« 2016年2月 | トップページ | 2016年4月 »

2016/03/27

ハンブルグ「真夏」2幕

 間が開きましたが、2幕です。2幕は「和解」から。アシュトン版だとタイターニアとオベロンの和解のPDDに使われる曲ですが、これを4人のバカップルの「和解」の場面に。
 これがじわじわとよい場面でした。本来的には、ライサンダーとハーミアはともかく、デミトリアスは「魔法」でヘレナとカップルになってるのでそんなにめでたいわけではない(と自分は思う)のですが、リアブコのデミトリアスはそういうことはもう関係ないといいますか、コメディの中から一歩抜けたところでのヘレナへの愛情というのが、すっと差しだした腕などに感じられて、こういうところがリアブコの真骨頂なんだろうなあ、と、しみじみしました。喧噪が終わってみれば、傍にいたヘレナのいじらしさが残った、みたいな感じね。まあヒポリタの部屋まで行くとまたコメディに戻るんだけど( ̄▽ ̄)。

 そしてヒポリタとシーシアスの方の「和解」。ここの場面がいちばん好きだったかなあ。とにかくブシェの美しいことといったらああた! ヤロシェンコはピンチヒッターだけあって、細部にちょっと「うにょ?」なところもなくはなかったですが、個人的にはたいへん好みのダンサーでした。また来ないかな。

 結婚式の場面はもりだくさん。デミトリアス・ペアと仕官たちの踊り、ライサンダー・ペアと庭師たちの踊りは両方アシュトン版だとボトムだなあ( ̄▽ ̄)とか。今回の体調だと、こういうディベルティスマンぽいのはかなり楽しい。最後の「ザ・グランパ」とでもいうべき大団円も含めて。

 で、職人さんたちの劇中劇。これは楽しかったなあ。1幕の「おけいこ」の場面でなんだかわからなかった白い袋を吊してる人は、あれ白いのが「月」で黄色いのが「太陽」なのね( ̄▽ ̄)。黄色いのが出てきて初めてわかったという……orz。RJの劇中劇プロデュースbyマキューシオで、虎ちゃんが書き割りを着て昼になったり夜になったりしてたけど、二人がかりで同じように書き割りを着たりするのも含めて、いたるところに「アレ」の原型をみるような(……って、どっちが先なんだっけ?)。ラストもまああんな話だし。しかし、めでたい結婚式の場で「RJ」的な恋人すれちがい心中話をやっちゃう、っていう、この気のきかなさというかツラの皮の厚さというか、そりゃ典礼官が邪険にするわ( ̄▽ ̄)。
 ライオン役の小柄な人が、1幕からすごくいい動きでしたねえ。あと2幕だったかな? オルガン弾きの人のパーカッションが超絶に忙しくて、プロ呼んできたのか? って思っちゃいました。そっちに目を取られて、忙しかったよう。

 最後は森のオベロンとタイターニアの和解がかぶさるように(そういえばインド人の子どもはいなかったんだな)。1幕で、森でのできごとはヒポリタの夢のような演出があるけども、2幕の始めが森での和解なので、1幕最後にベッドに乗ったヒポリタが出てくるのはおかしいんだよね。だけど最後に森に戻ることで、もしかしたらヒポリタの夢も含めて全部タイターニアの夢だったのかもしれない、というメタメタな構造に。こういうところは「若いなー」と逆に思ったりするわけですが(「上手く」はないです決して)。

 さて、典礼官=パックですが。彼は本当はヒポリタとシーシアス、どちらに恋してたんでしょうね? とケムに巻いて……って、まあそういうわけでもあったようななかったような( ̄ー ̄)ニヤリ。個人的には典礼官の時の方が好きでしたねえ。
 しかし「森の中」がヒポリタの夢だったとすると、ヒポリタの認識してる彼って「頭カラッポでヘマばっかりしやがる無能なシーシアスのペット」なんじゃね? 

| | コメント (0)

