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2014/05/31

拝啓天皇……

 さて、やや脇のエピソードを含めて。

 入隊すぐに五・一五事件のエピソードが出てきます。夜中に抜き打ち夜間演習みたいな格好で兵隊達がかり出され、青年将校から「オレと一緒に死んでくれるか」みたいな演説を聞かされてね。ついてきてくれる者は一歩前へ、って言われて、でも立ってたのが斜面だったもんだから、後ろの兵隊がよろけたのに突き飛ばされてムネさんが前に出ちゃう( ̄▽ ̄)。するとムネさんが行くならオレも、ってヤマショーが出て、あと何人かが続いてビシー!っと出ちゃうもんだから、まるでその気がないムネさんも引っ込みがつかなくなっちゃって。
 その後将校はすぐに軍を追われ、翌年五・一五事件が起きました、って。二人とも行かずにすんでよかったねえ、と思うけど、いくつかの含みのあるエピソードだよね。226もそうだけど、兵ってのは、直属の上官が何か言えば、納得できたかできてないのか自分でもわからなくても部隊としてそうせざるを得なかったり、演説やまわりの空気にカンドーしてはずみで命をかけることになったり、志願が引っ込みつかなくなっちゃったり。

 印象深いエピソードと言えば、多々良純の准尉を忘れるわけにはいかないですな。兵隊不足で再召集されたムネさんは、召集事務をやる部署に配属されるんですが(なのでヤマショーも再召集されてきてることを知る、と)、そこの上司が多々良純。温厚そうだけど気が小さくて要領はよくなくて、しょっちゅうよその将校に怒鳴られてるんですが、酔うと「オレだって今は事務をやってるけど、野戦に行けばよー」なんてわめいたりしていて、事務屋が一段下に見られてるのがわかるんですが、そんな准尉についに野戦(つまり中国戦線)行きの辞令が降りてですね。どんどんおかしくなっていくんですよ。この辺りは多々良純の面目躍如といいますか。顔の片側だけひきつらせて泣くように笑うとか。

 提灯張りが忙しくなると再召集がかかるとか、上手いなあと思うんですけどね。

 復員して、汚い格好でやってきて、人の家の台所事情もかまわずに大酒を飲むヤマショーを、ムネさんの妻は最初はいやがるけれど、一度一緒に買い出しに行ったらすっかりそのまっすぐさと話の面白さで大好きになってしまう。ヤマショーの話の巧みさ、調子のよさは、彼が生きていくために身につけたものなんだろうなあ。寅さん以前の代表作と言われてるけど、基本的には寅さんの原型だよね。現実世界ではなかなか受け入れられない、自由人というよりも、そのようにしか振る舞えない。

 おもしろ可笑しく描かれてはいるけれど、「軍隊文化」の持つ問題も、そこそこ見えるようになってはいる。鶴西が前線に行く前に妻が子供連れて面会にくる場面とかね。ギャグなんだけど、そのもの悲しさというか、否定された人間性みたいなものをムネさんがちょっとすくい上げてみる(自分は女買いに行っちゃうんだけどさー)。場面場面に出てくるそれを見るかどうかは、見る側の感性に寄りけり、ではあるなあ。

 それにしても、加藤嘉が若いのに若くない。50そこそこくらいのはずなのに、やっぱりじいちゃんっぽいのはなぜー( ̄▽ ̄)。

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2014/05/29

拝啓天皇……

 続きです。

 さて、そのかんにもいろいろと軍隊の軍隊たるエピソードはいろいろにあるのですが、それはさておき。

 ヤマショーもムネさんも同じ部隊で中国に出征することになりますが(しかしヤマショーは一等兵だけどムネさんはいつの間にか伍長なんだよな)。その前に、というよりも最初にヤマショーたちが満期除隊になる前に、加藤嘉の中隊長は朝鮮に転属になり、その後中国で戦死することになりますが。ヤマショーにとって中隊長は、酔っ払って重営倉入りになった自分に付き合って正座をし、読み書きの苦手な自分のために初年兵を先生につけて授業のために中隊長室を解放してくれ、除隊後のために就職や着物の世話までしてくれた、いわば恩人なんですな。「畏れ多くも(ビシーッ!)」の中隊長。天覧演習で大コーフンだった中隊長。

 二人の部隊は中国で行軍中、戦闘の終わった地域で小休止をします。ヤマショーなんかまだことの大変さがわかってないから、たき火してる友軍のところにホイホイ行って、煙草の火を借りようとするのね。するとたき火してる兵隊が「ああ、今腕燃してるから」っていう。見ると本当に片腕燃してるわけですよ。身体の方は近くに埋めてあって、腹やられてね、って。腹やられたら即死だね、っていうと、いや3時間くらい生きてたよ、て。ヤマショーもそこでやめておけばよいのに、3時間もあったら「天皇陛下万歳」って言えたね(←正確に覚えてない……orz)、とくるもんだから、そんなこと言うかよ、となり、3時間もあるのに「天皇陛下万歳」もよう言えんヤロウはヘナチョコじゃい、うちの中隊長なんか頭撃たれたのに3回も「天皇陛下万歳」って言ったみたいなわけわかんないことを言いだし(←正確に覚えてない……orz)、つかみ合いの大げんかになりかけるのを、結局やっぱりムネさんが回収するという(←伍長なので相手の兵もあまり逆らわないですむ)。

 ヤマショーの中では天皇と中隊長がどこかでリンクしちゃってるんだろうなあ、と思うんですよ。何しろ「中隊長の言葉は、畏れ多くも(ビシーッ!)、天皇陛下のオコトバ」でありますし。
 3度目に召集されたヤマショーは、中隊長戦死の地で墓の前にたたずみます。広い原野に杭のような墓標が立ち並ぶその場面は、きれいなんだよなあ。良くも悪くもきれいに撮れてるんだ。父親を知らないヤマショーは、中隊長をどこか父親的に思っていたのかもしれないなあ。

