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2010/12/31

年の瀬のごあいさつ。

 日付変わって、ついに大晦日。今年最後の更新になります。

 まあこの年になるとなんちゅうことなく、気が付けば何年経ってるんだよおい、ということになるわけですが。

 いちばん大きかったのは、ぢぶんが制作に入って15年のミニコミが、この2月に200号(約20年)で廃刊したことでしょうか。これで生活のリズムがだいぶ変わったし、「一線」からの事実上の引退になっちゃったしな。

 個人的には、主に会社関係のストレスと年齢的なものもあったのだろうと思いますが、自律神経失調なんてものをやっちゃったことだな。3ヶ月ほどの漢方治療が功を奏して、いまのところ、むやみやたらに熱が出る、なんてことにはならなくてすんでます。いやもう、これのおかげでK村さんの舞台をすっぽかしちゃったからな(←今年いちばんの「きーっ!」)。まだ薬がないとキツかったり、突然寝落ちしたりとかしてますが、ひどくならずにすんでよかったですよ。

 舞台はもう、勘定するのもアレなので(ドレだ)、ウェブページの一覧でもみてやってください。

 今年は本当に「当たり年」ヽ(´▽`)/。木村ファンにとっては盆と正月とお節句とお彼岸がいっぺんに来たような年でした(まあ1年あれば全部くるんだけどもさ)。「感動」というよりも「衝撃」だったオネーギン、悲願成就のアルブレヒト。この二つはほんとうにほんとうに大きかったけれども、その上にアミンタでサンでエスパーダでヒラリオンで……。あちこちでちょっとずつやらかしちゃってた気もするけど(^▽^)、それも含めてどの舞台も大好きでたまらなかった。本当に、本当に、ありがとうございました。

 白王子の方はー(ノ_-。)。状況が好転したところでケガしちゃったりして、相変わらずヤキモキさせてくれましたが、23日の「くるみ」を見た範囲では、もう大丈夫だな、と思いました。3年前そのものまでは戻っていないけれど、確実に前に進んでいる。あとは舞台たくさんで踊るだけ。

 ほかには久しぶりに山海塾を見たり、清里のフィールドバレエに行ったり。岡本太郎に出会い直したのも大きかったかな。丸木美術館にも久しぶりに行ったり、リヒターを読み直したり。あ、あとツイッター始めた。カワウソとペリカンにはまったし、タジン鍋で食生活も変わった(笑)。

 会社関係以外では、かなり充実した1年だったかもしれません。寝落ちばっかりしてたような気もするけど(笑)。まあ、ある意味では会社も充実してたんだろうな……こんなに上司とケンカした年はなかったし。

 来年も多分、こんな風に過ぎていくんでしょう。去るものは追わず、来るものは拒まずを基本スタンスにやっていますけれども、ふと思い出してふらりとここに立ち寄った時に、「あはは、まだこいつおんなじことやってるよ( ̄▽ ̄)」と思ってもらえるような、そんな場所になれたらいいな、とも思います。

 本年も1年間、ありがとうございました。来年も相変わらずですが、よろしくお願いいたしますo(_ _)oペコ。

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2010/12/30

丸木位里展行けるかな

 社員の仕事納め(パートさんは28日まで)。毎年29日は、午前中通常業務→午後大掃除→納会、というのが会社側の設定ですが、うちの部署は業量は新年明け分くらいしかないし、パートさんが多い分掃除エリアも広いので、朝から掃除。
 ……ちうことだったのに、10時過ぎになっていきなり「来年早々入ってくる馬鹿みたいに納期が早い大量の仕事(しかも課長の尻拭い)」の話が舞い込み、係長と主任と担当窓口と手早く打ち合わせて進行方針を立てて係長に用立てて欲しいものと人の指示を出して、掃除打ち切りでミーティング、新年回しだった通常業務を大車輪で片付け。ぐったり。まあ、新年早々仕事があるのはよいことだが、なんぼなんでも無茶な納期だよなぁ。仕事始めは5日。ヤだな、行くの(笑)。

 ということで、帰りに同僚と飲みに行って、ぐったり寝ておりました。年賀状は明日だ。スキャナー出すのがめんどくさいなぁ。

 今年の年越は草津です。例年のごとく、31日に出て1日の夕方まで(←ダンナが実家の夕食に行くので早めの解散)。何年も前に1度行ったことがありますが、その時は夏で、白根に駒草を見に行って草津泊りだったんですよね。冬は寒いだろうなぁ。

 正月はこの2本に行きたいのですが。
 一つは、丸木美術館でやっている丸木位里展(これ)。最近全然チェックしてなかったから、やってたことを知らなかったよ。ヨシダ・ヨシエの講演は聞きたかったなぁ。位里さんは、いうまでもなく「原爆の図」で有名ですが、元々は水墨画家、しかも前衛。ぢぶんも「入口」は「原爆の図」でしたが、彼の牛のシリーズや風景画がとても好きなんですよね。元々水墨画が好きだということもあるんですが。晩年の作品は見る機会も割りとあったんですが、今回は戦前/戦中の作品中心ということで、なんとか行きたいところ。あそこは駅からの足が遠いけどな……。
 3日まで休館で、会期は15日までだから、4日に行くのがいいだろうなぁ。1月の3連休は、9日に宴会入れちゃったし、キャスト次第でマールイの白鳥も有りかもしれないし(笑)。

 近代美術館では8日から「「日本画」の前衛」展(これ)。こちらは歴程中心で、位里さんの絵も出るようだし(←短期だけど歴程にいた)、前衛好きだし(笑い)。竹橋、ずいぶん行ってないや。

 新文芸座では、1月1日から4日に「小さな村の小さなダンサー」をやるようです(これ)。

 正月休みって、意外とすぐ終っちゃうんだよな。どんな休みもそうだけど(笑)。
 

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2010/12/29

タジンで水餃子

101227_21180001 明日(今日だけど)が今年最後のゴミの日なので、がんばりました! ご飯食べて一寝入りした後でがんばったよ。……って、やっぱり一寝入りしているぢぶん( ̄▽ ̄)。牛になるアタクシ。

 治療中の歯もちょっと痛いので、マールイの話はお休みして、昨日のタジン。水餃子に初挑戦です。

 といっても餃子はスーパーの「手作り水餃子」ってヤツだ(笑)。具は大根とニンジン、長ネギ、小松菜、ヒラタケ、セロリにカブの葉っぱ。これに水をだーっとかけて、ぐつぐつっと来たところで、野菜の上に水餃子投入。水餃子がかなり水を吸うので、水は多めの方がよいです。ぢぶんは一度、差し水しました。

 水餃子を入れる時に本だしをちょこっと入れましたが、なくてもオッケーなくらいでした。セロリとヒラタケの出汁でウマウマです。セロリ本体はちょっと柔らかくなりすぎ、って気もしましたが。餃子にちょこちょこ醤油をつけながらでもいいかもなぁ。ぢぶんはそのまま食べちゃいましたけど。味濃いめが好きな人は、最初に水を入れる時に中華だしか鳥ガラスープなどを入れてもよいかもです。そこらは、出汁になる野菜次第かな。いまだに野菜からどれくらいの水分が出るのかの見極めが難しいので、調味料の入れ具合も難しいですね。ぢぶんは、思っていたより濃い味になることの方が多いです。最近はあまり入れずに、食べながら調整してたりして(笑)。

 うちは父が生粋の渋谷っ子(山手線の外ですが)、母が赤穂生まれの山口育ちで両親は香川、という組み合わせなので、舌がまったく合わないんですよ。父は何にでもソースだの醤油だのかけたがるんですが、そのたびに母が「味のついてるものになんでそんなものかけるの!」といって怒鳴るので、小さい頃からそれが怖くて、「かける調味料」というものを使わずに育ちました(醤油でも上からかけるものと、皿に醤油を入れてつけて食べるものが細かく分別されてた)。おかげで、塩と醤油さえあれば何でも食べられるので、家で食べる分には経済的で便利ですが(笑)、外食するのは結構不便なんだよなぁ。舌がそういうふうにできちゃってるからなぁ。

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2010/12/28

鎌倉の白鳥の続き

 年内最後の歯医者。結局神経を抜いて、薬入れ直しの2回目。まだ仮詰めだから、うっかり物を噛んでしまうとすごく痛い。かなり痛い。……いや、本当にイタイんです、今まさに(ノ_-。)。
 そして明日は資源ゴミの最終。なのに夕飯のあとしっかり寝てるぢぶん……。あははは。ちなみに会社は29日までです。

 というわけで、鎌倉の白鳥の続きを書いた方がいいだろうな。

 えーと。ここの1幕は幕があがると人のいない舞台で、最初の音楽とともに赤い衣装の貴族の男性たちが入ってくるんですね。こことポロネーズ(乾杯)などが貴族、グランワルツは農民、というふうにちゃんと階級分けされています。
 で、毎年、♪ちゃんちゃんちゃんちゃん、というあのフレーズとともに入ってくるモロゾフ&マスロボエフを観ると、ああマールイの白鳥だなあ、と(笑)。

 ……マスロボエフは? モロゾフはいるけど?

 ちぇー、今日は休養日かー(一人だけ?)。と思いながらも農民ワルツが始まって、今回の席はかなり下手だったから、いつものポジションにいるポドショーノフを眺めつつ、今日はハンガリーもポドショーノフじゃないからワルツで見ておくかー、それにしてもおっさんになってきたよな、などと思ってふっと見たら、
 ……反対側がマスロボエフだよ。あんた、いつからそこに……( ̄▽ ̄)。フェイントもいいとこ。

 しかしまあ3人とも、誰が来ても来なくても、毎年毎年淡々とやって来ちゃぁ毎日毎日黙々と踊って、時々やりたい放題もやってるけど役につこうが群舞だろうが黙々と踊って……(ノ_-。)。情もわくってもんじゃないですか。

 トロワはミリツェワ、コリッパー、ザパスニコワ。ザパスニコワは今年ワガノワを出たばかりの新卒さんだけど、しっとりした大人の美人さん、という顔立ち。でも位置についた時から「緊張してますっ」になっちゃってて、ちょっとハラハラ。アダージョのうちはがんばってましたが、後半かなりヤバヤバな状態に……。まだちょっと荷が重かったかなぁ。多摩センターのくるみのスペインで見た時は「そつなく」という感じだったけど。ミリツェワはいつものミリツェワ。この人もマイペースだなぁ。お顔のキラキラと前への蹴り上げの勢いのギャップがいつもながら気にはなる。多分少数意見。

 でまあ、コリッパーだ。最初に出てきた時に「グリースかよ!」と。あるいはウエストサイドでもいいけど、髪ばっさりでオールバック( ̄▽ ̄)ボーゼン。いやー。ロミオのときはちゃんとしてたのに。ってか、あれで似合ってたのにどうしたんだ。ヅラ対策か? と思ったけど、もうヅラ役はないんだよなぁ。何事だ、一体。踊りの方は……まあマイペースっちゃマイペースですが。
 いや、これで両脇がミリツェワとロマチェンコワとか、コシェレワやヤパーロワみたいに、ほっといても自分で踊ってくれる人たちだったら、それはそれでなんとかなるんですが、ザパスニコワは初ツアー、初ボヤルチコフ版(多分)。あんたがしゃんとしなくてどうするよ……orz。

 ちうわけで、トロワ、久しぶりの大崩壊でしたが。マラーホフ氏の家庭教師が、トロワ終ってこわばっちゃったザパスニコワをフォローするかのように、いつもよりたくさん回されて(回って)ました。この人の回され方って「あーれーー」が似合うな。去年よりもちょっと年齢を上げたような演技になってました。細かい。

 ヴェンシコフのロットバルトはよかったです。身体もキレがあるし、脚のラインもきれいだし、かなりノリノリでやってるのにどこかあっさりしたテイストで、イヤミがない。フクロウっぽい感じも研究してきたみたい(笑)。もう少しくどい方が好き、というのはありそうだけど、ぢぶんはこれくらいがいいや。

 多分つづく。

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2010/12/27

鎌倉の白鳥

 というわけで、今年の最後の舞台は鎌倉芸術館。寝過ごして「鎌倉でちょちょっと遊ぶ」という計画はパアでしたが、湘南新宿ラインのおかげで舞台には余裕で間に合ったのでありました。近くなったよなぁ。

 まずは配布されたチラシの中から「緊急告知」(笑)。バーミンガムロイヤルの鎌倉公演が決定したそうです。「眠れる森の美女」で、5月14日(土)。
 ……これだけ(笑)。マチネかソワレかだけでも欲しいところですが。詳細はイベントニュース春号、鎌倉芸術館HP(ここ)で2月中旬にご案内だそうです。「イベントニュース」というのは芸術館の配布物ですが、サイトからも読めます。現在発表されている日程の中では、いちばん早いんじゃないだろうか。

