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2014/08/31

祝祭ガラ(い)

 終わっちゃったなあ……めそめそ。というくらい、楽しく2日間過ごしました。やっぱ東バ見てる時がいちばん楽しい。ほかにすごいものも素晴らしいものもたくさんあったとしても、やっぱいちばん楽しい。全然見られないと思ってたK村さんも、カテコだけとはいえ2日間見られたしな……。

 ぢぶんが東バに通い始めたのが2004年の3月からなので、ちょうどぢぶんにとっても10周年。ファンとして長いとも短いとも言えないような気がするんだけど、とりあえず濃密には見てるとは思うんですけども。いい悪いとかだからどーだというのは別にして。なので、見ながらいろいろ来し方も思えば感慨にもふけりまして。いろいろあったなあ。何から書けばいいのかよくわかんないや。
 もう90年代に入団したのは氷室ックくらいかなあ、と言っていたら、氷室ックも2000年の入団で(2000年は90年代かという議論はさておき)、「芸術スタッフ」以外はみんな今世紀に入ってからの人たちらしい。ちょっとびっくり。

 昨日のキャスト話に追加をすると、御者ズに河上くんと虎ちゃんを発見。上滝くんが漏斗みたいなのかぶってたな……。くらいかしらん。お役人さまは永田くん。ヒゲ多すぎてわかりづらいけど、多分。ヒゲ多いって言えば、虎ちゃんがもう顔の面積よりヒゲの面積が多いっていうくらいの( ̄▽ ̄)。それにしても前回どこにいたかもよくわかんなかった杉山くんが親方だもんなあ(←まだ驚いてる)。2階から魚釣りしてるのは誰なんだろう。

 ええと、今日は二階正面の前の方でした。ペトルーシュカもスプリング……も、昨日よりも伝わってくるものが多かった気がします。最終日だったこともあるかもしれないし、近いとはいえサイドから見ているよりも、ある程度遠くても正面から見た方がいいというのもあるかもしれない。あと「目が慣れた」とかね。
 バヤの群舞は上から見ても下から見てもすごく美しかった。全幕だと紗幕入れられちゃうことが多いんだけど、今回はそれがなかったのもよかった。前列も人の入れ替えがだいぶあったようだけども、やっぱり真ん中に矢島さんがいると心強いな。伝田さんも頼もしくなった。足音が気になったのは、ワルツの後の舞台から捌けるときだけだな(ソロルの出の前)。あそこだけなんだよなあ。

 ついでだから(?)、バヤから行きますか。

 水香ちゃんはよかったところともう一つなところと。以前よりも力みみたいなものが抜けて、変に作ったようなところがなくてナチュラルな感じ。このかんそういう印象なんだけど(ボレロとかも)、その方がずっといいように思う。自然にふるまっても、10年前みたいな「からっぽ」な感じもなくて。腕の使い方は相変わらずあまりクラシックではないんだけども。コーダの高速シェネなどはさすが。

 弾くんはクラシックになるといきなり大味になっちゃうんだよなあ。その辺りも高岸さん的というか。サポートは丁寧だし、特にヴェールのところなんかは上下にばっさんばっさんやりながらも左の送りは毎回きちんと調節してて、ちょっと感心。まあ自分の中で「弾くんならもっといけるハズ」みたいな気もあるんだろうけども。そんでクラシックにはもう少ししぼんないと……なあ。せっかく上背あるんだからもったいない。

 ヴァリエーションは土曜の1ヴァリの吉川さんの弾けっぷりがなんかすごかったな。こんなに弾けるタイプだっけ? っていう。3ヴァリの乾さんが変わらずの安定。2ヴァリの渡辺さんが、最初おっとりさんでいいなあという感じだったんだけど、足回りの調子が悪かったみたい。「降りる」ときのミスが結構多い気が。日曜の1ヴァリの岸本さんが可愛く、2ヴァリの奈良さんがさすがの貫禄。3ヴァリの高木さんはコンテの時の方がいいかな。どっちの組も3人で踊る時はよかったです。

 

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2014/08/30

祝祭ガラ(あ)

 結局寝堕ちしてたよ……。というか目が痛い。

 東バの「祝祭ガラ」、2日めです。初日の追加公演に行かなかったのでマイ初日。上手サイド前方で、ところどころダンサーの陰になって見えないところが発生しましたが、総じて悪くない席でしたー。バヤのコールドの陰になって3ヴァリの乾さんが上手側に行った時が欠けたのと、ペトの下手側の大道芸(河合さんの方)が見えなかったくらいで、あとはそれほどでもなかったかな。背中しか見えないよう、という時はあったけど。

 ペトルーシュカは、初演の時がいちばん勢いがあったような気がするな。全体におとなしめにまとまっちゃったような。親方の杉山くんにもう少し、全体を引っ張ってく感じがあるといい気もするけど、まあ元々「雑駁なエネルギー」みたいなものが狙いのような気はするし。
 しかし! キャラ的には親方よりも馬丁ズなんだろうなあと思いつつも、「うちの奥さん好き好き大好きヽ(´▽`)/」っぷりがすごくて大笑いでしたよ。前回のナガセは「尻に敷かれる」だったけど、杉山くんは「ベタ惚れ」。スカーフを次々渡されてひっくり返っちゃう場面、ナガセもおかしかったけど、今回はよりリアルで爆笑。親方にしてはお人好しすぎるなあ。本質的にはクラシックの方なんだなあ、と思うくらいにコサックをキレイに踊ってました。ナガセの時ほど、お腹の詰め物が多くなくてよかったよ! 

 馬丁は岸本くん+蓮くん。蓮くんの笑顔がさわやかだったよ〜。御者ズは氷室ックが入ってたような気がするけど、あのメイクとつけひげなので確定はできない。乳母は高木さんがリーダーで、女子をうまく引っ張ってました。キレイだなあ。商人の和田くんは前回森川くんとダブルだったっけ? ジプシーは奈良さんと矢島さん。奈良さんがさすがの貫禄だけど、矢島さんもフレッシュ。毎回話題の熊の中の人は宮崎くんぽかった(カテコで頭脱いでた)。熊の場面が意外と長かったなあ。というか熊の演技が意外と多かったというか(通り過ぎるだけのような気がしてた)。悪魔は最初のカテコでマスクはずしてくれなかったけど、後の方で見たら入戸野くんだったような(←いちばん遠いところにいた)。あのキレは入戸野くんだよね。休憩時間に近くの席で「男か女か」で盛り上がってたよ……orz。

 NHKホールは、入ったところが「2階」なんですが、その2階と下の1階(なんとなく1階と地下のような気がするけど)で、過去の公演のポスター(主に海外公演)がたくさん展示してありました。売店と販売機・座れる休憩所も1階にもあります。トイレも何カ所かにあるんだけど、2部の後はすごいことになってた。あそこのトイレの芳香剤って、なんかマンゴーみたいな匂いなんだよな。

 とりあえず〜。

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2014/08/28

ジプシー・フラメンコ

 伝説のフラメンコ・ダンサー、カルメン・アマジャの生誕100年を記念して、カルメンの姪の娘、カリメ・アマジャとその母メルセデス・アマジャ・ラ・ウィニー(カルメンの姪)のバルセロナでの舞台のリハーサルを中心としたドキュメンタリー。

 ……なんだけど、実はもう一人の主役は5歳のファニートくん。フラメンコの歌い手の甥っ子であるファニートは、フラメンコダンサーになりたくて仕方がない。映画は、カルメンの映画を食い入るように観るファニートから始まり、彼の日常とカリメたちのリハーサルとが重なり合いながら進んでいく。

