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2014/02/18

ポリーナ


 「ポリーナ」バスティアン・ヴィヴェス (著), 原正人 (翻訳)

 フランスの新鋭漫画家(だそうです。海外漫画事情に全然詳しくないワタクシ)の描くバレエ漫画。表紙がなんだかなー、という気もせんでもないのですが、まあ、全体にこんな感じの絵柄。

 舞台はロシア。ポリーナという一人の少女がオーディションをうけてアカデミーで学び、大劇場付きのバレエ学校に飛び級で入るも、そこから飛び出してコンテのカンパニーへ。そしてそこも飛び出して、ベルリンで出会った演劇グループとともに、新しい形の舞台を……というお話。表紙は最初に入ったアカデミーで、先生から姿勢の矯正を受けているところですね。

 日本のバレエ漫画もまあいろいろあるんで、あまり一概には言えませんが、「バレエ漫画」というときにイメージするような華やかさや、ドラマチックな構図というのはほとんどなくて(そもそもチュチュもほとんど出ないし)、ラフに描いて筆で塗ったようなタッチの絵が淡々と続きます。ポリーナも表紙を見ればわかるように「美人」というイメージではないんですが、ぢぶんはこの絵は、慣れたら好きになった感じだな。

 なんというか、非常に淡々と淡々と話は進むんですが、それだけにそれは「日常」であるなあ、とも。若者らしいもろもろもあるけれど、内側にある悩みが地の文というか、主人公らのモノローグとしては表れないために、より深く、子どもから大人へと成長していく姿を感じることができるように思います。
 最初の師であるポジンスキーとポリーナの、全体をゆっくり流れる、うっすらとした「師弟愛」がいいんだよなあ。熱くもなく、激しくもなく、漠然としているけど確かなもの。ポジンスキーが一度だけ眼鏡をはずすコマとか、すごく上手いなーと思う。最後の方のワルツを踊るシーンがとても好き。

 ポジンスキーのひとことひとことはなかなか含蓄が深いけど、この絵柄とこの表紙で日本の「バレエファン」がどれくらい、この本を手に取るか(というか、買うか)はちょっと疑問ではあるな。どのように受容されるのか。ちょっとお値段も張るのでそう強くはプッシュしないけど、ぢぶんは意外と好きになった作品でした。

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