月末にI誌の編集さんに会った時に、「〆切り、5月末ですからっ。連休中に絶対1本は見てくださいねっ」と念を押されたので、久しぶりにぴあを買って熟読。見たい映画がねぇよ……orz。見るからに「映画館、満員御礼」みたいなのもイヤだしなぁ。はあ。
というわけで、「ドレスデン、運命の日」に行ってきました。それなりにこみそうだったので、12時25分の回を見るのに、早く行って席の引き換えをしてからサテンでメシでも食うべと思い、11時過ぎにシャンテ・シネに行ってみたら長蛇の列だよ。とはいえ、ほとんどは「クイーン」の客。一緒に並ばされた「ドレスデン」の客は、前から順次ピックアップされて、別窓口で座席指定券とチケットの引き換え。とはいえ並んでる時間はそれなりにかかってしまって、近所のファーストキッチンで朝昼兼用食を速攻で食う、になってしまった。内職用の本まで持って出たのになあ。
「クイーン」は2館体制にもかかわらず次回待ちでしたが、「ドレスデン」は空席ありました。客席年齢は高目です。以下、I誌に書かない話を中心に。
見終わった後の第一声。
「自分のヒラリオン萌えがこれほどひどいとは思ってなかったよ!」
何の映画の感想だよ、そりゃ。
ドレスデンの病院の院長の娘で看護師のアンナ(フェリシタス・ヴォール)には、外科医のアレクサンダー(ベンヤミン・サドラー)という婚約者がいるんだけど、空爆に来て撃墜され、脱出したもののケガをした英兵のロバート(ジョン・ライト)と出会って愛し合うようになって、すったもんだしてる間にドレスデンが空爆される、という話なんだけれども(←いくらなんでも端折り過ぎ)。
ハナから「ヒーロー萌え」しないタチなのはわかってるんですけどね。けど、どう見たってアレックスの方がいいヤツなんだよー(涙)。いかにも「堅物ドイツ人」の長身、黒髪(七三)、銀縁眼鏡。苦労人だからちょっとプライド高いけど、誰にでもやさしくてさぁ。アンナの「ひざまずいて愛の詩を」なんてわがままにもちゃんとつきあってくれてさぁ。杓子定規でお堅く見えるけど、それもアンナを守るためなんだしさぁ。最後にお父さんを馬鹿なドイツ兵に殺された赤ちゃんだって、きっとアレックスだったら引き取って育てちゃうんだよ。こんな一所懸命なまっすぐ野郎の気も知らんと、その気にさせるだけさせといて、なんなんやこの娘はー! もうそんな自己チュー娘はほっておいて、いい女みつけて幸せになってくれ(涙)……って、ヒラリオンよりもかなりいいヤツじゃないか、アレックス(笑)。
アンナを守って3人で逃げ惑ううちに、アレックスとロバートの間に微妙な連帯意識が育っていく辺りはよかったんだけど。「シャーロット」といい、「パールハーバー」といい、「ナイロビの蜂」といい、この手の「正義感と好奇心ばっかり強いお嬢さん」というのは最近の流行りなのかねぇ。
ついでに、ジョン・ライトのロバートは、ちょっとゼレンスキーを思い出させる。「似てる?」って正面からきかれると困るんだけど、髪形のせいかな。こっちの方がアレックスよりかっこいい! といわれる分には否定しないわー。ちょっと野性入ってるし。でもー。
ユダヤ人のダンナを守り抜こうとするマリアとダンナのジーモンのサイドストーリーはマジに泣かせます。こっちの方がよっぽど愛だわ。ちょい悪役のアンナの妹もいい味出してるし、防空壕の中の若い兵士とか、サイドがいい。
そんなわけで、主人公に関して何の共感ももてませんでしたが(いつのものことか)、悪い映画じゃないです。空襲シーンも、日本の空襲映画慣れした目には「ぬるい」気がするけど(だって次に何がくるかわかっちゃうんだよ)、「戦争被害」について語ることのできなかったドイツと、「戦争被害」ばっかり語ってきちゃった日本の隔たりに思いを馳せるにはいいんじゃないかと。実際、ドレスデンの石の街に比べると、紙と木の家ってのはよく燃えるんだな、と妙な感心をしたりもするけど、それだけに空襲後の瓦礫は日本では考えられない光景だし。出撃していく爆撃機群は見ごたえあり。
基本的には「誰も悪くないの、戦争が悪いの」という映画なので、その意味では「反戦」かもしれないけど、「和解」がどこにあったのかはようわからん。
公開時の「ザ・デイ・アフター」
がそうであったように、「白人が空襲の中を逃げ惑う」っていうのが、欧米人にとってはすごいインパクトなんだと思う。あ、「アンダーグラウンド」
の冒頭がそうか。第二次大戦中のユーゴ。
そんなわけで、ヒラリオンタイプに萌えやすい方は(← 違うと思う ^^;)心してご覧ください。まさかそんな感想になるとは思わなかったな(苦笑)。
[追記]今しがた、運動関係のセンパイから「シャンテで見かけたよー」とのFAXが(次の回に並んでいたらしい)。「自分があの戦火の中にいるようで、涙が止まりませんでした」とのことです。ふふ、汚れちまってるぜ>ぢぶん。
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