2016/03/21

ハンブルグ「真夏」1幕

 そんなわけで、いろいろとサイテーな条件の中でハンブルグの「真夏」最終日を見ました。前回の来日の時も確か修羅場で、一度も行けなかったんだよなあ。せめて1月か4月に来てくれればいいのに(←わがまま)。

 こういうメンタリティの時はコメディはほぼダメなんですよ。シンフォニックバレエかなにかだったらよかったんだけど(それこそ「スプリング〜」みたいなのとか)。技術的にすごいとか、演技が素晴らしいとか、そういうことは「理解」はできるんだけど、それとは別に「今見たいのはこれじゃない」感がずっとあって、1幕は正直きつかったです。もう1ヶ月早いか遅いかだったらもっと楽しめたのになあという、非常に残念な気持ちであったのですが、まあしょうがないわなそんなことは。特にセックス描写の隠喩も含めた露骨さにグッタリしたんだけど(露骨な隠喩ってのも妙なw)、そういう場面に限ってお隣の老紳士が喜んで笑うもんだから余計にくたびれたというか。例えば、森の場面でヘレナがデミトリアスに向かって「ぱーんっ!」って胸出しちゃうのとかもうドン引きだったんだけど、お隣の紳士はたいそうお喜びになったりとか、そういう。魔法にかかった後のライサンダーなんかレイプ魔だったしな……。でもあのライサンダーは、「ヤりたい盛りで頭の中はカラッポのイケメン」という、こうある意味「グラマーな女は頭カラッポ」の対概念みたいな感じを非常によく表現してるよな、とか脳内でフォローしてるんだかしてないんだか。デミトリアスもちょっとカリカチュアライズされすぎだよなあ、とかまあこの辺は「若書き」だなあと思うところなんだけども。

 妖精に関しては、まあ70年代だな、と。古びてるわけではないけど、なんだろう。あれを見て「宇宙人的な」とか「サイバー的な」と思うこちらの感覚が多分に円谷に感化されてるのであって、欧米の「円谷的なもの」の受容史なんて知ったこっちゃないんですが、あれ遡るとどうなるんだろうみたいなことが気になったり。むしろ「グリゴロ的」なラインを感じるべきでは? と思わなくもないんだけど。まあそれはそれとして、いわゆる「妖精さん」でないのはノイマイヤーらしい気もしていいし、妖精のみの場面は面白いけれども、4人の人間と混ざる場面では人数が多すぎてちょっとうるさい感じ。あれ、人間の方がスローモーになるのは、妖精が早く動いているから相対的にゆっくりになるので、要は加速装置の逆なんですよね、多分。

 ええと、あちこち芸が細かくて見るのが大変だったんですが、なんやかんやいいながらもアッツォーニのヘレナがとてもよかったです。ヒポリタの部屋の場面でもいろいろよかったんですが、森で4人鉢合わせして、男二人にかつがれてハーミアを見下ろす場面、本来は仲がいいはずなのにモテモテのハーミアにはコンプレックスを持ってて、それが逆転していい気になって、内心「ざまあ」って思ってるような、ああいうところは本当にいいな。

 というわけで、どうしよう……と思った1幕でしたが、2幕はうってかわってといいますか、すごくよかったです! 多分、コメディ要素(特に段取り的な)が減ったのと、アシュトン版にはない場面ばかりだったのと、まあいろいろあるとは思うんですが、自分でもびっくりするくらい、楽しく見ました。その話はまた。

| | コメント (0)

2016/03/20

まあグチですが。

 3月に1本しかエントリを上げてなかったという驚愕の事態Σ( ̄ロ ̄lll)。
 ツイッターの方にグチは垂れ流してますが、会社の方が完全な非常事態になってまして。まあ要は沈みかけた船から鼠が逃げ出していくように人が引く中で持ち場を死守せよみたいな状況です。ぢぶんはといえば、上半期の総括面接のときの課長の言に寄れば、上半期に「時間当たりのデータ登録件数」で社内記録を更新したりしてたらしいんですが、ここ3ヶ月、それを完璧に上回るペースでしごとしてるにもかかわらず、まるで追いつかないというオソロシサ……。オレだって、手は2本しかないし、頭なんて1コあるかどうかもわかんないんだよヽ(`Д´)ノウワァァァン!

