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2009/05/06

毛皮のマリー

 行ってきましたー♪ 毛皮のマリー(公式はこちら)です。及川ミッチーが出た時にチケットを取れずに悔しい思いをしましたが、なんとそれ以来の再演なんですね。今日もキャンセル待ちの列ができてました。ぢぶんもちょっと出遅れたら4月中の土日はチケットがなくて今日になったんだけど、もう1回くらい見てもよかったなぁ。

 「美女の亡霊」という名の「美少年集団」は脇に置いといてですね(笑)、その他の脇がもうどこを向いても適材適所というか。もう何といっても、麿赤児の怪演が素晴らしかったですよー♪ 久しぶりだな、麿赤児。それが「美少年集団」を呼び起こしての乱痴気騒ぎは麿の本領発揮。……いきなりディープな場面の話になっちゃったな。
 日野利彦やマメ山田が健在なのも嬉しい。紋白の若松武史にしろ、鶏姦詩人の二人にしろ、主要キャストのパワーが半端じゃないです。
 最初は「んー?」と思ったのに段々に「イイ!」と思ったのは水夫の菊池隆則で、美輪サマが「人柄で選んだ」というのが納得。この絶望的な喜劇の中の、ひとときの救いの部分が彼なんだなぁ。出だしは粗野で無教養なだけの男なんだけど、マリーと欣也の因縁話の後で一所懸命に「……うそだべ? うそだべ?」と繰り返す素朴なやさしさが泣かせるだよ(ノ_-。)。

 新人の美少年・吉村卓也は、セリフ回しの聴きづらい場所もあるんだけど、その中で時折、ぽん、といいセリフが落ちてきたりする。終盤の紋白とのやり取りの中で、すごくいいセリフのところがあったんだけど、忘れちゃったよ……orz。立ち居振る舞いがとてもよくて、あの世界の中にすっぽり入り込んじゃってるところがたいしたもんでした。動きがすごくよかったなぁ。プログラムの写真は髪がサラファーノフになっててちょっと、だけどな(^^)。

 美輪サマはやっぱり美輪サマでした。声が衰え知らずです。なんというか、存在するだけで存在してるんですよ。わけわからない書き方ですが。実在するものの凄み、とでもいえばいいのか。
 終盤からは「般若=聖母」でしたね(欣也が部屋を出てからがあんなに長いとは思わなかったな)。カテコは白の衣装だったこともあるんですが、愛憎取りまとめて増幅させた戦慄するような「母性」から虚脱して、非常にシンボリックな聖母子像として現れるんですが、そこからあたりの異形の出演者たちの中に立つ時に、ああこの人は異端者たちの聖母なんだなあと、あらためて思います。

 基本、アングラですんで、万人向けではもちろんないんですが(なのであんまり大きくは薦めないんですが)、ぢぶんはこちらの住人なんだな、という懐かしい気持ちがします。それは野戦のようなアングラ芝居をみる時もそうですし、山海塾などでもそうなんですが、初めて観るものであっても、なぜかそこが自分の「ふるさと」のような気がする、そういう感覚。思えば、ベジャールを含めた東バのモダン/コンテにも、ぢぶんにとってはそういう部分がありますね。最近、外来もののクラシックに触手が鈍感なのはその辺りかな……。

 ほんとは即レポで行きたかったんだけど、帰ってきて夕飯食べたら寝ちゃって(苦笑)。クセになってるなぁ。宿題がたまるばっかりだよ。

 ついでながら。鶏姦詩人てのが、ローマ剣闘士風の衣装の、兜に鶏冠とお尻に巨大な鶏の尾をつけてるんだけど、その場面の音楽が「スパルタクス」のアダージョなんで、こっそり爆笑しちゃったよ(^^)。

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コメント

ミッチー大ファンの友人のおかげで前回見る事ができました。
再演か~、観たかったですね~。
新人さんの舞台デビューって、いいですよね。
それが演出サイドの意向やスポンサーサイドの意向にしろ、
起用されるだけのなにがしかの魅力があるわけで、
決して100点ではないにせよ、「ああ、周りはこの子のここの部分に惚れているんだな、期待しているんだな」というところがちょっぴりわかる瞬間があったりして、そうしてズルズルズルと2回目とか観に行ってしまうんですよねえ。(思うツボ)

投稿: おロシア人 | 2009/05/06 09:57

おロシア人さん、ミッチーでご覧でしたか! 羨ましいっすー。
ファンというほどではないんですが、結構好きなんですよ。
半ズボン姿、見たかったな(^^)。

朝日のエンタ欄に出ていた記事によると、今回の欣也は今までの欣也と違って「屈折した影がない」のだそうです。
純粋に無邪気な分だけ、終盤の「おかあさんも標本にしなくちゃ」のくだりが怖かったですよー。
それにしても周りがみんなベテランで大変でしょうねー。鍛えられるだろうなぁ。

それにしても間に合ってよかった、です。
できれば「卒塔婆小町」も見たいです。

投稿: 綾瀬川 | 2009/05/07 01:59

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