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2018/08/15

バレエフェスAプロ後半

「カルメン」
タマラ・ロホ イサック・エルナンデス

 実は今日いちばんの「がっかり」がこれ。ロホのカルメンなんていいに決まってるし、実際よかったし、エルナンデスも良いダンサーなんだけど、ホセのソロの振りが自分の中の「アロンソ版カルメン」と全然違っていて、自分の好きな振りが全然なかったヽ(`Д´)ノウワァァァン! 全体主義の歯車だったホセが内側からの衝動で破滅していく前哨戦がまるでなくって、ただの恋するにーちゃんだったよ! いや、それならそれでエルナンデスにもあってるし、踊りもよかったんだけど、心構えがなかったから、見てる間中「ちがーう!」だったよぅ……orz。そいえば、スペイン人の踊るカルメンは初めてかもなあ(フラメンコ混ざりのを別にすれば)。フランス人原作でフランス人が作曲してソ連のダンサーの委嘱と編曲でキューバ人が振り付けてるからなあ。

「ルナ」 モーリス・ベジャール/ヨハン・セバスチャン・バッハ
エリザベット・ロス

 「非古典バレエ」についてはいろんな言い方があると思うけど、ベジャールは「古典」を基礎にしているとはいえ「古典」ではなく、さりとて「コンテンポラリー」でもなくて、やはり「モダン」なんだな、となんだか当たり前なことをしみじみと思ったり。前に十市さんが、「ベジャールの1番、ベジャールの2番」(クラシックのポジションに対応するものとして)という提起をしていたけども、そういう「ベジャールのポジション」にすっすっと身体が無理なく入っていくのがやはりロスの美しさ。ストーリーでなく、踊りだけでちょっと涙ぐんでしまったりして。ロスの踊りはどこか母性を感じさせるところがあるせいか、ちょっと「海上の月」的なものを感じたりも。まあ衣装も白タイツだしな……。背中の開きが月っぽい感じもなくはないけど、フィギュアスケートの衣装もよくあんな感じに開いてるから、あれはやっぱり動きやすさのためなんだろうか。

「アンナ・カレーニナ」
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ

 長いテーブルを使った、大人の男女のちょっと洒落た恋の場面。って何の演目だったかな、……ああ、蒸気機関車のおもちゃだそういえば演目表にアンナカレ…………ゆううごおおおおお(ノ゚ο゚)ノミ(ノ _ _)ノ !! ……っというわけで、その後は山下くんしか覚えておりません( ̄▽ ̄)。ちょっと大きい子役さんだったけど、いつも通りよく動いてました。そういえばハンブルグ出身のブラウもおるやん、って思ったけどそりゃ巨大な子役さんだわっていうか不倫相手が2人だろそれじゃw。まあでもノイマイヤーのは大概、全幕で見たいですよね。

「タランテラ」
アシュレイ・ボーダー レオニード・サラファーノフ

 本家のボーダーと、正しいんだか正しくないんだかよくわからないサラファーノフが妙にマッチして楽しい楽しい。サラファーノフは基本優等生イメージなんだけど、時々よくわからないはっちゃけ方をすることがあって、今回は「楽しく盛り上げてやるぜ〜、細けえことはいいんだよ!」な、でこっぱちっぷりっが頼れるアニキっぽくて自分的にたいへん盛り上がりました( ̄▽ ̄)。楽しかった〜。

「アフター・ザ・レイン」 クリストファー・ウィールドン/アルヴォ・ペルト
アレッサンドラ・フェリ マルセロ・ゴメス

 話はよくわからなかったし、なかったのかもしれないけど、なめらかなながれるようなムーブメントがすごく気持ちよくて、ベテランというのはベテランだけのことがあるもんなんだなあとしみじみ。

「ドン・ジュアン」 ジョン・ノイマイヤー/クリストフ・ウィリバルド・グルック、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ

