« バレエ新刊/参加する観客 | トップページ | 被爆クスノキ »

2011/08/13

対談のその2

 さて、対談の続き。

 事故のすぐ後から、ネット上を中心に「広島・長崎だって草木も生えないといわれたけど復興した」的な言説があって、ぢぶんはかなり違和感を持っていたのですが、原爆と原発事故の違いについても若干の言及が。

 つまり、原爆の場合は、地上数百メートルのところで爆発させ熱球を作りますが、「死の灰」はそのキノコ雲に乗って一気に成層圏にあがって、地球規模に広がり、一部が黒い雨となって周辺に降る。また、核爆発で出た中性子線が金属にあたると金属が放射線を出すようになる。これが誘導放射線と言われるもので、出なくなるのに1〜2年。入市被曝はこの誘導放射線によるところが大きいと考えられているようです。
 対して、原発事故の場合は、死の灰そのものが地表に溜まり、そこから採れた汚染された食物を食べ続けなくてはならない。しかも原爆に使われたウラン/プルトニウムは1キロ弱。福島の場合は単位が「トン」すなわち千倍。これは広島・長崎の被害を軽視するわけではなく、1キロ弱ですらあれだけの被害があったのに、まして……と考える。

 福島氏の方の話はあまりメモってないですが(こらこら)、「とにかく被曝量を少しでも下げる」ことをやり抜く。具体的には、まずは学校給食の線量検査。まだ自治体頼みの部分が多いようですが、これを国が責任をもってやるように。生産者への支援は「〔汚染されたものを〕買い支える」ではなく、補償で。電力会社と周辺自治体の間の防災協定を現在よりも広範囲で結ばせる。菅総理についてはいろいろあるけれども、とにかく「ポスト菅」が今よりもひどくなることは目に見えているので、今のうちに国の施策としてすべきことの言質をできるだけ引き出しておきたい。保安院の分離は評価できるが、これを環境省の下に持っていくところまでやりたい。

 質疑応答の部分と織り交ぜて書いてますが、再び藤田氏の方に戻って。
 原発を止めるには、地方議会と生産者が声をあげることが大きな力になる。ひとたび事故が起これば、生産者がどうなるかは明らかになったはず。エネルギー政策としては、すぐに自然エネルギーにとは考えずに、原発からまずは既存発電所と「埋蔵」と言われる自家発電の活用、続いてコジェネ・コンバインドサイクル発電へ、そこから自然エネルギーも、という道筋に。「エネルギーの地産地消」という点では一致していたような。

 廃棄物問題についてどうすればいいか、という質問ももちろんありましたが、「いい方法がないから原発に反対してきたとしかいいようがない」とのこと。ヨーロッパは岩盤も強固で、乾燥しているからともかく、日本のように地震が多く、地下水と接しているようなところで埋めることはできない。六ヶ所の貯蔵施設ももういっぱい。六ヶ所の貯蔵燃料ともんじゅのプルトニウム燃料をとにかく早急になんとかしなくてはならないが、アイデアはない。これからのことについても、希望は語れない。覚悟して受け入れる以外にはない。

 ……ほか、送電線問題についてもいろいろあった記憶はあるんですが、メモってないのでこれくらいで。簡単なメモからの起こしですので、聞き間違いや言葉足らずやニュアンスの違いなどもあるかと思います。

 とまあ、そんなこんなで仕事してたら、藤田さんの新刊が来ましたよ。
 「絶望から希望へ」とあるから、希望の話もあるのかな、と思ったけど、そういうこともないような(笑)。目次をざっと見た感じでは、今回の話の中身とかぶるようなので、店頭でもういちど、ゆっくりみることにしようかな、と。

 

|

« バレエ新刊/参加する観客 | トップページ | 被爆クスノキ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101065/52460724

この記事へのトラックバック一覧です: 対談のその2:

« バレエ新刊/参加する観客 | トップページ | 被爆クスノキ »