ベジャールプロ初日
ベジャール・プロ初日。東京では2日公演だけど、団員さんたちにとってはその後に始まる長い海外ツアーを含めての初日なんだよなぁ。
とってもよかったです。3演目とも。終った後で、雨は降っていたのだけれど、不忍の回りをふらふらして余韻を楽しみました。雨だったおかげで、何羽もの燕が水面に急降下してはタッチ・アンド・ゴーを繰り返すのを(タッチはしてないけど ^^)、眺めることもできました。上野でマチネのときは、こんな風に過ごすのがとても好きです。あんまり寒かったり暑かったりすると無理だけど。
レポ並になってしまったので、一応たたんでおきます。簡単にいうと、「ああ東バだなー、ベジャールだなー」という満足感かな。「ギリシャ」は横内−長瀬のPDDがよく、コールドがとても気持ち良く、後藤さんはフィナーレでのヴァリがよかった。「ハルサイ」は、小笠原くんの若者が素晴らしく、美佳さんの生贄は圧倒的。「火の鳥」は、木村さんのアームスに宇宙が……(←東バ2人目か)。フェニックスの場面の振りがDVDと変わっていて、ちょっとびっくり。
で、「やっぱり木村さんでみたいなー」と思ったのは、意外にも「ハルサイ」でも「ハサピコ」でもなく、「ギリシャ」のフィナーレでした。あれを踊る木村さんがすっげぇ好きだわ、ぢぶん(←自覚した)。
明日も見られるのがとても嬉しい。火の鳥も多分、明日の方がもっといいだろうな(←いつもだが)。
始まる前にプログラムを読んでいるうちに、ちょっとうるっときちゃって。そんな状態で始まった「ギリシャ」は気持ちよかったなぁ。横内ー長瀬のPDDが思いの外よかった。このところ横内くんの覇気がないような気がして、大丈夫かなー、と思っていたのだけど、このPDDはすごくよかったな。動きとしてはもう少し欲しいものはあるけど、長瀬くんとの息もばっちりで、二人がすごく楽しんで充実してるっていうのが伝わってくる。
裸足のPDDは「幼なじみの初恋でも女の子の方が大人なんだよねー」という(^^)。松下くんももう一息欲しいな、というところはあったけど、このPDDにふさわしい初々しさがあって、横内くん共々、このツアーで踊り込むうちにかなりよくなるんじゃないかと思った。ハサピコはあれですね。「誘惑する人妻と動じないおっさん」みたいな(^^)。初見だったら「いいね」と思ったような気もするし、これはこれで悪くはないんだが、いかんせん水香ちゃんのベジャールはぢぶんの求めるものとは「違う」感があるなぁ。「ドンジョ」だったら全然問題ないし、フォルムはきれいなんだけどね。
後藤さんのソロは初役だったのかな? ソロの方は「踊れてるんだけど、いつもはもっと華やかな感じでないか?」という気がしたんだけど、その後のフィナーレでのソロは「うんうん、これがごとやんだな」というムードがちゃんとあった。緊張してたのか? コールドは男女ともに気持ち良かったですねー♪ フィナーレで平野さんの隣にいた背の高い男の子(野辺くんと同じくらい)は誰だったんだろう。なかなかいい感じだったなー。
「春の祭典」も久しぶり……かな。やっぱり凄いです。前半の男性パートでは、「最初の1匹」(若者)の小笠原くんがすんごくよかった。存在感もあって、小柄なのに踊りが骨太な感じがする。跳ねっ返りの若い個体が群れを引っ張っていくトリックスター的なところがしっかり見えた。こういうものになると、平野さんは意外と線が細過ぎちゃうんだなぁ。端正で繊細なのがウラメちゃんで。逆に、後半女性と組むと、小笠原くんが埋もれちゃって、平野さんの方が暴力的に見えたりするんだ。不思議なもんだな。というわけで、男性群舞は「これだよこれ!」というのが前半。
女性パートの方も素晴らしかったです。元々「水」のイメージのあるパートだけど、なんだか海底の珊瑚の群落のようだった。静かで青い世界。そして美佳さん。女王のようでもあり、少女のようでもあり。まさに「生贄にされるための女王」だよな。
男性群が襲いかかるところがもう少し暴力的だといいんだけどな。ちょっと優し過ぎるんだわ。なので、後半はちょっと弱い感じもあったけど、とにかく美佳さんのソロが圧倒的。毎度ながらこれを見るともう、ひれ伏すしかない気持ちになっちゃう。中島さんももちろんいいですよー。過剰でない色気があって、役を確実にモノにしてる。美佳さんと同じくらいの強さがありました。「ひ弱な個体」にしちゃちょっと立派すぎかも、とは思うけど、これはこれでいいのだ。
で、「火の鳥」ですね(←本当は2演目め)。西村さんのパルチザンが妙に色っぽかったな。しかしそれ以上に木村さんが色っぽかったりして(笑)。
最初のソロと戦闘場面では、気持ちに脚がついていってない感(←初日モード)もないではなかったですが、なんというかな……。最近、以前のような「オーバーアクト」っぽいところがなくなって、内側に抑えた感じの表現になっていると思うんですが、それでいてなおかつ伝わってくるというか。青年の焦りとか、自分の変容へのとまどいとか、そこへ身を委ねる快楽とか、遠くから「敵」のやってくる予感とか、届かない理想への失意とか、そういうものがいちいち(というのもナニだが)顔の表情だけじゃなくて、肉体の表情から来るというのか。しかも、「朝日」のインタビューで語っていた通り、それが「鳥」なんだな(^^)。もう鳥です。やっぱり白鳥が踊れるよ、この人はっ(^^;)。どういう腕してるんだか。手首の返しの柔らかさとか、両腕を後ろに胸を反らせた「白鳥のポーズ」のアラベスクとか、なまじなオデットよりも(以下略)。
「王女たちの舞曲」を使った中間部が素晴らしかったです。木村さんのアームスが、柔らかく、暖かく、全てを包み込んでいくように、豊かで、たおやかで。いや男の人に「たおやか」はないような気もするんだけど、「たおやか」としかいいようがないんだ、これが。しかも「父性」より「母性」に近いような気がする(^^)。なのに青年らしさもあるんだよな。不思議な人だなぁ。そのパートが終わり、はるか向こうから「敵」が現れる予感に前方を見つめる、音のないその場面の緊張感がたまらなかったです。倒れるソロも、倒れた断末魔(?)もよかったなぁ。美しいけど哀しくて。
そしてやって来たフェニックスの高岸さん。「雪のピレネー山脈でぼろぼろになってるパルチザンの前に現れたスペイン無敵艦隊」のようであった。単独だけど。DVDだと後ろに鳥を率いた状態で現れるのに、鳥たちは最後まで出ないで、鳥の群舞が踊るところまで高岸さんがソロで踊っていたような気がする。いつからこういう形になったんだろう。
明日はどんな火の鳥になるか、楽しみだなー♪
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