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2015/04/11

さかのぼりましては

 1週間のご無沙汰でした。こんなに更新しなかったのは何年ぶりかという。そのかん何をしてたかというえば、大概寝てました。ええ、起きてる以外の時間は全部寝てた、的な。なんかもう、生物として終わってるような気がする。

 でももうちょっとだけなんとかしますよ。ええと、ジゼルの話でした。

 渡辺さんのジゼルは、昨年秋の水香ちゃんのガラでの木村さんとPDDのみを観たのですが(余談ながら「バレリーナへの道」の最新号にこの時のレポが載っていて、「この役で定評のある渡辺」てなことになってましたが、公式にはこれが初役のはず。「はかなげな役で定評のある」とかなら正しいですが、初役に対して「定評のある」とはこりゃまた参ったね、と)、今回は全幕にもかかわらず、あの時のようにはいかなかったなあ、というのにむしろちょっと驚いたりしたんですよ。弾くんのサポートは、技術面でいうと今の木村さんよかいいかもしれないし、非常にパートナーを大切にして踊るタイプの人なんですが、それでもベテランにはかなわないことってやっぱりあるんだな……。まあ、そこが何度か全幕を通した人と(←とわいえ、一度も本公演では踊ってないのだヽ(`Д´)ノウワァァァン!)、初役の違いはあるんだろうけども。

 ガラの時は2幕初っぱなで、いきなりそこへ「世界」を作り出さないといけなかったんですが、冒頭の一人で踊る部分で、やっぱりまだ固いなあ大丈夫かなあと思った渡辺さんが、木村さんがサポートに入ったとたんにすうっと身体が伸び、その後はもう「世界」の中を自在にいくようで、「バレエ漫画でよくある場面をここで観ようとはΣ( ̄ロ ̄lll)!」と思ったりしたもんです。いや、正直びっくりした。

 もちろん腰を支えられて前に伸びる振りなんかもそうなんですが、何よりも美しいというか、印象に残ったのは前半のアダージョで、軽く腰をリフトされて、両脚を下手から上手へ揺らして降りる(ちなみにザハロワはやらなかったと思う)動きで、「ドナウ」の初演の時に、あれは川底へ降りてから割とすぐのPDDだったと思うんですが、やはり同じような振りで木村さんに支えられた友佳理さんが、まさしく水中をたゆたうようであったのを思い出したりしておりました。

 あとあれですね、最初の方でサポートに入る前、二人で両脇に立ち並ぶウィリたちに赦しを求める振りがありますが、ガラでウィリ達がいなかったために、ジゼルが腕の中をすり抜けて捕まえられない、という、ある意味木村さんの十八番の振りに軽く変更されていて「おおっ!」と思ったり。

 30代の頃の木村さんというのは(といっても前半はまだ観てないんだなあ)、一般敵にいうところの「音楽的」というのとはちょっと違うように思いますが、身体自体がものすごく「歌う」人で、彼自身が「音楽になる」というよりも、身体から「音楽が出てくる」ようなところがあったのですが、それが多分やっぱり「オネーギン」あたりか、実際にはもう少し前からという気もしますが(田中さんがパートナーになった辺りかなあ)、むしろこぼれてくるのは「ドラマ」になって、演技と踊りの境がどんどん無意味になっていくような、そんなように思います。もっとも、見始めた当初(というのは04年なんですが)から、割となんでも一つの物語として構築しがちな人ではありましたし、ダウエル卿の指導がひとつの開眼だったようなことをご本人がインタビューで語っていたような覚えもあるので(とすれば「真夏」の初演なんですが)、しかしそれに慣れてしまうと「きれいに踊る」だけでは物足りなくなってしまうんだよなあ、と。元々ドラマ性が高い物の方が好きだということもあるんでしょうけども。


 

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