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2006/09/23

風のない月夜なのに心にはスコール

 ガベさんこと曽我部和恭さんの話の続き。

 で、どういう具合かわからないけど、「ガベのためにカツ丼を食べねばならない!」と自分でもわけわからないことを思ってしまったわけ。ガベさんとカツ丼に何かエピソードがあったのかどうか、まったく思い出せないのになぜか唐突にそう思ってしまって、食ったはいいが、すごい胃もたれ。あうー。

 訃報で見た時は実感がなかったけれど、昨日、家であちこち検索してみるに、「やっぱり本当だったんだー」という気持ちになって、ずっぽりと落ち込み。ブログ用の原稿を書いた後で、「直線回帰」でも聴こうかと思い、カセット(CDがないから)を出して、はじめの「INVITATION」の歌い出しのアカペラ、「When I was 10 years old」を思い浮かべたら一気に泣きそうになって棚に戻しちゃった。「10歳年下の恋人へ」というコンセプトのこの曲は、出した当時も「ファンのみんなに」って言っていたし、私もそう思って大事にしてたし(実際はもっと年下なのだが)。でも最近はこの曲については15歳年下のダンサーのことなどふっと思ってだな(笑)、格別に愛しい気持ちだったんだよね。

 今、ガベさんの持ち役を一つ選べ、といわれたら、やっぱりアイザックかな。クールな2枚目なのにどこかぶっとんじゃってる、2枚目半というよりも「2.25枚目」くらいなところが、ガベさん。特に後半のノリのよさがな(笑)。
 「ターンA」でミランをやっていた時には、若い頃にはなかったような暖かみが出ていて、「いい年の取り方をしたのかな?」と思う一方、「でも前だったらハリー・オードだよなー」と、「石坂浩二が水戸黄門」とか「里見浩太朗が大石内蔵助」みたいな淋しさもちょっと感じたり。ハリーにはすごく久しぶり(10年くらいぶりか)にキャラはまりしてしまったの。だから、Wikiで稲田さんが「ガベさんの持ち役を引き継いだ」話を読んで、ほー、なるほど、と思ったよ。

 だけどここ2日間、いろいろと想い出が浮かんでは消えする中で、ガベさんは、私にとっては「スラップのガベさん」がいちばん大きいな、と思う。スラップスティックは今でも時々テープで聴いていたりするせいもあると思うし、なんといっても「素顔のガベさん」だからね。頭の中を、スラップのあれこれと、ついでに「J9ロックショウ」の歌が浮かんでは消え、浮かんでは消えしていく。こんなにたくさんの歌があったんだなあと思い、それをちゃんと覚えてるものなんだなと思い。スラップといえば「愛のリメンバー」に尽きるけど、なぜか繰り返し出てくるのは、タイトルにあげた「八月の都会」。でも「想い出のメリージェーン」も「愛の逃亡者」も「遠い渚」も「避暑地の恋」も、ボーカルがガベさんじゃないけど「トニーに気をつけろ」も「LADY FISH」も「海辺のジュリエット」も、ついでに「アステロイドブルース」や「マイ・ソウル・ジャーニー」も、みんなタイトルを見ればすっと歌えることに、あらためて驚く。体の中に溜まっていくって、こういうことなんだ。

 ガンが見つかって2ヶ月、だったそうです。若いと進行が速いんだ、とは貝原浩さんが亡くなった時にも思ったけれど、それにしても。ここ数年のことはよくわからないけど、まだまだやりたいこともあったのだろうなぁ。圭子さん、少しは休めているだろうか。

 表舞台で見ることはもうなかったし、彼の声はたくさん残されているし、その意味で何かが変わるということではないのかもしれない。でも、しばらくはつらい気持ちで、彼の歌を聴くのだろうな。
 でも、彼が繰り返し歌った通り、「心のフィルムにあなたはいつまでも生きてる」(「テレスコープ」)のだから。

 ♪ のっ、のっ、べびっ、むだだぜっ、あがいてっも〜 ♪

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