 復員して、ムネさんと再会して、ケンカして、また仲直りして、失恋して、婚約して。戦後のヤマショーの生活に「天皇」は関係なかったかのように思えるけれども。

 結婚式を数日後に控えた夜。千住でいつものように大酒を飲んで泥酔したヤマショーは、千鳥足で歩きながら、女性連れの進駐軍兵士と行き会います。ぶつかったっけかな、どうしたっけかな。なんでい、天皇陛下バンザーイ。舌もうまくは回らないヤマショーはそれからまもなく、トラックにはねられて世を去ります。
 軍服に一瞬、軍隊時代を思い出したか。女性連れの米兵に「国辱」でも感じたのか。まさしく「天皇陛下万歳と唱えて死んだ」ヤマショーは、入隊当時は「赤子」の意味もわからずに叱られておったのに。

 「拝啓天皇陛下様 陛下よあなたの最後のひとりの赤子がこの夜戦死をいたしました」

 最後の言葉はムネさんの、無念のつぶやきであるように思えます。

 なんといいますか。

 なにかものすごく「がらんどう」なんですね。「天皇」というものが。「空虚」よりももっとからっぽな、からっぽというよりもなんというか、果てしなく「がらんどう」な感じ。強いて言えば、中身のない西洋鎧のような。叩けば響いて音がする、というよりも、その音すらも中に吸い込んでしまうような、そういう「がらんどう」。むなしさよりも、絶望から諦念に移行してしまった、そんなどうしようもない「がらんどう」なものが「天皇」であったと。ヤマショーの「万歳」もムネさんの無念もただ宙に消えるばかりで、ぢぶんはひたすら切ない気持ちになったのでありました。

 あと1回で終わります。

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2014/05/28

しのばず

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2014/05/27

拝啓天皇……

 映画の方の続き。

 入隊して早々に、中隊長(加藤嘉がいいんだ、これがー)の訓示途中から、「天皇」の前置詞的に置かれる「畏れ多くも(ビシッ!)」は半ばギャグとして連発されるわけですが……どうでもいいことなんだけど、「ナルニア」シリーズの「馬と少年」に出てくる、いちいち(御代とこしえに!)ってヤツを思い出すよね……。
 
 その「畏れ多くも(ビシッ!)」が最高潮に達するのが「秋期天覧大演習」。天皇役は浜口庫之助です。なぜここで浜口か、というのはよくわからんですが、顔なんか映らないからまあ誰でもといいますか。概ね後ろ姿と遠目だけで、「白馬に乗ってるから天皇」ってだけでね。しかし、浜口自身は後年、「勲章のため曲を作っているのではない」って勲四等を辞退しちゃった人で(あんな人やこんな人まで文化勲章もらっちゃったのにね!)、それを思うとちょっとした巡り合わせのような気も。
 ま、それはともかく、その白馬に乗った天皇がひょこひょこと演習を見るわけですが、これが観閲式のようなものではなく、演習している2軍の間をぞろぞろと馬に乗って行列していくわけですな。そのあいだ、もちろん中隊長をはじめ、構えの格好のまま動いちゃいけない。「だるまさんがころんだ」状態です。それでもヤマショーなんか、写真ですら見たことなかった天皇がすぐそこを歩いてる(馬で)わけですから、ぼけら〜っと眺めてたりするんですけどもね。

 で、それですっかりファンになっちゃう。ちょっと見たことのある有名人が、まるで自分の知ってる人みたいに思えてくる現象は今でもありますが(選挙の「握手」はまさにそれなんだけど、まあぢぶんも人のことはいえまいて)、そんなようなもんですね。それに多分、自分を気にかけていてくれる中隊長に重ねて見てる部分もあるんじゃないかと思うんですよ(というのは、後の場面で)。

 それで例の「拝啓天皇陛下様」の手紙を書くことにするんですな。戦争は終わるそうですが、自分を軍隊に置いておいてください、と。「優しそうな人だから、きっとわかってくれるに違いない」と。しかしムネさんの方は常識人だから、天皇に直接手紙を出すなんてとんでもない、それは直訴だ、不敬罪で監獄行きだ、と書きかけの手紙を捨ててしまう。あまりの剣幕にヤマショーも、「わかったよぅ、ムネさんが怒るんならやめるよぅ……」となって、この話はそれきりになるわけです。ヤマショーにとってムネさんは、いつも怒ってばっかりだけど、いちばん頼りになる、大切な友達だから。

 つづく。
 

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2014/05/25

ジャック・カロ

 話の途中ですが、今日はコイツ。

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 西洋美術館のジャック・カロ展(こちら)。先だって、法隆寺展の時に看板を見まして、エッチングとかの類、好きなもんですから。

 ええと。日曜の午後(2時過ぎくらいかな)にしてはかなり空いていましたが、そこは西洋美術館なんで、人の頭越しに見るくらいですか。もう少し辛抱強い人だったら、ちゃんと順番に最前列で見るのもそれほど大変ではないくらいの混み具合。
 ですが何しろモノが小さい。小さい上に緻密(銅版画にありがちな)。なので「人の頭越しに見る」にはあまり向いてないかも。そして、入り口でルーペ(というか虫眼鏡)を貸し出していて(箱に入っていて自由に取って、最後に回収される)、これで見る人がいると、その後ろから見るのにはたいそううっとおしいです。

 絵とその技術は素晴らしいです。看板になっている「二人のザンニ」は、喜劇の場面を描いたもので、えらい極端な遠近法で手前の役者二人がでかくなってますが、たとえばサントリーでやってた「のぞいてびっくり江戸絵画」(←これも見に行ったけど今ひとつ面白くなかったんだな……)に出てくる、日本画(というか浮世絵というか)の遠近法と参照すると面白いかなー、と。

 ただ、時代が200年かそこら違うので仕方ないですが、たとえばゴヤのような批評性とかはない気がします。流行作家的、というかな。まあキャプションに引きずられた見方かもしませんが。特に誰と言うこともなく本の挿図としてなんとなく見たことがあるような。実際、長崎の23聖人殉教の図(26人のうち宗派の違う3人が抜いてある)なんかは「あ、これカロなのかあ」だったし。