 いやもう本当に、このファニートくんがいいんですよ( ̄▽ ̄)。真剣な子どもにはかなわないなあ。冒頭の映画を観る場面もそうなんだけど、中程で歌い手である叔父さんが、タブラオに連れて行ってくれるんですね。バックステージで、打ち合わせやリハーサルをするダンサーの様子を見、最前列の真ん中で本番を観るときの彼のワクワク、ドキドキした顔がもう本当にね。ダンサーがいい踊りをすると、もう自分がやったみたいに嬉しそうな、誇らしそうな顔になる。初めて作ってもらったフラメンコ用の靴を履いて踊る時のいっぱしのダンサーっぷりとかね。彼はどんなダンサーになるのかなあ。

 自分はフラメンコについては門外漢なんですが、カリメのステップは大迫力。ファニートがカルメンの映画を観ながら「マシンガンみたい」という場面がありますが、自分はなぜかリベット打ちを思い出してたという( ̄▽ ̄)。お母さんはいくつくらいなんだろう。やっぱりすごい体力いるよね、あれを踊るのは。
 画面は、足元のアップとバストショットが多いので、もう少し全身映して欲しかったなーとい点でやや欲求不満は残るんだけど。
 バンドとの合わせのシーンを含めて、フラメンコ音楽もたっぷり聴けます。フラメンコの歌はいいなあと改めて思いました。やっぱ迫力だわー。最初の方で、馬の蹄鉄を打っていた人の歌がすごいなあ、と。

 何か特別事件があったりするような映画ではないので(舞台の本番の場面ももう少し欲しかった……)、フラメンコに興味がある人向けかも。自分は日曜の午後の回に行ったんだけど、ユーロスペースが満席でした。本当に満席( ̄▽ ̄)。職場の同僚でフラメンコをやってる人がいるんだけど、お教室関係でかなりチケットが回ったりしたのもあるみたいです。なので、ちょっと早めに行くとかした方がいいかも。ちなみにユーロスペースは整理番号順入場です。ロビーに衣装の展示もありました(←混んでたのでちゃんと見なかったけど)。

 公式サイトはこちら。ユーロスペースはこちら。渋谷のBunkamuraからすぐです。

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2014/08/26

そら

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2014/08/24

独立機関銃隊未だ射撃中 その2

 2本立てで見てるのに、1本書くのに2日使ってりゃ追いつくわけがないという……orz。

 「密室の群像劇」ともいえるもので、構成自体は非常に演劇的だと思いました。ただ、最後のトーチカが陥落する場面(特に火炎放射器の恐ろしさ)は、演劇では無理だろうなあと思いますが。場面も、白井の配属からトーチカ陥落まで、ほぼトーチカの中だけですしね。例外的に、戦車への攻撃に出た班長と渡辺のシーンがあるだけで。人の出入りはあるから「密室」とは言えないんだけど、トーチカという舞台がそう見せる、という。

 最初は白井が主人公のように思えるんですが、だんだんにウェイトが分散していって、最終的には原が主人公だったように思えてくる。この原(太刀川寛)が、ちょっと面長の眼鏡で、見るからに水木しげるの戦記物に出てくるような「日本兵」で。で、最初っから班長に「ビビビビビビ!」ってビンタを受ける。これは、重機関銃の操作演習中に、きちんと目標に照準が合ってないのに「合った」と嘘をついたのがばれたからなんだけど、原がその時に見ていたのが花(多分スカシユリの類い)の群落なんですね。で、ラストシーンで、その花が砲撃に耐えて一輪だけ咲いてるのに、手を伸ばすんです。

 原は「学徒兵」らしく、ちょっと要領も悪いし、ちょっとインテリっぽくふるまってしまうところもあって、それがほかの3人には鼻につくのだけど、実際にいちばん「戦友」にこだわって大事にしてるのも原だったりするんですね。錯乱する金子をかばうのも、小隊長に、金子は「立派に死んだか」と問われて口ごもる班長に変わって「立派な戦死でした」と答えるのも原。たき付け用の紙がコンサイスの辞書だったことに気づいて目を細めて嬉しそうにそれを眺めたり、遺書を書く白井から「ヤスクニの「ヤス」ってどんな漢字ですか」と聞かれて自分の方が傷ついたように不機嫌な顔をしたり、思えば印象深い場面が多い。

 佐藤允演じる渡辺の方は、中盤まではそんなに目立たずに、班長の頼りになる片腕、って感じなんだけど、最後の晩の独白ですごく印象が変わる。字もろくに覚える暇もないような貧農の出での彼が、インテリの原をどことなく疎んじてた意味や。学徒兵って結局「エリート」だからね。この時代に大学に行ける人たちなんだから。この、現役兵と学徒兵の確執は、多くの映画でも描かれるし(例えば「真空地帯」でも)、実際に元「学徒兵」の知人から聞いたこともあるんだけど、班長が戦死し、明日は死ぬだろうという晩に、互いに腹をさらけだすことで、三人の関係がごくわずかな時間でも、変わるんですね。全体が緊迫しつつも、なにか端々にすごく繊細な感情を感じる映画なんですよ。それは太刀川なり佐藤なりの演技の繊細さ、でもあると思うんです。

 班長については多くは語られないんだけど、バターンの生き残りだっていうのがちらっと話に出てくる。「オレには弾は絶対にあたらねえ」っていいながら、いつもこっそり腰につけたお守りを触るんだけど、その由来とかは出てこない。でもトーチカの外で直撃弾をくらって戦死して、渡辺が帰ってみると、金子ともめたときにもげたのか、トーチカの中にそのお守りが落ちていたりとか。上官にも調子がよくて、「広島に新型爆弾が落ちて全滅」と言われても、「デマに決まってんだろ」とかっこよくふるまってるけど、実はどこか気弱なのかも、というのがそのお守りのエピソードだったりするんだな。

 白井の少年らしいまっすぐさは、自分が学徒兵だっていう原から見ても「こんな子どもに……」と思わせる初々しさ。峯岸兵長の死体を前に、「自分が戦死したら遺骨は日本へ帰してもらえるんでしょうか」と真面目に聞く。で、班長が「大丈夫だから安心しろ」というのに「それだけが心配で」と嬉しそうにするのが痛々しいんだけど、その白井が骨どころか、何も残らないというのがまた。

 それにしても、米軍がトーチカや壕に火炎放射器で攻撃するのは沖縄戦のフィルムで何度も見ていますが、トーチカの中からそれを見るのは(当たり前だけど)初めてで、いや本当にあれは怖ろしい。銃眼から手榴弾が投げ込まれる、それをアワアワしながら投げ返す、機関銃突っ込まれて掃射される、火炎放射器がくる。密室の中で、一箇所しかない外への「穴」から、いきなり火を噴いてくるわけだから。あと跳弾だ。跳弾での死者は出ないんだけど、あの怖さも文章だけだとなかなかピンと来ないものだよな……。

 最後の場面、掘り出した渡辺の遺体を、うっすらと笑みを浮かべながら「渡辺……渡辺……」と呼び続け、撫でさする原が、もうなんともいえないわけですよ。壁にこびりついた肉片ともなんともつかないどろどろの物をさすって「白井……」って。そのある種恍惚としたような境地というかなんというか。よくこんな映画撮ったもんだと思わず思ってしまうという。

 守備隊の方針として「死守」と言われたときに、白井はともかく、班長も金子も原も、これ以上の戦いは無意味だけど、でも「死ね」っていう命令なんだな、っていうのは理解しているわけです。命令である以上、従わないわけにいかない。とにかく死なないためにがんばるしかない。それがわかっているから、ソ連の投降勧告に、原は応じようとする。白井は少年らしいまっすぐさから、降伏はいやだ、と言い、渡辺は「なんだかわからないけど」と言う。「なんだかわからない」のは多分、「情」なんだろうと思うんですけども。「意地」というには静かすぎる。でも、二人ともこの先の戦いの無意味さはわかっているから、原を止める気も咎める気もない。班長がいたらこうはいかなかったろうと思うけども、原がほかの二人のことを考えなければ、原だけは投降できたのかもしれない。投降した先にシベリアが待っていたとしても。