 つことで、肉体的にも精神的にもぐっちゃんぐっちゃんの廃人状態。この状態でハンブルグバレエ、「リリオム」は絶対無理(←元になったミュージカルの映画版が大キライ)、へいじつのガラなにそれたべられるの、というわけで、楽日の「真夏」だけ見ました。それでもかなりツラかったです。精神的な不寛容さもさりながら、主症状が肩こりと疲れ目なので、帰宅した日曜の夜からげえげえ戻して、水分だろうが何だろうが入れれば入れるだけ上から出す、寝てる暇なし、からの月曜も定時出勤、さすがに定時でずらかって(←サブロク協定があるのでどうせ毎日は残業できないけど、残業しないと翌日が地獄w)、遠絡治療を受けたらだいぶしのげたものの、まだ相当肉体的にキツイ……。

 ま、そんな感じなんですが、明日はそのキツかったハンブルグの「真夏」について書こうかと思います。
京都の写真とか、白鳥とか、いろいろあきらめてはいないんですのよ。

Ca3k1972

 こちらは東福寺からすぐの芬陀院(ふんだいん)にて。雪舟庭(復元)があるとて、初めて入りました。こぢんまりとしてますが、ある意味オーソドックスな、いいお庭(とお寺)です。

| | コメント (0)

2016/03/06

新版白鳥 ろ

 3月も1週経っちゃいましたけど、困ったことにここのところで、ずっとお世話になってた素材のサイトさんがばたばたばたっといくつも閉鎖されてしまいまして。更新しなくてもいいから置いておいてくれればいいのにー、と思いつつ、ついにニフティも9月にHPサービスを終了する旨の連絡があったので、まあそういうことなんだろうなあ……と。しかし困ったな。いろいろと。

 ええと、ブルメイステル版でしたね。パリオペやスカラ座でのは見ていないのですが、去年のダンチェンコとほぼ同じ演出だったと思います。まあ「初演に戻す」っていうのだからそうなって当然なんですが。

 序曲の割と早いうちに幕が開いて、すとんとしたドレス姿のオデットが花を摘みながらやってきて、岩の上の方にある花を採ろうとするが手が届かない(水香ちゃんは届きそうだったよ( ̄▽ ̄))。で、岩を登ってその花を摘んだところでロットバルトの魔の手(魔の羽根)にかかって白鳥にされてしまうという。初日(東京)と最終日(西宮)のロットバルトが木村さんでしたが、西宮の方、それまで気づかなかったんですが羽根(いわゆるジュディ・オング型)がロットバルトの定位置の辺りに重ねて置かれておりまして。ああ、昼寝の途中だったんだな、途中で羽根「びくっ」とかなってたし(←ジャーキングというそうです)、寝入りばなに起こされたらそりゃ怒るよな……( ̄▽ ̄)、というお話だったらしいですよ。ほんとか。

 というプロローグがありまして。実は岩の上の花はロットバルトの鼻毛だったとか、いろんなことも考えてみたんですが、多分そんなことはないです。普通に、「自分のテリトリーに入ってきたのでむかついた」とか、そういうことだと思います。鳥類のテリトリー争いって結構キツイですし。
 ロットバルトから見れば、この版のオデットも、あるいはもっと一般的な版も含めてのジークフリートも、自分のテリトリーへの闖入者なんですよね。そら、排除もするしたたきつぶしもするわけです。今回の木村さんもそんなでしたが、すでに伝説となりつつある( ̄▽ ̄)弾くんのロットバルト初役の時がまさにそういう感じで、「僕が創った世界をだめにしたなあああああヽ(`Д´)ノウワァァァン」という「子どもの全能者」……今思うとラノベの悪役っぽいな……っぷりでしたね。

 でもまあ、昼寝の邪魔をされた悪魔のいやがらせ、でもいいような気はします。理にはかなってるし。

| | コメント (0)

« 2016年2月 | トップページ | 2016年4月 »