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2013/01/11

北浦和のベン・シャーン展

 いろいろ途中なんですが、先週行った埼玉県立近代美術館のベン・シャーン展も今度の月曜で終わりなので、紹介がてら。公式サイトはこちら

 ベン・シャーンは1898年リトアニア生まれ、アメリカ育ち(8歳で移住)の画家/版画家/グラフィックデザイナー。日本では第五福竜丸事件を描いた「ラッキー・ドラゴン」シリーズで有名……なはず……の人で、本も何冊か出てます。2011年に丸木美術館の「第五福竜丸展」に併せて小特集的な展示があって、そこで出ていたリトグラフがよかったんだな〜(^▽^)。元々、リトグラフやペン画は好きなんですけどね。

 今回はその初期作品から晩年まで、ドローイングを中心に292点。その業績が一望できるかと……いや、小品が多いとはいえ300もあったら、「一望」どころじゃないですけども。1時間半でぎりぎり回りきれる、というくらいのボリュームでしたよ。はあ疲れた。

 水彩画などもありますが、選挙人登録推進のためのポスターや、本や雑誌の挿絵(とその原画)など、絵の中に書き込まれてる文章(英語)も多いので、それを読んだりしてるとえらく時間がかかる(←ぢぶんは英語ダメなんで、ざっとしか見ないけど、それでもコレだ)。逆に、フランス語やロシア語だったりすると、もう読んでも無駄なんでスルーできるんですけどね( ̄▽ ̄)。

 しかし、そうやって絵の中に書き込まれた字によって、彼がすぐれたタイポグラフィックデザイナー(あるいはカリグラファー?)であることもわかるという。シャーン体みたいな書き文字あるよなあ。ユダヤ人である彼は、晩年ヘブライ文字のデザインもしてるんですが、このあたりになるともうわからんという。

 習作の時代、政治的作品の時代、直裁的作品から風刺/寓意的作品へ、詩や宗教へと、年とともに作品は移っていきますが、それはたとえば政治的な時代が若気だとか、直裁的なものが未熟だとか、詩的なものが高級だとか、そういうことではなくて、自分はヒンドゥーでいうところの「四住期」近いものを感じました。人生の、これこれの時期に(半ば必然的に)するある種のダルマのようなもの。「四住期」は決められた制度だからまた違うんだけど、なんというか、人が生きていくときの自然な流れというか。イメージとして。

 それはそれとして、そんな具合で40年代から60年代前半にかけてのアメリカ現代史を垣間見ることもできます。労働運動から公民権運動への共感、ケネディ暗殺の衝撃、その時々の政治家の顔。タイムの下絵を含む著名人の肖像(というより似顔絵?)は面白くて、特にガンジーは敬愛してたんだなあ、とか。もちろんカザルスもあるよ、と( ̄▽ ̄)。

 個人的には、「梨の木に止まるヤマウズラ」というクリスマスキャロルの絵本の下絵がかなり来てたこと、晩年の「ハレルヤシリーズ」が全点出てたことが嬉しかったですねえ。最晩年のリルケ「マルテの手記」のリトグラフがかなりあったのも嬉しい(ポスターはその1枚)。彼の青/青紫が好きなんだよなあ。

 解説板もわかりやすくて、描かれている事件などについてもきちんと説明されていて親切。「マルテ」もようやく話が通ったよ。

 というわけで、疲れたけど満足。日曜の4時過ぎだったせいか、見るのにちょうどいいくらいの人の入り。北浦和駅の西口(公園側)からすぐ、駅前からまっすぐの大通りの突き当たりに見える公園を目指して行ったら、その中です。公園もちょっと気持ちよさそうだったけど暗くなっちゃったからな。
 

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