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2011/12/07

チェルノブイリを走る

 「ゴーストタウン チェルノブイリを走る」

 このかん、チェルノブイリ関係の本はいくつも出ていますが「これはなかなかよかった!」とダンナが貸してくれまして。

 いやいや確かに、このかんの中ではなかなかのものです。

 著者のエレナ・ウラジーミロヴナ・フィラトワは、74年生まれ、キエフ出身/在住のカメラマンかつバイク乗り。何度もバイクでチェルノブイリの「死のゾーン」に入っては、写真を撮り続けている。この本は元々、彼女のウェブサイトに発表されていたものを、訳者の池田紫が翻訳して日本版サイトを作り、それがさらに新書化されたもの。新書のカラー版だから安いし手軽。そして写真も文章もいい。

 チェルノブイリの写真集はいくつも出ているけど、これはそこに生きる人ではなく、「かつてそこに人がいた痕跡」を撮る、という点に特色がある。いわゆる「廃虚写真」にもつながるような視線だ。文章も、自らの「チェルノブイリ経験」を土台にした、地元っ子らしい視点で書かれている。彼女の父親は、キエフの放射線量があがってくると、小学生だった彼女と家族とを汽車に押し込んで、800キロ離れた祖母の家に疎開させたそうだ。800キロ。日本人の思う「800キロ」とソ連での「800キロ」との距離感は、おそらく全然違うのではないかと思う。

 というような、事故当時の話などを交えつつ、今も地元……まあキエフだと日本的な感覚ではちょっと遠い気がするけど……に住む彼女の文章は、魅力的だ。

 読みながら、4月末にBSでさかんに放送されていた海外ドキュメンタリー(チェルノブイリ事故25周年関連の)のいくつかを思い出した。今でも「死のゾーン」の中で研究を続ける科学者たちのドキュメントとか、そんなたぐいの。

 というわけで、これはちょっとオススメ。訳者のセンスもいいと思う。

 ついでですが、今月の月刊DVDブック「世界の車窓から」はロシアの2巻め。シベリア鉄道で、モスクワからノヴォシヴィルスク(コシェレワのちうか、ゼレンスキーのちうかの地元)、クラスノヤルスク(シェスタコワの地元)を経てウラジオストクに向かいます。

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