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2010/10/25

アートの中のANPO

 そんなわけで(どんなわけだ)、渋谷のアップリンクで「ANPO」を観る(公式サイト。音が出るのでトップではなくイントロダクションにリンクしてあります)。
 チラシで見て興味はあったけれども、とにかく並んでいるアーティストたちの名前に(質量ともに)、こりゃあ自分の頭じゃ処理しきらんな、と思ってちょっと腰が重かったんですが。腰を上げた理由は、原稿の催促ですけどもね。例によって。

 ドキュメンタリーです。60年安保闘争を中心に据えていますが、それ以前/以後を通貫して、「アーティスト」が安保/日米関係/戦争・基地とどのように向き合い、表現してきたかを追っています。当事者/関係者(兄弟とか)/学識者(保阪正康とか)らのインタビュー、作品、当時の記録フィルムをベースに、ナレーションなしで構成。

 出演者(含む作品)はこんな感じ。

出演・作品:会田誠、朝倉摂、池田龍雄、石内都、石川真生、嬉野京子、風間サチコ、桂川寛、加藤登紀子、串田和美、東松照明、冨沢幸男、中村宏、比嘉豊光、細江英公、山城知佳子、横尾忠則 出演:佐喜眞加代子、ティム・ワイナー、半藤一利、保阪正康 作品:阿部合成、石井茂雄、井上長三郎、市村司、長濱治、長野重一、浜田知明、濱谷浩、林忠彦、ポール・ロブソン、丸木位里、丸木俊、森熊猛、山下菊二

 淙々たるもんです。よくぞこれだけ集めてきたもんだ。このほかに高里さんだの安次富さんだの出てたしなぁ。それこそ「絵1枚」の人もいるにしても。もちろん見たことのない絵も写真もたくさんありましたし、初めて名前を聞く人も何人かいる。あるいは見たことはあるけど忘れちゃった人。「売れない絵」ですよね。壁に掛けておいて楽しい絵、ではない。心を揺さぶられたからといって、四六時中見ていたいものでもない。しかしそれを描き続ける人がいる。自分の中から沸き上がってくるものに突き動かされながら、あるいはユーモアをもって。そのことそのものに引きつけられます。絵であれ、写真であれ、映像であれ、人は何かを表現せずにはいられない動物なんだな。

 監督のリンダ・ホーグランド氏は、日本生まれ・日本育ちのアメリカ人。日本映画が海外へ輸出されたり、国際映画祭に出品される時の英語字幕や通訳を長くやってきた人で、今回もその人脈が活きています。なんで深作監督がクレジットに? と思ったら「仁義なき戦い」のヤミ市場面が引用されていたり。串田和美は中村座のNY公演の翻訳の際に知り合ったとか。求めよさらば与えられん、みたいな映画だな。

 ここで取り上げられる「アート」は、絵画/写真/映画/ビデオとさまざまだけれど、それらを観るだけでも十分に価値があります。だって本当に見る機会の少ないものばかりだよ。思った通り、情報量が多すぎて、全然自分の中で処理できてないですけど。

 岡本太郎美術館の池田龍雄展(これ)も始まったことだし、行ってこようかな……。いつそんな暇があるかはさておいて。

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