 面白いと言えば、パレードの山車から車輪を抜いちゃったりしてるあたりですか。イルカの山車なんかは背景も水にしちゃってるので、もはやパレードなのかなんなのかもわからないような。でもそういう「奇抜さ」は、むしろパレードの主催である王侯貴族なんかからは、好ましいものだったろうなあと思うわけで。

 何だったか忘れちゃったけど、市かなにかの大きな絵のど真ん中で、ちっちゃくだけど、犬が交尾してて笑っちゃったな。犬と馬はもうどこにでも出てくる。牛とかろばとか、動物たちがいいですよー。牛のケツの質感ですとかね。いや、絵はもう本当にすごい。

 小さいながらも物量はあるので、結構お腹いっぱいなのに、別の意味でちょっと物足りない感もあったり。ただ、併設展込みで600円なのはお得感があるかも。

 併設の「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」は、多ジャンルの中からのピックアップなので、展示としてはごちゃごちゃした感じ。こちらにもゴヤやデューラーなどの版画はあるので、興味のあるところだけつまみ食い、という感じで。ロダンの小さな彫刻が面白かったな。
 しかし、「聖アントニウスの誘惑」は、両方に展示されていたけども(みんな好きだな−)、「誘惑」というよりは「脅迫」されてる感じがするよ。

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2014/05/24

つづき。

 いろいろと滞ってますが。ちょっとでも進めないと後がつかえてるんだけども、なんかいろいろとしんどくてですな。

 で、「天皇陛下様」の話。

 原作は棟田博(映画の中の「棟本=ムネさん」にあたる)。すっかり忘れてたんですが、光人社の「軍隊よもやま話」のシリーズのうち、「陸軍」のものを書いてた人だというので、合点がいきました。中学くらいまではいわゆる「軍オタ」だったくちなので、あのシリーズは半分くらい読んでるんじゃないかな。もちろん陸軍も。前半の雰囲気はアレですね、確かに。

 しかし、そこは野村芳太郎監督なので、そこまで牧歌的な話ではなく。というか、原作を読んでないのでその雰囲気はわからないわけではありますが。「よもやま話」も詳しい話は忘れちゃったしな。

 いわゆる「軍隊喜劇」に分類される映画ですが。例えば岡本喜八の「肉弾」をある種の「喜劇」と捉えるならば、そこから「金語楼の三等兵」までというのは相当な振り幅があるわけで。軍隊を否定するのも補完するのも「喜劇」の役割としてあるわけです。「のらくろ」が軍部からクレームがついたことをもって評価する向きもあるけれど、基本的には国策から外れたものではなかったのと同様に(「召集令」までしか読んでないですが)、金語楼は「おもしろ可笑しく」「戯画化」してあったとしても、そこに「批判精神」までがあるわけではないと、ぢぶんは思います。

 では「拝啓」はどうかといえば、その振り幅の中の、どこいらに入るかはかなり見る側に寄ってくるんじゃないかなあ、と思うんですけども。

 まずもって見えてくるのは、当時の「娑婆」のひどさ、です。
 最初の方で、銃の手入れに難癖をつけられたヤマショーと鶴西が歩兵銃に向かって延々と反省を述べさせられる場面がありますが、その際に鶴西が、「かあちゃん」(新婚の妻ですな)からきた手紙を読み上げさせられまして。最初は「あなた、ナントカちゃん(忘れた)のことが好きだったでしょう」みたいな話にみんなニヤニヤするんだけど、そのナントカちゃんを含めた村の娘達は何人も売られていった、家も相当に苦しい、お金は使わずに送って欲しい云々」というその手紙に、さすがの上官も「もうええわい」となるんですな。ヤマショーたちが入隊した「昭和5年」といえば、昭和恐慌の年。鶴西のような働き手を取られた家の苦労もさることながら、一方で「召集」とはいえ軍隊は口減らし先でもあり、出稼ぎ先でもあり、ヤマショーのように孤児として小さい頃からあらゆる肉体労働をやってきた者にしてみれば、「三食寝台つき」の就職先であったわけです。その意味で、小説家志望だったムネさんは、やっぱり町のインテリくさいところはあるな。
 そうした背景なしに、牧歌的だといっても始まらなく(確かに日中戦争前で「戦地へ行く」というリアリティは少なく、2年満期というゴールも見えているので、それ以降とは違う空気はあったのだろうけれど)、なぜ軍隊が「天国」になり得てしまったのか、という話は、ヤマショーの個人的な事情以外にも見え隠れしておるなあ、と。

 つづく。

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2014/05/21

拝啓天皇陛下様

 前々から話は聞いていて、一度見たいと思いつつ、シネマヴェーラの野村監督特集でようやく見ました(←レンタルという習慣がない。前はよく借りてたんだけど、ここ10年以上ないな)。

 しかし、ネットでキャストが拾えるのは便利だよなあ。以前だったら、さっぱりわからないところだったよ。字幕も役者名は出ても役名は出ないし。1963年公開。知ってる名前はあっても知ってる顔は少なかったりする(笑)。

 映画の「語り手」は棟本(長門裕之)。昭和6年(ここはあえて「昭和」で)、徴兵されて岡山の連隊に入隊した棟本は、同じく新兵のヤマショーこと山田庄助(渥美清)と知り合う。ヤマショーはカタカナも全部は読めず、自分の名前を書くことすらおぼつかなく、何をやっても一歩ずれてるけれど、まっすぐでくよくよしない竹を割ったようなヤツ。同じ新兵で女房持ちの鶴西(桂小金治)と3人、二年兵(西村晃)たちのシゴキを交わしつつの軍隊生活。父親はおらず、母親を3歳のときに亡くし、親戚の間をたらい回しにあって13歳で村を飛び出したヤマショーは、どんなに理不尽にいびられようとも「雨が降っても食べるものがある」だけで軍隊は天国だという。

