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2010/12/06

池田龍雄のエッセイ

 岡本太郎美術館の池田龍雄展で買ってきたうちの1冊。「蜻蛉の夢―記憶・回想そして絵画」

 いわゆる「自伝的エッセイ」とでもいうようなものですが、新聞連載+雑誌掲載のまとめということで、非常に読みやすく、つるつるっと(笑)。子ども時代の思い出から、予科練に志願し特攻隊員として敗戦を迎え、戦後美大に入学し、岡本太郎たちのアヴァンギャルド芸術研究会に出入りし……と、現在(99年)に至る、と。そして折々の美術論を飄々とした語り口で。

 1/3ほどを占めている敗戦までの話はやはりとても興味深いです。通称「赤トンボ」で知られる練習機は有名ですが、アレに250キロ爆弾を装着するって……いや、戦争末期の「何考えてんだ」という作戦は山ほどありますが。帰投できる機体があった部隊はまだましっていうのもなんだが。旧日本軍ってのは人を「限りある資源」とすら思ってないんだなぁ。「人的資源」って言葉は好きじゃないが、それ以前に。

 アヴァンギャルド研究会の交友録なども今みると淙々たるメンバーだけど、順繰りに考えると、そこのメンバーが「淙々たる人」になっていったわけだな(笑)。そういえば勅使河原宏の絵は、今回の展覧会で初めて観たような気がする(←交友のあった画家枠で展示)。

 楕円をモチーフとした絵もシリーズで出品されていましたが、それにまつわる短い「楕円考」が面白かったです。人間の持つ、二つの対立した焦点の葛藤と運動としての楕円。楕円の書き方ってはるか昔に数学でやったように思うけど、二つの焦点があるなってことも忘れていたのであった。

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