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2015/04/22

単騎、千里を走る 2

 つことなんですけども。

 「君よ、憤怒の……」が中国で公開されてあっという間に健さんブーム、チャン・イーモウの「健さん撮りたい! こういう健さんが撮りたいんだよ!」というある意味健さん愛にあふれた映画でありました。アレですね、「不器用ですから」っていう。

 ……どうでもいい話ですけど、ぢぶん印度哲学専攻だったんですが、「自分は、仏教ですから……」てのがクラスで流行りましてね、ええホントにどうでもいいな。

 ま。それはさておき。

 二組の、上手くいかない父と息子。健さんちの方は、確執の理由が明らかではありません。最後の息子からの手紙に、「母親が死んだ時に、許さないと思った」旨の話が出てくるので、よくありがちな「仕事にかまけて家のことはほったらかしで、妻の死に目にも会えなかった」とかそういう類いなのかもしれません(漁師さんだけど)。その息子が病気に倒れ、妻から「お義父さんがあなたの代わりに中国に行った」という話を聞き、一晩考えた挙げ句に「和解の手紙」を遺して死ぬという。父は息子の死に目にも会えなかったんですな。

 健さんは健さんですから、ちょこっと涙ぐんだりとかしますが、ほとんどあの調子です。息子の妻の寺島しのぶに相談もしないで中国に行っちゃうし。妻にしてみれば、夫が倒れてなんだかわからなくて、しかもフタを開けてみれば末期がんで、そりゃ健さんに側にいて欲しかったでしょうに、日本にいても中国にいても、大事なときには電話もつながんないんですよ。「いつか三人で食事ができたら」っていう彼女の夢は叶わなかったんだよ……って、おんなじ事をもう一回やっちゃった、っていう話でもあるんですけども。

 李の方はある意味真逆で。刑務所入りすることになったのも、ヤンヤンが「私生児」であることをネタにされて逆上して、芝居の小道具の刀で相手の目を突いちゃった、ってくらいの直情型。刑務所で最初に健さんに会った時も、わんわんわんわんハナミズ垂らしながら大泣きで「息子に会いたい、息子に会いたい」って。
 でもまあ健さんは、それがうらやましかったんでしょうな。自分には絶対にできない真似なので。遠く、ヤンヤンの村まで行こうと思ったのは、李の撮影をしなければ、ということが第一だけども、泣きわめく李の姿にもう一人の(あるべき)自分を見た、からでもあり。ヤンヤンに会いに行く旅は、健さんの「(自分の)小さな息子」に会いに行く旅でもあったわけです。

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