 二年兵になった3人は、今度は新兵シゴキの側に回る。ヤマショーは中隊長(加藤嘉)の計らいで、教員をしていたという初年兵(藤山寛美)から読み方を習う。秋期天覧演習で、ヤマショーは初めて見る天皇に「優しそうな顔」だとファン的な親しみを持つようになる。除隊しても行くところもないヤマショーを心配した中隊長は、元部下の経営する果樹園で働けるように手配し、除隊用の着物も一式揃えてくれる。

 満期除隊でヤマショーと別れた棟本は見合結婚。小説を書くもまったく売れず、妻(左幸子)の提灯張りの内職で喰っているが、戦線が拡大して提灯張りが忙しくなった頃、再召集される。再び揃った3人だが、南京陥落のニュースが入り、これで戦争は終わるとの噂が流れる。娑婆に戻りたくない一心のヤマショーは、たどたどしいカタカナで「ハイケイ天ノーヘイカサマ」と天皇に手紙を書き始めるが、それを見つけた棟本は「不敬罪で監獄に入れられるぞ!」とそれを取り上げ、破り捨てる。

 結局中国戦線にかり出される3人。最初は同じ部隊だったがやがて別れ、棟本は台児荘で重傷を負う。が、体験談を書いた『分隊長日記』が大当たり。講演先の九州の炭鉱で、炭鉱夫になったヤマショーと再会する。その後、棟本は従軍作家、ヤマショーは再召集されて再び中国戦線へ。

 敗戦後、棟本は、ヤミ屋の手伝いをする妻の稼ぎでなんとか喰っていたが、そこに復員したヤマショーがやってきた。最初はいやがっていた妻もすっかりヤマショーが気に入るが、しばらくしてケンカ別れ。その後、なんとか作家として復活した棟本は、取材先の奥日光の入植地で、農夫となったヤマショーとまたしても再会するのであった。でまあ、ヤマショーの失恋話とか何とかいろいろありまして、昭和25年(ここもあえて「昭和」)。立川に転居した棟本を、ヤマショーが婚約者(中村メイコ)を連れて訪ねてくる。事の次第を喜んだ棟本夫妻だが、ヤマショーの結婚式が目前のある日、ヤマショーがトラックに轢かれて死んだとの記事を目にする。
 「拝啓天皇陛下様 陛下よ あなたの最後のひとりの赤子が この夜戦死をいたしました」

 つづく。

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2014/05/20

弁天堂から

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 弁天堂の上から。カワウが羽を乾かしてるらしく、ずっとこのポーズでおりました。

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 こちらはお休み中。茶の方はよく見るので、住んでるらしいけど、いつも同一個体を見てるのかどうかはあまり自信なかったりして。

 書くことはたまってるんだけど、アウトプットしないうちに忘れそうだよう。あうあう。


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2014/05/18

弁天堂

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 土曜の不忍・弁天堂。

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 手水の岩にはユキノシタが。


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2014/05/17

法隆寺展

 さてと。今日は整骨院の帰りにこちら。

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 芸大美術館の「法隆寺 祈りとかたち」展。3月の長浜の仏が1室展示だったのに比べると、3室(実質4室)全部を使った大型展(こちら)です。

 結論から言うと、そんなに面白くはなかったなあ……。単純に自分が聖徳太子にそんなに関心がない(というか好きでない)ちうことを確認したくらいで。それと公式サイトの展示構成と順路が違う気がするよ……。第1章が3階の大きな展示室になってるので、順路だと最後に見るようになってる。なんか変な構成だと思った。

 仏像も来てるけれど、仏画の方がメインで、それもそんなに興味ないというか。おかしなもので、一般的に美術だと彫刻よりも絵画(さらには版画)の方が好きなんだけど、仏教美術だと圧倒的に仏像の方がおもしろいんだよなあ。多分、古い仏画は現品の状態が悪くて現品見てもよく見えない、ということも大きいんだろうけど。仏像って、どんだけ破損しててもそれなりに面白かったりするんだけども。かといって、仏画が信仰の対象でなかったかというとそうではなくて、うちの本家の仏壇(一間ある)にもちゃんと仏画(もちろんちっちゃい、多分資料的な価値はないもの)がかかってたわけで。

 ポスターになってる国宝の2体と、高村光雲の「定胤和上像」がよかったです〜。荘厳の上のところについている飾り金具や天人もすごいんだけど、天蓋の角っこについているという鳳凰がすごいヽ(´▽`)/。こうした「細工物」は実際にある場所では絶対にきちんと見られないので、下ろして展示してあるのは面白いな。ちゃんと「ここについてるものです」っていう説明が写真で見られるのもいい。

 あとはですね、「教科書でよく見るアレがコレか」的な。そういうことが楽しい層も一定いるのでよいですが(自分は割とどうでもいいタイプ)。

 聖徳太子の像/画って、明治以降のものってどうしても皇室プロパガンダの匂いがして好かないんですよねえ。山岸凉子はそのイメージを抜けた、という意味で大きいような気はするけども。しかし、連載中にリアルタイムで読んでいた時は「どーなるんだ、どーなるんだ」でドキドキしながら読んでたけど、好きかといわれると、やっぱりそうでもないような気がするという。

 焼損した金堂壁画の模写もありますが(あの観音菩薩見るとやっぱり「切手!」って思う世代)、壁画についてはお向かいの陳列館の方で特集されてますので、忘れずにどうぞ。

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 2階は金堂内部での復元になっています。つまり、金堂に配置されていたとおりに、実物大(多分)の模写が壁に貼られている。これはわかりやすい。第1図の釈迦説法図がいいなあ。1階はデジタル(8K)の映像展示。2つあって、ひとつは焼損した壁画→焼損前に撮られた白黒写真→焼損前の状態に復元した図、が重ね合わせられて「なるほど〜」なもの。あと「この図とこの図は反転図ですよ−」とか。もうひとつは壁画の中の吊り物だの眷属だのが動くアニメーション。全部見ても10分足らずです。こちらは本展を見る/見ないにかかわらず無料。


