« フリーギア! | トップページ | エロスの続き。 »

2012/02/05

エロス+虐殺

 つことで、ユーロスペースの特集上映で「エロス+虐殺」を見て参りました(特集上映はこれ)。今日は監督のトークつきってことでほぼ満席だったけど(こんなに埋まったユーロスペースは初めてみるかも( ̄▽ ̄))、次の回の「帝銀事件」も盛況みたいで、狭いロビーがすし詰めぎゅうぎゅう。「帝銀事件」も見たかったんだけど、最近ダブルヘッダーを組む体力的余裕がない。

 ずーっと(というのは20年以上)一度は見たいと思いながら、延々と見そびれていた映画でしたんで、「ようやく」という気持ちですが2時間50分は尻に来る。監督のトークの頃にはもう「尻痛い、早く立ちたい」な状態。ふー。しかし、216分のロングバージョンもあるんですよ。インターミッションなしでそれは辛すぎる。それでもねえ、「ショア」(9時間半)よりはねえ、といつもと同じ慰め方をしたりして(笑)。一挙上映会とか無謀な企画をしたアタクシたち、若かったなー。

 ま、それはそれとして。

 伊藤野枝(岡田茉莉子)を軸に、大杉栄(細川俊之)と正岡逸子(楠侑子)との「日陰茶屋事件」を後半のメインに据え、現代(ちうのは1969年だが)の二人の大学生(原田大二郎と伊井利子)を交錯させながら、伊藤野枝と大杉栄が虐殺されなければならなかったのはなぜか、に迫る。

 非常に美しい映画でした。露出をオーバーにし、画面の「白」を強烈に印象づけるモノクロの画面。シネマスコープサイズなのかなあ、あの目一杯な横長は。粒子がざらざらと粗くて、雪か灰かが降るような画面が(それ自体の効果を狙ったわけではないにせよ)美しいんだ。リマスターしちゃうとこういう映像はみられないだろうな。「鮮明さ」を追及した現在のハイビジョンとは対極にあるような映像だけど、それが「夢」(むしろ白昼の悪夢というべき)のように美しい。前半の満開の桜とかね。デジタルでは決して撮れないだろうと思わせるタイプの美しさ。

 そして同様に美しいのは伊井利子のヌードだったり。横たわった背中の産毛が立っているのが見えるような序盤の川辺久造とのシーンは綺麗だったなあ。60〜70年代前衛映画のお約束でやたらヌードシーンが出てくるんだけど、考えてみたら女性で実際に脱いでるのは伊井利子と玉井碧だけのような。いや、玉井碧のは脱いでるうちに入らないかな……。

 えーと。

 原田大二郎(若い)は、美青年とかイケメンとかのカテゴリに属す人ではないと思うんだけど、時折「はっ、これは美青年というものでわっ Σ( ̄ロ ̄lll)」と思う瞬間瞬間があるのが不思議。細川俊之(若い)の方は声も顔もスイーツたっぷりで、どんな身勝手もうっかり許してしまいそうになったりして( ̄▽ ̄)。もう最強のヒモというか。
 そして映画館でばったり会った友人と「……蟹江敬三?」「いや、年齢合わなくね?」といっていたのは川辺久造でありました。なんか似てるー。辻潤役の高橋悦史の枯れ具合(若いのに)もすごくよかったなー。

 カメラワークの斬新さは今見てもびっくりですが、日本家屋の怖さといいますか、そんなものも堪能したり。すべての部屋がふすまを始めとする建具で縦横無尽につながっていて、もうどこから誰が出てくるかわからない、という。

 映画の中身については多分明日にでも。しかし、実名(大杉とか野枝とか)と仮名?(神近→正岡、らいてう→哀鳥とか)が混ざってるのはなぜなんだろう。製作当時存命だった人は名前が変えてあるのかな。最初、自分の聞き違いかと思っちゃったよ。
 

|

« フリーギア! | トップページ | エロスの続き。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101065/53904791

この記事へのトラックバック一覧です: エロス+虐殺:

« フリーギア! | トップページ | エロスの続き。 »