せて欲しいですよ! イン・ザ・ナイトを見てタチアーナ踊れ、って、なんかそれだけでもえらいこっちゃな気がしますけどもね。

| | コメント (0)

2017/02/26

雲の上団五郎一座

 初映画は新文芸坐の喜劇特集。「南の島に雪が降る」との2本立て。有名なのに見る機会がなかったんだよなあ、2本とも。

 地元の親分(藤木悠)と団員との女のトラブルで興行先を追い出された雲の上団五郎(榎本健一)とその旅回りの一座。次の興行先へ向かう船で乗り合わせた「新しい演劇運動の精神」を熱弁する演出家の酒井(フランキー堺)と、その教え子で興行主の娘はるみ(水谷良重)と組み、「悲劇ラブミー牧場」を上演する。そのあまりの出来の悪さに興行主(花菱アチャコ)は倒れてしまうが、レコードのかけ間違いのトラブルが客に大受け。酒井は舞台をそのまま喜劇に転換、連日大入りにしてしまう。
 困ったのはライバル興行師で、自分のところの女剣劇には全然客が入らない。女剣劇一座は一計を図り、団五郎一座の中心の役者(由利徹ら)を飲ませて出演できないようにしてしまう。困った酒井は自ら「勧進帳」の弁慶を熱演。ついに大阪の大劇場から興行の依頼が入る。大阪でははるみのカルメン、酒井の闘牛士、団五郎の隊長による「カルメン」を初演、大当たりをとるのであった。

 懐かしの新喜劇大集成!(当時は「懐かしの」じゃないんだけど)みたいな映画。冒頭の小坊主(道成寺の扮装)とヤクザたちの墓地での追いかけっこギャグから始まって、あったあったこんなネタ!が満載。なにせ原作が菊田一夫だもんねえ。大阪の興行主が高島忠夫、倒れた興行主を診る医者は藤田まこと。三木のり平、八波むと志、佐山俊二と当時の喜劇人総出演。
 フランキー堺演じる演出家の酒井は、ことあるごとに「演劇の精神とは何か」と熱弁をふるう。もちろんこれは「演劇運動」のパロディなんだけど、酒井の「演劇の精神」は、「観客を喜ばせること」に収斂されていく。「大衆が求めているものはなにか」を誇らかに提示するところに、監督や脚本演出まで含めての「喜劇人」の矜持を見るわけだな。由利徹らが女剣劇一座に飲まされて劇場に来ず、酒井が自ら弁慶をやる、と言ったときに、団五郎らは止めるわけですよ。セリフも入ってないでしょう? それを酒井が「精神だ、精神があればできる!」と言って舞台に出て行っちゃうんですな。もちろん、セリフは字数だけを合わせたメチャクチャな、元祖ハナモゲラ語とでもいうようなもの。演出家だから段取りはわかってるんだろうけど、縦横無尽にグランジュテまでやってみせながら走り回る酒井に観客は大喜び。遅れて戻って来た由利徹らに団五郎は「何やってんだ、先生は精神だけで勧進帳やっちまってるぞ」ってね。ここまでくると、最初は高尚なはずだった「精神」そのものがもうパロディになってしまったともいえるし、逆に本来の演劇の精神に目覚めた、ともいえるのね。なにせ、最後のカルメンでは牛役の二人が「先生、この牛の精神はなんでしょう」って大まじめに聞きにきて、酒井をきょとんとさせるくらいで。カルメンの闘牛士の歌う「牛殺しの歌」も好きだなあ。

 それにしてもフランキーの弁慶は本当に必見。すごいよ。

| | コメント (0)

2017/01/15

熱海梅園(ほかの巻)

 正月3日に行った熱海梅園のうち、梅でないものいろいろ。

Img_5314

 河津桜は有名ですが、こちらは熱海桜。ちょっと検索したら「カンヒザクラとヤマザクラとの雑種と推定」されてるそうで。まだぽちぽちでしたが、駅前でも咲いてました。


Img_5315_2

 ソメイヨシノよりもちょっと色の濃い寒桜系の桜が好きですね〜。


 熱海梅園の中にある韓国庭園。

Img_5324_1

 こんなんあったかな? と思ったら、2000年の熱海での日韓首脳会談のあとに作ったんですな。熱海市のHPによると2002年に「日韓の友好と世界の平和が永久に続くことを願い、朝鮮時代の伝統様式と手法を取り入れた庭園を整備」とある。

Img_5322

「韓国庭園は日本の庭園のように限定された空間で完結するスタイルを取らず、自然景観の結びつきを大事につくられ、庭園空間を「内庭」とし、それを支える外部の空間を「外庭」として空間構成されています」とのこと。なかなか興味深い。

Img_5318

 こういう取り合わせ。金大中の名が出たとたんにツレアイのテンションがあっぷあっぷ( ̄▽ ̄)。森総理(当時)が「友好」、金大統領(当時)が「平和」を揮毫したもの。2人で庭園内を散策して歓談したとか。何の話してたんだろう。

Img_5330

 こちらは朝鮮人女性飛行家(民間)、朴敬元氏の記念碑。1933年に日本海横断飛行に挑んだ途中、熱海山中に墜落死したのを悼んだもの。こうした地元の人々による救難・追悼というのは、人としての素朴な気持ちの発露だと思うのですが、昨今それが「日本人スゴイ」に回収されがちなことに大きな不安を持っています。ここの碑は、2002年に建立されたこともあってかそういう傾向がなくてほっとしました。そんなことでほっとしなくちゃなんないってのも、本当にどうかと思うんですが。

Img_5338

 山吹にしては時期が、と思ったら黄花亜麻というのだそうで。中山晋平記念館の前に咲き乱れておりました。

Img_5352

Img_5357

 臘梅もシーズン。

Img_5333


| | コメント (0)

2017/01/04

熱海梅園(梅の巻)

 というわけで迎春なのですが、今年はどうなることやら。

 いろいろ積み残しはありますが、とりあえずこの正月、2日に東伊豆は宇佐美温泉に1泊。3日に行った熱海梅園の様子などを。

Ca3k2228

 こちらは早咲きの梅が11月下旬に開花し始め、遅咲きのものが3月までと、長期間に渉って梅を楽しめるそうで、早咲きの木はかなり花をつけてました。梅まつりは1月7日からとて、イベントなどはありませんでしたが、正月だからか入園料(300円)が無料に。

Img_5301

 お天気もよく、暑いくらい。


Img_5302

 ツレアイによると、沖縄には梅はないらしいんですよΣ( ̄ロ ̄lll)! 梅は北のものらしい。というか、ツレアイの「北」の概念が変わってたよΣ( ̄ロ ̄lll)!

Img_5304_2

 正月らしく、紅白で。

Img_5348

Img_5345

 実家の前が梅林(食用なので白だけ)だったこともあって、桜よりも梅の方が好きだったりします。匂いが好きなんですよねえ。ええ、1年梅組だったこともありましたっけねえ……(*゚ー゚)。

Img_5346

 梅じゃないものはまたのちほど。

| | コメント (0)

«東バくるみ3連戦 その1