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2007/05/30

アフリカと冷蔵庫とダイヤ

 今日は「アフリカ紛争講座」の3回目。資源と紛争のメカニズムについて。大雑把に言うと

 「冷蔵庫を省エネタイプに買い替えて、アフリカの紛争を止めよう」

 いや、いくらなんでもつづめ過ぎだ、それは。
 まあ、「どこがアフリカや?」という感はありましたが、大きなメカニズムと生活密着とがほどよく混ざってとても面白い話でした。

 資源価格の暴落から途上国債務の現状、日本のODA(←援助といいつつ「借款」なので、利子だけで首が回らなくなる)、第1回の時に「そういう整理でいいんか?」だったIMF・世銀の構造調整プログラムについても全面展開。

 世界の紛争地域は大別して5つの資源のどれかがあるところ。(1)石油、(2)天然ガス、(3)それらを運ぶパイプライン、(4)鉱物、(5)水。アフリカの場合は鉱物、と思いつくわけですが、実は石油も結構ある。そこで、石油に頼らない社会を、ということで「省エネ+自然エネルギー」へ、という冒頭の「風が吹けば……」な話に戻るわけですが。

 それでも、世界の軍事費1年分があれば、債務国の債務を全部帳消しにして(ジュビリー2000の時は盛り上がったのになぁ)、世界中の地雷を撤去して、地雷の被害者に義足などを作って、世界中に下水設備を作っても、2000億ドル以上余るらしい(金額は国連の見積もりなどが参考)。
 そんで、私らの銀行預金で銀行は短期国債を買い、そのお金で国はアメリカ債を買い、そのお金でアメリカはイラクやアフガンやその他モロモロで戦争をやってる、と。要するに私らが預金する時は文字通り「お金を預ける」と思っているわけだけど、銀行は私らに払う金利を稼ぐためにそれ以上の金利で別のところに貸し付けるか、金融商品(国債にしろ株にしろ外貨にしろ)を買ってるわけで、そのお金の使われ方に対して預金者が自覚的であるべきだというお話です。

 それとは別に、話の中で興味深かったのはやはりダイヤモンドでしたね。いわゆる紛争ダイヤの規制が行われた「キンバリー・プロセス」(2002年)自体が、世界断トツのシェアを持つデビアス社(南アフリカ)が紛争ダイヤとロシア製合成ダイヤによって価格支配を揺るがされた時期に相当する、という指摘。もちろん紛争ダイヤを占め出すのは当然のことですが、デビアスの独占支配はいいわけ? ってことは別の問題としてある。

 自分なんかは世代的に反アパルトヘイト運動の盛り上がりを見てますから(集会に参加、レベルだけど)、やっぱりダイヤといえば南アフリカ。不買運動のトップ項目だったけど、こればっかりは自分には関係なかったからなぁ(^^;)。ダイヤなんか不買以前に買えませんでしたよ。今もだけど。こちらのダイヤは爆風スランプの「ハイランダー」のテーマにもなってましたっけ。あれから20年か……orz。

 ついでなので、アムネスティの「紛争ダイヤモンドアクション」など。さすがに手広くやってるなぁ。

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