 「生きて虜囚の……」と壁に貼ってあったトーチカとともに、すべてが崩れてしまったんだな。そこから逃れられたかもしれない可能性も共に。

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2014/08/22

蓮。

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 暑いともう、頭痛ひどくて。数年前に自律神経失調で、体温調整がちゃんとできなくなって、気温が上がれば体温が上がる、動けば上がる、食べれば上がるで、夏はほんとにツライっす……。今夜もアイスノンと添い寝。

 これも6日の上野。6日、結構写真撮ったのに、全然整理してない。今はそろそろ蓮の花も終わりの頃かな。


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2014/08/21

独立機関銃隊未だ射撃中

 この映画は存在も含めてまったく知りませんでした。新文芸座のチラシに書かれていた短い紹介には「隠れた名作」とありましたが、ホントにこういう映画が埋もれてるんだよΣ( ̄ロ ̄lll)! まだまだ名作あるかもしれない。例によって日本映画写真データベースのこちらを。このデータベースは便利だけど、いかんせんデータ化されてるのが少ないよな……。仕事、くれないかな( ̄▽ ̄)。

 1963年製作。ポスターはカラーですが、映画は白黒です。白黒でよかった……。

 1945年8月11日。ソ満国境のトーチカを塹壕でつないだ前線の部隊に白井二等兵(寺田誠/現「麦人」)が配属される。現地召集の志願兵で17歳の白井に、峯岸兵長(福山博寿)がトーチカの仕組みを教える。彼が配属された重機関銃隊のトーチカには、班長の山根軍曹(三橋達也)以下、渡辺(佐藤允)、金子(堺左千夫)、原(太刀川寛)の4名。山根は頼りになるが陽気で調子がよく、原は学徒兵でどこか気弱そうなインテリ。白井は山根から、銃を口にくわえる自決のやり方を習う。ソ連の戦車隊が国境を越えたとの報に、5人は遺書を書く。山根らのトーチカに来る途中だった峯岸が死に、その遺体がトーチカの中に横たえられる。砲撃の中で金子が錯乱する。負傷者が後方に護送されたことを聞き、歩兵銃で掌を撃ち抜こうとし、山根に見つかり縛り上げられる。

 12日。ソ連軍の猛攻の中、トーチカにも損傷が出る。金子は自力で縄を解くと、外に飛び出していって戦死する。その夜、一晩中トーチカのすぐ外でうめくソ連兵の声に、みな眠れない。渡辺が一人出て行って、ソ連兵を射殺する。
 小栗小隊長(夏木陽介)が「恩賜の煙草」と酒、ようかんを持ってトーチカへ来る。「いつまでがんばるんですか」という山根に、小栗は「守備隊の方針は「死守」だ」と答える。一同、言葉もない。

 13日。白井が指揮所との連絡に出るが、自分たち以外のトーチカはすべて壊滅し、小栗小隊長も戦死していた。ソ連軍の激しい砲撃に重機関銃1丁ではらちがあかず、山根と渡辺が地雷を戦車のキャタピラーに直接突っ込む戦法に出るが、戦車2台を撃破したものの、山根は直撃弾を受けて戦死。3人となったトーチカに向けて、ソ連軍から降伏勧告の放送が流される。

 その夜、三人それぞれに語り始める。原は、なぜもっと勉強しなかったんだろう、と授業をさぼってばかりいたことを悔いた。白井は、入営前に映画ばかり見ていたが、いつも怒る父親も何も言わなかったと。渡辺は貧農の出で、軍隊に入って初めて革靴を履いた、字も読めるようになったし、腹一杯喰うこともできた、と言う。白井が、渡辺の軍服の胸に縫い付けてある五銭銅貨について尋ねると、これは女房が「死線(四銭)を越えて五銭、苦戦(九銭)を越えて十銭と言ってつけてくれたんだ」と、働きづくめの妻と幼い子どものことを心配し、除隊したら満州に妻と子も呼んで……。

 14日。再び降伏勧告の放送が流れる。これ以上の戦いは無意味だ、最後の選択は個人にゆだねられるべきだ、と原が言い、投降しようとする。渡辺も白井も止めはしないが、最後に原が叫ぶ。「三人で生きようということをどうしてわからないんだ!」。渡辺が「オレも行きたいんだ、だが行けないんだ。なんでだがわからないが」と答える。と、最後の総攻撃が始まり、トーチカの銃丸から火炎放射器が火を噴き、渡辺がもろに火を浴びる。火を浴びながらも反撃を試みるがもはやどうすることもできない。
 やがて、崩れ去ったトーチカの下から、原がかろうじて這い出す。「渡辺……、白井……」と二人を探す原。土の下に五銭銅貨を縫い付けた軍服を見つけ、なんとか掘り出すが、渡辺には首がなかった。白井が最後にいた近くの壁には、肉片ともなんともつかないものがへばりついていた。原は立ち上がって歩き出す。11日に銃の照準器から見た花が、奇跡のように一輪だけ咲いていた。ふと手を伸ばす原を、直撃弾が埋めた……。


 

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2014/08/20

暑いので

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 鴨も水没しているロープの上でで涼んでいるという。まあ6日の写真なんですが。この不忍のボート池の「水没してるロープ」は鴨的人気スポットらしく、いつ見ても誰かしら停まってます。この場合の「とまる」はどの字が正しいんだろう……。


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2014/08/19

暁の脱走その2

 で。 

 春美らの慰問団というのは、女性ばかり5人のグループに興行師的なおっさんが1人ついてるんだけど、その女性のリーダーが利根はるゑ。気っぷのいい姉御で、個人的にはこちらの方が好みなんだけども(笑)。トラック移動の途中で敵襲に会い、部隊に引き返した彼女ら一行は改装中のホールの二階を宿舎としてあてがわれるんだけど、「好きな部屋を取りな」という興行師に対して彼女は最初にしつこく念をおすんですよね。「自分たちはここで何をするのか」と。つまりそれは慰安婦にするつもりじゃないのかということに対してものすごい警戒心を持ってる。元々この駐屯地の近辺には慰安所がない、という設定が先に説明されているわけでね。でもまあ案の定、興行師が春美を副官にアッセンしようとして、逆に三上にちかづけてしまうことになるんですが。

 しかしだな。三上は春美の誘惑に負けて一夜を共にするわけだが、それ以前も以降も「上官に背いてまで春美を愛してる」風には全然見えないんですな。まあ、中国軍の病院では献身的に世話を焼いているので、それ以降はその恩義みたいなものは感じているというか、いわば亭主風にふるまうこともないではないんだけど、それでも春美よりも「生きて虜囚の云々」だとか、副官に対する信頼の方が勝っているわけですよ。

 なんだかなあ。春美は「愛する人は自分で決める」という意味においても、相手を破滅させるファムファタルであるという点においても「カルメン」的であるし、むしろその堅物さにおいて三上はホセを思わせるんだけども……。どうにも三上の方に愛情を感じないんだよなあ。池部良が悪いというよりも、ぐるぐるあちこち見るに「春婦伝」の段階でそうらしい(←昔読んだのに忘れちゃってるぢぶん……)。なので、最後まで春美の空回りに見えるというか。

 つか、春美の「自由さ」というか「奔放さ」というかは、つまり「一途」を通り越してすごく頭が悪いとしか思えないんだよなあ……。今そんなことしたら三上の立場が悪くなるだけじゃん? 的な言動が次から次へと繰り出されるので、文字通り三上を「破滅させる」女になっているという、笑っていいのかいけないのかわからん状況に。「手榴弾持ってこい」って言われたら、自決くらい疑えよーーヽ(`Д´)ノウワァァァン。頭悪すぎるだろうよう。

