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2008/09/18

「端正」な声のひと

080917_21200001 今年も9月に入ると彼のことが思い出されて、「ジゼル」の舞台に通いながら、ずっと彼の声を聴いていました。ガンによる急逝から二年。今日(17日)が三回忌でした。小さな花束を買って、BBLの帰りに買った蓮のお香を焚いてみました。まだ少し、胸がつまります。鼻も。

 いつもは公的に発表されているサイトのリンク以外にこの種の写真は使わないのですが、今日だけは赦してもらえるかな。そもそもソースがないし。LPのジャケットから撮った写真だし。それにしても若いよー、若過ぎるな、ガベさん(T_T)。80年に発表された最初のソロアルバム「青春ひとりぼっち」のジャケット。久しぶりに出してみたら、少し茶色く染みになっていました(彼の白ジャケが汚れてるんじゃないんだよー)。
 当時32歳。あの頃はすごく「大人」に見えたけど(ぢぶんが高校生だもんな、そりゃ)、今見るとやっぱり「70年代の青年」のようだ。

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 リードギターだったSlapstickの復刻CDが12枚、ライブDVDが1枚、CD化されなかったライブ版LPが1枚、ソロアルバムが3枚。声優としてではなく、「曽我部和行」として私の手元に残された、彼の声です(復刻じゃないLP盤12枚も持ってるけどー ^^)。彼が持ち役にしていたどのキャラクターも好きだったし、舞台役者としても好きだったけれど、私にとってのガベさんは、モズライトをこよなく愛する「音楽部長」のガベさんです。

 すぎやまこういちや森雪之丞らが提供した楽曲のよさもさりながら、Slapstickがブームに乗った「色モノ企画」に終らずにバンドとしてのクオリティを持ち続けたのは、雄二の卓越したヴォーカルとガベさんのギターによるものでした。今、ライブDVDとその副音声に入った「ガベ抜き座談会」を聞くと、ほかのメンバーが「仕事の息抜き」「放課後のクラブ活動」として関わっていた中で、彼一人が正面から「音楽」をやろうとしていたことが伺えて、少しばかり切なくなります。

 Slapでメインボーカルをとったいくつかの曲(正直「なんじゃこりゃ」もあるんだが ^^)を聴いて、あらためてその声の不思議さを思います。「凛とした」とか「野武士のような」とは現役当時からの彼の声の定番形容でしたが、デジタル化されたものをヘッドホンで聴くと、彼独特の微妙な倍音のような響きを伴った歌声は、淀むことのないポール・ド・ブラが持つ「腕の響き」とどこか似ている気もします。10代の自分に「端正」という語彙はなく、実感できることばでもありませんでしたが、今ならば彼の声をそう呼ぶでしょうか。彼の声も、ギターも。

 後期に発売された「ボートハウスに連れてって」は、野島さんの名曲「Lady Fish」を含むアルバムですが、この中でメインを取った2曲、鼻濁音が無性に美しい「8月の都会」と「避暑地の恋」がまた好きで。「避暑地の恋」の「いきなりどうしたっ」というくらい自爆的なサビ(笑)と裏腹なAメロのハスキーさがたまりません(^^)。いわゆる「二枚目キャラ」を演じる時よりも、歌声は総体的に高めですが、若い頃はさしてよいと思わなかった「When you walk in the room」(「コバルトムーン」収載)など高いキーの曲も、まっすぐな色気があったりします。雄二とツインボーカルを取った「想い出のメリージェーン」(「モロGS」収載)は、彼ののびやかな低音が存分に発揮されたナンバーですが、こちらを包み込む大きな手のようで、甘くて色っぽいだけではなくて、こんなにやさしい声をしていたんだと、あらためて思います。彼の声はやさしい。本当に。

 10代の私はたくさんのものをガベさんから受け取りました。今も、受け取り続けているように思います。ありがとう。この先もよろしくです。


080917_21230001 ……だからね、9月はそういう月だから。ヒラリオンの声はどうしたってガベさん(やや高目)でアテちゃうんだってば(T_T)ニアイスギル…。

 写真は3枚目のソロアルバム「摩天楼ラブ」。パーマをかけると誰でも後藤さんになれる好例か。ガベのパーマ、何度かけても似合わなかったよなぁ(←おいおい)。
 ようつべで検索をかけたら、「薔薇の戦士」(♪ばばばバンコラン……ってヤツね ^^)だけは上がってました(動画じゃないけど)。スラップでかけると「輝け!タマネギ部隊」が聴けます。結局そっち関係ばっかりやな(苦笑)。