 で、マールイことレニングラード国立バレエの「白鳥の湖」。初日ですね。ボヤルチコフ版。主演はプハチョフとステパノワ。ロットバルトはヴェンシコフ。座席は、採った時は8列目だったのに、行ってみたら3列目でした(笑)。オケピで5列目までつぶれてた。

 いやもう、ぷーちゃん王子の隙のなさといったら! と、1・2幕通しの後で思っておりましたら、次の3幕で

 完璧 ( ゚д゚)ポカーン

 いやいや、思わずお口開けて観ちゃいましたよ。この人に足りないのは毛髪だけだな(←暴言)。その毛髪だってカバーできちゃってるし。去年プハチョフの「噂のヅラ」を見損なっちゃったんで(くるみの白ヅラは見ましたが)残念に思っていたので、今日の出の瞬間に「これか!(^▽^)」と思っていたら、去年のよりもずっとナチュラルでずっと進化してるそうです。知らない人が見たら絶対自前だと思う。
 いやもう本当に。そんな憎まれ口くらいしかたたけませんわ。マジで。3列目で見たらアイメイクがちょっと怖かったですけども。もうそれはロシア・デフォルトみたいなもんだから(毛髪もか)。跪いて後ろに流した脚が美しかったよぉ(T_T)。

 ステパノワのオデットは初めてです。黒鳥のPDDはガラで見たと思うのですが。以前は「マールイの姐御」的なイメージでしたが、何年か前の夏ガラでペレンの代役で来日した時にみたくるみのハイライト版がすっごく優雅で素敵だったんですよ。なので楽しみで。
 オデットはまさに「白鳥の女王」。PDDの息はもちろんピッタリで、プハチョフからダダもれしてる愛情をしっかりと受け止めて、受け入れていく。ヴァリは正直、オーリャならもう少しいけるんじゃ? という気もしたんですが、コーダが素晴らしかったですよー。力強い足捌きと羽ばたき。
 黒鳥は本領発揮。大人の女性の魅力満開。アントレの連続アラベスク(ルダコがからまっちゃってたヤツ)のシャープな美しさにもうドキドキです。バランスはもともと強い人ですし、随所でそれを感じさせてくれましたが、アダージョの終盤での……えーと、同じ方の(下手側)脚と腕を身体の横方向に高く上げてトゥでとるバランス。プハチョフが手を離した後、びくともしないまま……

  ( ゚д゚)ポカーン  いつまで立ってる気なんだ、オーリャ……。

いやもう、マジに口開けて見てました。すげぇ……。フェッテはダブルからシングルへ。プハチョフのマネージュも高くてスピードがありましたが、その後のステパノワも王子の方へ近づいていくステップではなく、ピケとシェネのマネージュ。これがまたえらいスピードで……

  ( ゚д゚)ポカーン  何周する気だ、オーリャ……。

いやもう、ホント(笑)。ロットバルトいらねぇな、ちゅうほどに圧倒的なオディールでした。

 そんなわけでお口開きっ放しの3幕でしたが、4幕がまたよかったですよー(ノ_-。)。湖に戻ってきたオデットは悲しみにうちひしがれてはいますが、運命を受け入れる潔さもある。それは「もう死ぬしかない」とか「悲しみのあまり死んでしまう」というものではなくて、自分の意志とは関わりなくやってくる「死」という運命を毅然として受け入れる、というイメージなんです。気高かったです。その崇高さがバリアーになって、ロットバルトを弾き飛ばすような(←この辺り、ヴェンシコフもなかなかによかったんですよ)。

 はー。よかったなぁ。今年は「白鳥」はこれ1本になりそうだし、今年最後の舞台だし、それをこんないい舞台で締めてもらえて嬉しい。ステパノワの主演がこれ1回だなんて本当にもったいない。キトリだって見たかったのに。

 久しぶりに大崩壊したトロワとか、相変わらずマイペースな人たちのことは、また。
 

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2010/12/26

トルマチョフのくるみ割り人形(23日ソワレ)

 東バ公式、今年最後の更新は弾くん。写真満載。もう冬休みに入ったんですねー。今年は本当にハードスケジュールだったからなぁ。お疲れさまでした。

 さて。23日の松山とマールイことレニングラード国立バレエ、どちらの話を先に書くかなーと、風呂場で迷ってたんですが(笑)、今日の検索ワードのトップがなんと「トルマチョフ」! ……(ノ゚ο゚)ノヒー。

 いや、ご贔屓ですから嬉しいですけども。何があったんだ、トルマチョフよ!

 ……ええまあ、今日のマチネにタイトルロールを踊ってるはずですけども。

 年齢不詳のダンサーは多いけど、トルマチョフもベテランの域だと思うんですよね。外見からわからないからなぁ……わからない役が多い(ヅラや塗りが多い)のもあるけれど。
 何年か前のバヤデルカで(去年ではなく)仏像を踊った時に、年齢的にぼちぼちキツイのかなー、と思ったりもしたものですが、今年久しぶりに見た彼の「くるみ」はやっぱり一級品で嬉しかったです。ぢぶんはくるみ人形をダンサーが踊る方が、本物の人形を使った演出よりも好きなんですが、それは多分にトルマチョフの影響だなぁ。トルマチョフのくるみ人形とエフセーエワのマーシャで1幕を観るのがサイコーだったのだ(ノ_-。)サニー……。

 詳しい流れは初見の時に書いたの(これ)を参照していただくとして。

 マールイのボヤルチコフ版では、マーシャがくるみ人形を助けた後も、人形と王子は変身を繰り返します。人形が王子になるのは、初めのPDDと最後のGPDDを踊る時だけと言っていいくらい。マーシャと雪の中で戯れるのも、2幕の初めに再び現れたねずみの王様をやっつけるのも、王子ではなくくるみ人形です。ぢぶんは雪の中を二人がジュテで抜けていくところがとても好きなんです。白の雪のコールドの中を、人形の赤い衣装が抜けていくだけでもキレイなんですが、かこかこと動く人形と無邪気に遊ぶマーシャが嬉しそうなのも好きなんですよね。

 PDDの後、舞台の上手の端でかこかこくるくると王子と交替した人形は、かこかこくるくると舞台の下手まで回っていって停まります。停まって「はっ!」と気が付く。「私は何を……」という声が聞こえたような気がしました。

 くるみ人形は思いきり大きく口を描き、簡単には表情がわからないようなメイクをしていますが、それでもトルマチョフからはすごく「伝わって」くるんです。最初のツリーの下でマーシャと踊る時から、「自分はマーシャのために作られた人形だ」と知っているようでした。ねずみ軍との戦いの時も、小さくても「隊長さん」の自覚満々。こういうところは若手の追随を許さないなぁ。

 「くるみ割り人形」というのは、マーシャがくるみ割り人形と冒険をする夢を見るお話です。そして、くるみ割りは本当は王子さま(とかドロッセルマイヤーの甥っ子とか)で、なんらかの呪い(笑)で醜い人形に変えられているのが、マーシャに助けられて王子に戻る。そういうお話。の、はず。

 今年のトルマチョフのくるみ人形は、逆のお話のように思えました。12時の鐘が鳴った後、クリスマスツリーの下でくるみ人形が見た夢のお話、のように。大好きなマーシャの夢を見る。そこでは自分は小さくて醜い人形ではなく、マーシャを立派にエスコートするすてきな王子さまなんです。そんな王子さまに、我知らず変身してしまうくるみ人形。

 ……なんか「帰ってきたウルトラマン」のようでもあるが。

 長くなったので、他のところは後日。

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2010/12/25

クリスマスのホワイエ/当日券あるかな?

 クリスマスなので、松山のホワイエから借景。なじみのゆうぽうとがこんな感じで、

101223_11150001 
こんな感じで、

101223_11160003 こんな感じです。

101223_11160002 

 いつものゆうぽうとのどの辺りかわかるような背景を入れて撮ってみました。まあ、お子さんを入れての大撮影大会と化してましたけども(←ぢぶんも撮る)。確か府中で見る時は、普通のホール備え付けのクリスマス飾りだけだったと思うんですが。壁に「お花料一覧」が張り出してあったので、よくある「なになに賛江」の胡蝶蘭代わりのようなものかもしれません。でも大人も子どもも大喜びだったからいいんじゃないかな。

 そんなわけで、昨日はいい舞台を2本も観たのに、最後に気分ぶち壊しだったので(そんでいまだにかなりウツなので)、明日の松山のマチネに行こうかなーと思ったりもしたんですよね。マチネは鈴木さんだから当日でも安席があるだろうし(←失礼だな)、清水さんの回に鈴木さんが踊るポジションを、鈴木さんの回には垰田さんが踊るんだろうから、ぢぶん的にもちょっとお得だ。花のプリンシパルで観られるかもしれないし。

 ……といいつつ、明日(今日だが)は午前に荷物を2つ受け取らないとならないんだよな。マチネなら11時半からだから10時には家を出たいところだし。2つとも10時前に来たら行くかな。それこそクリスマスの奇跡だけどな。

 ゆうぽうとや文化会館、あるいはオーチャードなら、「当日安い席で観る」という選択肢があるんですよね(もちろん当日券が残ってそうな場合、ですが)。オーチャードなんか安い席の方がいいくらいだし(笑)。
 国際フォーラムAはさすがになあ。ぢぶんは、人がいうほどあそこは嫌いじゃないんです。席を選べばそこそこ、少なくともオーチャードよりはいい感じで観られる。……選べばね(笑)。安席で観ようとは思わないホールだな。

 当日券もね。「まああるだろう」と思う公演と「あってもほんのちょっとだろう」と思う公演と、「Sはあるだろうけど安いのはもうないかな」と思う公演とあるわけで(笑)。ツイッターで情報を出してくれるところもあったと思ったし(JAだったかな?)、販売席種までわかるようなサービスがあると便利ですよね。ツイッターなんか、そのためだけに使ってもいいようなもんだ。会社をばたばたあがって劇場まで行ってチケットなかったってのは消耗だもんねぇ。この辺はカンパニーによってずいぶん違うからなぁ。

101223_12380002 ツリーの根元にはトゥシューズの贈り物。そういえば松山の「くるみ」でクララがクリスマスにもらうプレゼントはトゥシューズなのでありました。

 ぢぶんがここの「くるみ」が好きなのは、紗幕の向こうでクララ達がパーティのお客からの手紙を読んでいる(多分)場面から、清水さんの「人への愛情」が伝わってくるからなんだ、と、今回改めて思いました。清水さんの演出は「くるみ」と「ロミジュリ」しか観てないですが、彼の根本にあるのは「人への信頼」だと思うんですよ。「人」の持つ愚かさと醜さをあそこまで描いた「ロミジュリ」はぢぶんは初めて観たし、「くるみ」は「人」への愛情と信頼がストレートに伝わってくる。清水さんの思想/理想というのは至極単純で明快だし、ある意味素朴なのだと思うのですが、そういうものが必要な時ってのもあるわけですよ(^▽^)。


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2010/12/24

くるみ・松山&マールイ

 ふう。マチネの松山とソワレのマールイと「くるみ」のダブルヘッダー(笑)。同じ「くるみ」でもまるで違う作品かと思うくらい違う演出だし、どちらも初めてではないからどちらも楽しく観られます。舞台はそれぞれに満足だったけど、その後行った事務所の忘年会でちょっと嫌な目に会いまして。ダンナが一緒だったんで気が緩んだんか、ちょっと帰り道で「わー」っとなっちゃいまして。まあ、4年くらい前はそういうことも日常茶飯だったんで、ダンナの方は慣れてるんですが、ぢぶんの方がびっくりするという(笑)。

 ま、そんなこともあるさね。

 てなわけで、ちょっと気分の建て直しに時間がかかりましたが、今日の舞台をほんのさわりだけ。

 マチネの松山は山川晶子さんと鈴木正彦さん。山川さんがとってもすてきでした! 基本的には森下+清水組と同じ演出・解釈なので、作品そのものの印象はさして変わりませんが、ちょっと面長ですらっとした山川さんのGPDDは「大和撫子」という感じ。そして森下さん同様の軸の正確さ・強さがとても気持ちいい。超絶技巧のないPDDを見せるということ自体が超絶技巧なのかもしれないなぁ。