 戦友達は三上にたいへん同情的で、調書作成担当の兵は、尋問が終わって上官がいなくなるや否や、三上の胸ぐらつかまんばかりに「なんで本当のことを言わないんだーー!!」と怒鳴るし、営倉の見張り番たちは先述の通りだし、城壁の外で副官に狙撃を命じられた兵たちは、最初は撃てないし、副官の剣幕で撃ち始めても全然狙ってないし、副官が自ら掃射を始めたときには、副官を射殺しようとする戦友までいたわけですよ。でもそれはむしろ、日頃の三上の生真面目さをはじめとする彼自身への同情と友情であって、「二人」を応援していたわけでもないように思えるんだよなあ……。

 というわけで、「悲恋のメロドラマ」という気持ちはあまりしなかったな。副官の横暴さと「部隊のメンツ」に対する男の友情の物語というか。

 今回の特集上映での併映は「独立機関銃隊未だ射撃中」だったんですが、この2本の共通点といえば「捕虜」問題だと思うんですね。「生きて虜囚の……」をどこまでやるか。「暁の脱走」も、むしろ「生きて帰ってきた捕虜」の扱いをめぐる理不尽さこそがテーマのような気もするわけで。中国軍の将校が、「日本軍が捕虜になることを許さないのは非人道的である」という趣旨の話をする場面がありますが、「独立機関銃……」も最後はそこが論点になる。その意味では面白い取り合わせであったな、と。

 山口淑子名義での出演ではありますが、李香蘭の映画を初めて見た、というのも付け加えておいたりして。慰問団で「荒城の月」を歌う場面がありましたよ。

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2014/08/17

暁の脱走その1

 田村泰次郎の「春婦伝」を原作にした1950年公開の映画。田村泰次郎って、文庫の「肉体の門」っきり読んでないんだけど、どうもやっぱりそんなに好きじゃなくて、しかしこの「春婦伝」も「肉体の門」に収録されてたので読んだことは読んだんだよな。そんで、やっぱり好きじゃなかったという。
 で、ちょっと映画の方もどうしよーかなーとぐずってたんだけど、新文芸座で「独立機関銃隊……」と二本立てだったので、まあついでに見るような格好で。

 原作もその後鈴木清順が撮った映画もヒロインは従軍慰安婦ですが、内地から来た慰問団の歌手に変更になったいきさつはこちらのサイトに。ただこの設定変更はやっぱりこの映画をダメにしてるなー、と正直思います。一応、ヒロインの春美に結婚歴があることについては台詞の中でさらっと触れられますが、なんかこう、ちぐはぐなんだよなあ……。山口淑子のキャラがあってないわけじゃないとは思うんだけど。

 例によって、「公式」の「あらすじ」は、ちょっとニュアンスが変わってる。何でなんだろう。

 中国戦線。駐屯地に帰還した部隊の中に、中国軍の捕虜となっていた三上上等兵(池部良)と慰問団の歌手春美(山口淑子)がいた。春美はすぐに慰問団の宿泊所兼酒保であるホールに帰されるが、三上は営倉に入れられ、取り調べを受ける。
 春美ら内地からきた慰問団を護送するトラックが途中で襲撃を受け、駐屯地に引き返す。その時の護送担当の三上に春美はすでに目をつけていた。道路が破壊され、帰れなくなった慰問団の女性5人は、ホールを改装した宿舎に住むことになる。副官(小沢栄)は春美に目をつけて追い回すが、副官の伝令兵である三上は、春美がいくら迫っても関心を示さない。ある晩、副官を迎えに来た三上が「頭痛がする」というのを幸い、春美は自分の秘密の部屋に三上を誘い、そのまま一夜を共にする。朝方、春美と外に出ようとするところを巡査所長に見つかった三上は営倉に入れられる。
 その夜、夜襲を受けた部隊は、三上を前線に送り出す。春美は三上を捜し回り、城外で負傷し、倒れている三上を見つけると、その横に横たわり銃剣で死のうとする。しかし二人は中国軍に助けられ、病院へ収容される。
 中国軍の看護を受け、三上は次第に回復するが、自分が捕虜になったことを受け入れられない。中国語に堪能な春美は周囲になじみ、中国軍の投降勧告を受け入れて、ここで二人で暮らそうというが、三上はかたくなに拒み、部隊に帰ると主張する。二人は、途中まで中国人に三上を運ばせ、討伐に出た原隊と合流する。
 「女と駆け落ちした挙げ句、中国軍の捕虜となった」三上を、軍は許さない。三上は「副官殿は自分をよく知っている、助けてくれる」と言うが、副官は春美を取られた腹いせと、部隊のメンツのために三上を銃殺にするつもりだ。三上の真面目さを知る小田軍曹(伊豆肇)ら見張りの戦友達が、副官達には知られぬように春美の面会を見逃し続ける。副官の心づもりを知ってショックを受けた三上は、春美に手榴弾を用意させて自決しようとするが、手榴弾は不発で果たせない。嘆く三上に、「死ぬ覚悟があるなら、あんたの命を私に頂戴」と、春美は二人で脱走する手はずを整える。
 脱走に気づいた小田は、ぎりぎりまで待って非常ラッパを吹かせる。その頃には、二人は避難民に混じって城外に出ていたのだが、副官がそれを制止。避難民の列から逃れて走る二人を狙撃させようとするが、戦友達は二人を撃つことができない。業を煮やした副官は、自ら城壁の上の機関銃で二人を射殺する。三上の戦病死が発表される。

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2014/08/15

原爆の子 2

 さて、間が開いてしまいましたが、「原爆の子」です。1はこちら
 実を言うと、ぢぶんは「原爆の子」自体は読んだことがなくてですね(大汗)、「わたしがちいさかったときに」という、いわさきちひろが絵をつけた、抜粋版しか読んでないんです。それは、子どもたちが被曝したときのことを綴った文集というか、手記集なのですが、この映画は前述の通り、七年後の子どもたちの姿を描いたものになっています。

 主人公の乙羽信子が可愛いんだなあ。ほっぺぷっくりで。「七年前」に幼稚園の先生をしていたのだから、もう20代も後半の設定なんだと思うんだけど。白い開襟のブラウスと合わせて「清楚」なお嬢さん、です。その無垢な善意が実のところ、怖ろしかったりもするんだけども。

 孝子の被爆前については、6日の朝、家を出て、原爆が投下されるまでのほんの少ししか描かれていないので、孝子と岩吉の関係が今ひとつわからないんですよね。孝子のお母さんは、普通に家族に朝ご飯を出してるし、お父さんは職場でちょっと羽振りがよさそうな場面があるけども、岩吉が孝子を「お嬢さん」と呼び、孝子が夏江に「うちで働いていた……」と説明するくらいのところしかなくて。なので、二人の距離感がよくわからなかったりする。孝子が今身を寄せている島の夫婦にしても、ちょっとわかりづらいんですよ。岩吉との会話やなんかで、「親戚筋の人」らしいことはわかるんだけど、伯父伯母なのか、もう少し遠いのか、とか。なので、岩吉の孫の太郎をいきなり引き取って連れて行くとか、岩さんさえよければ一緒にとか、勇み足のように見えるんですよね。「自分の子どものように可愛がってくれるわ」と言われたところで、いやちょっと待て、と。
 もちろん、孝子の善意なんだけど、強引に岩吉の小屋に行くとか、太郎の施設に行くとかいう辺りを含めて、岩吉の気持ちはあんまり考えてるように見えないんだよなあ。「正しい」ことを「善意」でやってるんだけどね。岩吉の家の家事はもちろん失火なんだけど、どうしたって孝子が追い詰めてるしなあ。やっぱり「お嬢さま」の「善意」なんだよねえ……。
 太郎についても、決心した岩吉が太郎を家に呼んで、孝子に引き渡そうとするんだけど、太郎の方が「おじいちゃんと離れるのはイヤだ」と完全な拒否をするので、いったんは引き下がるわけですよ。それを岩吉が、夕飯の後に「おつかいにいってきてくれ」と偽って孝子の元にやるんですが、「もう帰る」という太郎に対して、孝子と夏江の二人が「絵本読みましょうね」とか言って引き留めるのもなにかこう、大人の醜さのようなね。最終的に、島へ帰る船に乗るのに、「おじいちゃんも一緒だ」と白木の箱を振り回す太郎を、苦い思いでみるしかないわけで。