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2014/05/14

さくらんぼ

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 これも日曜の新宿御苑で。観賞用の桜の実だからこれ以上大きくはならないけど、今時分は色とりどりでカワイイ。


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 ちょっと見づらいけど、木の下に入るとこんな具合に「さくらんぼのドーム」になります。これがもう少しすると、さくらんぼじゃなくて違うものがぶらさがってくるんだよな……(ノ;´Д`)ノ(←小さい頃に一生分見た)。


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 たわわん。


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2014/05/13

ほかのばら

 ついでなのでバラ一気載せ。日差しが強すぎて、色がちょっと飛んじゃってますが。

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 全体には終わり加減というか。もう1週早い方がつぼみが多くてきれいだったかも。


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 好きなのはこういうシンプルなタイプ。かつサーモン系の色が好きだな。

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 バラといえば、気高く咲いて美しく散る、が相場のようですが、個人的には「あさきゆめみし」の六条御息所の「薔薇(そうび)が散り遅れて見苦しい」てのが、思い出すフレーズだったりします。

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2014/05/12

プレイガール&プレイボーイ

 で、11日の日曜日ですね。えらく暑かった日ですが、K'sシネマに早めに行って前売りを整理券に引き替えてから、久しぶりに新宿御苑で光合成をしておりました。なにしろ、この1ヶ月、松葉杖が取れてからも長く歩くと痛むことは痛むので、外でのんびり、というわけにはいかんかったですからねぃ。つか、ギプスはずして1週間くらいはするするよくなってたのに、そこから伸び悩んでるというか。そんでもたまには外の空気に吹かれんとな。

 つことで。

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 フランス式庭園のバラもちょうど盛りでよい匂いでしたですよ。こちらがプレイガールさん。


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 こちらはプレイボーイさん。

 暑いのに結構な人出で、アイスがバカ売れしておりました(もちろん食べた)。4時前くらいになると風が気持ちよかったですよー。


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2014/05/11

初ウカマウ

 ということで、今日は今日とて新宿K'sシネマにてウカマウ集団の新作映画「叛乱者たち」を見てきました。ウカマウ集団ってのは、ボリビアの映画制作グループのことね。「グループ・ウカマウ」とか訳さなくてよかったなあ、ほんとに……。ウカマウについてはこちら。今回の東京と大阪の特集上映についてはこちらにFacebookがあります。

 今まで見る機会は散々あったはずなのに、今回が初ウカマウですよ。なんでなんだろうなあ。

 今日見た「叛乱者たち」は、ドキュメンタリーとドラマの間くらい。サンヒネス監督によるナレーションとともに、2005年のエボ・モラレス政権(初の先住民族の大統領)誕生から、少しずつ過去を遡っていき、1781年のラパス包囲戦(植民地下における)まで、先住民族の抵抗を「再現ドラマ」によって描いたもの。「再現ドラマ」といっても、それぞれのエピソードはごく短く、ボリビアの歴史どころか地理すらろくすっぽわかっちゃいないぢぶんにとっては、ちゃんと飲み込めてる自信なんて全然ないくらいなものですが。ラパス包囲みたいに時間をとって描いてある場面もあれば(といっても「ドラマ」というか「ストーリー」というようなものでもないような)、ほとんどイメージ映像に近いような場面もありって感じで。

 その意味では、「映画的に面白い」というのは最後の10分足らず、モラレス就任の「現在」に戻ってからだとも思いますが、その最後の場面を「理解」するためにこそ、延々と200年分の「叛乱者たち」を見る必要があるのは納得がいくという。「映画的に面白い」が「映画にとっての正義」ではなく、何よりウカマウ自身がアメリカ的ないしヨーロッパ的な価値観と方法論によらない映画作りを原則としていること(こちらにある「ウカマウ映画の五原則」)があるわけです。つまり、「映画的に面白い」といういい方そのものに、日本も含めた世界の趨勢である「アメリカ/ヨーロッパ的な映画の方法論」の中で培われた感性に支えられているのでは、という疑念は、やはり持ちながら観るべきだ、とまではいかなくともせめて「持ちながら観るにこしたことはない」とは思うんですよ。

 そのために、今回上映前のトーク(正確には自分の観た前の回のアフタートークですが)で、太田昌国さんの話を聞けたのはよかったな、と。

 で、例によって続くんですが。せめて予告編なりとも。

 

 ボリビアに関しては以前、「雨さえも」という、「叛乱者たち」の最後の方に出てくる「水戦争」を扱った映画を観てまして、こちらにざっくりしたレポがあります。こちらは主人公も視線も西洋のもの(当たり前か)。
 もひとつ、「ダンス・イン・ザ・ミラー」ですね。ボリビア・マンタの「アクリマティマ」がフィナーレに使われてました(今でもにこやかに首を振るK村さんが〜( ̄▽ ̄))。このときはずいぶん音源を探してですね、前述の太田さんにまで「ボリビアのCDが揃ってるお店はないですか〜(T_T)」泣きついたという(←結局なかった)思い出深いというかはた迷惑なというか、そんなご縁もあったりしまして。「ミラー」の再演やってくれりゃいいじゃねぇかよ(すべての道をそこに通じさせるつもりか>ぢぶん)。

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2014/05/10

「斬る」(びっくりマークはない)

 さて、「斬る」ですが。

 なんつっても白黒だし、血の出ないチャンバラはいいなー(って、最初の家老襲撃の所は腕飛んだりしてますけども。って、前回の「自席家老」ってなんだよ! 「次席家老」だよ! 座りっぱなしの家老かよヽ(`Д´)ノウワァァァン)←直します)。