 垰田さんは客人→兵隊→雪の王→水の精→中国→葦笛。ちなみにソワレはカピタン→ネズミの王様→水の精→葦笛→花ワル(プリンシパル)。どんだけ踊るんだか(笑)。ここの男性はみんなそうですけども。鈴木さんなんかマチソワの両方で王子とハレルキンを踊るという。ううむ。
 雪の王と中国は初めて見ました。雪の王の方はなかなか「おお♪」な感じでしたが、中国の方は案の定アワアワというか(^▽^)。アレグロになるとなー。カピタン(いわゆるムーア人)と花ワルのプリンシパルも観てないので、……まあカピタンはいいにしても(←あまり面白くない)、花ワルのプリンシパルは観たかったところだ。まあ雪の王もそうだけど、ほぼサポート要員だけどな……。

 なんでソワレのキャストも知っているかといえば、キャスト表がマチソワで両面印刷になってたからです(笑)。ここのキャスト表は入口では配っていなくて、プログラムにはさみこまれているのですが、売場の担当の人に「キャスト表だけください」というとちゃんと(無料で)もらえます。「裏に夜のキャストも出てますから、みてくださいね♪」と言われたのは、キャストをみろっていうんじゃなくて、ソワレにも来てね♪ っていう意味だったんだろうな……。

 ソワレはマールイことレニングラード国立バレエ。シェスタコワ+シヴァコフです。シヴァコフは多摩よりも数段よかった(ホッ)。やはりシェスタコワとは組み慣れているのもあるし、シェスタコワとミリツェワの技量の差もあるんだろうなあと、これは今日観て思った(軸の強さがちがう)。シェスタコワは、去年よりもいい感じ。ここの版の王子は1幕のPDDと2幕のGPDDのために出てくるだけですが、二人の間に通い合うものがちゃんと見えました。

 しかしなんといってもトルマチョフのくるみ人形だ! ぢぶんの知る限り、彼は世界一の「くるみ割り人形」だ。最初のソロ(ムーア人の曲)からもう、「これだよこれ!」ちうくらい、ぴしぱし型が決まります。そして彼が踊ると、くるみ割りが主役のような気がするんです。マーシャの見た夢ではなく、くるみ割り人形が大好きなマーシャの夢を見る。そういう話のように思えてくるから不思議なんだよなぁ。

 ……そしてやりたい放題の悪ガキ軍団。マスロボエフのあの妙な「やる気」はなんなのか。

 それぞれ詳しくはまた。きっと。多分。

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2010/12/23

シクラメンとか。

101219_12110001 確か9時のニュースを見ていたはずなんだが、気が付いたらアグリーベティが終ろうとしていた。宇宙人にさらわれてたんだろうか。

 まあ、毎日こんなぐあいですけども。

 写真は日曜日に買ったシクラメン。土曜に「M」を見て、日曜の昼前に歯医者に行って、歯医者が思いの外早く終ったので一度家に帰ることにして、途中の商店街の鉢物屋さんで買いました。400円。
 毎年、小さなシクラメンは欲しくて、2年に1度くらいは買うんですが、大概夏越しできないで終っちゃうんですよね(汗)。今年もやっぱり「欲しいなー」と思って眺めてはいたんですが、赤味がちょっと「武士道」の長パンぽかったんで、ついつい買っちゃいましたよ。で、帰ってからちゃちゃっと植替。ヒメ(クワズイモ)が脱皮した植木鉢はいくつもあるんですが、……それがそもそも「ほおずき市」のお下がりだったりもする(笑)。ヒメの方は年末だというのに、いまだに「もじゃもじゃペーター」のままです。今年は元気だなー。

 なんかね。「ジャタンドレ」とか「お前が欲しい」とか聞いてたら、無性に切なくなりましてん。せめて書いて留めておきたくても、指の間からするするとこぼれていってしまうような。

 まあ、毎回こんなぐあいですけども。

 23日は松山の「くるみ」のマチネに行きます。山川さんと鈴木さんの日。松山の「くるみ」は3度目ですが、森下さんと清水さん以外で観るのは初めてです。ついでにゆうぽうとで観るのも初めて(前回は府中で)。山川さんはジュリエットを観ましたが、「深窓の令嬢」にふさわしいたおやかな感じだったので、クララではどうなるのか楽しみです。鈴木さんも熱風系の人だしな(←ここの人は割りとそんなイメージ。一人除く)。
 ホワイエがクリスマス仕様になってるそうですし、垰田さんも素敵だったそうなので(すみません、すみません……となぜかあやまる)、楽しみですー♪

 で、その後国際フォーラムで、シヴァの「くるみ」を観る、と(笑)。忙しいなー。今年の舞台納めは26日、鎌倉の「白鳥」になります。プハチョフとステパノワ。

 まあ、毎年こんなぐあいですけども。

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2010/12/22

ついでにジュ・トゥ・ヴ。

 さて、寝オチが予想以上に長かったんで(苦笑)、舞台の話に戻る前にもう少し「M」の音楽の話。

 プログラムにクレジットされている曲は、昨日の「聖セバスチャンの殉教」のほかに4曲。ヨハン・シュトラウス2世の「南国のばら」は「鹿鳴館」の場面で。ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」は、少年の自決の場面にピアノ生演奏で。サティの「あなたが欲しい」は「禁色」の場面に、これも生演奏で、しかし音を壊しつつ。最後はティノ・ロッシの歌う「待ちましょう」。

 黛敏郎の部分はほとんど邦楽と打楽器なのかな(←あまり覚えてない)。その邦楽部分と生ピアノが意外と長いので、なぜか「セバスチャンのファンファーレ」の部分だけ、音源がマモーしてるのが目立つという(笑)。ティノ・ロッシはレコードのブチブチいうイメージが効果になるのだけど。

 「あなたが欲しい」(ジュ・トゥ・ヴ)といえば、うちにあるのはこれ。

 高橋悠治の「サティ・ピアノ作品集」の1。ジムノペディ、グノシエンヌ、冷たい小品、ラグタイムとなかなかリーズナブルな1枚。サティ弾きといえば高橋アキですが、悠治さんのもちょっと硬質な感じでなかなか好きです。

 高橋アキでいいのはこの1枚なんだなー♪

 「ザ・ベスト・オブ・サティ」。……って! いつでたんだおいっ!
 ……といいますのは、ぢぶんこれのLPを持ってますんですよ( ̄▽ ̄)。プレーヤーはないけどLPはある(笑)。悠治さんのCDを買う時にこれのCD盤が欲しくて探したんですが、まだ発売されてなくてですね……。そうか、去年出たのか。気づかなかったよ。

 LPで出た時のタイトルは「夢見る魚」だったような気がするんだよなー。ちょうど「夢見る魚」の楽譜が発見された時で、世界初録音だったように記憶してます。この曲が好きでねー♪ またジャケがいいんですよ、ジャケが。これは買わねば。

 さて「あなたが欲しい」(ぢぶんとしては「お前が欲しい」なんですが)といえば、サティの「シャンソンの名曲」として有名な(はず)なんですが、どんな歌詞なんすかね? 

 歌入りの盤ももちろんいろいろ出ています。有名どころでは米良さんが出してますね。 

  両方試聴できます。

 左はマディ・メスプレ(ソプラノ)、ニコライ・ゲッダ(テノール)、ガブリエル・バキエ(バリトン)、アルド・チッコリーニ(ピアノ)による「サティ歌曲集」。男声、女声両方の「お前が欲しい」が聞けます。右は米良さんの名歌集。

 訳詞の方はこちらのサイトさんにありました(音出ます)。便利な世の中だねぇ。

 「待ちましょう(ジャタンドレ)」の方は、昨年の「ベジャールガラ」の時に、「M」のラストにからめつつ書いたエントリがあります(これ)。リンクしてある「ガラ」のレポ記事(これ)の最後にもちょっと「M」のラストとこの時のガラのラストの相似性について触れてます。
 「ミラー」の「団員総出演」のラストはどんななんでしょうねー♪


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2010/12/21

セヴァスチャンのファンファーレ

 さてさて。「M」の音楽は、黛敏郎のオリジナル曲を中心に、いくつかの曲のコラージュ、そして無音の場面、ダンサー達の掛け声や歌だけの場面でできています。黛敏郎は黛敏郎だけあって(なんのこっちゃ)、「カブキ」の方とダブるような旋律もいくつかあったような。

 使われている曲の中で(黛を除いて)いちばん聞く機会の少ないのは、ドビュッシーの「聖セヴァスチャンの殉教」だろうな。その中のファンファーレが、「武士道」のセヴァスチャンのソロに使われてますが(そこだよな?)、ぽん、と思いだす曲じゃない。ま、クラシックの素養はないんですけども。「ファンファーレ」といえば、どうしても「シルヴィア」のノーテンキなアレを思い出すわけですな。アレはファンファーレではなくて角笛ですが。

 ドビュッシーのピアノ曲は好きで、CDもちょっとは持ってるけど、「セヴァスチャン」ねぇ。というわけで、日曜の帰り道にHMVに寄ってみまして。

 ほら、だから! こんな時にこそ、困った時のナクソスだよ!

  ほんとに何でもあるな、ナクソス( ̄▽ ̄)。まさにクラシック界の落ち穂拾い。

 「ドビュッシー管弦楽作品集 第4集」。国立リヨン管、指揮は準・メルクル。同時収録はバレエ音楽「カンマー」と劇音楽「リア王」とカンタータ「放蕩息子」からの抜粋。HMVのキャンペーンで、店頭価格1000円からさらに1割引をポイントで引き換えたという(笑)。
 おお、まさにこのファンファーレだ! ファンファーレは2曲入ってますが、1曲目が1分51秒、2曲目は28秒。1度聞いたくらいじゃ2曲あるとはわからないくらいだ(笑)。あのソロってそんな時間なのかなぁ。

 Amazonで検索すると、こんなのも出てきます。

  左はコンロン指揮ですが、現在「再入荷見込みなし」だそうで。右はデッカ。「迷った時のデッカ」てのもあるなぁ(笑)。デュトワ指揮、モントリオール響で、ほかに「交響詩 海」「バレエ音楽 遊戯」「牧神の午後への前奏曲」。これで1380円はお得かもっ!

 ……と思うでしょ。でもここはリンク先を子細に点検しなくちゃいけません。「聖セバスチャンの殉教」は収録されてますが、「ファンファーレ」が入ってないんです。少なくとも「試聴する」のところから入るトラックにはない。

 というのも、普通に録音されているものは、劇音楽の「聖……」を再構成した「交響的断章」っていう4曲セットのヤツなんだそうです。「火の鳥」や「ロミジュリ」の組曲盤みたいなもんですね。そして、ここでナクソスに戻りますと(こっちのナクソスのページ)、ナクソスの盤はこの4曲セットに劇音楽の2幕の前奏曲と3幕のファンファーレを足してあるというもの。ほー。

 そもそもこの「聖……」ってヤツが、5幕ものの神秘劇で、上演時間が5時間もかかるってシロモノだったらしい。体力だなー。

 ついでに引っ掛かってきたもの。

 ピエール・モントゥーの「眠り」。なんでこんなものが? と思ったら、チャイコの「交響組曲 聖セバスチャンの殉教」が同時収録されておりました。へー。

 それにしても「カンマ」ってのはどんなバレエなんだろうか。バレエ曲ってほんとにたくさんあるなぁ。
 そしてぢぶん、どんどんどうでもいい知識が増えていく気が( ̄▽ ̄)。

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2010/12/20

「M」終了。

101219_17160002 金閣寺、ではありません(見えませんよ)。今日の不忍、弁天堂です。5時すぎなのにこんなライトアップ。もうじき冬至だねぇ。

 2日間の「M」、そして今年の東バの公演スケジュールが終わりました。今年も「やっぱり大好き」で終わることができる。それは当たり前のことのようで、でも本当はとても大変で、文字の意味通りの「有り難い」ことなのだと、この数年はとくにしみじみと思います。

 今日は前方の下手寄り。くー、上手じゃなかったんだよなあ(ノ_-。)。見やすくなくはなかったからいいけどー。ジャタンドレのテープ回しは平野さんの陰でほとんど見えなかったけどー(←平野さんのせいじゃないからなぁ)。

 舞台に近かったことや、昨日でだいたいの配置(若い人も含めて)を把握してたのもあって、今日の方がすんなりと入っていけました。どうしても初日って「あそこは誰が」とか思っちゃうんだよなぁ。

 渡辺さんの「海上の月」がとてもよかったです。登場のソロではかなり緊張してたように見えましたし、技術的にいっぱいいっぱいなところもあったようですが、古風な佇まいや適度にクールで静かな印象が、「月」と「母」の両方のイメージを、これまた適度な悲しみを含みながら描いていました。リアルママの小出さんより「母」っぽいのが不思議だ。
 水香ちゃんの「女」はちょっと危惧してたけど、やっぱり……orz。技術とかフォルムとかじゃないんですよね。なんかそこだけ「三島じゃない」んだ。ある意味で渡辺さんと逆で。……いや、「夜の支度」ならあんなもんか? ローズの時はよかったんですよね。うーん。ぢぶん的には、あそこで欲しいのは「男とタイマン張れる大人の女」なんだよなぁ。

