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2008/03/28

プー横丁

 搬入が延び延びになっていた「プー横丁にたった家 」Anniversary Editionが職場に来まして。小さい頃に読んだときは、この最終回がわからなかったんだよなあ、とちょろちょろっと読んで。

 こんなに淋しくて切ない話だったんだなぁ。子どもながらに「クリストファー・ロビンは大人になって、もうプーとは遊ばなくなっちゃうんだな(でも今でも魔法の森にいるのはなぜ?)」とは思ったのですが、この年齢になって読むと、プーにあれこれと言いよどむクリストファー・ロビンの胸の内というのも迫ってきて。大人になるために、プーといっしょに子どもの自分を魔法の森においていっちゃうのかなぁ、クリストファー・ロビンは(←結局よくわかってない)。クリストファー・ロビンとプー。プーとコブタ。特別同士だけど、物語はクリストファー・ロビンのためのものなんだな、と痛いほど思う幕切れ。

 自分は「子どものままであること」について、何のロマンも感じないタチなので、こういう痛みを伴った通過儀礼の物語は好きなんですけどね。

 それにしても、石井さんの訳はやっぱりすごいですよ。こういう日本語には無条件で憧れるなぁ。「Pooh corner」が「プー横丁」だもんね。最後にイーヨーがクリストファー・ロビンに向けて書く詩もそうだし、プーが折々に作る歌もそうだけど、翻訳とかなんとかいう以前に、日本語のセンスが素晴らしいんだわ。こういう文章に囲まれて育ったぢぶんは幸せだったのかもなぁ。その割りにぢぶん自身には品がないけど。

 今度出た「Anniversary Edition」(Amazonではなく岩波にリンクしてみた)は、挿し絵がオールカラー。ぱらぱら見ている間に欲しくなっちゃった。シェパードの絵が好きで(ディズニーのプーさんは品がなくてなぁ)。3000円足らずだから、残業代で買ってもいいんだけどな。カバーのビニールが固くて読みづらそうではあるが(はずして読めよ!)。でもきっとそうすると、「クマのプーさん」の方も欲しくなっちゃうんだよ(^^)。

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コメント

どうもー。こちらはまだ5分咲きといった桜。(さむいんだよぉ)
もうもうほんとにね!と共感のコメ入れたく。
う「ディズニーがオリジナルではないディスニー禁止」の我が家。
プーもアリスも素晴らしい挿絵と詩ですよね。
ミルンは推理小説を書いていますが、こちらも傑作です。20回は読んだ気が←反芻好き

そして書物の訳については私はい・じょーーーーーーにうるさい。
訳で選ぶといっても過言ではないかも。
日本語に対する造詣の深さや、その人の品性や育った環境など(申し訳ないけど)が
顕著に表れるのが翻訳だと思うので。
恩地三保子さんの訳も素晴らしいです。(大草原の小さな家シリーズ。
日本を代表する版画家のひとり恩地孝四郎さんの娘さん)
今はそういう少し古風な味わいのある美しい、なんというかお味噌汁に入ってる
きちんと切った四角いお豆腐のような、白く四角くでも柔らかく、それでいて邪魔にならない
そんな日本語訳ってあまりないかも。
なので、そういう文章で育って幸せだったなーと私も強く思うのです。

投稿: 矢羽 | 2008/03/29 23:23

おお、こちらの桜はもう満開ですよー。
しだれもぼちぼち咲き始めました(しだれものが好きー)。

そうそう、少し古風で邪魔にならないって、ほんとにそう。
さりげないのに美しいんですよね。
英語のことばあそびをカタカナで訳すのではなくて、
日本語のことばあそびに作り上げるのはさすがです。
その意味では、井伏鱒二のドリトル先生もそうだし、
かつての児童文学界にはそういう気風があったなぁ。
瀬田貞二や渡辺茂男や。
版権切れで「星の王子さま」の新訳もずいぶん出てるけど、
内藤さんじゃないとー、なんて言いそうな気がしますよ
(↑ ダシャレじゃないです ^^;)。

「大草原」は恩地さんでしたか。
小学校の高学年の頃に好きでずいぶん読みましたよー♪
でもやっぱりテレビ版は好きになれなかったの。

チャペックやノートンや、たくさんのすてきな本からもらったものは
一生の財産として体のどこかに残っているんでしょうね。
品性下劣なぢぶんが言うと、説得力がイマイチですが(^^)。

投稿: 綾瀬川 | 2008/03/30 02:36

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