« タイトルロールは……(る) | トップページ | いらかみち »

2014/11/03

タイトルロールは……(を)

 最終回です。

 さて、2幕。ここからはキホーテの出番はそれなりにあるけど、そんなに何かやろうっちゅうほどの……いや、そうでもないのか。相変わらず、舞台で起きていることのいちいちに、ハラハラしたり、心配したり、喜んだりという忙しいご老公でありました。

 まあこちらがキホーテに感情移入してみているから、というのはあるとしておいて。

 自分が今回のキホーテでいちばん印象深いといいますか、木村さんらしいというか、あるいは今までとは違ったなといいますのは、この居酒屋の最後だったんですよね(いや、夢の場もですけども)。
 バジルの狂言自殺(←梅ちゃんがすごくカワイイ)のあとで、キトリに婚約の手助けを頼まれ、それをかなえてあげる。キホーテは「正義」の人でもあるんで(忘れがちですが)、ここは恋人同士を結ばせるの彼の正義でもあるのですが。

 その後の、バジルが生き返ったときのびっくり具合と喜び具合ですね。なんかもう本当にバジル以上に幸せなんですよ、キホーテが。2幕1場の最後、群舞とキトリ&バジルが踊っている間、キホーテの方が嬉しくて嬉しくて、体中から喜びいっぱいあふれてくるような。恋人同士が無事に婚約できたことにも、自分がその役目を果たせたことにも、満足して幸せでたまらない。もう見ながらですね、キホーテの方に「よかったねえ、よかったねえ」ってもらい泣きしかけるって、あんたどこのドンキですかそれ……。

 最終場なんかもう、孫の結婚式かっていう( ̄▽ ̄)。上手の4人組の大騒ぎはちらほら書き散らしてきたんでいいような気もしますが、土曜のGPDDのアダージョの後、4人立ち上がって大騒ぎでいや何今のチャンピオン防衛ですか状態になったと思ったら、キトリのヴァリのあとで立ち上がった梅ガマーシュをいきなり立ち上がった木村さんが両肩つかんで「がっ!」と椅子に押し戻したときはこっちがびびりましたが。
 そして、最後に二人からお礼を言われたキホーテは、二人を中央の階段に導いて、以前の演出だとキホーテが横を向いて槍を掲げてポーズを取るんですが(←よく写真で見るヤツ)、今回はキホーテは前方を向いたまま、二人を祝福して終わります。どちらにしてもアポテオーズの形……って、何気にキホーテがリラの精になっちょるなあ( ̄▽ ̄)。

 まああんまり根拠はないんですが、「夢の場」の後のキホーテにとって、キトリはもうドルシネアじゃないような気がするんですよね。なんかあそこで別の世界を見たんだなあ、と今回は妙に納得して見てました。それは「夢の場」でキホーテが盛大に幸せだったからのような気もするし、1場の最後の「断固」な感じのような気もするし。ただ、キホーテが時折(キトリと踊ってる時にすら)見ていた、「ここではないどこか」というのは「あそこ」だったんだなあ、と。

 なので、「哀愁」とか「悲哀」というものをどこに感じるかという問題はあるんですが、ぢぶんは木村さんのキホーテは一貫して「幸せ」だったと思うんですよ。そして「タイトルロール」が主役ではなくとも「タイトルロール」であることの矜持というか重みというか、キホーテにとっての「ドン・キホーテ」ですね。そういうものを自分は観たなあ、と思うわけです。

 ……いいじゃないか、騎士道が「きれいなねーちゃん」でも。


 蛇足。狂言自殺から起き上がったバジル。以前どうだったかよく覚えてないんですが、割とこう、下に引いてたマントでロレンツォをぐるぐる巻きにしちゃったりする演出があって「ひどいなあ( ̄▽ ̄)」と思ってたんですが、弾くんはいきなりロレンツォをお姫さまだっこで回していたかと。で、梅さんはぶちゅぶちゅキスかましてました。さすがに梅さんに永田くんをお姫さまだっこはキビシイよなあ(つか、危ないから)。

|

« タイトルロールは……(る) | トップページ | いらかみち »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« タイトルロールは……(る) | トップページ | いらかみち »