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2012/02/17

クラッスス&エギナ!

 今日の検索キーワード。「中国人は最後の力をふりしぼって女に飛びつく 話」 それはお役人様の話ですね(^▽^)。「中国の不思議な役人」、原題の「マンダリン」は清朝の高級官僚ですが、ベジャール版だと省エネルックの人民服姿みたくなってます。またやらないかなー。

 さて、最後の力を振り絞って、ボリショイ「スパルタクス」2/1分のラスト行けるとこまで行きますよー。もうあんまり覚えてないから大丈夫! 

 ローマの司令官クラッススにはバラーノフ。シーザーカットとでもいうのか、いかにも「ローマ軍司令官」なコスプレが似合う、似合う(笑)。跳躍の強さではドミトリチェンコに及ばないところもありましたが、敗軍の将になるんだからいいのよー( ̄▽ ̄)。

 いや、この手の話の「ローマ軍司令官」といえば、極悪非道冷血鬼畜みたいなイメージですが、邸宅での宴会場面がもうカワイイのなんのって。アレクサンドロワのエギナに焦らされ焦らされ、「あーーっ、ボクもうガマンできないーっ、きーぱたぱたぱた」って、アンタどこのボンボン青年( ̄▽ ̄)。おねぃさん、笑って涙出そうでしたよ。そこそこ仕事ができ、そこそこ強く、家柄もよく、見た目もよく、羽振りもよい。地方総督としてはできた方だったんでしょうなあ。そこからくるプライドも根拠が無いわけじゃない。女の趣味もとてもよろしい( ̄▽ ̄)。

 愛人のエギナ。プログラムでは「娼婦」となっており、実際に最終局面では部下の(?)娼婦どもを率いて反乱軍を崩壊させるわけですが、クラッスス邸では実質的に「女主人」ですな。てか、もう完全にクラッススを尻に敷いてるし。クラッススも嬉しそうに敷かれてるし。

 マーシャですから、踊りが悪いはずがあろうもなく。両腕を身体の前面に巻きつけ、片足を前に立てるキメのポーズのかっちょええことーヽ(´▽`)/。宴会でクラッススと二人、ローマ兵士の先頭に立って行進する姿はほとんど「勝利の女神」ですなー。ローマ兵にとってはある意味「軍隊マスコットガール」的な役割もあったのかもしれない。そういえばあの「軍隊歩き」といいますか、片手を「ハイルヒトラー」型に掲げ、グランバットマンで進む、あれがやはり手塚治虫的な図柄であったな。なんか随所にそういうメタファーがあったんだよなあ。

 これはマーシャの個性なんだと思うんですが、宴会の場面にしろ、反乱軍を誘惑する場面にしろ、艶っぽいんだけどカラッとしてるんですよね。際どいギリギリなのにあっけらかんと。その辺も手塚治虫的だなー、と。「ベラドンナ」じゃなくて「クレオパトラ」的な。彼女の場合は、だからいいんですが。

 エギナという役は、たとえばマクベス夫人のように演ずることもできるだろうし、いわゆる「悪女」にもできると思うんですが、アレクサンドロワはどちらでもなく、理性的で誇り高い、自立したひとりの女性であったように思います。むしろエギナに依存するプチだめんずのクラッススと補完的で面白い。クラッススの持っているのは「プライド」で、エギナのもっているのは「誇り」。スパルタクスに敗れたクラッススを鼓舞する場面で、それが端的に出ていたような。

 印象的なのはやはり、反乱軍を「落とした」後、ローマ兵たちに担がれて帰還するところ。細かくは覚えてませんが、確か棒を使った神輿状のものの上に座る時に、脚をすっと、膝を立てて棒の上に乗せる、その横向きの姿です。いわゆる「色仕掛け」を使ったことへの一抹の嫌悪感、しかしすぐにそれは自分の雪辱を自分の手で晴らしたことで尊厳を取り戻したという誇りに変わる。そして、そんなことはどーでもよくて、エギナが自分のために(というわけでもないんだが)素晴らしい働きをしてくれたことを単純に喜んで、このまま勢いに乗って反乱軍を攻め落とすぞー、というクラッススがちょっとカワイイんだなあ( ̄▽ ̄)。

 泣き、愛し、耐え、待ち、祈る、慎み深い「女」のフリーギアと、男に頼らず自らの手で運命をつかみとるエギナ。まったく対称的な二人の女性は、前者を良妻、後者を悪女とする単純な価値観を背景として作られていますが、アレクサンドロワとバラーノフのペアがそれをもう一度現代的に読み替え……というよりも、二人でやったら現代的に読み替わっちゃった(あは♪)みたいな、そういう舞台でありました。堪能、堪能。

 カテコでも大人気のマーシャはキス投げまくり(てのひらから「ふうっ」ってするのがカワイイ!)、捌けるときにクラッススとスパルタクスがちょいとにらみ合ったり、サービス満点でありましたよー♪

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