 とりあえず、主役は仲代達矢の源太なんですな。レビューとかでも「仲代の飄々とした演技が」みたいな話でありますし。しかし一応は仲代達矢と高橋悦史の二枚主役と言いますか。「ダイナマイトどんどん」が、菅原文太がケンカしまくりの映画なら、こちらは高橋悦史が走りまくってる映画というか。どえらいテンションであっちからこっちまで、縦横無尽に駆け抜けていく映画であります。たまらんわーヽ(´▽`)/。高橋悦史って、こんなにイイ男だったんだなあ。若いってすごい(なんだそれは)。

 隣村の一揆で百姓達が虫けらのように殺されるのを見た半次郎は、虫けらはゴメンだ、と侍になろうとする。藩政を私物化していた上司を義憤から斬った親友を藩命で討った源太は、侍を捨てる。鮎沢の目論見が少しずつ露見するたびに、源太はいう。「なあ、お前の憧れてた侍ってのが、どんなものかわかったろう?」「いいや、わからねぇ」(←ある意味まどマギ的なやりとり)。ど直球の半次郎と、曲者の源太の凸凹コンビが、敵味方になりながらもなりきらない、奇妙な友情関係なんだけども。まあそれもある意味半次郎の片思いというか。源太は笈川達に自分のかつての姿を見て助けてやりたいと思うけど、半次郎は「侍になりたい」だけだから、行き当たりばったり、敵味方関係なく、源太がピンチなら助けに行っちゃう。大体、鮎沢からの最初の命令が「(事情を知ってしまった)源太を斬れ」なんだけど、源太に「斬ったことにしとけばいいじゃん」って言われて「あ、そうか! よし!」ってくらいなもんで。

 いやー、すがすがしいまでのまっすぐっぷりですのよヽ(´▽`)/! 女郎屋に行っても「白粉お化けはいやだ、土の匂いのする女がいい」なんて言っちゃってね。

 砦に立てこもる七人の方はといえば。源太が「酒と女がなければ(七人の結束は)だいじょうぶ」と言ってるそばから、笈川の婚約者の星由里子がのこのこ砦山に上がっちゃうという。しかも、残り六人の内の三人がかつてその星由里子を奪い合ってたっていうんだから、これがただじゃすまんわな。さらに砦の奥から酒まで見つかっちゃうし( ̄ー ̄)。この仲間割れの具合はもう現実のパロレベル。68年という時代を考えると、ある意味予見的なというか、それだけに普遍的なというか。うわあ、やっちまったぜ、というか。ちなみに討手のB班のヘッドが天本英世なんだけど、陣笠のせいもあって、言われなくちゃわからない(というか言われてもわからない)。

 寄せ集めのがさつ者ばかりの浪士隊の方は、ひとりすずやかな岸田森の組長さんが持って行っちゃいますなー(←だからこその「岸田森特集」)。中村敦夫が色男役なら、岸田森はクールな二枚目枠。そして神山繁は正しい悪役(ちょっと小者)。

 そして正しいジジイ、東野英治郎だヽ(´▽`)/! もう一人のご家老さんは、若者の決起に巻き込まれないように早々に鮎沢さんちで寝ほうけて幽閉され、源太を助けにきた半次郎に助け出され……というよりも、源太を助ける手伝いをさせられて脱出し、その後は女郎屋でごろごろしてるうちに鮎沢も成敗されるという。考えようによっちゃ、いちばんちゃっかりしたジジイではあります(←最後はその女郎たちの借金を全部払ってあげるわけだが、まあそれくらいは家老なんだから)。ある意味、東野英治郎と仲代達矢の「飄々合戦」みたいな映画だな。
 東野英治郎も、「若いな−」と思ってもジジイだからねえ。ジジイじゃない東野英治郎のフィルムというのは現存してるのだろうか。

 ま、最後は源太の手による百姓達の大騒ぎでチャンバラを治め、カタッ苦しさに嫌気のさした半次郎は上下と刀を捨てて、自由になった女郎達と源太と旅に出るわけですな。これまたちゃっかりと「土の匂いのする女」といちゃいちゃしながらね。

 てなわけで、ガハハハ笑いながら痛快に突っ走り。楽しかったですよーーヽ(´▽`)/。

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2014/05/08

喜八監督の「斬る」

 つことで、連休2本めの映画はやはり岡本喜八の「斬る」。シネマヴェーラは「岸田森特集」だったんだが、岡本喜八を拾って見るということに( ̄▽ ̄)。同時上映の「可愛い悪魔」はずーーっと昔、まだ大井町
に武蔵野館があったころに(学生時分だなー)、大林宣彦特集で見ましたが、これがまたコワイコワイ。火曜サスペンスなんだけど、いわゆる「聖ロザリンド」モノで(って、ぢぶんが命名してますが)、天使みたいなお嬢ちゃんがどんどん人殺しちゃうやつね。もう一度見たかったのはやまやまなんだけど、最近もう流血モノがつらくてさー(でもみんな、覚えてるのは「頭から金魚鉢」なんだよな( ̄▽ ̄))。
 
 それはさておき。

 古い映画でチラシやパンフがなくとも、ネットでスタッフからキャストまでわかっちゃうところが便利な世の中ですな。1968年、白黒映画です。

 空っ風の吹く上州にふらふらとやってきた食い詰め浪人(と思われる)田畑半次郎(高橋悦史)。そこで出合ったヤクザの源太(仲代達矢)は、ちょっと訳あり。実は半次郎は田畑を売って刀を買った百姓上がり、源太は逆に武士をやめてヤクザになった男だった。半次郎が仕官のつてを求めて次席家老の鮎沢(神山繁)のもとに向かった後、源太は笈川(中村敦夫)ほか七人の侍が城代家老溝口を汚職の元凶として討ち取るのを目撃する。ひょんなことから笈川たちに肩入れすることになった源太だが、笈川たちを私闘として討ち取るべく鮎川はすでに網を張っており、七人は、江戸の藩主へ直訴に立った仲間を待つために「砦山」の砦に立てこもる。一方、半次郎は無事に鮎沢の募集した浪士たちとともに砦山の襲撃部隊に加わるが、鮎沢配下の鉄砲隊が浪士たちをも容赦なく撃ち殺すのを目の当たりにして、鮎沢への怒りをたぎらす……。