 「禁色」の人の交錯、関係の混乱が、今日はよく見えた気がする。舞台が変わってるわけではなく、ぢぶんの中での整理というか。そりゃまあ、目は2と3のPDDの方へ行っちゃいますが(笑)、田中さんのヴァイオレットと奈良さんのローズがまたえらいことになってて(笑)、いやもう大汗。井脇さんと西村さん(前回だと水香ちゃん)のような上下の関係がなくて、まったくのフラットでやるとこんなんなるんだー。いっそ、オレンジは高木さんと吉川さんチェンジで、フラットな3人娘でやって欲しかったりして。いやー、ヘテロのからみがいちばん淡泊に見えるのは見慣れてるからなんですかねぃ(笑)。

 「武士道」。杉山くん、最初の「だるまさんがころんだ」で、いちばん下手の前でした(←業務連絡)。ぐるぐる回ってるうちにわかんなくなっちゃうんだけど。ここはやっぱり「東バの本領」で大好きだけど、最後の場面、男たちが月を眺める場面がすごく好き。渡辺さんの月も本当に「月」だったし(←日本語が不明だが)、激しさの後にすっとくる静謐さ。木村さんがなんというか、「月を観てる」って顔をしてるんですよ。どういう顔だ、それは。でも本当にみんな「月を観てる」顔なんですよ(^▽^)。

 ほかにもいろいろあるけど、おいおいに。

 カテコでは、飯田監督から十市さんにまっかなバラの花束の贈呈。本当にサプライズだったみたい。2代目のシから初代のシへ。飯田さんのシも観てみたかったなー(←5年前も同じこと書いてた)。

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2010/12/19

「M」初日。

 ばたばたな1日。このところ歯医者通いと残業で、会社帰りにどこかに寄るということができてなかったので(歯医者には寄ってたわけだが)、あっち寄ったり、こっち寄ったりしながら、ようよう上野。こういう時にエキナカが改装中って不便だー。食いっぱぐれるかと思った(←結局不忍口のコンビニでおにぎり)。

 なにはともあれぴあSTに寄ってOFCの「カルミナ・ブラーナ」のチケット取り。ネットの方ではいい席が出なかったのですが、本当に持ち分が少なかったです(Sの通路より前と2階席は持ち分なし)。びっくりしたよ。帰ってからOFCのサイトで取ろうかとも思ったのですが、こちらはメールによる申込(席がどこいらかわからない)なので、リスクが高いし、出演者が多いっていうことはその持ち分も多いんだよなあと思い直して、とりあえず狭い選択肢の中でいいところをもらいました。その方がとりあえず「自分で選んだ」という納得感はあるからね。

 さて「M」初日。1時間40分、休憩なし。席は1階前方の後方やや上手という、いいポジション。

 えーと。たまに気持ち良い寝息も聞こえて参りましたが(←しかも射手の場面……orz)、それはまあ困ったもんだがよくあることではあって、それよりも驚いたのは四方八方からお腹のなる「くうーーー」という音が聞こえてきたことでありましたよ。いや、しょうがないんだ、それは。ぢぶんも身に覚えあるし。咳みたいにハンカチで抑えるわけにいかないし。でも一人二人じゃなくて、こんなにたくさん聞いたのは多分初めてで、だからとにかく「飯を食ってこい」と。かく言うぢぶんは上野の前に歯医者に行くので不安だー(←麻酔が切れないとものが食べられない)。

 肝心の舞台の方。さすがに5年ぶりだとあちこち覚えてなかったなあ。金閣寺ってあんなに後ろの方だったんだなー、とか。

 武尊くんがいい味を出してました。ソファーもよかったよ! 順調に年を重ねると「独特の存在感」ってヤツがある人になりそうだ。妙に好きなんだよな。小笠原くんは相変わらずよく跳んでたけれど、それ以上にクラシカルなやわらかさが気持ち良いふうになってる。女性も男性も発声がよかったなぁ。男性は不発になっちゃうときもあるんだけど、今日はどの場面でもよかった。気合いたっぷり。武士道も楯の会も、揃い切るよりは勢いの方を重視した感じで、しかも一体感が崩れてない。うんうん、これが好きなんだよ(T_T)。

 明日も見るからあまり深追いはしないけれど、メインのキャストについても。
 十市さんは、あの長丁場をペースダウンさせないで(きちんとした配分で)踊り切ったことにいちばん感心したというか。ダンサーとしては「7年のブランク」だったとしても、舞台に立ち続けていたことは大きいなあ、と。たとえブランクが1年や2年だったとしても、その間まったく舞台に立たなかったという「ブランク」とはやはり違う。もっともその蓄積あってこその「復帰決意」だったと思うのですが。

 ナガセさんのセバスチャン。出からしばらくはちょっと弱いかなーと思はなくはなかったけど、予想以上によかったです。特に「ファンファーレ」。あの軽みのある明るさは、それこそ「ギリシャの陽光」だ。「少年」にだけ許される翳りのなさという聖性。「海と夕焼」の少年十字軍のような。……実際のセバスチャンが殉教した時はおっさんだった、という説はおいといて。

 5年前の上演の時に、井脇さんがご自分のブログで「(1〜3は初演当時の3人というよりも)現在の3人のために振り付けたかのよう」という趣旨のことを書かれていたのですが、「オリジナルキャスト」というのはそういうものなのかもしれません。5年前の印象と比べても、後藤さんはよりフェミニンに、木村さんはよりマスキュラに(というのか? 笑)、という方向に進化してるなぁ。

 1から4はもちろん気合いたっぷりだったけれど、木村さんの気合いが半端ない。表情も相変わらずくるくるとよく動いて、身体もよくキレてかつ柔らかくて。で、色香の方も半端ない、と(^▽^;)。不用意に触れると斬られてしまいそうな、日本刀のような色香。

 さて、明日(もう今日だ)。何といっても楽しみなのは渡辺さんの月。三色も楽しみだ。ヴァイオレットと3の禁色のからみも。明日は舞台そのものを浴びよう。

 その前に歯医者だけどな……(T_T)。

 あ、プログラムに佐藤秀明氏の解説があるんですが、「海と夕焼」を引きながらになっていて面白かったです。「海と夕焼」は、三島の中では(今まで読んだ中では)いちばん好きな作品だ。
 

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2010/12/18

カレンダー買ったり。

 ようやっと、カレンダーと手帳(のリフィル)を買いました。今年の(来年のか)カレンダーはこれ。

  白熊さんです。カレンダーくらいは、ということで、毎年何かしらのチャリティーの入ったものを買うことにしてるんですが、これは「ポーラーベア・インターナショナル」への寄付を含んだもの。ここ数年の定番は四川のパンダセンターへのチャリティのものだったんだけど、たまには目先を変えて。

 いつも盲導犬協会のを買おうと思って買い損なっちゃうんだよなぁ。大きい店のカレンダー売場にある年もあるんだけど。今年はサイトにも出てないから作らなかったのかな。
 ちなみに盲導犬協会は書き損じハガキなども集めてます(これ)。年賀状のシーズンってことで、ちょっとリンクしてみる。


 さて、明日というよりも今日から「M」です。なんとか出勤はしなくてすむようになった。歯茎がまだずいぶん腫れてるけど、昨日よりはずいぶんマシだ(←結局、会社の定期検診で見つけ損なった虫歯がかなりでかくて、神経までいっちゃってた)。

 オリジナル4名が揃うのもこれが最後だけど、木村さんと高岸さんもこれが最後の「M」……になるかもしれないんだよねぇ。次が5年後だとしたら。美佳さん、井脇さんもそうだけれど。しっかり見よう。全身で。

 始まる前に書いちゃうけど(笑)、「西洋人が見た日本人」というステレオタイプはあるにしても、「日本人が考える「西洋人が見た日本人」」というステレオタイプも確実にあると思うんだよね。「西洋人って日本人のことこう考えるんだよね」っていう。そこから解き放たれるのってそんなに難しいだろうかと思うけど、どうやら難しいことらしい。あらゆることは入れ子になった鏡のようなものだけど、伸ばした手も視線も、鏡を突き抜けてどこまでもいけるのに。

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2010/12/17

エロイカを歩くとか。

 今日・明日(昨日・今日だな、もはや)が年内の仕事のピーク。さすがに残業したけれども、去年やその前くらいに比べると、1日の新刊件数がまるで少ない。去年の12月なんて定時で上がれたためしがなかったのに、今月はまだ10時間いったかどうか。

 本ひとつ作るのに、すごくたくさんの人が関わっている。作って売るまで。新刊件数が落ちてるってのは、端的に出版社の体力が落ちてるってことであるけれども、そのすべての行程に関わってる人の生活がかかってるということでもあるわけですよ。ぢぶんのような「初刷1回切り」しか関わらない人も含めて。

 そういえば、理論社はとりあえず事業譲渡が決まったらしい(これ)。相手の日本BS放送ってのがよくわからないけど、とりあえずはよかった。

 こんな本、来てました。

 「「エロイカ」の歩き方」。

 見た瞬間、つっぷして笑いましたがな( ̄▽ ̄)。伯爵や少佐の行った都市のガイドを本編コマつきで。しかしまあ、世界中かけずりまわってるな、この人たちは。なのにアメリカはアラスカだけなのー(≧▽≦)。このエピソードはここの町の話だったのか、と逆に読むのが楽しいな。
 ぢぶんは「皇帝円舞曲」でアがってしまった口ですが(その後の中国の話が面白くなかったんだよ)、本編も現在37巻。冷戦体制崩壊後もがんばってます。たまには読むかな。

 ぢぶんのテリトリー外だけど、「オペラ事典」の普及版も。
  「新グローヴオペラ事典」。左が今度出る普及版で、右が従来の版。「普及版」っていっても1万円近いんだけど、それでも旧版の半額なんだから「普及版」なんだねぇ。ふう。

 あ、松本のガイドブックを買わなきゃ。ホテルはとったんだけど。1泊つきのツアーの方が安かったんだけど、翌日休めるか、ムリムリ会社に行かないといけないか、直前までわからないから結局ホテルだけ。1月の松本は寒いだろうなー。老松(これ)だけはゲットしないと! 松本といえば開運堂の老松。これが美味い。中の小豆も上品だけど、「ニッケ味のきみしぐれ」みたいな外の部分が美味いんだわー♪
 と思ったら、「白鳥の湖」なんてお菓子も出てました(笑)。「落雁のようなクッキー」って、なんだそれは。

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2010/12/16

つらつらプログラム

Img_2015

 特に意味のない浜松のペンギン。ペンギンのコーナーってよくこんな家が建ってるけど、やっぱり居心地がいいんだろうか。うちの犬は父親の(ほとんど使ってない)事務机の下が好きだったなあ。天井が低いところが落ち着くらしいんだが。

 さて。マールイのプログラムなどをつらつら眺めつつ。

 シシコワが来てるのに、特に何にもキャストされてないなー。コールドのみってことなのか。キューピッドをもう一度みたかったなぁ。ブレグバーゼ父っつぁんはもう年齢的に仕方ないんだろう 。・゚・(ノд`)・゚・。 と思うけれど、フィルももう来てくれないような気がするしな。この辺りはいわゆる「世代交替」的なものだから淋しいけど仕方ないとして、モストヴェヤも来てないのが淋しい。そういえば、チーカは来てるけどクリギナは来てないな(←何となくセットで記憶)。リィコワやそもそもいないみたいだし。覚えかけた頃にわかんなくなっちゃうんだなー。

 そんな中で、毎年毎年律義に来てくれる人たちは本当にありがたいっす。コールドにモロゾフとマスロボエフ(←ここも何気にセットだ)がいると、それだけでホッとするからねぇ。微妙に変わらぬ二人がありがたいですよ。

 来日30周年記念ということで、過去の舞台記録なども。初来日の81年のチェンチコワとベレジノイの白鳥の写真も載っているけど、これがまさにぢぶんが見た舞台ですがな!(日付がないから同キャストの別日の可能性はあるけど) 初めて見た生のバレエだ。あれから30年……年とるわけだなぁ。ぢぶんも、父っつぁんも(←初来日公演に参加してたという)。

 今回ロミオを振ったブベルニコフは元々マールイの指揮者を68〜93年まで勤めていたそうな。その後、マリインカなどで振って、08年からマールイに客演指揮者として戻ってきた、と。68年からってのがスゴイ。マールイ管が炸裂系なのは、もしやその頃からの伝統なのか。とかとか。

