ひまわりその2
さて「ひまわり」。
映画の始まり(冒頭部分を除いて)は、2004年現在でした。そこで沖国大のヘリ墜落事故に遭遇した良太は、59年の日々へ帰っていきます。
このパートは白黒で描かれ、ぶかぶかのランニングに短パン、いがぐり頭の少年達は、なんとはなしに昔公民館で見た映画を思い出させたりして。小学6年の良太の遊び相手は、同級生の豊と茂、それに市場の食堂の一人息子で2年生の一平。そこへ北部(どこだっけな)から良太のクラスに広子、一平のクラスには昌代(だったかな)の姉妹が転校してきます。自分の隣の席に広子が来た良太はもうドキドキだよーヽ(´▽`)/。
良太には、米軍機が飛来すると、良太がどこにいてもすっ飛んできて「戦争が始まるから隠れろ」というオバアがいて、ちょっとみんな困ってる。オバアは沖縄戦のときに日本軍のガマ追い出しにあって、子どもを亡くした経験があった。考えてみれば、映画の中の「沖縄戦」は、時々人の口の端にのぼるけれど、具体的にはここと、一平のクラスで花壇にひまわりを植えるときに、担任の聡子先生が「沖縄戦で死んだ友達の好きだった花」という話をするときと、茂の家の人(兄?)が、捕虜収容所から帰ってきたら土地が米軍に取られていたという話をするときくらいなんだな。
農作業を終えた良太の父が三線を弾いて唄うのが「汗水節」。それを見よう見まねでコピーする良太。茂の家は闘牛の牛を飼っていて、遊び回っては一平の家の食堂でかき氷をごちそうになったり、市場の人たちは辻芸人に夢中になったり、小学校のイケメン先生は知り合った米兵の口利きでアメリカ留学が決まりかけ、本場の民主主義を学ぶんだと意気込み、焦土となった沖縄にもそれなりに「復興」が見え始めて人々は活気づいている。
……いや、かき氷が出た後で「三線弾いて」とか言うなよ一平、溶けるから先に食えよ良太! みんなも手拍子打ってないで溶ける前に食えよ! と余計なことが気になったりするのは相変わらずなんだけどさ( ̄▽ ̄)。
59年。逆算すると良太は47年の生まれ。沖縄戦の後に生まれた子どもたちは、地域全体の希望でもあったんだろうなあと、市場の場面などを見ても思うのですよ。それだけに、宮森小の事件は大きかったのではないかと。
事件については別項にまとめたいと思いますが。
この事故で、豊と広子、そして一平を失った良太。沖国大のヘリ事故と、2012年までの間の描写がないのですが、そのかんに良太はおそらく妻と死に別れて(←最初の方に妻が出てくる)、離婚して二人の子どもを抱えた娘(←これは最初の方で説明される)と同居してるがひきこもり状態(←と琉一が言う)、とまあ推測はできるんだけど、その辺りはちょっと説明が欲しかったな。くどくなるかな。
くどくなるといえば、ゼミ生のゆきなはややキレやすいタイプに描いてあるんだけど、基地=諸悪の根源に彼女が至る道筋みたいなものは、もう少していねいでもいいと思うんだよなあ。
東京から来た男子生徒(忘れた)は、沖国大に来た理由を、「修学旅行で沖縄に来て気に入った」というけれど、「修学旅行」の中には「平和教育」も多少は混ざっているはずで、でもそういうこと言うのは空気読んでない人、みたいなニュアンスがビミョーにあって面白かったな。「基地と生活」の矛盾の部分は加奈が引き受け、辺野古出身の女学生が現地案内を引き受け、というふうに、ゼミ生たちのそれぞれが(やや説明的ながらも)役割を与えられつつ、学生らしい(ある種無邪気な)パワーが感じられるのはよかったな。
……終わらんかった……orz。
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