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2016/03/21

ハンブルグ「真夏」1幕

 そんなわけで、いろいろとサイテーな条件の中でハンブルグの「真夏」最終日を見ました。前回の来日の時も確か修羅場で、一度も行けなかったんだよなあ。せめて1月か4月に来てくれればいいのに(←わがまま)。

 こういうメンタリティの時はコメディはほぼダメなんですよ。シンフォニックバレエかなにかだったらよかったんだけど(それこそ「スプリング〜」みたいなのとか)。技術的にすごいとか、演技が素晴らしいとか、そういうことは「理解」はできるんだけど、それとは別に「今見たいのはこれじゃない」感がずっとあって、1幕は正直きつかったです。もう1ヶ月早いか遅いかだったらもっと楽しめたのになあという、非常に残念な気持ちであったのですが、まあしょうがないわなそんなことは。特にセックス描写の隠喩も含めた露骨さにグッタリしたんだけど(露骨な隠喩ってのも妙なw)、そういう場面に限ってお隣の老紳士が喜んで笑うもんだから余計にくたびれたというか。例えば、森の場面でヘレナがデミトリアスに向かって「ぱーんっ!」って胸出しちゃうのとかもうドン引きだったんだけど、お隣の紳士はたいそうお喜びになったりとか、そういう。魔法にかかった後のライサンダーなんかレイプ魔だったしな……。でもあのライサンダーは、「ヤりたい盛りで頭の中はカラッポのイケメン」という、こうある意味「グラマーな女は頭カラッポ」の対概念みたいな感じを非常によく表現してるよな、とか脳内でフォローしてるんだかしてないんだか。デミトリアスもちょっとカリカチュアライズされすぎだよなあ、とかまあこの辺は「若書き」だなあと思うところなんだけども。

 妖精に関しては、まあ70年代だな、と。古びてるわけではないけど、なんだろう。あれを見て「宇宙人的な」とか「サイバー的な」と思うこちらの感覚が多分に円谷に感化されてるのであって、欧米の「円谷的なもの」の受容史なんて知ったこっちゃないんですが、あれ遡るとどうなるんだろうみたいなことが気になったり。むしろ「グリゴロ的」なラインを感じるべきでは? と思わなくもないんだけど。まあそれはそれとして、いわゆる「妖精さん」でないのはノイマイヤーらしい気もしていいし、妖精のみの場面は面白いけれども、4人の人間と混ざる場面では人数が多すぎてちょっとうるさい感じ。あれ、人間の方がスローモーになるのは、妖精が早く動いているから相対的にゆっくりになるので、要は加速装置の逆なんですよね、多分。

 ええと、あちこち芸が細かくて見るのが大変だったんですが、なんやかんやいいながらもアッツォーニのヘレナがとてもよかったです。ヒポリタの部屋の場面でもいろいろよかったんですが、森で4人鉢合わせして、男二人にかつがれてハーミアを見下ろす場面、本来は仲がいいはずなのにモテモテのハーミアにはコンプレックスを持ってて、それが逆転していい気になって、内心「ざまあ」って思ってるような、ああいうところは本当にいいな。

 というわけで、どうしよう……と思った1幕でしたが、2幕はうってかわってといいますか、すごくよかったです! 多分、コメディ要素(特に段取り的な)が減ったのと、アシュトン版にはない場面ばかりだったのと、まあいろいろあるとは思うんですが、自分でもびっくりするくらい、楽しく見ました。その話はまた。

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