10万年先への覚悟
風が吹くと、「洗濯機カバー」での検索が増える、と。このところの強風でもうベランダみるのいやー(笑)と思ってうっちゃっていたけど、ともあれ洗濯機カバーを回収しないと、と久しぶりに出てみたら、出しっ放しのヒメクワズイモがちょっと折れちゃったりしてて(T_T)。まあ柄1本なんで大事ないですが……。
今日はちょっくら早めに起きて、渋谷のアップリンクまで「100,000年後の安全」を見に(これ)。かなり混んでいるような噂は聴いていたのですが、1日2回上映回数を増やしたとかで、12時の回は2/3くらいの入りだったかなぁ。でも日ごろのアップリンクを考えると「かなり混んでる」ような気も( ̄▽ ̄)。ネット予約等はありませんが、12時以降の回は10時45分から整理券が出ます。中途半端な時間に行って時間を持て余すよりは、早く行って、まとまった時間を近所のヴェローチェで本でも読んでる方が楽だったりします
というわけで、10時50分頃行ったところが13番でした。帰りもすれ違う人に「アップリンクって映画館はどこですか」なんて聞かれたりして(笑)。道はわかりやすいけど、商業地帯からどんどん遠ざかるから、初めてだと不安になるんだよな。
さて、映画の方は、フィンランドの核廃棄物最終処分場についてのドキュメント。フィンランドは歴史的にロシア/ソ連に翻弄されたこともあって、エネルギー安保の観点から原子力政策を進めているそうですが、そこで出る放射性廃棄物の処分はやはり悩みの種。さまざまな検討がなされた結果、18億年前の岩盤がいちばん安定していると考え、地下5kmを掘り、そこに巨大な最終処分場を建設する(映画撮影時はまだ建設中)。そして今から100年後、大量の放射性廃棄物で満たされた(予定)の処分場は、再び埋め戻され、永遠に封印される。閉じこめられた廃棄物が安全なものになるまで10万年。比喩ではなく、本当に10万年なのだ。それまでこの処分場は本当に安全が保たれるのか。未来の誰かが掘り起こしてしまう可能性はないのか。6万年後に来る氷河期、そこで断絶される「現代文明」以降の人間に、ここが危険な場所であることを伝えるためにはどうすればいいのか……。
つまり、このプロジェクトに関わった人で、果たしてそれが「成功裏に終った」かどうかを確認できる人はいないわけです。それどころか、100年後に封鎖されるその時に立ち合える人すらいない。搬入開始は2012年だったと思うけれど。
ぢぶんはこの映画に、ある種の「覚悟」を見ました。フィンランドは本気で「10万年後」までこの廃棄物を隔離する、10万年後の未来にでき得る限りに責任を持つ、そういう覚悟。それでもフィンランドの原発って、今5基めを建設中ってとこなんです。日本なんてその10倍の原発があるのに、10万年後どころか、明日の責任も取り切れない。安定した岩盤もない、覚悟もない。
どんなに完璧に安全な運用をしても、廃棄物の問題は残る。だからそんな廃棄物を作っちゃいけない、原発はやめたがいい。事故があろうがなかろうが、そこは変わらない。そういい続けている何十年かの間にも廃棄物は生産され続けた。おそらくは「いつか処理できる技術ができるよ」という楽観の元に、「そんなの無理だよ、やめようよ」という声は「イデオロギッシュ」で「声高」だとして封殺されてきた。
もちろん廃棄物問題はそれとして解決の方法を探らねばならないが、それにしたって、「これ以上増やさない」ことは必要じゃないか。だって、「10万年後の安全」までしょい込む覚悟があって、電気を使ってるわけじゃないだろうからさ。
……で、これを3枚の原稿にするのか。うーん。
蛇足ながら、地震やら原発やらについては、概ねツイッターの方でやってます(これ)。ツイッターのアカウントなしでも読めます。ツイートに関するコメントは、ブログの方につけていただいてもかまいませんです。
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