 これも話は良くわからないんですが、リアブコにとってアッツォーニはファム・ファタールなんだなあ、という気が。アッツォーニって、すごいファニーフェイスに見えるときも、すごい美人に見えるときもあって、やっぱり「役者」なんだな。休憩の後の幕開けでこれだけ「すっ」と神秘的な世界を創り上げてしまうのは二人の本領だねえ。

「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」【世界初演】 リアム・スカーレット
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

 コボーが剃髪しているせいもあって、なんか「ソロルがいなくてニキヤが自分を愛してくれたという大僧正の妄想大会」みたくなりましたけど( ̄▽ ̄)というか、一瞬むしろ「ギレイ汗か?」と思っちゃったり、いろいろこちらの妄想がウロウロした。剃髪してる(スカーフ巻いてない)うえにコボーの恰幅がそこそこよくなってきたので奴隷に見えないし、つか剃髪してるならもっと高位だろ! みたいなこともあって、「後宮にきたばかりではしゃぐゾベイダとぞっこんラブラブな王」からさらに「千一夜を語り終えて、人の心と愛を取り戻した王と王を愛するようになったシェヘラザード」という妄想に落ち着きました。好みでいえば後者で、何しろタイトルが「シェエラザードPDD」なんだから、王とシェヘラザードでいいじゃん、というか。二人がどんどん幸せになっていくので後者のような感じもするんだけど、コジョカルがいい具合に(控えめに)コボーを煽るところもあってだったら前者でもいいじゃーん、だったり。いいじゃないの、幸せならば。ま、そういう「妄想のための余白」があるのが非言語芸術のよいところなわけだし。コボーと踊る時のコジョカルはやっぱり特別なので、もうこういう機会でしか観られないなら自分は観たいなあ、と思うんですけどね。
 まあ、普通に考えて「シェエラザードの音楽を使ったイメージ映像」みたいなもので、プログラムにも記載がないくらいギリギリ決まった初演の演目なんで、凝った衣装が間に合わなくてゴメン、くらいが正解なような気もします。そしてコボーの剃髪については、「コボー剃った?ズラ?……あっ(そもそも以前が(それ以上イクナイ)……

「ヘルマン・シュメルマン」  ウィリアム・フォーサイス/トム・ウィレムス
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

 もはや衣装以外はほとんど覚えがない( ̄▽ ̄)。フォーゲルはもうおっきなわんわんではないんだなあ、という感慨がひとつ。ポリーナはずいぶん久しぶりだったけど、もう言われないとわかんなくなっちゃったなあ、というのがもうひとつ。でも二人のパートナーシップは相変わらずよい感じだったし、またこの二人で何か見たいな、と思ったり。

「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
ドロテ・ジルベール マチュー・ガニオ

 久しぶりに見たのもあるし、個人的にそんなに好きな場面でないのもあるんだけど、こんなに短い演目だったかいのう、という気が。なんかこう、自分が乗る前に終わっちゃった、みたいな。

「ドン・キホーテ」
ミリアム・ウルド=ブラーム マチアス・エイマン

 全幕の時は東バ仕様の衣装でワシリーエフ版(スタンダード的な)で踊ってくれた二人でしたが、今回は自前のヌレエフ衣装でヌレエフ版。ヌレエフでは(よくルグリなどの写真である)バジルが横向きで(キトリに背を向けて)前に腕を出しているあのポーズが好きなので、エイマンであれを見られたのは嬉しい。しかし二人ともそんなに調子がよさそうな感じでもなかったけど、どうかな……。

 そして、フィナーレに眠りのアポテオーズが使われるのは、人数によっていくらでも長さが調整できるからだろうか……と言わずもがななことを(毎度ながら)思ったといいます( ̄▽ ̄)。

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
チェロ:伊藤悠貴(「瀕死の白鳥」) ピアノ:原久美子(「瀕死の白鳥」、「タランテラ」)

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