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2015/12/26

テクネ

「テクネ」Techně
振付:アクラム・カーン 音楽:アリーズ・スルイター
演奏:プラサップ・ラーマチャンドラ グレイス・サヴェージ アリーズ・スルイター

 「ライフ・イン・プログレス」の予告編の短い映像がNBSのチャンネルにあがってましたが、だいぶ印象が違いました。衣装は同じ、グレイのミニのワンピースだけど、髪は黒のおかっぱウィッグなので、もっと「少女」っぽい感じです。床には月面(多分)が照明で映し出され、中央には白いLED(的な照明)で組み立てられたような1本の樹。後方にパーカッション(インド系)、ボーカルその他、バイオリンその他の3人のミュージシャン。

 最初に見たのは3階からでしたが、なんとなくその樹がサボテンぽく見えて( ̄▽ ̄)。ギエムは上手から、なんていうんだ、うさぎ跳びの時みたいな格好なんだけど、跳ぶんじゃなくて、つま先立ち(ルルベ)になってこちょこちょ歩いてくるんだ、ちょ、こ、ちょ、こ、ちょこちょこちょこちょこ、ちょ、こ、みたいなリズムで。どういう脚なんだ……。
 それがですね、その月面と、サボテンくさい樹(って、全然サボテンぽくないんだけど)、グレイの衣装とで、第一印象がもう「荒野の狼少女」で固定されてしまってですね( ̄▽ ̄)。アリゾナとかそういうとこの。直前に「続荒野の七人」とか見ちゃったのがいけなかったのか。
 それと同時に、その小さくなった歩き方というのが、例えばトーベ・ヤンソンの描くはいむしとかそういう(想像上の)小さな動物を彷彿とさせたりもする。いずれにせよ、強い何かではなくて、もうすこし寄る辺なくて頼りない、けれど人に懐かないなにか。ヴォイパが、ギエム自身が出している声のように聞こえてくる(それだけシンクロしてる)ということもあるのかも。

 上手から出て、ぐるっと月の円周を回り、樹に触れたところから「それ」は始まります。「テクネ」も「バイ」も、基本的には「ひとりあそび」の世界だと思うんですが、「テクネ」そこから最終日に向かって、「儀式」的な印象が強くなっていきました(もちろん「個人の印象」です)。3階→1階上手→4階→1階下手、というふうに見る位置が変わっていったのもあるかもしれません(余談だけど、会員追加枠で取った2日めが、会員枠で取った最終日よりいい席だったという( ̄▽ ̄)。まあ日曜のトリならそうだよな)。「孤独な野生児が木に出会う」という初日の印象はそのままに、「他者との出会い」から「知との出会い」に変わっていったというか。「野性」が「知恵の樹」=「知性」に出会って「ヒト」になるという。最後、ギエムの踊りに呼応したように回転する樹の下にたたずんで、樹を見上げるギエムはもはや地を這いつくばらない。

 しかし、なんやかんやいってもカーン好きなんですよ。今回は出ないのかーと思ってちょっと残念だったけど、でもいい作品だったからそれはそれで。いくつかの振りがリフレインされるけれども、個人的には低い位置からお尻で回転しつつ上体と腕をあげていく振りがすごく好きだったな。それと立って回転するときの、ミニスカートのちょこっとな広がりがすごくかわいい( ̄▽ ̄)。ドキュメンタリーじゃなくて、作品で映像にならないのかなあ(高いだろうけどな)。

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