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2012/02/13

イエローケーキ

 てなわけで、渋谷のアップリンク(ここ)で、「イエローケーキ クリーンなエネルギーという嘘」(公式サイト)を見て参りました。以前紹介した「100,000年後の安全」(これ)が原発を動かした後に出る放射性廃棄物に関するドキュメンタリーなら、こちらは原発を動かす核燃料を作るための、ウラン鉱石採掘に関わるドキュメンタリー。2010年公開のドイツ映画。

 「イエローケーキ」というのは、名前だけは何度も聞いていたけれど、考えてみれば実物(の写真)は見たことがなかったような。この映画ではちらっとだけ、それが映ります。本当に、ちらっと。

 映画は1990年に操業を終えた旧東ドイツ南部のウラン鉱石採掘現場を中心に、ナミビア、カナダ、オーストラリアというウラン輸出大国の採掘現場をレポートします。露天掘りが多いので、「鉱山」というのとはまたイメージが違う。

 しかし、その広大なことといったら! 「オーストラリアでウランの露天掘りをしてて、労働者の被曝問題があって、先住民が採掘に反対していて」的な知識はあったけど、そんな知識なんか本当に表面的でちっぽけなもんだなあ、とあらためて思いましたよ。いやもう「後楽園ドーム何杯分」とか、そんな尺度はなんの意味もないなあ。本や写真じゃ実感できないような類いの広さ。日本のドキュメンタリーで「反原発元年」という映画があって、人形峠でのウラン採掘とその廃棄物の野積みの問題(当然ガイガー鳴ります)が出てくるけど、もう規模が全然違うよ。

 東ドイツで90年までウランを掘っていたのは知らなかったけれど、これはソ連との合弁会社。ソ連崩壊とドイツ統一とで操業終了となり、いろんな問題(労働者の被曝、環境への影響)が明るみに出た。今、この地域(テューリンゲン州の南東部)は危険地域に指定されている。ドイツの反原発運動の高まりには、そうした素地もあったんだろうな。

 そしてどこの採掘場でも、その膨大な廃棄物の処理については事実上お手上げ。ウラン鉱石から取れる「使えるウラン」の量は少なくて、例えばナミビアの鉱山では1tの土砂から平均265g(キログラムじゃないのだよ)。使えない土砂でも放射能は持ってる。精製過程での廃棄物も出る。大概はボタ山(死語か?)にしておいて廃坑に埋め戻したり、ため池みたいに溜めたりするけど、90年に廃坑したドイツの採掘場でさえ、未だに廃坑作業が終る見通しがない。最終的にどう処分するかは、やっぱり「考え中」なんだな。

 さらに、その粉塵舞い上がる採掘現場で、多くの労働者はマスクひとつせずに作業してるわけだ。普通に(放射性物質ではない)土煙だって身体によくないと思うのに。
 
 それにしても鉱山経営者たちの「自分たちは地域に貢献している」っていう、あの自信はすごいもんだな(自信があるから出演してるんだろうけど)。なんかもう、久しぶりに「帝国主義」なんて言葉を思い出しちゃうよ。

 というわけで、出口もダメダメなら入り口もダメダメだった原子力産業の「ダメダメ」の中身を確認するためにも、映画館へGO! 今後のラインナップも充実してます。久しぶりに「ホピの予言」をやるようだし。

 予告編で「タンタンと私」をみたけど、これも面白そうだった。「タンタン」シリーズの作者についてのドキュメント。ぢぶんは「タンタン」読んでないから見てもわからないように思うので、ちょっと残念。

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