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2010/12/15

カラフルにタジン

101209_20530001_2 東バ公式も更新されて、「M」と「ミラー」のリハ写真など。結局K村さんの役が3日シングルなのかどうかわからないんだよなー。フィナーレの「ダンサー全員出演」ってのもすごい。「ミラー」→「ボレロ」の上演順なのかと思ったけれど、もしかしたら逆になるのかな。カテコにジルが出てくれるなら、「ミラー」が後の方がいいよなあ、とか。「ミラー」が先ならプレトークにK村さんが出ることはないだろうけど、逆ならありなのかとか。いろいろ捕らぬ狸。

 いろいろ疲れてるので、困った時のタジンネタ。

 これもしばらく前ですねー。特に変わったことはしてないんですが、珍しくカラフルだったので撮ってみました。メインは焼き豆腐かなにかに見えるような気がするけど、ハーブチキン。スーパーで真空パック280円くらいで売ってるヤツです。サラダなんかにするヤツね。以前、これの「溜まり醤油味」ってのでやってみたんですが、タジンの水分で味が抜けた(笑)気がしたので、今回はハーブで。これももしかしたら少し抜けてるのかもしれないですが、元々薄味オッケーなので、特に問題はなく。てか、十分だったな。

 ざくっと切ったキャベツを下に引いて、チキンと、ぶなぴー、芽キャベツ、赤カブ、パプリカで白ワイン蒸しです。赤カブは剥きすぎると白くなっちゃうので注意。芽キャベツ、好きなんですよねー。スープ、シチュー、カレーと何にでも入れますが、タジンで蒸すのにも便利です。もちろんおかか醤油でもオッケー(笑)。ちなみに、上部にあるのはスライス大根のおかか醤油だ。

 今日は歯医者。終わったのは7時半くらいだったんだけど、麻酔が抜けたのは9時近かった(まだ歯茎腫れてる……)。なので、ごはんとちょっとしたおかずだけ弁当屋で買って、麻酔が抜けた頃に軽くタジンして(動詞化)。山東菜とショルダーベーコンとしめじと大根で白ワイン。大根は薄めの半月で。ベーコンの味がこんなに濃かったのは初めてっていうくらいのしあがりでした。3枚は多かったかな……。
 まあ、最近は炒め物よりもタジンの方が楽、って気がします。洗うのが楽だからか。

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2010/12/14

パルテノン多摩あたり。

 まずもって(笑)。NBS公式に、ジルの「ダンス・イン・ザ・ミラー」についてのインタビューとリハ映像があがっています。(6分ちょっと)。「現代のためのミサ」がやや長めで、「未来」の方がほんの少し。ちょっとアドレナリンあがってきた(^▽^)。

101212_14370002 さて、多摩センターのパルテノン多摩です。入口の前にはバルーンのキティちゃん。そういえばピューロランドもこのご近所でしたな。

 京王相模原線の終点が京王よみうりランドだったころを知っている年寄りなので(笑)、隔世の感がありますな。つか、相模原線って、小学生くらいまでは「よみうりランドと京王プールに行くのに乗る路線」で、高校から大学生までは「コミックスクウェアに行くのに稲田堤で乗り換えるために乗る路線」(←最終目的地は溝ノ口)だったので、いちばん使ってたのって小学校3年生くらいまでだ(笑)。初めて多摩センターで降りた時(いつだ)は、「のっぱらの真ん中に「マグロ2貫」みたいに小田急と京王の駅が並んでる」ってとこだったんですが、いまや多摩モノレールも通って3線利用。駅ビルもあれば「パルテノン通り」もあって、いかにも地方都市って雰囲気です。

 というわけで、京王/小田急の多摩センター駅を降りたら右折して、こぎれいな空中モールをキティちゃんに向かって……というより、ランドマーク的にはその後ろの大階段を目指しててくてくと歩いた突き当たりが「多摩パルテノン」。途中で空気抜かれてへろへろになったシナモロールもあったので、キティちゃんもいつもふくらんでるわけじゃないかも。

 公式サイト(これ)では徒歩5分ですが、ゆるいとはいえ上り坂になっていることもあって、目で見るよりも遠いかもです。歩きながらいろいろ目移りもするし(笑)。

 ホワイエは小奇麗だけどちょっと狭い。クロークも備え付けじゃなくて「机出し」だったしな。入って右手を曲ったところにビュッフェ。コーヒー300円でしたが、食べ物があったかは確認するの忘れちゃった。4階・5階にレストランがありますが、ちょっと高そうだな。駅ビルにいくらでもお店があるし、途中にローソンもあるので、駅からの間に不便はないな。

 公式サイトによると、3列めまでがオケピ陥没地帯。ちゃんと確認はしなかったけど、4列め以降はゆるい傾斜になっていたと思います(そう見えた)。ぢぶんは11列めでしたが、床までばっちりこんのいいお席。普通だったらね……orz。前に座ってたねーちゃん(高校生くらい)の頭にでかいサザエのつぼ焼きが乗っててだな。いやね、前の人が「デカイ」だったら「運が悪い……orz」と思いながらも「でも本人のせいじゃないもんなぁー(涙目)」で諦めるんですが、ねぇ。ぢぶんの隣は小学生くらいの娘さん2人だったんですが、つぼ焼きのおかげで見えなかったらしく、客電が落ちる直前にお母さんと座席チェンジしてました(←マナーのいい親子連れでした)。帽子ならね。「脱いでもらえますか」っていうこともできるんですけどね。つぼ焼きだからね。肩つかんでゆさぶりながら「フルヘンヘッドは「うずたかく」なんだよおっ!」と前野良沢になりかわって小一時間くらい説教してやりたい気持ちでしたです。もっとも前野良沢だったら小一時間の説教じゃ終わんねぇな。

 ま、そんなことがなければとても見やすいお席でしたよ。

 トイレは1階後方と地下(1階前方出口から出たフロア)下手側に女性用。数はそこそこだけど、行列を作る場所が狭い(笑)。2階方面は行かなかったので不明。

 舞台は奥行がちょっと狭かったのかな、という感じですね(ダンサーのスタンバイ具合とかからして)。日本の「多目的ホール」ってのは、概して間口が広くて奥行が狭いからなあ。学校の講堂もそうだけど、あれは講演会やシンポジウムに合わせてあるんですかねぃ? 合唱祭とか。この間の山海塾のトークでも天児さんが「間口が広くて奥行が狭いからセットの配置を工夫する」旨のことをおっしゃってたような。

101212_17290002 帰りはクリスマス仕様できらきら。写真、ピンボケですが。この種のイルミネーションは、青色発光ダイオードのおかげで飛躍的に進んだらしいですが、よくわかりません。昼間観るとなんとなく間抜けなのは豆電球と変わりないですけども。久しぶりにイトーヨーカ堂を見たので帰りに遊んでしまった(笑)。ウールのコートが欲しかったんだけど、ちょうどいいのがなかったな。

 オケは「打楽器の前だけマイクあるんじゃ?!」な感じでしたが、それはパルテノンの音響のせいではないと思われ( ̄▽ ̄)。タンバリン炸裂しまくりでしたなー。

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2010/12/13

マールイin多摩センター

 なんかかんかいいながら、とにかくパルテノン多摩まで行ってきました。マールイことレニングラード国立バレエの「くるみ」。パルテノン多摩って多摩センターなんだけど、なぜか聖蹟桜ヶ丘だと思ってた。アブナイ。何と間違えたんだろう(桜ケ丘からバスでも出てたのかな……)。

 主演はシヴァコフ+ミリツェワ。ドロッセルマイヤーはA.マラーホフ氏。マラーホフ氏のドロッセルマイヤーは初めてかな? と思っていたら、エフセーエワとマスロボエフの時に1度だけ見てました。つか、マスロボエフの王子を見てた事自体忘れてたよ……。ごめん、マスロボエフ。で、ドロッセルマイヤーはマラトに当たる率が高かったような気がしてたんだけど(実際いちばん多いようだ)、ポドショーノフのほかにヴェンシコフでも見てた。忘れてるもんだな。

 そのマラーホフ氏のドロッセルマイヤーは絶品でした。来日公演だとそれほど踊らない役が多いイメージだけど(白鳥の家庭教師とか、海賊のパシャとか、バヤデルカのラジャとか)、これだけ踊れるのにもったいないなあ、と思ってしまいましたよ。父っつぁんが来てないから仕方ないけどさ……。ポドショーノフのちょっととぼけた「ふしぎちゃん」の感じも好きですが、マラーホフ氏だと「ふしぎ」というより「謎」だなぁ。いかにも腹に一物な感じ。

 ネズミの王様はヴェンシコフ。身体が切れていて(ラインもきれいになった?)、この役に欲しい芝居っ気もたっぷりでよかったですー。最後だけがあっさりしてたような(そういう意図なのか?)。カテコもよかったねぇ。
 人形の方のくるみ割りはクズネツォフ。前に見た時よりもぐっといいんだけど、時々ちょっと「振りが忙しい」気がする。膝をぴょこんと曲げた敬礼ポーズが好きなんだけど、あれはどうしてもトルマチョフの残像に負けてしまうのさ……しくしく。今年もトルマチョフの人形に当たらずに終わっちゃうのだろうか(←まだ始まったばかりだけど)。

 そのトルマチョフは今日はフリッツ。彼だってベテランのはずだけど、いつまでも坊ちゃん頭が似合う(笑)。いろいろと芸の細かいクソガキだったよ! とまっちゃったピエロ人形の足(足首から下ね)をぐおおおっと持ち上げようとしたりとか。
 つうか、全体に「男の子」たちはやりたい放題でしたけども(笑)。そんで、相変わらずマスロボエフがいるよ……。あんた、いまだにそこって……( ̄▽ ̄)。ポジション的にも身長的にもそこじゃなかろうよー。本人楽しそうだからいいけど。で、その隣で輪をかけて楽しそうにやりたい放題してたのは、ニキータだったらしいです。おまいら……。

 あとはざっと。コロンビーナのドミトリエンコが可愛かったー♪ スペインの期待の新人ユリバリソフは長身でなかなかカッチョイイ。まだ不安定なところがないとはいわないけど、今後期待できそうです。中国のガヴリシは上手いけど、長身だし、顔がえらくバタくさくて(当たり前だが)、全然中国っぽくない(笑)。なんで中国なんだろ(スペインとかでもいい感じ)。アラビアは、久しぶりに「いいアラビアを見たー♪」というくらい、今日の中でもよかったです。リードはセミョーノワでしたが、これがすごくいい。なんというか「セクシーじゃない色気」とでもいえばいいいのか。4人のうちのエリマコワ系のエラをした人がすごくいい顔で踊ってました。コールドにも、「いい笑顔だなー」と思う人が随所にいましたね。名前はわからないけども。パストラルの男性はラプシャーノフ。最後、勢いがつきすぎちゃったのか、帽子とヅラがもろともにずれちゃってたけど。てか、あの帽子とヅラって一体だったんだな(そりゃそうだ)。パストラルはモロゾフで観ることが多くて、「あの衣装はなあ」と思ってたんだけど、ラプシャーノフは割りと違和感なかった。というか、モロゾフが似合わなすぎだったらしい( ̄▽ ̄)。花ワルのプハチョフとステパノワがウレシイ。

 さてと。ミリツェワは「芝居」をする役で観るのは久しぶり。大体がフロリナとかくるみのスペインとか白鳥のトロワとか、そんな感じなので。キラキラで可愛いし、1幕の芝居はとてもよかったです。目の表情がいい。メッセレルの効果か、2幕の人形たちも含めて全体に芝居が良くなってる気がする。回転の軸が時々変? 