 同じような「苦さ」は、最初に訪ねた三平の家でもありまして。父親が死ぬ、まさにその時に家に着いちゃったのは孝子のせいではないんだけど(しかも何が起きたかよく把握できないのもしかたないんだけど)、そんなところに来て「先生よ、覚えてる?」って言われてもって。孝子にしてみれば、もう玄関先に入っちゃってるんだし、お悔やみを言わないわけにもいかないし、家族は死んで五分も経たないうちにお悔やみ言われてもそりゃかっとくるわけで、単に「間が悪い」話だとはいえ、なんだかなあという。

 それだけに平太の元気さや、「ご飯食べていきなよ、今日は泊まっていきなよ」という懐っこさは救いなのだけど。
 めでたい筈の咲江の嫁入りの夜が、なにか通夜のようでどうもめでたい感じがしない。その前に、長兄から咲江の結婚のいきさつ(婚約者の出征、原爆で足が不自由になったこと、それで結婚はあきらめてたけど復員した婚約者の気持ちにかわりはなかったこと、生活の再建に5年かかったことなど)が話されて、それは咲江にとっても長兄にとっても「待ちに待った日」であることはわかっているのに。
 花嫁衣装もささやかな式もなく、美容院で髪を整え、夕食を家族で共にしただけで、「じゃあね」と、長兄と二人でバスに乗って出かけていくだけの「嫁入り」。今生の別れではないはずなんだけど、平太にとっては「明日から姉ちゃんがいない」寂しさの方が大きくて、その寂しさが画面全体を支配しているような、そんな夜。

 一方で、助産婦になった夏江もまた「子どもの産めない身体」になり、夫婦で養子を迎える準備をし、「自分が産めない分、人が産むのを手伝わなくちゃ」と、大雨の中をお産に出かけていく。孝子も孝子で、肩の近くに「まだガラスの破片が入っていて、時々音がするのよ」と。
 
 復興される街と、取り残されたままの街。それらが混在する風景は、人々そのものの、そのままの姿でもあるんだな。そして街のどこからでも見え、今とはまったく別の存在感とある種の威圧感さえもってそこに建つ原爆ドームが、それらを強く印象づける。

 最後に船着き場で、孝子たちの上を飛行機が飛ぶ。「あ、飛行機!」と無邪気に指す太郎とは裏腹に、孝子と夏江がそれを不安そうに見上げる。「あの日」の記憶が、そこに甦るかのように。


 公開された52年の8月というのは、サ条約によってGHQのプレスコードがなくなり、原爆被害について自由に公表できるようになったのがその年の4月、という時期なんですね。先立つ映画「長崎の鐘」と丸木夫妻の「原爆の図」と「ピカドン」が50年、被爆写真を初めて公開したアサヒグラフは、この映画と同じ52年8月6日号。そうした状況で「被爆者が置かれている今の状況」を描いた意味も大きかったろうと。

 しかし、知った名前がずらずらあっても、若すぎて誰が誰だか(笑)。若い大滝秀治なんて滅多に見ないような気もするのに、結局どこにいたかわからんかった( ̄▽ ̄)。芦田伸介や原ひさ子も。多々良純は若くてもさすがにわかりやすいな。しかし東野英治郎はちゃんとジジイなのだ!(往きの船で孝子に話しかけるだけの役。今風にいえば「カメオ出演」ってヤツだな)

 

 

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2014/08/13

めぐろの眠り2

 続きです。

 午後の部はなんといっても、奈良さんのカラボス! もう跪くしかありません。ほかにどーしろと。矢島さんのカラボスも、単体で見るとすごくいいのに、奈良さんはもうカラボスのラスボスだな。川島さんの「もう〜〜!」なカラボスも好きだし、伝田さんのもまた見たいしなー。なんかカラボスが豊作だ( ̄▽ ̄)。
 で、奈良さんがラスボス。あでやかで美しいだよーーー。

 オーロラの友人は、午前も午後も中堅+若手、といった嬉しい顔ぶれ。午後は復帰した河谷さんも見られました〜♪ 
 初演から衣装の引き抜きでの失敗が多かったシンデレラは、去年あたりから、招待客で姿を隠して変身、をやめて、お小姓さんたちによる引き抜きに変わったと思うんですが、今年はさらにイントロが短くなったような。それにあわせて、フォーチュン王子に「あそこにシンデレラが」と教える役回りが、招待客ではなく、カタラビュットがフォーチュンにもう片方のガラスの靴を差し出す格好に(それも去年からだったかは覚えてない……)。
 安田さんのフォーチュンが、前回に比べて「幸せ」な雰囲気になっていて、おおっと思ったのですが、午後の杉山くんの「幸せオーラ」が大量すぎて( ̄▽ ̄)。

 しかし、杉山くんにしろ岸本くんにしろ、あと岸本(な)さんもそうかな、大きな役というか、大事な芝居をするような役につくと一気にわーっと伸びるというか、出てくるものが違ってくるってことはあるよなあ。
 梅さんなんかも忘れがちだけど、「子ども眠り」の初演は青い鳥とフォーチュンで、そこからコツコツ上がってきたようなとこもあるし。沖さんや松野くんはいきなり主役だったけど、やっぱ中堅〜若手が育つ場になってるっていうのはあるんじゃないかな(観る側もそれで覚えるし)。特に主役は、まだ全幕物での主役は不安だけど、短い作品で経験積ませる、みたいな感じで。
 そろそろ河谷さんや岸本(な)さんのオーロラも観たいな、と思うんですけどね。あと、そろそろもう一本くらい、違う演目欲しいかも……。

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2014/08/12

めぐろの眠り

 ……という困った目にあったりもしましたが、「眠り」マチマチといいますか、午前午後の二本立て。午前を例の2階でアクリル越しに、午後を1階中程で観ました。逆だったら暴れるーーヽ(`Д´)ノウワァァァン。キャストは格納庫の方(こちら)。
 
 午前は沖・松野組。沖さんはもう「お手の物」といいますか。先だってのRJの上映会でもあらためて思ったけど、どんな風にサポートされても(というか……)、どういう体勢からでも、きちんときれいにポーズを決めることができるんだな。これはやっぱりすごい。PDDもヴァリも軽々こなすんだけど、……やっぱそこで「軽々こなす」になってきちゃってるなあ、と。本公演での主役も続いてるし、そろそろ「子どもの眠り」は卒業でいいんじゃないかな。
 松野くんはやっぱりスタイルがいいな(そしてやっぱり宝塚っぽく見えるのは髪型のせいだろうか)。ベンヴォーリオの時ほど「ぼけー」っとした感じがなくて、王子らしいというか。対カラボス戦が凜々しくなっていて、リラの精も安心、といったところ。