 と書くと、いかにもな感じですが、基本的にはコメディです( ̄▽ ̄)。「コメディ」なのは高橋悦史ともうひとりの家老だかなんだかの東野英治郎くらいなんだけど、高橋悦史が全部さらっちゃうくらいの勢いだからなー。……本当はシリアス劇なんだろうか。むーん。

 つづきますです(←体力に欠ける昨今)。

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2014/05/05

連休は。

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 連休ももう1日で終わりだし、と思って、冷蔵庫に残ってたワインをクラブソーダで割って飲んだら、ブログ書けんようになってしまったよわははははは( ̄▽ ̄)。

 ええと、そんなわけで3日に「ダイナマイトどんどん」を見て、4日に同じシネマヴェーラの岸田森特集で岡本喜八監督の「斬る」を見て、今日は松山の「シンデレラ」(山川・刑部組)を見ました。大変よい連休でした。6日は家の仕事をする。衣替えとか、トイレ掃除とか。あとクリーニングに出しに行かなくちゃ。なにせ、この一ヶ月、ほとんどうっちゃらかしでしたからねえ。そう、今日で捻挫してからちょうど一ヶ月なのですよ。はー。片足ふんばれないというだけで、できない/しづらいことってたくさんあるんだなあ。ぢぶんは長くても一ヶ月というのがわかっていたので、治るまでやらない、という選択をしたわけですけど、これが半年とか一生とかになれば、それでもなんとかやる工夫をしなくちゃならないってことなんだなあ。

 シネマヴェーラは、結局会員になってしもうた( ̄▽ ̄)。400円引きになるので、チラシ送付1400円会員になっても、4回みれば元が取れます。もう2回見たw。そして来週からは野村芳太郎特集で、できれば2本見たいし、その次には千葉真一特集が待っています。「沖縄やくざ戦争」やらないかなあ。あと「新幹線大爆破」。

 東バの夏の日程もいろいろ出てます。海外公演の中にK村さんの名前がないのに気を取られて、杉山くんの「舞楽」デビューを見落としましたっΣ( ̄ロ ̄lll)! ごめんなさいごめんなさい。小品とはいえ初主演なのにっ! 見たいよう、見たいよう。杉山くんが真ん中を踊る日が来るとは(←ヒドイ)。持ち前の繊細さが上手く出るといいなあ。

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2014/05/04

ダイナマイトどんどんどん

 続きです。

 いやー、そんなわけで面白かったですよ「ダイナマイトどんどん」。ヤクザ映画と野球映画の両方のパロともオマージュともつかぬ感じの。ほかのチームはそれなりの野球のユニフォームなのに岡源ダイナマイツだけ白のステテコに腹巻きだったりね。

 よその論評で「北大路欣也がいちばんクセがない」的なことが書かれてましたが、まさにそうなってしまうくらいにほかのメンツが曲者だらけ( ̄▽ ̄)。
 とにかく菅原文太がよく動くわ−。顔も身体も忙しい。常にケンカしてるか野球してるかみたいなもんで。「野球なんて子供の遊び」とかタンカ切っちゃったものの、みんな野球に夢中でだあれも相手にしてくれなくなっちゃったときの拗ね拗ねっぷりがたまらんかったりして( ̄▽ ̄)。
 で、出入りに行くのに一張羅を大量のナフタリンとともに箪笥から出して、水垢離して、仏壇に挨拶して出かけると、兄弟分というか、組では加助と五分の留吉が、加助の心情を察して待ってるわけですよ。加助の家の直ぐ近くでね。で、「ナフタリン臭ぇ」って。そういう映画。

 そういう映画ってどういう映画だよってことなんだけど、でもなんか「そういう映画」なんですよ。一所懸命なのにどこかオカシイ。歯車がずれたとかではなくてね。人生ってなんかいつも可笑しいよね、っていう。「可笑しい」と「悲しい」は同じ事かもしれないな、って。

 三下の石橋正次が若いよ! 実年齢はそれほどでもないような気がするけど、もう高校球児でも通用しそうなくらい(笑)。殴られてばっかりの役だけど、なにやってもカワイイ。
 アル中のピッチャー役の田中邦衛はもう、出てるだけでギャグ。存在がギャグ。すごいわー。アラカンの岡源は、脳梗塞か何かで言語障害がある役なんだけど、それが何かにつけて「にんきょー!!(任侠)」って叫ぶのがね。もうさすがアラカンとしかいいようのないおかしさで。で、その通訳をする側近が中谷一郎。決勝戦の主審に大前均、それがデッドボール(審判にだからそうは言わないのか)で退場した後には草野大悟とくれば、もう可笑しくないわけがない。スコアボード裏、橋伝側の野球賭博チームにはクールなのにピンクのスーツの岸田森、三下のイデこと二瓶正也がハイテンションに盛り上げる。がっちりついたMPなんぞはモノともしないあまりの乱闘ぶりに、GHQの司令官が「第七艦隊を出動させる」といえば、所長の藤岡琢也が「第七艦隊でんなんでんもってこい!」と怒鳴り返す。「パンパン」たちはヤクザにむかってタンカを切り、ダグアウトの上でブラジャーを振り回しながら応援合戦だ。

 このエネルギーは何なんだろうなあ。スクリーンからはみ出して、ダダ漏れどころか洪水を起こさんばかりの。78年という時代、(舞台となった)50年という時代、それぞれあるかもしれないけど、喜八監督の描く人々は、みんなどこかエネルギッシュでアナーキーだ。喜八監督は「民衆」を信じてるんだなあ、と思うよね。時に応じて、それは「民衆」だったり、もっとミニマムな「人」だったりするんだろうけど、根本的なところで「生きる」ということを信じてる人の映画だな、と思うんだよな。

