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2006/10/08

アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺

 アンナ・ポリトコフスカヤが殺されました。死んだ、のではなく、殺されたのです。

 新聞を読まずに家を出たので、先程テレビのニュースで知りました。

 今、満腔の怒りと悲しみとをもって、これを書いています。悔しくて涙がとまりません。
 暗殺という、もっとも卑劣な手段を使って口をふさぐ、それを私は決して許しません。

 私はいつも、親しい人、大好きな人、尊敬してやまない人が死んだ時、冥福は祈りません。追悼もしません。忘れないこと、伝えること、考え続けること。彼らに恥じない自分とは何かと、時折でも振り返ること。

 ですから私はアンナの冥福は祈りません。安らかに眠ってなんか欲しくありません。

 多くのロシア人は言うでしょう。「チェチェンなんかに首を突っ込むからだ」「チェチェン人なんかの味方になるからだ」。この絶望的な状況を、どうしたら受け止められるのか。国家のために殺されなければならない人がいるのならば、国家なぞいらないのです。

 すべての「ロシアファン」を自任する人々に訴えます。
 アンナを殺したものは何なのか。アンナはなぜ殺されなければならなかったのか。少しでもいい、みつめてください。

アンナの著作「チェチェンやめられない戦争」(左ブロックにリンクがあります)
アンナの暗殺について(総合情報)
アンナ・ポリトコフスカヤ情報
チェチェン関係のドキュメンタリー 「メランコリア 3つの部屋」
   次回上映は10.18(水)19:00 @アテネフランセ文化センター
林克明さんの「チェチェン未来日記」
「バイナフ自由通信」


 そんなわけで、ほんの1時間前まで胸の中で息づいていた、いとおしい、甘い溶岩のかけらを打ち砕かれてしまった気持ちです。それでも一晩泣けば、またその夢を見られるのかも知れません。そう願っています。木村さんであれ、シヴァコフであれ、そのほかの誰であれ、彼らの見せてくれる夢の中でたゆたうことなしに、どうやってこの現実に向き合うことができるでしょう?

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