 シヴァはねー。もともと胸板がっちりなところにヅラで頭部を小さくまとめちゃうと、どうにも(笑)。いやほんとに、似合わないんだ、アレ。エンジンのかかりも今一つだったけれども、全体に「息があがっちゃってる」感じだったのが気掛かりです。ミリツェワと組むのはかなり久しぶりだと思うけど、ちょっとサポート苦戦。フォーラムは慣れたシェスタコワとだから、また違うだろうけれども。

 とりいそぎ。

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2010/12/12

たしかな朝

 午前中に来るはずだった野菜パックが来なかったりしてちょっとばたばたでしたが(午前指定だったのに、不在通知の時刻が13:30ってどーよ)、横浜のbankartまで、大野一雄フェスティバルの「たしかな朝」を見に行ってきました(これの下の方)。舞台のしつらえのイメージはbankartのブログでもちょっと見られます(これ)。

 大野慶人さんが踊るのを一度観たくて今日のプログラムを選んだんですが。……うーん、さすがにここまで来ると、ぢぶんにはようわからん世界だな。ヴッパタール・タンツ・テアターのジュリー・アンヌ・スタンザクとエディー・マルティネスと3人での共同制作ということでちょっと不安に思っていたのが的中……というか。先だってテレビで放映された「私と踊って」がぢぶんとしてはダメだったのでどうかなーと思ってはいたのですが、やっぱり「女がヒステリックにわめいたり笑ったりする」があって、そのたびにぐったり。あきらめるしかないのか、これは。

 公演はbankartの3階で。平場のフリースペースですが、「床に座布団」から少しずつ段差をつけた座席がしつらえてあって、思ったよりも見やすかったです。整理番号順に入場した段階で、すでに慶人さんが板付き(床付き、というべきなのか)。白塗剃髪で、ちょっと修道僧を思わせるような白の衣装(ロミジュリを見たばっかりだったから修道僧を思い出したのかも。音楽がパイプオルガン(?)だったし)。動き出してみれば、下は長スカートではなく、袴みたいに割れていた。途中で奥から出てくるスタンザクは白のシンプルなワンピース、マルティネスは白ズボンのみ。

 テーマは「ディスコミュニケーション」なんだろうなぁ。圧倒的かつ絶望的なディスコミュニケーション。男女の間のディスコミュニケーションと、その狭間というか後景というかにいる老人というか聖職者というか。いらだちと、暴力的な動き。紙袋や麻袋に入れられた銀杏の葉やコーヒー豆をぶちまけたり(その上を裸足で踊るのは痛そうだ)。
 スタンザクとマルティネスが肩を組み替えながら歩き回るという振りが幾度か繰り返され、さらにマルティネスと大野慶人とで繰り返される。ディスコミュニケーションの中で疲弊していくマルティネスの表情がいい。ヴッパタールの激しい動きと舞踏のゆっくりとした動き。違和感はないけど融合というほどでもないかも。

 それにしても、慶人さんは「息子」とはいえ、もう70歳過ぎてるんだなぁ。それだけで何かたいへんなことのような気がする。もっとも大野一雄さんも脚光を浴びた「アルヘンチーナ」の時はそれくらいの年齢だったわけだけど。踊る一雄さんの腰を支える慶人さんが美しくて。それは親子だとか師弟だとかいうことを超えて、支えるその姿が純粋に美しかったんだよな。

 2階の新聞記事の展示は圧巻。何台ものテレビを使っていろんな映像が流されていたけれど、前回のフェスかな? ズニ・イコサヘドロンの「Tears of Barren Hill ( 荒山泪)」がすてきでした。京劇風の衣装で布を使った場面はあまり……だったんですが、スーツ(?)で踊っていた時の動きのなめらかな美しさ。もう少し大きな画面で見たかったな。

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2010/12/11

いちかけにかけ……

 祭典のマラーホフのチケット着。シンデレラはマラーホフが出ない日なのでそこそこ良席でしたが、チャイコフスキーの方は、こんだけ後ろになったのは都さんのコッペリア以来という(笑)。「席より日にち優先」にしてたので仕方ないですなー(ノ_-。)クスン。

 マールイと「M」の(つか……さんの)間を行ったり来たりウロウロしている今日この頃。そんなわけで、今日は、東バ公式更新以来局所的に(笑)話題になっている「一かけ二かけて三かけて」のうたについてでございます。ま、「M」絡みで。

 ぢぶんがこれで遊んだのは小学生の頃じゃないかなーと思うんですが(70年代ですね( ̄▽ ̄))、子どもが口伝えで教えっこするものですから、何かがどうかなっちゃったらしい。ぢぶんと同じ歌詞に出会ったことがないんですなー。わらべうたってのはそういうもんですけども。
 ぢぶんが歌ってたのはこんなんです。

 せっせっせーのよいよいよい
 一かけ二かけて三かけて 四かけて五かけて橋をかけ 
 橋の欄干手を腰に はるか向こうを眺むれば
 十七、八のねえさんが 片手に線香・花持って
 ねえさん、ねえさん、どこ行くの
 私は九州鹿児島の西郷隆盛娘です 
 明治3年3月3日 切腹なさった父親のお墓参りに参ります
 お墓の前で手を合わせ なむあみだぶつと拝んだら
 お墓の前の幽霊がゆうらりゆらゆらはなさかじゃんけんぽん

 いわゆる「せっせっせ」で、「おちゃらかほい」みたいな手遊びをしながら歌うんですが、これがもうどこか間違ってる。「明治3年」って段階でまるっきり間違ってる。「明治10年3月3日」かとも思ったんですが、「3月3日」からして全然間違ってるもんなぁ。でも「3月3日」で歌ってたのは確かだから、多分「明治3年」なんですよ。なんでそういうことになっちゃったんだか。

 で、じゃんけんの前に入る「はなさか」ってのもさっぱりわからない。当時、誰もわかって歌ってなかったよな(笑)。「たまさか」か? とも思ったんですが、それにしたって妙だ。「いやさか」じゃなかろうし、まして「いやさっさ あいや」でもない、と(笑)。なにものだ、これは。

 幼少の頃は三多摩に住んでいて、これは親からではなく友達から習ったと記憶してるので、その辺りではこんなんだったんですかねぃ。もっとも、友達がどこかよその出身の親御さんから習って広めた、という可能性もありますが。「さよならさんかく」も「インドの山奥」も、友達とつきあわせると微妙にちがっているので、子どもの口承なんてそんなもんだよな、と。それにしても謎だな。

 というわけで、謎を追いかけて検索してみたらこんなところに出ましたよ。

 なんとまあ、宮崎県の公式サイトです。遡っていったら東知事が出てきたよ( ̄▽ ̄)。これは最後が「じゃんけん」にならないケース。全国にあるのに鹿児島にないってのが面白いですな。地元的には微妙なんだろうか。

 「M」のどの場面で使われるのかはちゃんと覚えてないんですが(「海」の最初の方でしたかねぃ)、祖母→わらべうた、中でも「切腹」というメタファーが入り、かつ冒頭の「一かけ……」から「1/2/3/4」へとイメージをつなげていく歌、という気はします。メロディもそれらしいし(どれらしいんだ)。

 ついでに。こんな「一かけ……」も。
 仕事人、懐かしいっすね( ̄▽ ̄)。ナレーション、芥川隆行だったのか。左門と秀のこのシリーズが好きだったなぁ。どういうはずみか、スライド映画まで撮っちゃったくらい(←ほんとにどういうはずみだったんだか)。
 そうそう、これは「おっさんおっさんどこ行くの」なんですよ。どこ行くんですかね……。

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2010/12/10

相模大野グリーンホールのメモ

 グリーンホール相模大野のメモ。公式サイトはこちら

 段差は7列目から。6列目までが平ら。サイトの座席表によると、4列目までがオケピに充当されるようです。今回は10列目で見ましたが、なかなか快適でした。

 トイレは地下と2階。違う場所から出たので未確認ですが、1階の前方下手の扉から出ると地下の女子トイレに近いのかもしれません。女子トイレは左右に入口があって両側から入れるようになってますが(神奈川県民ホールがこのパターン?)、今回は真ん中に立ち入り制限のリボンが通してあり、係員の女性が立って整理してました。和式と洋式の両方あり。数はそこそこ。喫煙所は外。

 1階のホワイエは作り付けの石素材のベンチ。地下ホワイエに飲み物の販売機とソファーとテーブルがあり、飲食はこちらの方が落ち着ける感じ。売店はなかったような気がするなー。2階は行ってないのでトイレ・ホワイエとも不明。同じ建物の3階にラウンジがあって、軽食などが取れるようです。これも行ってないので値段等は不明。サイトには「お茶とようかんセット」の写真があるな。

 相模大野の駅からだと北口へ出て、商店街をまっすぐ突っ切り、伊勢丹の中(陸橋を上がって2階)を突っ切ってすぐです。サイトのアクセス情報だと4分ですが、伊勢丹で遊んだりトイレ行ったりしてたので(笑)、実測してません。

 相模大野は大きな駅ビルがあるので、中にレストラン街もありますが、ちょっと安く小腹を満たしたいというよりも、がつんと夕飯食べたい、みたいなラインナップだったように思います。まあ駅ビルってそんなもんだよね。伊勢丹の中にもレストランはあるだろうし。ぢぶんは中途半端なお腹だったので、伊勢丹の手前にあったモスバーガーで軽く食べ、帰りも半端なお腹だったので駅の中(改札の中)のコーヒーショップでケーキをいただきました。アイスつきワッフルもあり。

 相模大野って、イメージとしてはすごく遠いんだけど、うまく速い電車をつかまえられれば新宿から1時間足らずだし、駅から近いのでそれほどでもない。ただ、最近の小田急は電車が複雑でー(笑)。ぢぶんが高校(←小田急沿線)に通ってた頃は、特急(ロマンスカー)・急行・準急・各駅の4つしかなかったからさー(笑)。相模大野はロマンスカーに乗りさえしなければいいからいいけど、向ヶ丘遊園とか、もう何が停まるのやら(笑)。

 ちなみに伊勢丹2階ではクリスマスフェア(アクセサリ、オーナメント、ぬいぐるみなど)開催中。ガラス細工やらくまぬいぐるみやら、楽しく眺めて遊んで帰りました。とんぼ玉とか目がないんですよねー♪

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2010/12/09

マールイのロミジュリ

 というわけで、ぢぶん的マールイ初日です。ペレン+コリッパーのロミオ&ジュリエット。81年の初来日の時にヴィノグラードフ版のロミジュリを持ってきていますが、今回はその改訂版、日本初お披露目。

 まだもう1日残っているので、あまりネタバレ的なことはおいておいて、と。

 ……えーと。曲順が結構変わっている(ライトモチーフそのものは変わっていない)のと、2〜3幕が通し上演なのとで、非常にさくさくと話が進みます。カテコは結構に長かったのですが、それでも終わったのは8時50分くらいじゃなかったかな。ロミジュリは合間にレヴェランスがないのも、さくさく進む要因ではありますね。

 動く「ルネサンスの絵画」を実現したような、というところなんでしょうか。ぢぶん、絵画的な素養がないから、ルネサンスが正しいかどうかもよくわからないけどな。最初と最後がそうであるばかりでなく、両脇の回廊状のセットや、ジュリエットの寝台の枠など、「額縁」的な効果を上げています。特に、ティボルトの死後のロミオとジュリエットの寝室のPDDなどは、その寝台という枠が効果的。敷物が本当に弾力があるようで、ちょっと大変そうではありますが。僧院のバックのステンドグラス様のものもキレイだし、上から下がってくる吊り物の回廊も面白い効果を出してました。セットに関してはすごくいいな。馬のもいい。

 衣装はある意味で「過ぎたるは及ばざるがごとし」というか。すんごい豪華なのに金のかけ方がどこか間違ってるというか。ガンダムを遡って、荒木慎吾か姫野美智か、って世界になってました( ̄▽ ̄)。リヒテルとかハイネルとかガルーダとか、あっちの系統(「墜ちたる天使」の面々だな……)。あ、ダイモスはロミジュリか。いやしかし、眠りの4人の王子が甲冑を着る日も近いかもしらん。

 ツッコミどころが多すぎてなぁ( ̄▽ ̄)。さすがヴィノグラードフ。

 コリッパーはスタイル抜群で脚がきれいだ。それを活かし切れてるとはまだいえないけども。ソロはかなりいいです。スピード感もあるし、上手くなったなあ、と。ただ、ペレンと並んでしまうと相変わらず「ぼーー」っと見えてしまうんだが。「強度」が違いすぎ、というかなぁ。花も恥じらうオトメのロミオ。
 そんな頼りないロミオに対し、ペレンのジュリエットはつおい。つおいよ! パパやパリスくらいなら、グーで殴ってロミオ担いで出奔しよう、ってくらいつおい。……と思ったら、パパはもっと強かった(笑)。いきなりブチ切れたパパを見たら、これじゃ絶対勝てん! と思いましたですよ。うん、ジュリエットはこのパパの娘なんだな(つおいわけだ)。

 ノヴォショーロワのママが素晴らしいです。美しく、かっちょいい(笑)。クッションダンスではもう独壇場でした。クッションがないかわりに、ママの頭についてたけども。そしてミャスニコフのロレンス神父がいいんだ(^▽^)。唯一落ち着いている人。いい年の取り方をしてるかもなぁ。……エスパーダはアレだったけども。
 パリスもよく踊ります。うっとおしいほど踊ります。というか、うっとおしいよ! グーで殴ってオッケーだよ!(←殴られないし、殺されませんが)。