 カテゴリは「音楽」で本当にいいのだろうか。

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コメント

もう三回忌なんだ・・・。しみじみ。
実家に敬老しに行って探してきましたょ。
ダビングテープの箱。
だって、CDはなかなか手に入らないし、LPのプレーヤーは無いし。
昼間の主婦時間に聞いてます。(笑)
あの頃は登志夫ちゃんのファンで雄二の曲が大好きで、
ガベさんにはちょっと遠慮してたかな。
でも今聞くとやっぱりいいなぁって思う。
もちろん一番上手かなって当時も思ってたけれど。
「端正」わかります、その表現。

最近、クラス会とか昔を振り返るネタが多くて、(年食っただけか?)で、思ったわけさ。
こんな自分でも「けっこう幸せな方」なのかもって
スラップに夢中になれた自分は幸せ者だったなって。

投稿: ばむ | 2008/09/22 12:32

おっ、テープ見つかりましたか。うちも「青春ひとりぼっち」あたりはLPはあるんだけど、もうテープがなくて。プレイヤーも実はあるんだが(笑)15年くらい使ってないので使うのがコワイ。
CDBox、Amazonで69000円ついてましたよ(はあー)。

でもやっぱり歌については、雄二がいちばん上手かったと思う(笑)。
雄二は華やかだったし、オープンで陽性のセクシーさがあったけど、ガベさんの色気って内側にこもってじわじわ来るタイプだったし。「耽美」通り越して、ゴシックホラーになってたときもあったしね……orz。
あの頃の中学生でガベファンって、結構背伸びしいだったんじゃないかなぁ。

当時はファンはそれぞれの持ち役のイメージをかぶせてたし、本人たちもそう意識して振る舞ってる部分もあったと思うけれど、年月が経ってそういうものが薄らいだ今、あの頃にはわからなかった音が聞こえるようにも思います。

うん、スラップの活動と中学から高校までがまさにリンクしていた巡り合わせに本当に感謝してる。彼らに出会えて幸せだったし、今も幸せ。あの頃のままずっと年だけ取ったような気もするよ、ぢぶんは(笑)。

来年の4月で還暦だったんですよ、ガベさん(T_T)。←今年だよ(怒)。算数もできてねぇよ、ぢぶん……orz。

投稿: 綾瀬川 | 2008/09/23 01:09

こんにちは。ミクシィから寄せていただきました。
音楽面での詳しいことは未だにわからないけど、「端正」という形容にうんうんと頷いてしまいました。

で、パーマヘア、似合わなかったですよね(苦笑)
当時、何で最初に知ったか忘れましたが、その写真に向かって何があった?!と訴えてしまった記憶があるような。

…それではまた伺わせていただくこともあるかも知れませんがその時はよろしくお願いします。

投稿: みさと | 2008/09/23 22:49

みさとさん、コメありがとうございます。嬉しいです!

CDBoxを手に入れた後、それぞれについて書きたくてCD用の別館まで作ったのですが、もう入手できないアルバムについて書くのもなんだかなあ、もう覚えてる人もそんなにいないだろうしなぁ、と思って手付かずにしていました。
なので、皆さんがまだまだ語っているのを読んで、とても嬉しかったです。

パーマ、何であんなになっちゃうんだか(笑)。
ライブの時に、確か
野島「がべちゃん、その頭はどうしたの」
がべ「……家の近所で火事があって」
という会話をしていたような記憶も(^^)。

また少しずつでも彼らについて書いていけたらと思います。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。

投稿: 綾瀬川 | 2008/09/24 02:02

ろっ、ろくまんきゅうせんえん!!
2回も桁を確認しちっただ。
ちょっとこれは買えない。

ほんと、テープが出てきて幸いでした。
でも音は悪いし、これ擦り切れたら最後だし・・・。
そうそう、貴重な音源も同時録音されていました。
月刊OUTのCMだよ!
「少年時代、ベンチャーズを聞いてもうアウト!」って言うの、覚えてる?

投稿: | 2008/09/24 10:46

と、いいつつもうなくなってたよ、AmazonのCDBox。
売れたのかどうかはわからないけど。
ブック某とかオークションとか、時々検索かけると
1万〜3万の間くらいでひっかかってくるよ。
元の定価が19500円(確か)なので、そんなものでしょう。13枚組だし。

ぢぶんは昔のカセットの中身をせっせとMDに移してます。
せめてこれ以上の擦り切れは避けたい。
さすがにOUTのCMまでは覚えてないよー(笑)。すごいな。
「少年時代」ってことはスラップのかなり初期だよね。
ぢぶんの「摩天楼ラブ」のテープの余白に
キッドの長セリフが延々入っていて
なんだったかなーと思ったら「カーメンカーメン」(爆)。
ぢぶんでもすっかり忘れてたのでえらくびっくりしただよ。

…で、ばむくん、名無しになってる(笑)。

投稿: 綾瀬川 | 2008/09/25 01:08

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