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2008/06/02

空に近い月末

080429_19060001 転居してからひと月が経ちました。引っ越す前は、そうは言っても淋しくなるんじゃないかとか、不安で押しつぶされそうな夜もあったのですが、いざふたを開けてみれば、10年そうしてきたかのように何の違和感もなく暮らしています。それはそれでどうなんだ。
 そんなことが前にもあったよなあと思ったら、20年前に実家を出た時だよ(笑)。初めての独り暮らしなのに、何の違和感もなかった。基本的に自分は独りなんだなあ、と思ったあの日。

 今の部屋に決めたのは、家賃とか広さとかいろいろとありますが、目の前に自分の部屋よりも高いものがなく遠くまで見渡せること(それでいて高過ぎないこと)、ベランダから入ってくる風が気持ち良かったことが大きな理由でした。ここで床に座って柱にもたれながら外を眺めるのは気持ちいいだろうなあ、と。遮るもののない風景。

080429_19050001 転居の翌日、神奈川県民ホールに「ドナウの娘」を見に行きました。写真はその時の山下公園。午前中に前の部屋の掃除をしていたので、開演まで時間がなく、舞台の余韻を抱えながら終演後にぶらっとしました。

 山下から港の見える丘にかけてがとても好きです。際立った思い出があるわけでもなく、近くに住んでいたためしもないのですが、このある種殺風景な公園にくるといつも懐かしい、やさしい気持ちになります。
 
 海沿いの広い道を、大道芸を横目で見たりしながらぶらぶら行くと、自分の中にある音楽が聞こえてくることもあるし、今までに見た舞台のこと、映画のこと、読んだ本のことなどが頭に浮かび、ふっと何かが見えてきたりすることもあります。「ドナウ」の後で、氷川丸までの道を歩きながら、この「素通し」の感じ、何もない開放された空気が自分を解放してくれるのかな、とおぼろげに思いました。

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 海に張り出した先に立つと、風が心地よく吹いてきます。ライトアップされた風景が水面にゆらめくのを眺めていると、おだやかで暖かい切なさとでもいうもので満たされていくような気持ちになります。ここの風景もまた、遮るものがない。空間の広がりは心の広がりを生むのかもしれません。

 部屋の中は相変わらずぐちゃぐちゃで、買い足さなければならないものもまだいくつもあるのですが(洗濯機壊れたし)、淋しさよりも安堵の方が大きいようです。カーペットが敷けるくらいに片づいたら、ゆっくりとバーボンソーダでも飲みながら、柱にもたれて外を眺めることにしましょう。また少し、空が近くなっているかもしれません。青空は自由のメタファーだから。

 ……片づけなくっちゃな。

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