 カテコでクズネツォフが「死」の人とずっと手をつないでたのがかわいかったなぁ。「隊長」ってどの役かと思ったら、最初の抗争で殺される役だったみたい。

 ぢぶん的にいちばんツボったのは舞踏会のシーンですが、明日(今日か)の見どころとしては、舞踏会の最中に床に指でお絵かきするロミオだな。これをモロゾフがやると思うとヽ(´▽`)/ミタカッター! いや、この版のロミオはルダコさんですよ。絶対、ルダコさんの役ですよ。モロゾフがやってもそう見えるか、確かめてみたいところだ。

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2010/12/08

長身とか小柄とか

 6日のエントリで書いた「蜻蛉の夢」。池田龍雄氏は土方巽氏とも親交があったので、「動く人体」を見るために江口・宮バレエ研究所で大野一雄氏(当時40代!)を見た時の話とまとめて、小さくエピソードが紹介されています。その前に出てくる武満徹のスケルトンダンスって方が見てみたかったものだけども。

 それでちょっと思い出したのは、生前の土方巽が大野一雄の手の大きさに嫉妬していたという話。腕の長さ、手の大きさ、脚の長さ。頭の大きさも含めていいのかもしれないけど、これらというのは自分ではどうにもできないことだものなぁ。そしてダンサーとして舞台に上がれば、やはり腕、手、脚の長さ/大きさというのは、それだけでものをいう、というのもまた確かなんだな。表現の幅とでもいうべきもの。肉体の表情、空間を掴み取り/切り取っていく大きさ。

 久しぶりに山海塾を観たのがちょうど上の本を読んでいた時だったから、そんなこともつらつらと思い出したりもしたのでありますよ。
 ぢぶんは大野一雄は映像でしか見られなかったけれども、あの手の大きさは本当に魅力的だったし、腕の長さもそう。車椅子に座っていても、手の中から繰り返し繰り返し生み出される「花」は、あのてのひらなしには生み出されようがない。

 小柄なダンサーは身体のコントロールが行き届いていて、バレエでも、もっと顕著にはフィギュアスケートがそうかもしれないけれど、目を見張るような超絶技巧や、スカッとする気持ち良い踊りを見せてくれるわけで。長身ダンサーの、手足の長さをもてあましてるような時は、見ている方がどうしたもんかと思ったりするしなぁ。だから結局は、自分をどうイメージして見せていくか、ということなんだろうけれども。

 天児さんなども、舞台で見るとものすごく圧倒されるような肉体だけれど、カテコで並ぶと本当に小柄なんですよね。不思議なほどに小さい。……うんまあ、腕は相対長いように思うけれども。ああいう肉体の「強さ」は(若い人のキラキラとはまた違って)、年齢と舞台を重ねて備わっていくものなんだろうなぁ。カンパニーを背負ってきたベテランたちには、どのような「強さ」かという質の違いはあれ、備わっているように思うんですよね。森下さん、清水さん、川口ゆりこさん。今の基準でいえば小柄な人たちですが、頂点を極めた人がもつ「強さ」が自然に現れてくる。「持続」だけではない「何か」が必要なんだろうなぁ。

 東バの公式がなぜかつながりませんが、NBS公式の方に「M」のリハ風景など。十市さんのリハ映像に、サンもちょろっと映ってます♪ やっぱりあの爪先が好き。今回は鉢巻付きだけど、あの髪形で行くんだろうか。最近定着してるし。

 そしてぢぶんは明日(もう今日だ)からマールイの冬シーズンです。ミャスニコフのロレンス神父にマラーホフ氏の大公も楽しみだけど、なんといっても、ツァルのジュリエットパパとノヴォショーロワのママが楽しみですよ! どんだけ濃い愁嘆場かと(ヴィノグラ版みてないので、ならないかもですが)。

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2010/12/07

ビールだ!ビールだ!

Img_2020

 夕飯のあと、5時間も寝落ちしてたダメダメなぢぶん(写真は浜松動物園)。

 えーと。今まで取り上げなかったネタとしては。

 先週の「女性セブン」に出た田中さんのちっこいインタビュー記事は「私の休肝日デラックス もっとおいしく飲みたくて」(←例によって公式ニュースの誤植……orz)内の「「やっぱり体が資本!」な人の休肝日」枠。
 「ビール大好き」「でも飲みながら食べると太りやすい」「公演前2週間からお酒を控えて体のラインを整える」「公演最終日のビールは最高!」といったお話でした(同じ記事の中では、早見優がライブ1週間前からお酒(ワイン)を控えるそうな)。

 ……最終的には「ビールだ! ビールだ!」が合言葉なんだなぁ(^▽^)。

 ちなみに「ビールだ! ビールだ!」ってのはぢぶんもお世話になった某紙の編集後記のシメの決め台詞(笑)ですけども。
 

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2010/12/06

池田龍雄のエッセイ

 岡本太郎美術館の池田龍雄展で買ってきたうちの1冊。「蜻蛉の夢―記憶・回想そして絵画」

 いわゆる「自伝的エッセイ」とでもいうようなものですが、新聞連載+雑誌掲載のまとめということで、非常に読みやすく、つるつるっと(笑)。子ども時代の思い出から、予科練に志願し特攻隊員として敗戦を迎え、戦後美大に入学し、岡本太郎たちのアヴァンギャルド芸術研究会に出入りし……と、現在(99年)に至る、と。そして折々の美術論を飄々とした語り口で。

 1/3ほどを占めている敗戦までの話はやはりとても興味深いです。通称「赤トンボ」で知られる練習機は有名ですが、アレに250キロ爆弾を装着するって……いや、戦争末期の「何考えてんだ」という作戦は山ほどありますが。帰投できる機体があった部隊はまだましっていうのもなんだが。旧日本軍ってのは人を「限りある資源」とすら思ってないんだなぁ。「人的資源」って言葉は好きじゃないが、それ以前に。

 アヴァンギャルド研究会の交友録なども今みると淙々たるメンバーだけど、順繰りに考えると、そこのメンバーが「淙々たる人」になっていったわけだな(笑)。そういえば勅使河原宏の絵は、今回の展覧会で初めて観たような気がする(←交友のあった画家枠で展示)。

 楕円をモチーフとした絵もシリーズで出品されていましたが、それにまつわる短い「楕円考」が面白かったです。人間の持つ、二つの対立した焦点の葛藤と運動としての楕円。楕円の書き方ってはるか昔に数学でやったように思うけど、二つの焦点があるなってことも忘れていたのであった。

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2010/12/05

久しぶりに山海塾

 昨日歯医者で出してもらった抗生物質が効いたのか、だいぶマシな感じ。しかし、食後に歯医者の薬3錠(痛み止め+化膿止め+胃薬)、食前に漢方1包ってなぁ。そんなこんなで1年ぶりの山海塾を観に、相模大野まで。

 いや、相模大野ってば前にマールイの夏ガラを観にいったと思っていまして。駅のこっち側に補給廠があってね。で、この辺りで昼飯食べたな、とか。で、相模大野で降りてみたら駅構造も駅周りもまるで違うし、うんでもあれから何年も経ってるから駅ビルも変わるよね、とか、ホールもまるで違うみたいに立派だけど最近リニューアルしたかなー、とか、いろいろ不審に思いながらも家に帰って確認してみたら、前回行ったのは相模原市民会館でしたよ( ̄▽ ̄)。最寄り駅は相模原駅。だみだ、ぢぶん。

 演目は「時のなかの時−とき」。2005年の作品ですが、久方ぶりの再演だったようです。緞帳を使わないので、ホールの中に入った時から舞台装置が見えてワクワクです。半円形に立てられた7つのモノリス(←アフタートークの中でも「モノリス」だったなー(笑))と、吊り下げられた銀のリング、その中心に銀の細い棒。上手手前から下手奥へ敷かれた一枚の長方形の板。山海塾のサイトに写真がありますが(これ)、それでは板がまっすぐに敷かれています。構成が変わったのか、劇場の奥行の関係なのか。でもそうすると板の上での天児さんのソロや走り出てくるところなどはだいぶ見え方も違うだろうなぁ。

 バレエを観る時は割りと「絵解き」的な楽しみ方をすることも多いですが、山海塾を観る時にはそうではなく、舞台からやってくる空気にすっと入り込むというか。舞台を観るというよりも、舞台を「感じる」ように思います。その空気を味わい尽くすというか。自分の中ではマリファントの作品を観る時と比較的近い気がします。

 冒頭のアンサンブル、中央の4人(何気に凄い腹筋!)が胎児のようでもあり、蓮の花のようでもあり。2場(というのか?)に入っていくのにその4人が板の四隅に着くのがまたカッコいいんですが、その板に立ったときの天児さんのあの圧倒的な存在は何なんだろう。彼が舞台の中央(物理的にではなく)に立った瞬間に、空気がぴん、と緊張する。いわゆる「カリスマ的な」というのともまた違う。「存在感」を通り越して「存在」になっちゃったような。
 剃髪・白塗り・裳(というか)という姿も相まって、自分にとって天児さんは「大阿闍梨」を思わせるんです(時々清盛 ^^)。今回は三島の「中世」などもちょこっと思い出したり。ベテランの肉体の持つ重みというのはもちろんあるんですが、一筋縄ではいかない凄みというか。……書けば書くほど違うような気がしてくる。うーん。

 今回は後半に行くに従って(中盤のアンサンブルあたりから)、なんだか宇宙的なものを感じたなぁ。モノリスのせいかもしれないし、中空のリングのせいかもしれないし、上を見つめるような振りが印象的だったせいかもしれない。

 剃髪・白塗りという段階で、肉体は個というよりも抽象としてあるのだろうと思うし、その中で個別どうこうというものでもないのかもしれないけれど、ぢぶんが識別できるのは、天児さんと蝉丸さん、市原さんくらいです。ほかの人も個体識別はできるけど、名前が一致しない(笑)。中盤のアンサンブルの後、鏡像になる二人の下手側の人の動きが好きだったなぁ。多分、若い人。動きも肉体も「端正」ということばが思い浮かぶような。あと、アンサンブルの時のいちばん下手側の、これも若い(多分)人が「放心した美少年」のようだった。自分の席が下手寄りだったこともあって、二人とも後頭部と背中がほとんどだったのがちょっと残念。そしてどうでもいいことだけど、カテコでいちばん上手よりだった人が、武尊兄ちゃんに似てるような気がした(←本当にどうでもいいことだな)。

 まだいろいろあるけど、とりいそぎ。
 

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2010/12/04

タジンでリゾット

101203_20330002 業務連絡的に。「ダンス・イン・ザ・ミラー」と「ラ・バヤデール」の予約確認ハガキ到着。「ミラー」の方はややバラエティに欠けるというか(笑)、連日大体同じ辺り。「バヤ」はセンターで前に行ったり後ろに行ったり、という感じです。パパラジャかぶりつき席にはならなかったな( ̄▽ ̄)。

 今朝は相変わらず微熱と頭痛だし、この台風かよ! な天気の中をがんばって出社したところで仕事なんかろくすっぽないんだよなぁ、というところで有休を勘定してみて、出社拒否。こうやって会社に行けなくなるんだよ……orz。
 一度寝て、昼過ぎに軽く食べて、もう一寝入りの後は4時。頭痛といっても主に目と歯なので、とにかく歯医者に行きまして。食欲はないわけじゃないけど、ごついものは食べられないなー、というところで今日のタジンです。

 タジンのレシピ本に載っていたメニューだけど、そのレシピ本がみつからない(笑)。前に一度作ったことはあるので、「なんとなくこんな感じ」で再現してみました。牛乳とオクラのリゾットです。
 牛乳を適当にタジンに注ぎ、ご飯を入れてよくほぐして、輪切りにしたオクラを入れて、ぐつぐつ。ぢぶんは本だしを使いましたが(←何にでも本だし( ̄▽ ̄))、洋風が好きな人なら粉末コンソメでも。そして牛乳(うちのは鉄入りの低脂肪乳ですが)なので、よく噴きます。見てないとあっという間に吹きこぼれ(笑)。鍋底にもよく貼り付くので、水蒸気がもったいないなどと言わずによく混ぜるべし。
 オクラがちょっと固めの仕上がりになってしまった。ゆでてから切って散らした方が、見た目がキレイです(笑)。色としてはグリーンピースでもいいかもなぁ。枝豆とか。これだけだと塩気が足りないので、今日はしらす干しをトッピングして混ぜつついただきました。ごま塩でもよいかと。

 付け合わせの小さいタジンは、サツマイモとパプリカ。塩もせずにただ茹で蒸しただけ(笑)。ドレッシングやマヨを使わないのに慣れていると、野菜の味だけで十分美味い。パプリカとピーマンは茹で蒸したのにおかかと醤油でもイケます(←何にでもおかかと醤油( ̄▽ ̄))。ある意味、フランス料理と対極を生きてるな、ぢぶん。

