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2007/01/08

二本松少年隊

 そろそろ松も取れるよね、というわけで、表紙とトップを通常モードに変更しました。

 今日は友人宅で新年会。相変わらずな面々と相変わらずなバカ話。
 その中で「白虎隊」特番の話が出たのだけれど、友人が「あんまりひどいんで30分でアド街に変えちゃったよー」と言っておった。まあ、さすがの「まげ物」好きの私でも「白虎隊」は見る気がしないジャンルのひとつなのだな。本来「大人たちに翻弄された揚げ句、早とちりで無駄死にしちゃった少年たち(「若者」じゃなくて「少年」つか、「子ども」だよな実質)の話」なんだから、それを「感動大作」にするには、それなりの「精神論」が必要になるわけよ。ああヤだ、ヤだ。

 そんなわけで見なかったので番組への論評はできないけど、新聞のテレビ欄で眺めたところ、二本松藩の少年隊の話も込みだったらしい。ので、こちらのご紹介。どこかで取り上げようと思っていたのでちょうどいい、ってことだけど。

 石川雅之「人斬り龍馬」  (左ブロックにリンクあります)

 石川雅之は今、「もやしもん」が人気の漫画家。私はその前に出た「週刊石川雅之」が好きだったんだよね。この「人斬り龍馬」は彼の時代物を集めたアンソロジー。標題作のほか、「二本松少年隊」「とどかぬ刃」「神の棲む山」の計4作を収録。
 で、二本松の話は「二本松少年隊」(当たり前だ)。仮元服を受けた才次郎が少年隊の一員として出陣、しかし圧倒的な薩長軍の前に部隊は全滅、炎上する城下に戻るまでを、長州軍の白井隊長のエピソードを交えながら描く。
 戊辰戦争の流れでいえば「白虎隊前史」ともいえるわけだが、読んだ時に思い出したのはむしろ沖縄戦。意気盛んな子どもたち(12〜17歳)を率いる大人は、道場主の木村隊長と二階堂副長の二人のみ。同じ陣地を守る老兵隊は、少年隊を退がらせるために無謀な突撃を行い、木村隊長は戦死。そもそも子どもたちの「意気」を満足させるためにだけ遂行されたとしか思えないような無謀な戦いの中で、大人たちはそれぞれに「子どもたちを無事に城に返す」ことだけに命を掛ける。追いつめられて自分の子どもを殺してしまった過去を持つ白井隊長がそれにからみ、「子ども扱い」され、自らの無力に悔し涙を流し続けた才次郎は、その無念を晴らそうとする。

 とにかく、虚しい。戦いは無論「国のため」(この時代の意識では藩=国)だが、この戦場にあるのは「国のため」に命を掛けようとする子どもと、「国」を超えて子どもを守ろうとする大人の齟齬である。これは例えば北村小夜がかつての「軍国少女」としての自らの経験から「女子どもが熱心に戦争をした」(つまり銃後体制下で戦争遂行に熱中した)と語るのを思い出させる。「子供を死なせて生き残ったところで、それを勝ちとは言えぬ」という二本松藩士の言葉の前では、才次郎の勝利の叫びも恐ろしく虚しい。そして、少年隊の全滅こそが白虎隊の悲劇を誘発したとするのであれば、南方諸島での「玉砕」が連鎖のように次の「玉砕」を引き起こしていった構造をこそ、思い起こさずにはいられない。

 ま、たいそう暗い気持ちにはなりますが、感動して涙を流すよりはよいかと思います。

【次回マールイ公演】
「眠りの森の美女」
1月8日 (月・祝)13:00開演 東京国際フォーラム(A) ペレン、プハチョフ(四人の王子でシヴァコフ出演予定←ヅラつき)
「白鳥の湖」
1/12(金)18:30開演 島根県芸術文化センターグラントワ 草刈民代
1/13(土)17:00開演 福岡サンパレスホール シェスタコワ、シャドルーヒン
1/14(日)15:00開演 シンフォニア岩国コンサートホール 
1/16(火)18:30開演 山口市民会館

 なんか、以前より日程増えてるよ……。

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