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2013/01/17

戻りましてはのつづき。

 つづきです。

 聖母像に登り詰めるビム。初日の氷室さんはそのくちびるにキスしていたように思います。岡崎くんはそこまでいかないですりすりしてたような。で、走り出てきたM…がたたき落とす。
 ……たたき落としてたように見えましたよ(T▽T)。妖精さんたちの向こうっかわにすかして見るような位置でしたけども。聖母像をたたいて上にいるビムを落とすと、いきなり険しい形相でビムを突き放す。さっきまでの優しいパパはどこー。

 で。あ、あそこは……というのは初日の聖母像のくちびるですが、あそこは「タブー」なんだな、と。あれは父の、というかオットの専有物で、息子が触れてはいけない場所、のように思いました。息子の方は父の逆鱗がどこかもわかんないままにいたぶられてますが。M…のセンターで踊るアレは、「ツマを亡くした男の悶え」なんかなあ……(いやなかなかに狂おしかったです)。たしかファウストの場面だったと思いますが、ビムへのプレゼントの小さな聖母像の包みの前で立ち止まってじっと見つめるのが何度か(2回か3回)あったなあ、と。

 これはまあ「いつもながらに」ではありますが、木村さんが上手いなあと思うのは、こういう場面での群舞との関わりなんですね。なんかよくわからないツリーの群れなんですが、M…が統率してるというか、M…の意思で動いているようにきちんと見える。頭のあたりに固定させてぐるんぐるん振り回すような場面でも、M…の感情の嵐のように見せてしまうんだなー。木村さんの側の「ちょっとしたテクニック」なんだろうとは思うんですけどね。

 ええまあ、自分のアンテナが偏ってるのは棚に上げて。

 父と息子っていうのは、母/ツマをめぐる永遠のライバルでもあるんだな。二人の間がどうにもならないところまできたところで、それを救うために母が聖母像から現れたように思いました。いわずもがなっぽいけど、あれはぱっくりと開いた女陰を持つ子宮なので、逆に息子の領分なんだな。

 しかし、ツリーに囲まれたM…の捌け具合が、タイミング的にはドロッセルマイヤーだよなー(絵的には黄侍と判官ともいう)。

 事前のインタビューで「自分が動かずに周りを動かしたい」とかおっしゃってた割にはずいぶん楽しそうに動き回っていたM…でしたが(そりゃ振付ってものがあるからね)、確かに周りも相当に動かしていたような(笑)。ファウストの場面はかなり顕著だったと思いますが、差し出された猫の手をぺしっ!とはたいて「お前はあっち→」っていうのもちょっとツボ。
 ママンがM…に渡す、ビムへのプレゼントの聖母像から始まる物語は、M…と猫が見守る中でプレゼントをほどくビムで終わりますが、その一夜はM…とママンと猫が共謀してビムに贈ったプレゼントであったように思います。この3者の一体感があったのも、今回が初めてかも。

 そして、1場の最後に「お楽しみはこれからだ」とばかりに踊るM…の黒幕振り落としから、くるみ割りになってみせるラストまで、まるっと「M…」Presentsでありましたよ。
 
 

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