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2010/09/04

ミシマに至る回転扉

 やらなきゃならないことが多すぎてめまいがする。コンロの掃除とか、あれの掃除とかこれの掃除とかそれの掃除とか。この週末の目標はそのほかにツァオチーの映画と都立中央図書館。やれやれ。

 「バレリーナへの道」最新刊。
 入荷チェックの時にチラ見しただけですが、裏表紙が「神髄」の「シェヘラザード」。結局この公演は行かなかったんですが、「これが噂の……Σ( ̄ロ ̄lll)」という、シェヘラザードの衣装。いやいや、女性奴隷の衣装はまさにロシアの神髄。ロシアじゃなくてウクライナですが。むしろ旧ソの神髄というべきなのか。刺青襦袢かと思った。旧ソ圏以外じゃ絶対あり得んな、これは。ゾベイダ役のフィリピエワの赤い衣装というのも、想像とはかなり雰囲気が違っていた。やっぱり百聞は一見にしかずだな。


 「回想 回転扉の三島由紀夫」
 しばらく前にやはりブック某で安く出ていたので。清里の行き帰りでするっと読んじゃいました。発売の時に物議をかもしたミシマの「弟」による回想本。アレですね。「みんな、そこは言わない約束にしてただろーー!!」という非難の声が行間から聞こえてくるような(笑)。

 ま、それはそれとして非常に面白かったです。著者は舞台評論から三島の戯曲のいくつか、そして映画「憂国」を演出した人物なので、作家としてではなく演劇界における三島のふるまいが話の中心。ぢぶんは、三島の戯曲はいくつか読んだし、舞台や映画も見たけれども、演劇というフィールドにおける三島というものはほとんど考えたことがなかったので。佐々木さんの本にもちょろっと出てくるし、美輪サマのインタビューなどでは読んでいたんですが。

 ま、それはそれとして別の文脈でもやっぱり面白かったです。刊行当時はたしか「暴露本」的な言われ方もしてたかと思うんですが、むしろ「ラブレター」だよな、これは(笑)。共感するというのとはまた違うかもしれないけれども、「ああ、やっちゃうんだよな、そういうことって(笑)」という著者のふるまいが結構ありまして。春日井建とのくだりなんかは、笑っちゃいけないと思いながらも大笑いというか。「ははは、そうやられたらそうやっちゃうよねー(大汗)」てな具合で。……いや、身に覚えありすぎのぢぶんもどうかと思いますが。

 ま、それはそれとして。「春画」と「残酷画」というのは地続きのものだとぢぶんは思うのですが、そんな文脈でもまた面白かったです。映画「憂国」は見る機会がなかったんですが(ついでにジュリーの出た「ミシマ」も見る機会がないんだよな)。

 かようにいろんなことが「あ、そうか」「あ、そうか」って具合に腑に落ちていくんですが、時節柄といいますか、「M」のあれこれについても示唆的なことはありました。最後近く、切腹した少年の腹から引き出される血のリボンについても、「1」「2」「3」のそれぞれのミシマの中での役割も、以前見た時に書いたのですが、それを補完するような感じでしょうか。世間的に見て表出されるミシマが「1」であり、彼の「外」にある理想像が「聖セバスチャン」であるとするならば、彼自身が最終的に行き着いたのが「3」であるようにも思うんですよ。「2」と「3」による二人の踊りはいくつかあったと記憶していますが、終盤、薔薇を手にした「2」と抜き身の日本刀を手にした「3」とが手をとりあって去っていく場面は忘れ難く、今の二人ならどう踊るだろう、と思ったりもするわけで。

 おお! 今日もちゃんとそこに話が行き着いたではないか(笑)。

 ま、それはそれとして余談ですが。「禁色」にせよ「沈める滝」にせよ「スタア」にせよ、ああいう「恋愛面に問題のある美男子」の話だと、マイキャストが光一くんになるのはなぜだろー(^▽^)。

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