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2014/09/10

祝祭ガラ(き)

 ああそういえば「……」について書き忘れたなあ、と思った辺りは覚えてるんだけど、「……」が思い出せないっすよ。もうどうすればいいのやら。

 「スプリング……」ですね。プログラムの解説だと、「スプリング……」は「春と秋」というよりはむしろ「跳躍と落下」の方に始点があって、自分も最初に観たとき(てのは友佳理さんのガラだ……木村さんと長谷川さんの初役のとき)はそちらのイメージだったんだけど、長谷川さんの最後の舞台で観たとき(てのは「時節」との併演のときだ……)にそれが「春のめざめ」からはじまるドラマ性の強いものに置き換わっちゃったんだよなあ。いや、原因はわかってますが。

 1楽章の、今回は杉山くんのパートだけども、Bメロに入るところで主人公を軽く誘うような。あれ、前はそんなに印象なかったんだけど、昨年のツアーで梅さんが後藤さんに向かったときにすごく「ああ、いいなあ」と思いまして。さわやかで、ちょっと茶目っ気入って。それから1年半でまさか杉山くんが梅さんに、になるとはその時は思いもしなかったんだけど、今回はお互いの距離というか、関係が近いのもあって、こっちもウキウキする感じだったなあ。梅さん真ん中で、杉山くん、岸本くんと三人で踊ると、杉山くんと梅さんがやっぱり近いんだよね。踊りのタイプというか。なんだろう。そうすると、二人からんでくるところは、梅杉コンピで観たくなるんだよなあ。というのが、土曜日に観たときの感じで、杉山くんと岸本くんの位置が逆だなあと。日曜の方がそういう違和感は少なかったです。でも5楽章は杉山くんで観たい感じだったんだよな……ぶつぶつ。

 2楽章は「早春の嵐」みたいなイメージですけども。大体ここらは毎回苦闘の跡が……なんだけど、その未熟さがまんま、関係の未熟さにも見えて、特に日曜は面白かったな。2階席だったせいもあると思うけど、どんどんパートナーを(半ば暴力的に)換えながら、高まりつつ疲弊していく感じが悪くない。あー、そういう顔するんだー、みたいなものも個々にあったり。今回はむしろ男性が、女性陣に挑発されてる感じでしたな( ̄▽ ̄)。個人的には、原田くん(確か)が永田くんをリフトするのに滞空時間が長くてびっくりだったりとか。3楽章の男性群舞も、梅さんだとするっと溶け込む感じ。これも日曜の方が、個々の役割が見えたりして面白かった。。

 4楽章のPDDはきれいかったですー。ちょっと沖さんがリードしてるようではあったけど、木村さんが長谷川さんと描いた世界が、梅さんの中にほの見えて、それにちょっと驚きつつもいろいろ後を引くというか。ユニゾンはきれいに決まっていたし、沖さんの思いきりのよさ(←これはホントにいいんだ)に支えられてる部分もあるんだけども。恋人同士で一緒にいても、男の方は心に「ここではないなにか」をほんの少し持っているような、ほんとうに小さなすれ違いを梅さんがちゃんと持ってたんだよなあ。それが前に差し出した手の、掌に女性の方がほほを当てる場面に集約されていく。長谷川さんは、そういうささいなすれ違いへの不安感や、最後は耐えきれずに走り去っていくところまでを痛みと共に描いてたけど、沖さんはさすがにそこまでは、という感じ。

 しかし、「音楽性」と簡単にいうけれども、それは大きくふたつの、まったく違うタイプになるんだなあと今回あらためて思ったわけですが、それは別の機会にでも。

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