 ちょっとだけ気になったのは、GHQ側の脅し文句の「オキナワで強制労働させるぞ!」ってヤツで、実際にラストは岡源・橋本両組まとめてオキナワ行きなんだけども。もちろん50年は軍政下だし、78年は復帰以降なんだけどもね。ある意味「アラスカ」「シベリア」と同じように扱われているのが興味深くはあるっつうか。

 そして50年といえば、戦争の影のまだ濃い時分。GHQの存在自体がそうだし、「どうせ特攻帰りだ−」という台詞も出てくるけども、何よりその影を背負ってるのはフランキー堺の五味監督。最後の大乱闘の最中に橋伝組の撃った弾が監督に! と思ったら、何のことはない義足貫通なんてネタもありつつ(←そもそも監督も松葉杖で散々人を殴ってるわけだが)、銀次がかつて詰めた指で投げる球が魔球(ドロップとかだけど)になると知った石橋正次が決勝戦前に自ら指を詰めたのがわかったときには、「戦争でもないのにこのバカが」と降板させたり。もみ合う中で、手袋の中のかつての「黄金の右手」がやけどで失われていることがわかるのもこの場面。そしてラスト前、出征前の最後の公式戦でのライバルとの対決をしみじみと語り……。

 思えばこの翌年の79年に、「最後の早慶戦」を撮るんだよなあ(←これは公開時に見た)。

 円陣組んで「ダイナマイツ〜」「どんどん!」(←足を鳴らす)。原作の「新遊侠伝」からタイトルを「ダイナマイトどんどん」にしちゃう、そのセンスには脱帽だあ( ̄▽ ̄)。

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2014/05/03

ダイナマイトどんどん!

 シネマヴェーラ渋谷の岸田森特集でかかった「ダイナマイトどんどん」。ぢぶんが岡本喜八監督を意識して見始めたのはもうかなり後期に入ってからだったので、これは見たい一作でありました。78年作品。原作は火野葦平の「新遊侠伝」。とはいえ、過去2回映画化された作品とはかなり違うような。というか3作とも違う話になってるんだけど(笑)、どれも「任侠コメディ」ではあるらしい。

 舞台は1950年の小倉。進駐軍との闇取引にいそしむ橋伝一家と、それを妨害する加助(菅原文太)ら岡源一家。そのはちゃめちゃぶりに警察署長(藤岡琢也)の提案のもと、北九州のヤクザをひとまとめにして「任侠の親睦団体」を作り、「民主主義的解決」をはかるべく野球のトーナメント試合を行うことに。橋伝一家の花巻(岸田森)が金に糸目をつけぬやり方で選手を集めるのとは裏腹に、なんとか頭数を揃えた岡源組は、元プロ野球の傷痍軍人五味(フランキー堺)を監督に迎えて第一戦を迎えるが、相手チームの投手(田中邦衛)に手も足も出ない。それを見て、野球なんてと馬鹿にしていた加助も参戦、一計を図ってなんとか一勝をあげる。

 岡源組の苦戦に、岩国の親分から元ノンプロの銀次(北大路欣也)が助っ人に送り込まれるが、彼は岡源組の面々が出入りするおでん屋の主人お仙(宮下順子)が待ち続けていた亭主であった。お仙をめぐって加助と銀次の間に緊張が走るも、その次の試合は快勝。しかし、橋伝(金子信雄)は岡源(嵐寛寿郎)を挑発して、決勝で負けたら岡源のシマを譲る証文をとりつけ、そのすきに花巻は岩国に手を回し、銀次を引き抜いてしまう。橋伝に殴り込みをかけた加助と留吉(小島秀哉)は重傷を負いながらも、決勝戦で銀次との対決に臨む。が。

 (力尽きたので続く)
 

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2014/05/02

連休は

 さて、杖もとれたことではありますが、まだ長く歩くと靱帯ジンジン♪ 固定していた足首の可動域が狭いので、思いの外疲れます。足を投げ出して、右は水平くらいまで伸ばせるけど、左は45度も行かないくらい。内側に反らせる方は全然です。足首の形もまだ左右で違っていて、腫れてるのは外側ですが、痛いのは内側の三角靱帯。整骨の先生からは「押しても痛くなくなったら可動域を増やすリハビリ」と言われてるんだけど、まだ痛いよう。下りの階段もまだちゃんとは降りられないし。

 捻挫に関しては、こちらがわかりやすかったです。ザムストって、日本シグマックスという医療メーカーのスポーツブランドなんだそうだけど、スポーツブランドなだけに、競技者やコーチ向けのアドバイスも出てる。ぢぶんのサポーターはここのA1ショートというヤツです。なかなか快適。

 というわけで、連休後半は、渋谷で岸田森の特集上映を2回と松山のこどもの日スペシャル(山川・刑部組)を見ることにしました。家の片付けはどーするんだ。ウカマウの上映会は来週行く。松山のこどもの日は、安いのはいいけどテープ公演なんだよなあ(というのもあって東府中に行ったんですが)。年末の刑部さんの王子デビューを見損ねたので、今度は見るよ(^▽^)。つか、垰田さんの義姉が見たいんですが。こどもの日スペシャル、去年まではマチネ2回だったのに、今年は1回なのね。

 ボリビアの映画集団「ウカマウ」の特集上映はこちら。新宿のK'sシネマです。恥ずかしながら、初ウカマウだわーー。「シネマテークインディアス」の太田さん(そういう肩書きなのか)に会った時に、チケット買いがてら「1本見るなら何がいいですか」と聞いてみたところ、「地下の民」と即答でした。なんの躊躇もなかったな。なので、初ウカマウの人には「地下の民」オススメかも。ぢぶんはトークが面白そうな日に行きます。こないだの「シバ」、トークのゲストがひどすぎて興ざめしちゃったんだよ……。聞かないで帰ればよかったと思ったけど、いいか悪いかは聞いてみないとわからないからねえ……。

 

 Ca3k1114

 後楽園のライトアップ。これを「キレイ」と思うかどうかはビミョーだなー。

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