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2014/06/22

「われわれは〈リアル〉である」展

 つことで、吉祥寺の武蔵野市立美術館にて「われわれは〈リアル〉である 1920s -1950s プロレタリア美術運動からルポルタージュ絵画運動まで:記録された民衆と労働」(長っ!)を見に行ってきました。タイトルは長いけど、100円です。この企画展示に常設展2室がついて100円です。武蔵野市、太っ腹だよなあ。

 こちらに詳しい概要がありますが、大正→戦中→戦後と4室に分け(戦後が2室)、民衆の「生活のリアル」をテーマに、印刷物(雑誌など)と絵画を中心に展示してあります。100円だからと馬鹿にしてはイケナイ。雑誌資料の、広げてある漫画を読んでいくだけでも、全部読んだら結構な時間がかかるくらいあります(途中で挫折)。プロレタリア絵画展の絵はがきセットとか、レアものも多数。よくこれだけ集めたな−。

 商業施設の上(7階)にあるだけに、展示室は大きな油彩を見るにはちょっと手狭ですが(後ろに下がって見る余裕はあまりない)、こちらもいろいろありました。
 ぢぶんは、中村宏が出てるっていうんで見に行ったんですが、中でもジラード事件を題材にした「射殺」が出てたのは嬉しかったなあ。池田龍雄も何枚か出てたけど、「空中楼閣」はやっぱりいいな。年代によっていろんなタッチの作品を描いてきた人だけど、ちょうど好きな辺り(50年代)のが出てた。思いも寄らずに浜田知明の「初年兵哀歌」シリーズがあったのも嬉しかった! 戦争画もメジャーな作品ではないけど、大きいのが2枚ありました。

 「生活のリアル」、つまり「労働」の絵画を年代を追って見ていくのですが、それはすなわち、プロレタリア運動として始まった同じ主題が軍事翼賛つまり「報国」と「増産」へ、そして敗戦を経て再び抵抗、そして「抵抗の記録」へと変化していくさまを見ることになるわけで、結局主題そのものを支える「意志の力」、そして批評性が作品にどれだけ表れるか、どれだけそれらを読み解けるか、ということでもあるんだなあと、あらためて思います。その意味でも、すごく意欲的な展示でした。

 運動圏における「文化」あるいは「文化運動」って、いろいろあるんだけれども(特に文芸作品は玉石混淆だよねえ)、こうして機関誌であれ作品であれ、残ることで運動もまた記録/記憶されていくんだなあともつくづく思ったのでありますよ。

 これで100円ですよ、しつこいけど。図録はオールカラーで650円。論文などは出てないけど、必要な解説は載ってます。

 併設の常設展は版画家が2人で、こちらも自分好み(←版画好き)。29日までなんであとちょっとだけど、夜は7時半まで開いているので、お時間のある人はぜひ〜♪ 吉祥寺のサンロード側の口、コピス吉祥寺の7階です。

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コメント

タイトルは長いけど100円はすごいですね~。これなら図録買っちゃいますよね。
同じ展示会も巡回する都市によって入場料が変わるものありますが、それにしても100円。ひょっとしたら無料にもなってたかもしれませんね(苦笑)

投稿: おロシア人 | 2014/06/26 09:07

ケタ落ちの誤植かと思って見直しちゃいました(笑)。
武蔵野市は、ホールの催しを見ても、
「文化行事」への矜持を感じさせますね。
図録も、映画のプログラムくらいのものなので、
2000円以上もする立派なものよりも、逆に買いやすいです。
自治体だと利用人数がものをいうと思うので、
これからも続けてもらうためにも、たくさんの人に入って欲しいです〜。

投稿: 綾瀬川 | 2014/06/27 01:49

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