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2012/10/14

オネーギン1幕1場

 まあぐずぐずしてても仕方ないんで、ぼちぼちいきますよ。

 今回の木村さんのオネーギンですが、1〜2幕については、自分は結構シンプルであったような気がしました。つまり、
 「オレ以外は全部バカ」と、 「悪いのはオレ以外のヤツ」
という。ひでぇ……゜゜`。゜。いや、オネーギンってヒドイ人ですけどね。イェリネク(←これが自分のスタンダードらしい)やマッキー観てると「ヤなヤツだなあ、ケリ入れとけよ」ってなるんですけど、ヤなヤツというよりも「ヒドイ……(ノ∀`)・゚・」(←なぜ笑う)になってしまうような。ええ、ぢぶんがバカなんですよすみません。

 東京公演の方がシンプルでしたかねえ……。横浜の方がもう少し、表情にぽろっと柔らかさが出ることがあって、東京では「どう考えてもあれは「自分に気がある」と思えないじゃろー>タチアーナ」というところを、「こ、これくらいならうっかり間違う瞬間はあるかもっ?」というくらいには……たぶん。

 そんな、「こんな田舎まで来ても面白いことなんかありゃしねえ」っていうオネーギンを、うっとりしたり、「でもこっち見てもくれないみたいー」なんてしょんぼりしたりしながら見ているタチアーナ。

 いやもう、こっちもうっとりしましたけども。例によって、ややスロースターターではありましたが、あの脚と腕と指とでくらくらっと来てしまうからなあ。高速シェネの中に、オネーギンのいらだちを感じるようでありましたよ。もうそんなんだったら、つまんねぇ田舎の女の子なんか持ち上げなきゃいいのに、ふっ、とつい持ち上げちゃって、「やっぱ違う」って、持ち上げられちゃった方はドキドキでその気になっちゃってるよ! 

 ……とまあ、このあたりは横浜の方が無駄に優しい顔になったりするせいか、友佳理さんのドキドキ具合も高かったような気がします。腕を組んでのパ・ド・シャとか、パの美しさもドキドキするんだけど、無駄に(←本当に無駄)優しかったりして、女誘い慣れてるヤツって習慣でこういうことやっちゃうんだよなー、とか、それをするっと抜けておいて「おまえが悪い」とか、もうホントに( ̄▽ ̄)。

 中程に、水中歩行というか月面遊泳というか、ゆっくりとした大振り(とはいわないか)で前進するところがありまして、これがいつもほかの人で見ると違和感のあるところなんですが。全体にここのオネーギンのヴァリというのは、「こんなに苦悩してる私」みたいなイメージで、このゆっくりのところはその集大成でいかにも感じわるー(-゛-メ)と思うことが多い(特にイリだ、何度も言うが)。初演の時の木村さんもちょっとそんな感じだったんだけど、今回はそこが、するん、と通ったというか。長谷川さんと最後に踊った「スプリング・アンド・フォール」の4楽章のPDDが典型的にそうで、最近のギリシャの「若者たち」の時にも部分部分で感じるんだけど、木村さんの踊り、というか、木村さんが踊る「人」というのは、時々目の前のことが上の空になって、「ここではないどこか」を見てしまってることがあるんだけど、今回のヴァリにもそんなことを感じたのでありましたよ。まあ「スプリング」や「ギリシャ」の若者らしさとちがって、オネーギンだと「田舎つまんねぇ」であることにかわりがないような気はしますが、手に入らない「何か」に向かっていくのはある意味で十八番だからなあ。まあ、目の前でドキドキしてる垢抜けない娘がその「何か」なんですけどね。青い鳥は目の前にいるのが相場。

 そして、ドキドキしながら、もう一度その手を握りたいというオトメの思いをよそに、タチアーナがいることも忘れちゃったらしいオネーギンは、カフスを気にしたりしながら退場し、オトメは届かなかった手をさしのべながら逆方向に下がっていくのでありました。

 おし、風呂入るぞ。

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