 午後の吉川・梅澤組。吉川さんは、テクニック的にまだいっぱいなところも、というのもあるけど、むしろスタミナが足りないのかしら……とも思ったり。初々しくて、「色」のついてないオーロラは、結構好きだったりするんですけどね。
 梅さんもだいぶ凜々しくなった! にもかかわらず、カラボスの糸は頭から浴びようよ! とか間違った方向に期待してしまうぢぶんはなんなんだろう……。幻影の場(短いけど)の、オーロラの幻影を見た後のジャンプとか、ヴァリエーションのマネージュとか、高いとか速いとかもちろんあって、それはそれとして気持ちがいいんだけど、それ以上に「ヽ(´▽`)/」っていう。「嬉しいからここはジャンプなんです!」っていうのがにじみでるような。……なんかこう書くと妙なんだけど、ジャンプに限らず、マイムだけじゃなくて踊りからどんどん感情が流れ出るというかダダ漏れというか、そんな感じになってきたなあと思いまして。それは、演技や芝居が上手くなったというのとはまたちょっと違うような気がするんですな。……しかし、梅さんも「大きなワンワン」タイプだったのか……むう。対カラボス戦はもうちょっと強くてもいいけどなー。

 カタラビュットは、午後のプロローグで氷室ックが子どものつかみを取り過ぎて、収拾がつかなくなったらどうしよう、的な(つきましたが)。カテコで二階客席から、ええとあれは何て言うんだ、カップから銀のテープがわーって出るヤツ。あれを振った時に「元気がいいですねえ」って言うから振り返ったら、下のお子たちにテープつかまれて、引っ張り合いになっておりました(帰りにテープ持ってた子がいたから、引きちぎられたんだろうな……)。

 

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2014/08/11

パーシモンホールのアクリル板ヽ(`Д´)ノウワァァァン

 前回パーシモン・ホールを使ったときのメモはこちらなんですが。

 渋谷がダンジョン化して、二度と渋谷から東横線に乗るかいっ(正確には乗れるかいっ)になりまして。ジョルダン先生にご託宣をお願いすると、「埼京線渋谷駅から東横線乗り替え」などという無理難題を言いつけられて半泣きになったりするのでありますが、よくしたもので、池袋から副都心線に乗れば割合スムーズに都立大まで行けるのですな。ちょっと遠いけどな、副都心線(でも迷子にはならない)。

 パーシモンは、全幕(というか大道具の大きい演目)をやるにはちょっと狭いし、全体にこじんまりしてるけど、割に見やすいいいホール……と思っていたのですがですねえ。前回の時はなかったと思うんですが(あったけど気づかない席だったのか)、2階の手すり、縦の通路のどんづまりのところに、大きなアクリルの転落防止板がついてるんですよ。こちらの座席表でいうと、13番と14番の間、26番と27番の間、ですね。通路を歩いてきた人がうっかりつまづいたり、走って降りてきたりした時に危ないという理由だと思うんですが、こうした通路間のところだけ手すりを高く作っているホールはいくつかあって、作りによっては本当に邪魔なんですが、アクリル板はさすがに初めて見ました。

 で、ボレロの時はセンターの席を取ってたので問題なかったんですが、眠りのときに、2階前方のサイドブロックのセンター寄りを取っていたら、もろにこのアクリル板にかぶりました。舞台の1/3くらいが、アクリル板越しにしか見えない゜゜(´□`。)°゜。! 透明のアクリル板ですから、「見えない」わけじゃないですよ。でもアクリル板越し。もちろん、アクリル板の縁は(枠はついてないとはいえ)がっつり見えますから、そこだけ文字通り「切り取り」になります。ひどいーーヽ(`Д´)ノウワァァァン!
 こういうことって、座席表じゃわからないじゃないですか。しかも、ホールのサイトだってわからない。今回は2階はA席でしたが、2階の前方ってS席になるときもあるでしょう(自分も結構好きでよく取るし)。S席がアクリル板越しだったら暴れていいよねえ? 手すりだったらもう少し諦めもつくけどさ……。いやむしろ、手すりだと見づらいという理由でアクリル板にしたのかもしれないけど。

 手すりも、壁と手すりの間から舞台が見える、よりもむしろただの「高めの壁」の方がストレス少ないように感じるんですよね。なまじ、間から見えるからストレスひどい、ような気がする。

 まあ、オペグラを使ってしまえば、アクリル板の縁もレンズぶれで目立たないので、かなりがっつりオペグラで観てましたが(なんのための2階席……orz)。

 せめてアクリル板磨けーーー!! 曇ってて汚すぎるぞーーーヽ(`Д´)ノウワァァァン!!!

 マジで自分で磨こうかと思いましたよ、アクリル板……。
 

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2014/08/10

めぐろバレエ祭り白鳥&ボレロ

 このところ、えらい勢いで寝堕ちが続いてまして……。

 えーと、7日の方だけでも。2階前方正面の、白鳥とボレロにはもってこいの席……だったんですけどね。第一ソリストがあのメンツだったら1階前方獲ったのに〜 。・゚・(ノд`)・゚・。。べそべそ。

 幕前で上野房子氏のレクチャーあり。幕前から幕中(というより袖の主演二人)にプレッシャーかけまくりみたいな(笑)。「みなさんは一目惚れをしたことがありますか〜?」というひとことで、前列のおばさま方がいきなり盛り上がり( ̄▽ ̄)。

 「白鳥」2幕とありましたが、白鳥さん達が板付きでスタンバっていて、グランアダージョ〜4羽〜3羽〜コーダ、と、コジョカルのガラの時と同じ編成。ロットバルトも欲しかったけどなあ。
 森川くんの初ジークフリートでありましたが、まあ2幕なのでほぼサポート。腕づかいが前よりもよくなったし、全体に品がよくなってきたなあ……。一目惚れっぽい雰囲気がよく出ていて、「好きだもん、離したくないもん」という気持ちは伝わってきたな。体格いいんだからリフトは……。うんまあ。

 渡辺さんの白鳥は、そろそろ全幕行こうよ! ですね。プリマらしくなったなあ。真ん中をつとめる「強さ」が出てきたというか。サポートがどうでもだいじょぶですよ!……的な。腕というよりは手首から先の細やかさが美しかったです。白と黒と両方観たい! 渡辺さんもだけど川島さんも白と黒両方観たい。二人とも初役の時はそれぞれの個性に合わせて白と黒分けたけど、今だったら通しでいいと思うんだよなあ。

 コジョカルのガラの時はすごく前の席だったので、あまり群舞は観られなかったのだけど、今回は2階なのでそのフォーメーションも楽しみました。きれいだったなあ。この版のグランアダージョの最後の半円形とか、コーダとかすごく好きなんですよね。四羽と三羽もガラの時よりもまとまってたと思うけど、舞台の奥行きが狭いんでないかな。上から見てると時々間隔が「近い?!」という時が。実際はそうでもないのかもしれないけども。特に三羽の小川さんの脚がすごい長い( ̄▽ ̄)ので、曲げてから伸ばすアラベスクとか、前後に振るパだと「狭い!」感じに。

 ボレロは水香ちゃん。ソバージュと言うよりも三つ編みウェーブみたいな髪だなあと思ったのですが、水香ちゃんのFBを見たところ、本当に三つ編みウェーブだったみたいです(笑)。あれだけきっちりつけるには、キツキツに編まないとならないだろうけど、似合ってた(^▽^)。踊りも(例によって後半はそんなに観てなかったですが)今まで観た中でも良かったよ! ひとつひとつのフォルムがきれいで、余分なものがなく、でも熱はある、みたいな感じ。リズムとのコミュニケーションがよくなったかな? リズムの方も顔ぶれが変わって、水香ちゃんの後輩になってきてるんだねえ。