 ちなみにご飯はレトルトパックの買い置きをレンジでチンして入れました。ご飯炊く元気がない時に、おかゆや茶漬けをするのに便利です。チキンライス(←好物)を作るのにも使います。あと食欲がない時に会社に持っていって茶漬けで食べたり(←パックが茶碗がわりになるので便利)。

 ついでながら歯医者の方。会社の歯科検診は毎年受けてますが、そこではみつからなかったデカイ虫歯が1本発見されました。いつも痛むところは歯の下に膿がたまってました。というわけで、クリーニングと治療を同時並行ですることに。といいつつも、次の治療の予約がとれたのが14日ですよ、ああた。2週間先。「気長に通って治しましょう」ってそういう意味かい……。クリーニングは明日の朝(今日か)、山海塾に行く前に。昼食が忙しそうだなー。

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2010/12/03

「本を読む」

 毎年この時期になると必ず文句つけるものに「流行語大賞」なるものがあるんだが、今年もやっぱり同じことを思う。
 いや、いいんです。「なう」とか「ととのいました」とかはね。「流行語」でいいんですよ。でも、「食べるラー油」とか「AKB48」って「流行語」じゃないだろ、それ。それは「ブーム/話題になったもの」であって、言葉として流行ったわけじゃない。「流行語大賞」といいながらも正式名称は「新語・流行語大賞」なので、「新語」枠のものがいくつかあるのはいいんだけどね。「言葉」と「人/物/現象」の区別がついてないのはどうなんだ。

 「本を読む」とか「本が好き」というのはどういうことなんだろう、と時々思います。ぢぶんは25を過ぎた辺りから小説類をほとんど読まなくなったけれども、「本」は読んでたわけですし。逆に小説とエッセイ、NDCでいうところの913.6と914.6しか読まないって人も、世の中にはたくさんいらっさるわけで。「本」ってひとくくりにされる中身はあまりにも膨大すぎないかと。

 先だっての山根氏の講演は図書館関係者向けのものだったから、「本を読む」ことの重要性についてもいくつか(新しくはないが)話はありまして。「本を読むことによって、他人の気持ちがわかるようになる」といったような類いのものですね。

 ……なんといいますか、それはそれで正しくなくはないんだけど、その時に想定される「本」っていうのはなんだろうかと。
 子どものうちは、よくも悪くも「読めるもの」が限られてるからいいように思うんですけどね。つまり、文学作品と、科学読み物を含むノンフィクションを主流としたもの、それに若干のハウツーもの。それがもう少し長じてYA(ヤングアダルト)くらいになってくると選択肢も増えてくる。「他人の気持ちがわかるようになる」ハウツーものとか。

 多分、「本を読むことによって、他人の気持ちがわかるようになる」という場合の「他人の気持ちがわかる」というのは(実際には「他人の気持ちがわかる」ということそのものが傲慢だということはおいておいて)、文学作品から想定されるような「細かい心のヒダ」とかなんとかいうような、あいまいで繊細でいい加減なものだと思うんですよ。非常にアナログ的なもの。
 ところが、世の中のもう一方には、「頻繁に脚を組み替える女は誘ってる」風な、「他人の気持ちがわかる」本も大量にあるわけです。「こういう仕草」→「その人は今こう考えてる」っていう、エンターを押すと変換できるような、やたらとデジタル的なもの。それもまた「本を読むことによって、他人の気持ちがわかるようになる」っていうことなんですよ。

 山根氏のいうところのものは、十中八九というか、十中二十くらいの勢いで前者だと思うんですが、じゃ、後者って何、という。

 誤解を恐れずにいえば、「なんでこれだけ本を読んでて文章がヘタクソなんだ」という人もいれば「なんで(略)こんなに物知らずなんだ」という人もいるし、読書量と人格や表現力ってのは、イコールじゃない、と実感として思います。「知識が思考/感性をがんじがらめにする」なんて、ごくごくありふれた情景だし。「本が好き」っていうだけで、優越感バリバリになっちゃったりするし。
 とどのつまり、本を読めば「美徳」や力が備わるってもんじゃないってこと。読まなきゃ備わらないかもしれないが、読めばいいってもんじゃない。何を読むかも大事だろうけど、それだけではないだろう、と。
 
 でも、「何を選ぶか」という目を養うのも、結局は本を読むことよるのかもしれないんですけどね。そして「何を感じるか」……あるいは「何を感じようとするか」は、何をもって養うのか、あるいは「養う」ものなのか。
 

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2010/12/02

リヒターの3部作

 横浜・川崎と行って帰って一気読み。

  

 時期としては「あのころはフリードリヒがいた」→「ぼくたちもそこにいた」→「若い兵士のとき」の順で、少しずつ時代をダブらせながら進んでいきますが、「ぼくたち」をしばらく前に読み、その後図書館で借りて「若い兵士」→「フリードリヒ」の順で読みました。「フリードリヒ」は中学の課題図書かなにかで読んだんですが、あとの2冊は初めて。

 同じアパートに住み、1週間ちがいで生まれたドイツ人の「ぼく」とユダヤ人のフリードリヒの少年時代(1925〜1942)を、家族同士の交流とエスカレートしていくユダヤ人排斥運動を中心にフリードリヒの死までを描いた1作目。「ぼく」と二人の友人、ハインツとギュンターの友情を軸に、ドイツ少年団入団からヒトラー・ユーゲントに進み志願兵として従軍するまで(1936〜1943)の「普通のドイツ少年」の生活を描いた2作目。そして志願してから終戦まで(1942?〜1945)の従軍体験を綴った3作目。

 3冊とも岩波少年文庫で出ていますが、いわゆる「児童向け小説」として形を整えられているのは「フリードリヒ」のみといってもいいでしょう。「若い兵士」はむしろ「日付のない日記」であり、「ぼくたち」はその中間的な体裁になっています。それは後の2冊の文学的価値が低いというのではなく、事実のありのままを描こうとしたリヒターの「書く苦しみ」でもあり、訳者の上田真而子氏のいう通り「ストーリーを立てて作品として構築する気持ちの余裕はもうなかったのだろう」ということなのだと思います。17歳で志願して歩兵となり、戦闘で左腕を失った後に士官学校に入り、少尉として自分の親ほどの年齢の兵を束ねながら敗走し、20歳で敗戦に。この3部作を書き終えて、リヒターは筆を折りました。そういう作品です。

 1作目ではフリードリヒをはじめ、家主や先生たちにも名前がありますが、2作目ではハインツとギュンター以外にはほとんど名前はなく(あだ名はある)、3作目では名前そのものがまったくなくなります。階級で呼ばれるか、「前を歩いていた兵士」「掃除係のロシア人女性」といった具合。「ぼく」は3作一貫して「ぼく」であり、名字も与えられません。それは彼の経験が誰にでも起こり得る/起きたものであることを示しているように思います。それに加えて軍隊というところが「名前」を必要としないところであることも。
 軍隊というのはどこも本質的には同じだなと思ってしまいますが、どんな悲惨な状況でも何かしら楽しみを見つけずにはいられない。それも万国共通……というよりも人類普遍だなあと。

 「フリードリヒ」の巻末についているドイツの対ユダヤ人政策の年表は、「人権を剥ぎ取られていく」ということがどういうことかを見せつけてくれます。ヒトラーが民主的な選挙で首相になってから「最終的解決」の開始まで8年半。ポグロムの開始までなら6年足らず。
 ナチス党員の「ぼく」の父親が、フリードリヒの父・シュナイダーに「早くドイツから出た方がいい」と忠告するのが36年。その時シュナイダーは「中世なら、ユダヤ人にとって命の危険を意味していましたよ。しかし、人間は、その間(かん)に、少しは理性的になったでしょうからね」「この二十世紀には起こりえません!」と言ってドイツに残った。何しろ彼らはドイツで生まれ育った「ドイツ人」ですから。しかし、ポグロムで襲撃を受け、母が命を落とすのがそのわずか2年後の38年。父親とラビが逮捕されるのが41年。「人間の理性」を信じたシュナイダーへの手ひどいしっぺ返しのように。

 読み始めたのはほんの偶然と少しばかりの郷愁からでしたが、今読むべきものを今読めたことに感謝する気持ちです。特に「フリードリヒ」を読み終えた後は、今まさに読むべきものだったと思いました。排外主義、とまではいかないとそれぞれが思っている「排外気分」とでもいうようなものが蔓延している今、まさに。おそらく、どこの図書館でもおいてあるはずです。子どもにといわず、大人こそ、ぜひ。

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2010/12/01

ニュースを読む/聞く

 12月になったので「M」仕様。やや季節外れ感はあるけど、「M」といえば桜吹雪。季違いじゃがしかたがない(笑)。月、埋もれちゃってるな。

 さてと、金曜日に行った講演のひとつは「ことばの杜」(これ)の山根基世さん。まあ、ことばの杜のっていうよりも元NHKアナの、という方がわかりやすいですな。退職後にOBでつくったのが「ことばの杜」で、朗読を中心とした活動をしています。

 ぢぶんにとっての「美しい日本語(話す方)」というのは依然として加賀美アナなんですが(笑)、ま、それはそれとして。

 まあぶっちゃけMP3の宣伝を兼ねた(版元主催の)講演だったんですが、お題は「もう一度考えたい ことばの力」ということで、前半は「声」の力について、後半はいろんなエピソードといったところ。

 人間を含む三種類の哺乳類と、鳴禽類(スズメ亜目。ウグイスみたいに「さえずる」鳥)を含む三種類の鳥のみが、周囲から学習しなければ「声」を出せないのだそうです。「声」そのものは出るけれど、意思伝達としての「声」。特に胎児の間の母親の声は、聴覚だけではなく羊水を通じた触覚として感じるので(母親の体内に声が響くから)重要。ということをふまえて、朗読/読み聞かせの活動をしているそうです。小さいうちから美しい日本語、日本語の持っている「調べ」に親しんで、「ことば」そのものを豊かにする。自分を「ことば」できちんと表現できる子を育てよう、ということ。

 で、あんまりちゃんとメモをとってなかったんですが、「ことばは口から内面があふれてくるものであって、人間の存在の根底を支えるのがことば」であると、大雑把にいうとそういうお話。そして最後には、「NHK銀の雫文芸賞」(名前)の創始者で、それこそ「書く動物」であった雫石とみさんのエピソード(というには長い)。
 
 対象が図書館関係者だったので(一応ぢぶんも「司書」の専門職採用なのさー)、読み聞かせやアナウンスの実技的なこともかなりありました。それを聞きながら、今回の講演内容とはややずれるんだけど、どうして最近のニュースがあんなに不愉快なのか(特にNHKの9時)が、合点がいったこともありまして。

 アナウンサーがちゃんと原稿を読めない(読み間違い/言い間違いのレベルで)ということもあるし、そのくせ「笑いを取ろう」「気の利いたことを言おう」というのが見え見えでうんざりする、というのもあるけれど。根本的なところで「ニュースを伝えよう」とするのではなく、「ニュースの感じ方を伝えよう」というのがすごくうっとおしいんですね。「視聴者に寄り添う」といういい方でそれはなされているのだけど、「このニュースは喜びなさい」「このニュースには憤りなさい」「これはこういう感じ方をするべきニュースですよ」という価値付けがアナウンサーによってなされるのがうんざりなんだな。少なくともぢぶんにとっては。「何があったか」「それはどういう背景か」を知りたいのであって、「何を感じるか」については指針を出してもらう必要はない。

 民法の場合はもうあきらめちゃってますけども。「報道」や「ニュース」って名前になってるけど、実際はキャスター(アナじゃない)の見解を述べる番組だからな。なんで去年(だったかな)までのNHKの9時の男性アナがあんなに不愉快だったかといえば、感情剥き出しでおしつけがましかったからだとあらためて思いましたですよ(今のアナはそれに比べればマシ)。変なおしゃべりはいいから、さくさくニュースを読んでほしいんですけどねー。

 その意味では深夜帯はNHK/民法よらず、比較的いいんだよな。量的に足りないだけで。BSとかね。ニュースチャンネルを取ればいいのかもしれないけどなあ。うちのとこのCATVだと単体で取れないんだよなぁ(←見ないチャンネルと抱き合わせなので高い)。

 あとアレだ。「プロジェクトX」がNHKの日本語をダメにしたとぢぶんは思うけど、あの妙な文章の切り方だ。「それに関して官房長官は」→(やたらと長い間)→会見映像、の間に入る「やたらと長い間」。あれがすごくイラっとくるんだ。なぜ「官房長官は次のように述べました」ときちんと最後まで言えないんだ。あれは何か理由があってああしてるんだろうか(民法の「いいところでCM」と同じ効果しか生んでないと思うが)。

 いや、面白いお話だったんですよ。本当に。

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