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2013/12/08

カルメンつれづれ。8

 がんばってやっつけますよ。

 最終場。闘牛場でのエスカミリオの牛と女あしらいと、それを見下ろすカルメン。エスカミリオがようやく闘牛士っぽい格好になった( ̄▽ ̄)。カルメンは例の水玉模様の巨大な扇(何メートルあるんだ、あれ)の上からちょっと値踏みするような感じで見下ろしてるんだけど、上辺の曲線がちょっと闘牛場の客席の上の方みたいであったり。
 で、嫉妬にかられたホセが乱入してきまして。扇の端々からちらりと見える女の子のスカートの裾に翻弄されつつ。

 なんといいますか、オフィサーとの関係でもそうなんですが、基本的に「みんなオレをばかにしやがって!」ていうタイプなんでしょうな。妄想の方向がそっちにどんどん走って行く傾向の。それでもオフィサーの下にいたときはまだ、おどおどっと抑圧されていたものが、いっぺん刺しちゃったらあとは早いよなあ。
 ホセは牛になってエスカミリオと闘い、ついにエスカミリオのムレタを奪うと立場は逆転、牛と化したエスカミリオはホセにかつがれてあっけなくポイ捨て。
 闘牛場の上からホセを見下ろしていたカルメンは、ホセの中ではもう「女神」と化してたように思うんですよ。エスカミリオとの間では、そこは闘牛場であり、アイコンタクトがあるんだけど、ホセとの距離感はもう「仰ぎ見る女神」みたいなもので。あの長ったらしい裾のついた真っ赤な衣装と、冠のようなデカイ髪飾りは、ホセがカルメンに(妄想の中で)着せた、「女神」の衣装のように見える。

 が、当のカルメンの方は、そんなこと知ったこっちゃありません。じゃまくさい裳裾はぶんぶんふりまわし、股の間から投げとばし、引きずって歩けばむしろゴジラの破壊力。まるで、不当に「よそいきの服」を着せられたのが気に入らない子どものように。そして終いにはアルマジロのようにその衣装の中に丸まって隠れたと思ったら、次にそれを投げ捨てたときには、火のついた葉巻をくわえているという。

 「あんたの思うような女じゃねぇ!」

 繰り返してきたように、女の葉巻はジェンダーからの「自由」の象徴。……ハナからエスカミリオとか関係ないんだよなあ。ホセがカルメンの中に見た「夢」が見当違いなんで。でもそれを見せつけられたら刺すしかないじゃん。官憲の手はすぐそこまで迫ってることだし。
 
 そして、カルメンの死体は、叫びながら飛び込んできたジプシー(生きてたのかよ!)が泣きわめきながら抱えて、ずるずると舞台の下手側まで引きずっていき。この場面はザッキーも氷室ックもすごくよかったんだけど、どう見ても手に余るっぽい氷室ックが自分もぐちょぐちょになりながらなんとか袖まで入ったときには妙な感動がありましたです。落とさなくてよかった……。ついでながら、オフィサーが刺された後の死体は、うつぶせの状態のまま、高木さんが両腕もって引きずって袖まで運搬してました。こっちの方が衣装がシンプルな分、マシな感じ。

 ちうことで、カルメンを刺したことを確認したオフィサー(生きてたのかよ!)によって、ホセは逮捕され、引き出されて、その前に銃殺隊が並び、円環の理によって処刑されるのでありました……。

 あと、1回で終わります(まだあるのかよ!)

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