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2014/04/06

さいごに。

 さて、もう終わります。

 ジュリエットについて、ノイマイヤーは「裸足からトゥシューズへ、踊れない女の子から踊れる女性へ」と、まあ大雑把ですがそんな具合に成長過程ないし、恋する過程を表していると話していたように思うんですが(全然正確じゃないけど)、もうひとつ、ロミオとの関係では「手」ないし「てのひら」が重要なファクターであったように思います。ま、これもノイマイヤーがどこかで語っていたような気も(相当時間経っちゃったからなあ……)。

 二人のPDDは、ボールルーム、バルコニー、後朝と大きく3つありますが、そのまえのジュリエットのソロ、あるいはお風呂場から勘定してもいいのかもしれません。脚の方は風呂場からの勘定だもんね。

 風呂場で、バスタオルの前を握りしめて離せなかったジュリエットの手。そこの不自由さから行きますか。ジュリエットのソロで、その手は軽くグーの形で、頭上で「くるくる?」とビミョーな回され方をしています。そしてボールルームで二人の手は初めて合わされ(たと思うんだよな−)、バルコニーでは手を重ね合うことが「恋」の象徴的な仕草として確認されていくという。

 沖・弾組と岸本・後藤組のいちばんの違いがここに出たなあ、というのが雑駁な印象なんですが。それはむしろ弾くんの若さで、二人が「てのひらを合わせる」ことの意味を、二人ながらに探り合い、確かめ合いながらたどり着いていくという、ある意味では「ロミオとジュリエット」らしい初々しさというか、おいちゃんにとっては微笑ましいというか( ̄▽ ̄)、ああ初恋っていいよなー、という。

 岸本・後藤組は、さすがにそこいらは後藤さんがリードしてたなあと。「ほら、こうしてみて、ここに手を合わせてみて」っていう風に。ノイマイヤーの弁では、「ロミオは経験豊富で、ジュリエットを引っ張っていく」みたいな話があったと記憶しているので、その意味では後藤さんの方が彼のイメージするロミオだったのかもしれません(踊りは結構「ごとやーーーーん(≧д≦)!」でもあったんだけどさ。でもなんか憎めないのは、あれが「いっぱいいっぱい」だってわかるからかもなあ)。

 そして後朝の場面で、その手はしっかりと握りあわされて、ぴん!と高く掲げられる。二人の宣言のように。

 ああ、後藤さんといえば。ロレンスの庵での結婚式の最後、乳母がジュリエットを、ロレンスがロミオを引きずって引き離し、ロミオが抵抗して暴れるという場面があるんですが、ここは弾くんも後藤さんも大暴れで(誰かみたいだなー)、弾くんの方は案外がっしり系な岸本くんが取り押さえてましたが、後藤さんの日はスリムな杉山くんで、もう飛ばされちゃうんじゃないかと思いましたよ。ぢぶんは5列目で見てたんですけど、引き離されるときに後藤さんが「いやだ!」って、小さい声ながらも叫ぶのが聞こえまして。ええ、「あっ!」とかなんとかいうような声は、バレエといえども舞台から聞こえてくるときはあるんですけど、後藤さんが、というところも意外な気がして(←友佳理さんだったら驚かないかも)、なにか妙なカンドーを覚えたり。

 ティボルトの亡霊の場面とか、その後のロミオの幻影とのPDDとか、結構好きですね。ティボルトを殺したロミオを愛することへの良心の呵責とか、そのロミオ(の幻影)に励まされて僧院まで走り続けるとか、ジュリエットの「揺らぎ」がよく出ていて。まあ実際のロミオは最後までアホウだったような気はしますが(その突っ走り具合がすがすがしいわー)。

 デンマークロイヤルの初日を見た時に、風呂場の場面からジュリエットはもう、「こんな堅苦しい「家」に縛られるのはイヤ、どこかに羽ばたいて行きたい」という気持ちが前面に出ていて、ロミオとの出会いはそのきっかけだったようなそういう印象でしたが、今回は3組ともそういう解釈はなかったような。素直に、父母に(特に母に)受け入れられるような「レディ」になりたい、という感じでした。もっとも、デンマークの2日めにもそういう印象はなかったので、あれは初日のジュリエット(名前忘れた)の独自な役づくりだったのかもしれません。

 あ! ロザリンデのハンカチの行方を書かなかったな。

 舞踏会潜入前にロミオが落としたロザリンデのハンケチはベンヴォーリオが拾って、翌朝ロミオに「ほらー」と返そうとするんですが、もうロミオはロザリンデなんかどうでもいいといいますか、「いいからお前とっとけよ」ってな対応で、ベンヴォーリオの首に巻いてしばっちゃったりするんですよね。ひどいなあ。仕方がないので、やや経験不足な(杉山)あるいは空気読めない(松野)ベンヴォーリオは、ロザリンデが広場の聖人像にお参りに来たときに返してしまうんですが、そのときに「はっ!」とばかりにロミオを振り向いた川島さんがもう切なくてですねえ(ノ_-。)、もう松野なんか顔ごとふんずけていいよ、踏んじゃえ! みたいな(←ヒドイ)。さすがに後藤さんの方もばつが悪そうにしているあたり「経験豊富」な感じでありました。渡辺・弾組だとそこまでのドラマはないというか。そして大人の対応で去って行く川島さんがまた切ないという(ノ_-。)。三バカ踊りの最後、1幕ではロザリンデに夢中で浮かれちゃってたロミオは、同じ振りなのに2幕ではジュリエットに夢中なんだよなあ。

 書き漏らしたことはまだあるような気がしますが、ここらで幕、ということで。

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コメント

綾瀬川さん、こんばんは。

相変わらず観察が細かくて感心します!

東バの公演もしばらくないし、本当に長い間楽しませて頂いて、ありがとうございました。

秋からの公演に、成長した若手が見られるといいですね!
森川君、本当に踊り頑張ってほしいの同感です。せっかく天から与えられた良いもの持っているのですものね。
全体に、男性に精進して欲しいですね。
女性は、チャンスがないだけで、与えられると主役こなせる人に困らない感じですが。

そして、木村さんや吉岡さんの円熟の踊りも見続けたい!
でも、顔の見えないムーア人じゃなくて・・・

もう、どの記事にコメント書いたらいいかわからないので、ここに、固めて書いてしまいました。

おみ足、どうぞお大事に。

投稿: テス | 2014/04/14 00:04

2ヶ月かかって味わいつくしました!
という感じです(笑)。
おつきあいくだすって、ありがとうございました。
しばらく公演がなくて淋しいですね……。
公式にがんばってどんどん更新してほしいです。
また海外公演も始まりますし、その様子なども。
海外公演のあとは一皮剥ける若手も(ベテランも)いるので、
楽しみですね!

50年ガラは、友佳理さん、高岸さんは全然出ないとしたら
ちょっと淋しい感じですね……。
木村さんのムーア人( ̄▽ ̄)。
ソロルをどうしてももう1回見たかったんですけど、
ご本人ノリノリだろうなあという気はします。
ボレロもたまには出て〜。せめてカテコには出て〜(←今から言う)。

足、おかげさまで、痛みはだいぶ取れました。
火曜の診察で、ギプス取れるといいんですが。

投稿: 綾瀬川 | 2014/04/14 03:25

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