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2014/05/10

「斬る」(びっくりマークはない)

 さて、「斬る」ですが。

 なんつっても白黒だし、血の出ないチャンバラはいいなー(って、最初の家老襲撃の所は腕飛んだりしてますけども。って、前回の「自席家老」ってなんだよ! 「次席家老」だよ! 座りっぱなしの家老かよヽ(`Д´)ノウワァァァン)←直します)。

 とりあえず、主役は仲代達矢の源太なんですな。レビューとかでも「仲代の飄々とした演技が」みたいな話でありますし。しかし一応は仲代達矢と高橋悦史の二枚主役と言いますか。「ダイナマイトどんどん」が、菅原文太がケンカしまくりの映画なら、こちらは高橋悦史が走りまくってる映画というか。どえらいテンションであっちからこっちまで、縦横無尽に駆け抜けていく映画であります。たまらんわーヽ(´▽`)/。高橋悦史って、こんなにイイ男だったんだなあ。若いってすごい(なんだそれは)。

 隣村の一揆で百姓達が虫けらのように殺されるのを見た半次郎は、虫けらはゴメンだ、と侍になろうとする。藩政を私物化していた上司を義憤から斬った親友を藩命で討った源太は、侍を捨てる。鮎沢の目論見が少しずつ露見するたびに、源太はいう。「なあ、お前の憧れてた侍ってのが、どんなものかわかったろう?」「いいや、わからねぇ」(←ある意味まどマギ的なやりとり)。ど直球の半次郎と、曲者の源太の凸凹コンビが、敵味方になりながらもなりきらない、奇妙な友情関係なんだけども。まあそれもある意味半次郎の片思いというか。源太は笈川達に自分のかつての姿を見て助けてやりたいと思うけど、半次郎は「侍になりたい」だけだから、行き当たりばったり、敵味方関係なく、源太がピンチなら助けに行っちゃう。大体、鮎沢からの最初の命令が「(事情を知ってしまった)源太を斬れ」なんだけど、源太に「斬ったことにしとけばいいじゃん」って言われて「あ、そうか! よし!」ってくらいなもんで。

 いやー、すがすがしいまでのまっすぐっぷりですのよヽ(´▽`)/! 女郎屋に行っても「白粉お化けはいやだ、土の匂いのする女がいい」なんて言っちゃってね。

 砦に立てこもる七人の方はといえば。源太が「酒と女がなければ(七人の結束は)だいじょうぶ」と言ってるそばから、笈川の婚約者の星由里子がのこのこ砦山に上がっちゃうという。しかも、残り六人の内の三人がかつてその星由里子を奪い合ってたっていうんだから、これがただじゃすまんわな。さらに砦の奥から酒まで見つかっちゃうし( ̄ー ̄)。この仲間割れの具合はもう現実のパロレベル。68年という時代を考えると、ある意味予見的なというか、それだけに普遍的なというか。うわあ、やっちまったぜ、というか。ちなみに討手のB班のヘッドが天本英世なんだけど、陣笠のせいもあって、言われなくちゃわからない(というか言われてもわからない)。

 寄せ集めのがさつ者ばかりの浪士隊の方は、ひとりすずやかな岸田森の組長さんが持って行っちゃいますなー(←だからこその「岸田森特集」)。中村敦夫が色男役なら、岸田森はクールな二枚目枠。そして神山繁は正しい悪役(ちょっと小者)。

 そして正しいジジイ、東野英治郎だヽ(´▽`)/! もう一人のご家老さんは、若者の決起に巻き込まれないように早々に鮎沢さんちで寝ほうけて幽閉され、源太を助けにきた半次郎に助け出され……というよりも、源太を助ける手伝いをさせられて脱出し、その後は女郎屋でごろごろしてるうちに鮎沢も成敗されるという。考えようによっちゃ、いちばんちゃっかりしたジジイではあります(←最後はその女郎たちの借金を全部払ってあげるわけだが、まあそれくらいは家老なんだから)。ある意味、東野英治郎と仲代達矢の「飄々合戦」みたいな映画だな。
 東野英治郎も、「若いな−」と思ってもジジイだからねえ。ジジイじゃない東野英治郎のフィルムというのは現存してるのだろうか。

 ま、最後は源太の手による百姓達の大騒ぎでチャンバラを治め、カタッ苦しさに嫌気のさした半次郎は上下と刀を捨てて、自由になった女郎達と源太と旅に出るわけですな。これまたちゃっかりと「土の匂いのする女」といちゃいちゃしながらね。

 てなわけで、ガハハハ笑いながら痛快に突っ走り。楽しかったですよーーヽ(´▽`)/。

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