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2012/02/03

スパルタクス! その2

 つことで、つづき。

 ぢぶんにおける「ローマ軍」のイメージってのは、どうしても「ベン・ハー」だったりするのが恐縮なんですが、まあそんなことをチラチラと思い出したりしつつ。まあ、敵役がローマ軍司令だってのと、主人公(チャールトン・へストン/ドミトリチェンコ)の顔が長い、ってほかに共通項はないような気もするんだけども。

 各種ガラのプログラムに載っている作品紹介程度の前知識しかなかったけれども、大筋で間違ってはなかったなー(^▽^)。終ってから茶店でプログラムを読んだけど、アッピア街道の場の4人組が羊飼いだったのと(←反乱軍の人かと思った)、エギナが反乱軍を誘惑する場面の女性たちがエギナの手下の娼婦だったのくらい(←キャスト表の「羊飼いの女性」かと思った)。
 物語→主要人物のモノローグ(ソロ)、の繰り返しで、ひとつの場面も意外と長く、わかりやすい。話自体も複雑ではないし。主要4人の関係さえわかっていれば、あとはオーライ。

 その「4人の羊飼い」なんだけど、スクエアになった時に上手の後ろにいた人がなかなかによかったんですが、名前がわかりません。冒頭の、スパルタクス登場の前の奴隷たちの踊りのところから目をつけてたんだけどなー。群舞がぐるぐる回るから、途中でどれがどれだか( ̄▽ ̄)になったりして。髪が濃くない茶のストレートの人(で、ちょっとクリギン(父)系の顔立ち)。

 ドミトリチェンコのスパルタクスも、わかりやすい造型だったと思います。正義の人というよりは、怒りの人。リーダーシップと抜きんでた能力はあるけど、カリスマというほどでもない(ワシリーエフだと「カリスマ」になるのかもなー。というか、それが正しいのかもしれないけどな)。貴族の宴席の余興で仲間を殺さざるを得なかった(こういう場合は大概「仲間」というよりも「親友」だったりするのが定石なんだけど)悔いや、そこから沸き上がってくる貴族への怒り、憎悪が反乱への動機として大きく立ち上っていくのがよく伝わっていく。

 と同時に、そうして始まった反乱は、クラッススとの一騎打ちで区切りがついてしまうんだな。あえてクラッススを「処刑」ではなく決闘という形でというのは「オレは貴族みたいに汚くない、正々堂々とやるんだ!」ちう、貴族へのアンチテーゼですが(まあ自分の腕に自信があるからだけどねー)、それはクラッススを打ち負かして追放することで収束しちゃうんだよね。スパルタクスにとって、反乱はもう一段落。だって彼(ら)の獲得目標は「奴隷の解放」で、政権奪取じゃないんだもの。

 とはいえ、そうは問屋がおろしがね( ̄▽ ̄)。反乱も革命も、大変なのは「勝利」の後って、古今東西相場が決まってますがな。ここから「なんでクラッススを殺さないで逃がしちまうんだよ、ぶうぶう」という身内を押さえ込み、まとめ直して、全力で巻き返しを計ってくるローマ軍をもう一度撃退しないとならないんだけど、そういうことはこの人の頭にはないんだろうなー、ワシリーエフの頭にはもっとなさそうだけどなー。ま、そこを有無をもいわせずまとめあげちゃうのが「カリスマ」ってヤツなんですが、そこまでの度量はドミトリチェンコにはないのであった。あったら話がちがっちゃうけどさ。

 ……ちょっと自信はないんですが、フリーギアとの別れのPDDの後、ローマ軍が来る、という知らせを受けた時に、「よし、やっつけたる!」みたいな勢いではなく、ちょっと歯切れが悪かったような気がしたんですよ。別れのPDD自体に悲壮感があって、そこはクラッススやエギナの「勝利するぞ!」とはやっぱり違うんですけども。「正義」の持っている詰めの甘さとでもいうような、何か。

 ある意味では、「等身大のスパルタクス」だったようにも思うんですよ。踊りはもちろん素晴らしかったです。でなきゃ「スパルタクス」のタイトルロールなんか踊れないもんねえ。しかし、「カリスマ的英雄」ではない、一人の青年の怒りや絶望や迷いを描き出したことで、このスペクタクルな「ローマ史劇」に現代的な、あるいは現代人の琴線に触れる、味わいを生み出したように思うんですよね。

 つづく。

 

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コメント

お久しぶりです。

クリギン父似の彼。素敵でしたよねー。
あれはツィスカリーゼ王の弟子、デニス(・ローチキン)君です。
白鳥もライモンダもそれなりの位置にいるみたい。
師匠が師匠なんで!?今後が楽しみです。

投稿: 矢羽 | 2012/02/05 11:10

どもども。
あれが噂のローチキン(JA風にいうとロヂキン?)でありましたか。
4人のうち、顔写真があるのがラントラートフだけだったから
誰が誰やら……でしたよ。
もう少し顔写真があるといいのになあ。
ライモンダでもみられそうなので、楽しみにします。
ヴォルチコフがみられないのがちょっと心残り。

投稿: 綾瀬川 | 2012/02/05 21:50

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