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2013/07/31

かくして宇宙人は東京に来ましたよ。

 というわけで、まだ「宇宙人東京に現る」の話なんですが、事前の情報が「宇宙人のデザインが岡本太郎」だけで行ってしまったので、非常に楽しく見ましたよ、と。

 映画の公開は56年1月。初代ゴジラ公開と第五福竜丸事件が54年です。同じ年に、第五福竜丸事件を受けて原水爆禁止署名運動全国協議会が発足、55年に第1回原水爆禁止世界大会。こうした情勢の中で映画が作られ、56年1月に公開、となったわけです。

 で、やっぱり「宇宙人東京に現る」と言われれば、すわ侵略! て思うじゃないですか( ̄▽ ̄)。しかしてこんこん、この宇宙人たちは「地球の表面に核爆発がどんどこ起きてる」のを観測し、こいつはいかん、ということで、「宇宙道徳」なるものに従って、「核兵器全廃」を勧告に来たんですよ。ええ、顔の真ん中が出っ張ってようがどうしようが、そりゃ宇宙道徳優先です。

 ……ごめんね、濡れ衣。

 でも博士たちも日光でのんびりしつつも「そりゃ侵略にきたんだ」なんて言い合ってるわけですからね。侵略戦争の記憶も生々しく残っているであろう56年。外からやってくるものは、とりあえず侵略者と疑え、と。まあ今も大差ない気がしますが。

 そして増田博士の家に入り込んだ銀子さんは、博士の机の上にあった一枚の紙を見て、即座にそれが「ウリリウム」(←放射性元素らしい)の方程式であることを見破り、確か紙をぐちゃぐちゃに破っちゃったような記憶(←すでにうろ覚え)。「こんな怖ろしい物、いけません!」とかなんとか。そりゃ増田博士は怒りますわな。ここで増田博士としばし、原子力の平和利用についての問答があります。平和利用だからいいんだ、という増田博士と、しかしこれは危険すぎるからダメだ、という銀子さん。そして銀子さんは言います。私たちは高い技術で、ついに「オリリウム」(だと思った)という安全なエネルギー元素を発見したのだ、と。

 ……(・_・)エッ....? 安全な核エネルギー? 放射線が出ないってこと? 「爆弾に転用できない」のはどういうエネルギー?

 化学はまだしも、物理は最低のお点だったぢぶんにはさっぱりこの「オリリウム」(確か)という物質がイメージできないのでありますよ。核じゃないエネルギーなんだろうか。

 そこでケンカ別れになった二人でありますが、天文台にまたしても三博士が集っているときに(←仲良しだなー)、銀子さんは今度はパイラ人としてやってきて、自分たちの来地球目的について話をするのでありました。人類は核兵器を全廃しなくてはならない、と。しかして、どの博士だかがツッコミを入れます。「だったら日本じゃなくて、核兵器持ってる国に行かないと」。そこで銀子さんは、ちょっとしょんぼりします。だって、核保有国に言っても聞いてくれないモン。日本ならわかってくれる、だって世界にただひとつ、核兵器の恐ろしさを身をもって知っている国だモン。

 ……ヾ(_ _*)。パイラ人のお気持ちはわかりますが、まあちょっと博士たちもばつが悪いというか。だって日本なんかが言ったってごにょごにょごにょ……。

 そこで銀子さんは新星「R」の話を持ち出します。これに向けて全部ぶっ込め、ほかに地球の助かる道はない……。

 ……(・_・)エッ....? 最初は黙殺してた世界会議も「R」が本当に近づいて、気温がどんどん上がるに至って、各国の核兵器を全部ぶっこむことにしたけども。なんか、パイラ人、準備よくないけ? 最初からパイラ人が用意してたんとちがうの?

 ま、結局地球の核兵器では破壊できずに、焦ったパイラ人たちは、監禁されてた増田博士を見つけ出し、ウリリウムの方程式を聞き出して大急ぎでミサイルを作り、なんとか「R」を破壊するんですけども。自分たちはウリリウムの方程式を永久廃棄しちゃったからね。オリリウムはこういうときには役に立たないっぽいし。
 ……やっぱりウリリウム、取っておこうか、ってことにならないですかねえ。「こんなこともあろうかとっ!」っていう時のために。平和利用ってことで。

 最後に「禁断の兵器」で辛くも勝利する、というのは、それこそ「ゴジラ」のオキシジェン・デストロイヤーと同じパターンなんだけど、ゴジラでは開発者の芹沢博士が自殺してその秘密を守ったのに対し、増田博士は助かってますからねえ……。映画自体がそりゃ脳天気にできてるし。しかも博士がウリリウム開発に成功したってのは、小村博士が記者会見でうっかりポロリしちゃって、それを聞きつけたジョージサイトーが博士を監禁してたわけで。いやもう、小村博士うっかりすぎ( ̄▽ ̄)。

 話の流れとしてはこうなんだろうなあと思いつつ、核兵器廃絶と、平和利用は是か非かで揺れ動く50年代をよく写し出した映画だなー、と同時に、どれだけ脅されても(兵器として使われるかもしれない)ウリリウムの秘密をサイトーらに頑として渡さず「恥を知れ!」とののしる増田博士や、全編に流れる楽天的かつ脳天気な空気も、時代の反映のような気がするのでありましたよ。

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