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2009/05/31

三部衆……

 んー。オフだと本当に寝るな。どんだけ寝れば気が済むんだ、ぢぶん。

 さて、阿修羅展の続きというか。「阿修羅展」というのも気が引けるほど、阿修羅見てませんが。

 「8人が一堂に勢ぞろい」はそもそも実現しなかったんですが、鳩槃荼像さんたちが帰ってしまって、展示室には5人(お向かいが十大弟子)。
 八部衆での一番のお目当ては五部浄くん。彼が来なければ展覧会そのものがスルーだったかもなぁ。やっぱり美しかったです。正面や、やや斜めに向いた写真がほとんどですが、真横から見た時の決然たる眼差しは武神にふさわしく、「天」にふさわしい。

 ちなみにこの場合の「天」というのはある種階級的なもので、仏教でいうところの「神」(という言い方自体が妙なんだが)の部分。インド由来の神々が仏教に帰依して守護神となったというものは、ほぼここにぶち込まれてます。なので「天竜八部衆」のすべてが「天」なのに、冒頭に「天」(概念としての総称)をおくのはどうなんだ、という気はするんですが、ともあれ興福寺ではその総称としての天に五部浄像を充てているというわけ。

 ま、うんちくはともかく。彼の美しさは、ビーナスやニケと同じく、その欠落がもたらしてる部分も大きいだろうとは思うのですが、やはりその神髄は目にあるだろうとも思います。今回、東博に収蔵されている右手が同時陳列されていましたが、彼の右手を見るのは初めて。写真でも見たことなかった(てか、あったんですね)。そのドレープの袖の美しさは(ちょっと誰かさんのホセの袖口などを思い出しつつ)ほかの像とも通ずるもので、彼もやはり同じような出で立ちだったんだろうことが思われます。ようやく会えた本体と右手。一緒にいさせてあげればいいのになぁ。
 説明書きによると、彼の黒く見える肌は、元は青だったそうです。青い神といえばクリシュナもだけどシヴァの異名は「青い咽」だし、象をかぶっている辺りはガネーシャ(シヴァの息子ですね)だし、その容貌とは別に、インド的要素は残ってるんだなぁ(甲冑は中国風ですが)。

 お目当ての乾闥婆くん。族としてのガンダルヴァが好きだからなぁ。音楽神が目を閉じているのは、なるほどなあ、と思います。かぶっているのは獅子ですが、おっとりとした柔和な彼のそばもまた居心地がとてもいいです。「耳を澄ますと心も澄む」というようでもあり。同じ調べを共有するような、または心の奥底に耳を澄ますような、そういう静かな……あるいはひそやかな穏やかさ。

 そして今回いちばん居心地のよかったのが緊那羅兄さんのそば。こちらも楽神ですが、額の一角と第三の目が密教的。なんといいますかー。本当になんといっていいのか全然わからなかったんですが、何がどうということでもなく(いや、かっこいいんですけど)、とにかくすごくそばにいて気持ちが良くて、いくらでもずっとそこにいたかったんです。こういうちょっと理屈じゃ説明しにくいことっていうのは珍しくはないんですが、衝撃的に貼り付いてしまうことと、穏やかな空気の中で動きたくなくなることとがあって、今回は後者。なんだろなー、あれは。

 えーと。緊那羅兄さんの後ろから乾闥婆くんの後ろ姿を眺めていて、10代の頃にさかんに描いたスケッチを思い出しました。手に入る限りの(つまり図書館やなんかで)美術書、仏像の本の類いに出ている写真を、かたっぱしから模写していました。八部衆(興福寺に限らず)や十二神将(新薬師寺に限らず)がメインでしたが、菩薩や明王もずいぶん描きました。「写真で見る菩薩の着付け」なんてのはずいぶん役に立ちましたよ(何の役に立ったんだか、という気もするが)。興福寺の八部衆に関しては、背中側もそれなりに資料があったように思います。乾闥婆の獅子冠の後ろ側に見覚えがあったので。その頃の記憶なんで曖昧ですが、たしか彼らの来ているのは古代中国の皮甲冑で、乾闥婆や五部浄のような獣冠は、実際の皮をなめしてかぶるものだったように思います。つまり、獅子や象の剥製(とはいわないか)をそのままかぶってるわけで、獅子はともかく象はでかいだろう、と思うんですが。五部浄、実寸はどんだけだ。で、そこで思い出すのは「火の鳥」の太陽編だったりするんですけどね(^^)。

 畢婆迦羅さんにも会いたかったけどなー。彼も楽神だけど、見た目のキャラがガムザパパなんだよなー。ぢぶんのイメージとしては。

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