 そんなわけで、リズムは前列が岸本・杉山、後列が弾・永田で、弾くん以外は配置換えでないだろうか。てっきり弾くんが前にくるかと思ってたから、ちょっとびっくり。そんなわけで、リズムが出てきてからはもうリズムしか観てないですけども(いつもだがなっ)。
 いやまあなんといいますか。岸本くんは出てきたときから「できる人」で、どんどん前に行くタイプだから「ああ出てきたな−」という感じなんだけど、杉山くんは出てくるのか出てこないのかわからないまんま応援してた時間が長いから、いちいち∑ヾ( ̄0 ̄;ノオオッ ってなっちゃうわけですよ。

 ま、それはそれとして。最初の回転から、杉山くんも岸本くんも、速度も切れもあって ∑ヾ( ̄0 ̄;ノオオッ となりまして。意外に岸本くんの方が表情が柔らかいと言いますか。杉山くんと永田くんのマジ顔がツボった(永田くん時々顔が怖かった−)。杉山・岸本が同じくらいのサイズ? なので、二人で中央でポーズを取るところなんかはなかなか面白くて、作風も違うし、うまくいくといいコンビになるのでは? と思ったり(それには杉山くんにもう少しいい意味でのハッタリがいるのかなー)。最後の前に飛び出してくるところはもう少し「ばーん!」っていう感じが欲しいかなあと思いつつ、あそこはK村さん以外では満足したためしがなかったなあと思ったり(強いて言えば平野さんだな)。

 リズム全体にもう少し強さが欲しいかなーと思いつつ、こういう繊細さも作風でもあるよなあと思ったり、台の上の水香ちゃんも含めて、なにかこう「新生」あるいは「新世代」のようなものを感じたボレロでありました。祝祭ガラで観られるの、楽しみー♪

 今日のRJ上映会についてはついったーの方に書きましたんで、よろしければそちらをー。

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2014/08/08

久しぶりの東バ祭り

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 7日の「白鳥/ボレロ」のソワレ、今日の「眠り」のマチソワっつうかマチマチっつうか、で久しぶりに3回観ました! 久しぶりで楽しかったなあ。なんですが、やっぱり目が疲れたのかちょっとへばってます。

 キャストの方は公式に大体出てるので、それ以外のメモとしては。

 ボレロの第一ソリストは、上手前が岸本、下手前が杉山、上手後ろが弾、下手後ろが永田各氏。「各氏」っていうけど、「各君」とか「各さん」っていわないよな……。いや、すごいよかったです。岸本くんと杉山くんて、身長が同じくらいなのかな。二人並んでポーズを取るとことか、なかなか面白かった。

 眠りの方は、カラボスの手下と花ワルの4人の男性は兼任てことになったのかしらん。午前が入戸野、岸本、石田、野尻で、午後が中村、山田、竹本、虎ちゃん各氏であってるかな。はー、虎ちゃんかわいいな……。虎ちゃんのフリッツが観たいなあと思いつつ、クララにボコられそうな気がするという。

 4人の王子は、岸本くんが新規? 安田くんの着てる(前は梅ちゃんが着てた)ロンドンっぽい衣装でしたが、これが似合っててびっくりだ(・_・)! 襟の感じのせいでちょっとリーマンっぽいけども。似合うと言えば、原田くんのカレーの王子さまはなんであんなに似合うんだろう……。王子っつうよりもキャラバンの隊長さんっぽい気もするけど、なんかもう本当に似合ってるよ……。
 似合うと言えば、どんな無茶な衣装でも着こなして……というか強引にでも自分の物にしてしまうのが永田くんなんだが、こうなると永田くんがカレーの王子さまを着たところもちょっと観たい気もしてきたな……。

 写真は6日の不忍です。すいません、残りは後で……。

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2014/08/06

原爆の子 1

 新藤兼人平和映画祭で「原爆の子」と「はだしのゲンが見たヒロシマ」の2本立てを見ました。まずは「原爆の子」の方から。これも、断片的に例えばテレビの新藤兼人特集番組なんかで見たことはあったのですが、通しで見るのは初めて。

 ロビーに貼ってあった、プログラムか何かのコピーに寄れば、1952年8月6日に広島の福屋……というのは今もある百貨店のことだと思うんだけども、そこで最初の上映が行われたとか。同じ「原爆の子」を原案に取りながら、新藤監督と日教組とで折り合いがつかずに(どういう折り合いだったんだろう)、「原爆の子」と「ひろしま」の2本の映画ができたんだけど、音楽は両方伊福部昭が担当しているという。
 そのプログラムに出ている「あらすじ」(「KINENOTE」に出てるのと同じ)は、実は映画と(特にラストが)違っていましてですね……。いいのか。

 舞台は1952年。原爆で家族を失った孝子(乙羽信子)は、瀬戸内海の島で(おそらく親戚の家に住み)、小学校の先生をしている。夏休み、4年ぶりに広島を訪れ、自宅跡に花をたむける。そして平和公園の橋のそばで物乞いをしている男をみかけるが、それはかつて孝子の家で働いていた岩吉(滝沢修)であった。岩吉は息子夫婦を原爆で亡くし、自らもやけどで視力をほとんど失って働くこともできず、孫の太郎を孤児収容施設に預けていた。施設へ行って太郎の様子を見た孝子は、自分が引き取って島へ連れ帰りたいと岩吉に提案するが、岩吉は受け入れない。

 その晩孝子は、幼稚園の教員をしていたときの同僚で今は助産婦をしている夏江(斎藤美和)の家に泊まり、翌日、彼女が所在を知っているというかつての教え子3人を訪ねる。父が原爆症で寝付いている三平は、靴磨きをして家を助けていたが、ちょうどその父の死に孝子は巡り合わせる。敏子も身寄りを失って教会に引き取られていたが、原爆症でいつ死んでもおかしくない状態だった。平太も両親を失ったが、兄二人と姉に囲まれて、元気いっぱい。ちょうどその夜、姉の咲江(奈良岡朋子)が嫁入りだという。家の下敷きになって脚を悪くした咲江の結婚に、長兄(宇野重吉)に勧められるまま、祝いの夕食を共にする。

 翌日、再度岩吉を説得にいく孝子。岩吉はやはり固辞したが、孝子が帰った後、隣に住むおとよ(北林谷栄)の説得で、ついに太郎を手放す決心をする。その夜、しこたま飲んで眠ってしまった岩吉の家から、ろうそくの火の不始末(が暗示される)で出火する。おとよが気づいて岩吉を運び出すが、手遅れだった。おとよの知らせに駆けつけた孝子、夏江、太郎に看取られて、岩吉が亡くなる。
 翌朝、白木の箱を下げた太郎とともに、孝子は連絡船に乗り、島へ帰る。

 原爆投下前後の様子も孝子の回想として出てきますが、分量的にはかなり少ない。けども、時代の「近さ」を感じさせる迫力はあります。1952年当時の広島の風景がそのままロケ撮影されているのも貴重。原爆ドームの上(多分)に登って遊んでいる子どもたちの姿もあり、中沢啓治氏の「よく登って遊んでいたが、ある時上級生が落ちてあばらを折ってから出入りが禁止された」という話を思い出したり。復興が進みつつも街のあちこちに瓦礫のままの場所が残っていたり、橋の上から褌いっちょの男の子たちがバンバン川に飛び込んで遊んでいたり。岩吉とおとよの掘っ立て小屋は、石垣の感じからすると広島城(もちろん再建前)の近くかな、とか。平和資料館も建築中で、おそらく失対事業なのだと思いますが、三平の母親がその現場で働く場面もあります。できかけの資料館の階段を三平の弟が急を知らせに走って行く場面は印象深い。

 ちょうどその頃の平和公園建設中の写真が資料館にあったので。こちらこちら。これだけでも映画の雰囲気が伝わるような。今となっては、ある意味では「風景が主役」ともいえるくらいに印象的なんだよな……。

 とりあえず続きますが、明日からもう半年ぶりの東バ祭ですのよ……。


 

