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2012/12/30

ルードヴィヒ。

 というわけですが、とにかくルードヴィヒに戻りますと。

 席は1階前ブロックの後ろ寄り、下手サイド。例によって、外のプレイガイドに出てる席が極端に少なくて、2階サイドがあんなに空いてるならあそこに座りたかったよー、などと思いつつ。

 1楽章は、暗闇の中の稲妻から始まりまして、黒のコートのコロスの踊り。コロスといってもここでは歌わずに踊るだけ(そりゃそーだ)。テクニック的に高度というわけでもなく、キレのある人ない人さまざまだったりもしますが、シンプルな照明のなかで、コートから出た手(手首から先)が素早く動かされた時の残像が美事。段々踊りが激しくなっていって、ずいぶん難しそうな振りに……と思ったら、いつの間にかダンサーの方と入れ替わっておりました(←堀内さんがいたから気付いたという……( ̄▽ ̄))。最初の小柄な女性のソロは島田さんだったのかな。すごくよかった。
 人々の、というよりも時代の「闇」なのかな。怒り、焦り、不信などで爆発寸前の澱みのような。そこへルードヴィヒの佐々木大さんの登場。「若者」というには貫禄だけど、存在感は抜群。腕が長くてポール・ド・ブラがきれいだし、脚もキレがある。主人公というよりもむしろ狂言回し的なイメージだったな。

 2楽章は上流のサロン。何組かの男女の駆け引き。誘ったり、誘われたり。外(1楽章)の冬の寒さとは別世界のようで、ここの人たちの悩みは惚れたはれただけで、食うや食わずのことではないんだなー、と、まあ革命前なんてどこも同じだな、とか。石井さんをはじめ、佐多組の常連さんが多く出ていましたが、誰が誰だかあまりわからなかったりして。全体のユニゾンじゃなくて、組ごとに出たり入ったりしながらみんな振りが違うので、見るのに忙しかったりするんだな。テノールの人がからむのがこの場面で、テノールを誘うように(からかうように?)踊る2人めのがすごく好きだなあ。

 3楽章は未明の森。薄い青緑の照明の中、中央に1本の木。プログラムによると、男1女2の牧童ということですが、牧童って……堀内さんじゃん!Σ( ̄ロ ̄lll) いくら小柄だからってベテランに「牧童」ですかいっ! と、失礼なことを思ったりしましたが、いや「牧童」っちゅうより「パーン」でしたな。若いなあ。堀内さんよりさらに小柄な女性二人の片方は樋田さんだな、多分。そこへ何人かの人たち、サロンを抜け出して来たらしいカップルや、もちろんルードヴィヒ、そしてソプラノの女性などが現れては去って行く。牧童たちはそれを眺め、跳ね回る。跳ね回るといいますか、踊り回るといいますか。女性二人が大体ユニゾンだったと思うんだけど、これはこれでなかなかハードで、だけど堀内さんがまた踊り回るもんだから、なかなかそっちまで見られなかったよー。確かに小柄な方なんで、大きな踊りという訳ではないし、ジャンプもそう高くはないんだけど(でも着地音がしない)、回転はスピードがあって軸ぶれしないし、アントルラセ連続のザンレールからスライディングみたいな振りが延々と( ̄▽ ̄)。見てるうちになんというか、シムキンの20年後(15年後?)を見るような気持ちに。いいじゃん、シムキンの将来はこれでオッケーだよ……。なんか微妙に失礼だな。
 ……それはともかく。3楽章って、あんまりイメージがなかったんですが、こんなに清々しいとは思わなかったです。むしろ「田園」のようではあったか……。

 そして4楽章。背景は満天の星。赤の逆アーチのようなものが一度下がって来たんだけど、目を話した隙になくなっていたような。再び黒い衣装のコロスたちが現れ、コートを脱いで、白のシャツ/ブラウスに。コロスはパート別の並びではなかったようで(踊りの具合なんだろうなあ)、さすがの飯守氏が「どっち向いて指揮していいかわからん……orz」っというのをどこかで読んだような。4楽章も、最初と次のブロックぐらい、オケと合唱がテンポがあってなくて、コロスの位置からだとオケピの指揮者が見えないのかなーと思ったりもしましたが(第九のオケがオケピ内なんて普通ないもんねえ)、その次くらいからは合ってきたり。パートがばらけた中で暗譜でやるのは大変だろうなあ。
 ルードヴィヒと、白い衣装の男性(結局武石さんだったんだろうか……)の踊り。白い衣装の男性が、やがて「合唱」のメロディとなっていくようなイメージですが、彼のポール・ド・ブラが本当に美しくて、うっとりしちゃった。コロスが両脇の花道に退いて、フィナーレはダンサーの総踊りで。

 心が洗われるようでもあるけど、見てる間ずっとワクワクし続けるような、そんな舞台でした。

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