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2009/04/19

45年プロ、初日

 無事に脱兎のごとく会社を出て、上野に行って、帰ってからうっかり寝てしまった(笑)。テレビつけたら、ランク王国も後半だったよ。いやもう、体力的にはキツイっすな。タイムカード押し忘れてるし(笑)。ちなみに上映会チケットは、会場売りにきづかないで、上野のABABのぴあSTで買っちゃいました(笑)。でもそこそこいい席だったからいいや(夕方の回だったからか?)。

 「エチュード」は……、正直、沖縄でいい夢を見過ぎた(^^)。横須賀の時は普通によかった水香ちゃんが、後半どうも今一つ決まらないし。ポワント立ちでのポーズは、そのキープ力も含めてすごいなと思うんだけど。フォーゲルは日だまりのようなほんわか王子で、一人で踊る部分のキレやスピード感はさすがだったな。サラファーノフもさすがというのはさすがなんだけども。この二人については明日見てから。コールドのうち、2組が女性と組んで踊る場面があるんだけど、小笠原くんがすごくやさしい踊り方をしていて、ちょっとびっくり(←失礼な)。井田さんの指揮は3月同様とても誠実でやさしくて、久しぶりにいいバレエ指揮者に当たったなーと。

 「タムタム」は面白かったけど、やっぱ難しいねぇ。意外なことに(←失礼な)、横内くんがすっごくよかったよ! 初めて横内くんに「男の色気」を感じてしまった(^^)。明確にではないけれど、身体にドラマが出てきたよ。踊りのタイプがあってるのかな。西村さんがクールでかっちょいい。ソロが思いの外短かった。コールド、ガンガレ。

 えーと「月」です。衣装、赤でくるとは思わなかったよ!(←結局驚かされてる)。冒頭のボートの場面がとても美しかったなぁ。
 木村さんの「月」は「見守る」存在。月と少女の美しくて切ない物語でした。
 7つ+1の俳句をもう一度。

 赤い月 是は誰がのぢゃ 子供たち(一茶)
 人に似て 月夜のかがし あはれなり(子規)
 四五人に 月落ちかかる をどり哉(蕪村)
 寒月や 石塔の影 松の影(子規)
 春もやや けしきととのふ 月と梅(芭蕉)
 小言いふ 相手もあらば 今日の月(一茶)
 我をつれて 我影かへる 月見かな(素堂)
 鐘消えて 花の香は撞く 夕べ哉(芭蕉)

 「時節」の時だったか、三浦氏が「俳句」の「小言いふ」が伴侶を失った男性による「ジゼル」2幕のPDDだというようなことを書いていたのは覚えていたのですが、寒月での雪降る中での月が美しく、そこからは一気に木村・高岸・斎藤の生み出していく世界に包み込まれて行きました。この作品からのちに「時節の色」が生まれていったのもよくわかるし、昨年の「時節の色」がこの「俳句」に投影されてもいるんだろうとも思い、この2つの作品ともこの3人のためのものなんだなぁ、としみじみ思いました。長年ともに踊り続けてきた3人ならではの、心のすみずみまでわかり合ったような、そんな舞台。

 この下は、ファンモードというよりも、明日どうなるかよくわからないので。


 

******

 「子ども」のパートが終わり、子どもたちの中から友佳理さんがふっと浮き立つ。不気味な「かがし」たちの中の少女に月が寄り添う。オレンジのスリップドレスの少女たち以外は地味な衣装の群舞の中で、一人光沢のある衣装を着た月は明らかに「違う者」なんですが、木村さんの存在感と佇まいがさらにそれを強調していました。友佳理さんの「無邪気な少女」はまさに友佳理さんで、それを近く、遠く、月が見守っていくんです。
 
 寒月の降りしきる雪の美しい場面が終わり、梅の咲く春に浮き立つ月の笑顔。ひとときの戯れのあとで、妻となったかつての少女を亡くした男がやってくる。彼の悲しみにそっと寄り添う月。二人のPDDは、想いを重ね合わせるようなユニゾン。高岸さんの直裁的な悲しみと、木村さんの、自分の悲しみとそれでも男を包み込もうとするやさしさとが重なり合って、胸をしめつけるようでした。木村さんの指一本おろそかにしないポール・ド・ブラが美しくて、「人」である高岸さんと、異界の者である木村さんとの違いがくっきりと浮かびあがって。そこに灰褐色の衣装の友佳理さんが加わったトロワは、美しくて切なくて苦しくて。

 幾度か繰り返される月のモチーフの中で、軸足を曲げ、身体を水平にしてやや反らせるポーズは「三日月」なんでしょうか。ラスト、冒頭のボートの場面に戻りながら、月の向こうからこちら(というよりも男性を)みる少女になんとなくほっとなりました。

 家に帰ってからつらつらと思い返して、松谷みよ子の「黒い蝶」の「月」を思い出しました。演習地に入り込んでしまい命を落とした少年の死を、激しい怒りと共に語る「太陽」と、少年が家族に発見されるまで自分がその子を照らし続けようという「月」。なんとなくですが、そんな「月」だったように思うんです。やさしいんだけど、それは「人」のやさしさというよりも、もっと大きな、違う場所からくるようなものなんです。

 とりあえず。

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