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2014/08/05

この日。

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 何度か書きましたが、小さい頃は防府(三田尻)の祖母の家で夏休みを過ごしました。多分、4歳のことだったと思います。その頃は防府天満宮のお祭りに合わせて8月初めに防府へ行っていたのですが、さすがに原爆忌の日ではなかったと思います。広島へ行き、原爆ドームと平和公園を見て、宮島へ行きました。暑い日でした。4歳の頃だとさすがに、まだ原爆を描いた絵本なども読んでなかったと思います。テレビ番組やニュースは親が見てるのを一緒に見たかもしれません。どういうわけか、自分にもわからないのですが、ドームの前で自分は「原爆が落ちてくるから帰る、原爆が落ちてくるから帰る」と泣きわめいて、どうにも手がつけられなかったそうです。「あんたがあんまり泣くから、資料館はあきらめた」と母がことあるごとに言ってました。自分でも、泣きわめいていた記憶は実はぼんやりと持っていました。なにが自分をそこまで不安にさせたんだろう。

 その時、父が平和公園の売店で、数枚の絵はがきを買いました。慰霊碑やドームの写真のありふれた絵はがきです。その中に、有名な「座っていた人の影だけが残った階段」の写真がありました(こちら)。自分はこの写真がたいそう怖くて、かなり長い間(とはいえ1年はなかったと思うんですが)、父の机の引き出しにしまってあるこの絵はがきを、父のいない昼間にそっと引き出しにあることを確認し、ああ大丈夫だまだここにある、と安心せずにいられなかったのは、これはかなりはっきりと覚えています。

 自分はいわゆる「カンの強い子」で、2,3歳のころはひきつけで救急車呼んだりしてたそうで、小学生くらいになってからも、テレビの催眠術で吐いたりしてたりして、あの時に過剰な何かを感じる素地があったりしたのかもしれませんが、ともあれあの日から「ヒロシマ」というのは自分にとって特別な地であるわけです。

 運動の渦中で走っているときには、その時々の法案や局面が優先されていくわけですが、運動を「降りて」4年、自分の中を時間をかけて整理していって、たどり着いたのはやはり「ヒロシマ」であって、その近接としての「ナガサキ」でありました。あの泣きわめいた4歳のあの日。あれが「人」として自分が生きる、最初の日であったのだろうと。

 そんな想いを持ちながら、今年もこの日を迎えます。

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2014/08/03

宇宙からのメッセージその2

 もうどんだけ経っちゃったんだよー、ということで、続きというか何というか。「宇宙からのメッセージ」です。タイトルで検索するとNDCで147がつきそうな(「心霊研究」ね)ものがボコボコヒットしてどうしたものかと思うんですが、まあそれはそれとして。ちなみに前回はこちら

 ビッグ・モロー、フィリップ・カズノフ、ペギー・リー・ブレナンというアメリカの(多分)俳優さんが出てますが、台詞は日本語吹き替えです。ビッグ・モローは若山弦蔵ですよ、ああた。耳からよだれが出るってもんじゃないですか( ̄▽ ̄)。まさか大画面で若山弦蔵が聴けるとは! ……まあ大画面でも関係ない気もしますが、やっぱ違うのよこれが。しかもナレーションは芥川隆行。……懐かしいよう。ナレーターといえば芥川隆行、って時代があったよねえ。

 フィリップ、ペギー、真田広之の三人組が若いノリというよりもアドレナリン出血大放出みたいな感じで、跳ね回ってたなあ。真田くんがまだ10代だよ(・_・)! ペギーの宇宙船(フィリップ、真田くんの戦闘機……じゃなくて単座式宇宙船とでもいえばいいのか?……が合体格納できるようになっているのが日本製っぽい)のコクピット内部がいかにもミレニアムファルコンではあるんだけど、ペギーが軽薄でカワイイわりにしっかり者、なので(少なくともキャリー・フィッシャーよりはカワイイよなあ)、ハン・ソロなしでルーク2名みたいな感じ。
 ……いやしかし、消火活動にいきなり家庭用消火器が出てきたときは( ̄▽ ̄;)。色塗り替えもせずというその潔さがたまらん。

 モチーフに八犬伝が含まれてるので、途中でカメササとヒキロク親子が出てきたりします。夫婦じゃなくて親子だけどな。そこはわかる人だけわかれよ、的な。

 しかし、悪役のガバナス皇帝成田三樹夫とその母天本英世は素晴らしいですよ。顔面銀塗りで甲冑・兜ですが、これはハンス千葉王子も同じ。なんとなく見覚えあるなー、海底三万マイルみたいだなー、と思ったら、どっちも石森章太郎(当時)だったけどな。
 いやもう、成田三樹夫の「愚かな」を大画面で聴けるだけで、もう耳からよだれですよ。ほんと、耳大変。はー、やっぱりいいなあ、ミッキー。ネットのどこかに「ヒロイン(志穂美悦子)が美人なのと、成田vs千葉のチャンバラだけは本家(SW)をしのいだ」とありましたが、「だけ」かどうかはともかく、最後の二人の一騎打ちはそりゃもう見応えたっぷり。西洋のチャンバラ(フェンシングでなく、アーサー王的な)って、どうしても重い剣を両手で持って振り回す式で、スターウォーズも最初の3作はライトセーバーで見せてる部分ありましたからねぃ。

 で、本当にこのチャンバラが 。・゚・(ノд`)・゚・。。いやもう目からよだれが……。あの甲冑にあの兜で銀塗りにしても、もう刀持った瞬間に柳生十兵衛と松平伊豆守かと(←敵対しないだろ、その二人は)。コスチュームプレイって時代劇なんだなあ……。チャンバラってこれだよ、こういうもんだよ! しかも成田三樹夫、大小二刀流だよ! 

 なおかつ悦ちゃんの美しさがだな……(ノ_-。)。いちばんきれいな頃だよなあ。本当に「美人アクション女優」でありましたよ……。誰が主役なのかよくわからない映画ではありますが、なんとなくフィリップ演ずるアロンっぽい雰囲気はありまして。そのアロンの恋するヒロイン、エメラリーダ悦ちゃん。

 ……そして最後の最後に千葉王子のエメラリーダへの一言で、一瞬のうちにヒロインも主役の座もさらわれてしまうのだったよ、哀れなフィリップ……( ̄▽ ̄)。対抗するには10年早かったねえ……。

 というわけで。血湧き肉躍るショスタコばりのメインテーマはじめ音楽も楽しい。エメラリーダのテーマ曲に乗せて宇宙帆船(ムサシじゃないよ)がゆく、それだけでひとつぶ涙がこぼれちゃうのよだってとしごろなんですもん、という大変楽しい映画でしたのよ。なんかいろいろ不当評価受けてるなー、と思うのはままあ思い入れにしても、夏休みに子ども連れで見に行くにはちょうどいい楽しさだと思うけどなー。フィルムの褪色はすすんでいたので、劇場で見られる機会に見ておきたい。

 で、肝心の「メッセージ」なんですけども。それは「助けてオビワン・ケノービ」とかそういうことではなく。

 ジルーシアの長老、エメラリーダのじいちゃんが、最後に成田三樹夫と対峙した時のあの言葉、だとぢぶんは思うんですな。東映チャンネルがアップしてた分を非公開にしてしまったんでもう確認はできないんですが。人の心だけは支配することはできない、自由なものであること。夢だけは誰にも奪えないこと。そうしてじっちゃんは、脱出した人々が種となって次の世代へつないでいくことを信じて、自らの星そのものを破壊する。
 若者よ、夢と冒険を。そしてロートル(←モローと千葉ちゃん)も夢と冒険(の手伝い)を( ̄▽ ̄)。

 なんかいい時代でしたなあ……(遠い目)。いや、そんなこと言ってちゃいけないんですけどね。

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